皮膚に存在するランゲルハンス細胞は、免疫システムで重要な役割を担う樹状細胞の一種です。
より詳しく言うと、「皮膚の表皮に特化して存在している樹状細胞」と理解すると分かりやすいでしょう。
ランゲルハンス細胞の役割
ランゲルハンス細胞は、皮膚のバリア機能の最前線で活躍する重要な免疫細胞です。主な役割は以下の通りです。
- 監視役: 皮膚の細胞の間に網の目のように突起を伸ばし、外部から侵入してくるウイルスや細菌、化学物質といった異物(抗原)を常に監視しています。
- 情報の伝達役(抗原提示): 異物を発見すると、それを取り込んで分解し、その断片を「抗原」としてリンパ節へ移動します。そこで、リンパ球の一種であるT細胞に「こんな敵が侵入してきた」という情報を伝え、本格的な免疫反応の開始を指示します。
この働きから、ランゲルハンス細胞は免疫システム全体の「司令塔」のような役割を果たしていると言えます。
「樹状細胞」とは?
樹状細胞は、その名の通り、木の枝のような突起(樹状突起)を持つ細胞で、体中の様々な場所に存在しています。存在する場所によって、以下のように呼び名が変わることがあります。
- 表皮:ランゲルハンス細胞
- リンパ管:ベール細胞
- 粘膜下組織など:間質樹状細胞
どの樹状細胞も、基本的には異物の情報をT細胞に伝える「抗原提示細胞」として機能します。
ただし、近年の研究では、ランゲルハンス細胞は他の多くの樹状細胞とは異なり、胎児の時期に皮膚に定着したあと、骨髄から新たに入れ替わることがほとんどないという、その起源に特徴があることも分かってきています。
結論として、ランゲルハンス細胞はまぎれもなく樹状細胞の仲間であり、特に皮膚の免疫を担う重要な細胞です。
(Gemini 2.5 Pro)