ツールキット遺伝子とは?発生で繰り返し使われる、道具箱に入ったおなじみの遺伝子

発生学の勉強をしていると、何をつくるにもいつもシグナルはFGF, BMP, WNT, SHHだったりします。繰り返し繰り返しマンネリのように登場するこれらの遺伝子は、「ツールキット遺伝子」と呼ばれることがあるようです。

繰り返し使われる遺伝子はツールキット(道具箱)とよばれ,その多くはシグナル経路に関わる分子や転写因子などをコードする遺伝子である.限られた遺伝子がなぜ多様性を生み出すのかというと,同じ遺伝子でも使われる時期,場所,コンテクスト(それまでの細胞の歴史を反映したもの)などの違いにより,異なる結果が生じると考えられるからである.まさに大工さんの道具箱のイメージであるが,この大事な道具の使い方について,消化器系も含め,まだ断片的な情報しか得られていないのが現状である.

消化器系の進化と発生のメカニズム 岡敦子 著 · 2015 日医大医会誌 2015; 11(3)

何をするにも必要不可欠な工具のイメージですね。

  1. https://www.weblio.jp/content/ツールキット遺伝子
  2. True J. R. and Carroll S. B. (2002) Gene co-option in physiological and morphological
    evolution. Ann. Rev. Cell Dev. Biol. 18:53-80 https://www.researchgate.net/publication/11240343_Gene_Co-Option_in_Physiological_and_Morphological_Evolution