臨床医が臨床研究を始めるスタートは、クリニカル・クエスチョンを抱くことです。
クリニカル・クエスチョンをどうやって見つけるか
臨床医が患者を前にして抱いた「診療上の疑問」のことをクリニカル・クエスチョンと呼びます。
目の前の患者に本当に必要な(検査)治療は何なのか、それがクリニカルクエスチョンです。その他にも、通常通り診療をしていて、予想と違う検査結果、意外な治療効果が見られた例、行った治療が予想と反し無効だった症例はないでしょうか。どうしてこんな結果が出たのか?どうしてこんな効果が見られたのか、見られなかったのか?それもクリニカルクエスチョンです。診察、検査、などで患者に向き合う時間が多ければ多いほど、また注意深く結果を観察すればするほど、このような状況に出会う機会も増えます。(48ページ 臨床研究アウトプット術 中外医学社 2020年)
研究のネタを見つける一つの方法は、診療ガイドラインを読んで、エビデンスの有無や信頼性の強さを知ることです。
「clinical questions」に対するanswersには、まだevidenceが全然ないもの、evidenceはあるがまだその根拠が弱いもの、なども多い。そして、十分なevidenceがない分野こそ、「臨床研究の課題」となり得る。(119ページ 臨床研究テーマの選び方 臨床研究と論文作成のコツ 東京医学社 2011年)
クリニカルクエスチョンが浮かんだら、次にやるべきはそのクエスチョンに対する答えがすでに世の中にあるかどうかを知ることです。そのため、先行研究を検索することになります。
記事 ⇒ 先行研究を調べる方法