はい、通常の血液検査でも腎機能をある程度評価できます。
代表的なのがご質問の クレアチニン(Cr) と、そこから計算される 推算糸球体濾過量(eGFR) です。
1. クレアチニン(Creatinine)
- 何を見ているか:筋肉の代謝産物で、腎臓(糸球体)からほぼ全てが排泄されます。
- 意味:血中クレアチニン値が高い=腎臓が老廃物を十分に排泄できていない可能性。
- 注意点:
- 筋肉量の多い人はもともと高めになる(逆に高齢者ややせ型は低めに出やすい)。
- ある程度腎機能が低下するまで数値に変化が出にくい。
2. eGFR(estimated Glomerular Filtration Rate)
- 何を見ているか:血清クレアチニン値・年齢・性別などから計算した腎臓のろ過能力(糸球体濾過量)。
- 単位:mL/min/1.73㎡(体表面積あたりの1分間のろ過量)
- 目安:
- 90以上:正常
- 60〜89:軽度低下(高齢では正常範囲のことも)
- 30〜59:中等度低下
- 15〜29:高度低下
- 15未満:腎不全(透析導入の目安)
3. 他の腎機能関連項目(血液検査)
- BUN(血中尿素窒素):腎臓で排泄される老廃物の一つ。脱水や高蛋白食でも上がるため単独では判定しにくい。
- 電解質(Na, K, Cl):腎機能障害があるとバランスが崩れることがある。
- 尿酸:腎臓から排泄されるため、腎機能低下で上昇することも。
4. 限界
- 血液検査だけでは腎臓の初期の軽い障害は見逃すことがあります。
- そのため**尿検査(尿タンパク、尿沈渣)**と合わせて評価するのが基本です。
- 腎疾患ガイドラインでも「血液検査+尿検査」での総合判断が推奨されています。
(ChatGPT 5)
クレアチニン(creatinine)とクレアチン(creatine)は、名前が似ていますが、筋肉での代謝の流れの中でつながっている別の物質です。
1. クレアチン(Creatine)
- 役割:筋肉でのエネルギー供給に関与
- クレアチンはリン酸と結合して クレアチンリン酸(phosphocreatine) になります。
- これがATPを再生する“即効型エネルギー貯蔵庫”として働きます。
- 由来:肝臓や腎臓でアミノ酸(アルギニン・グリシン・メチオニン)から合成され、血液を通じて筋肉へ運ばれます。
2. クレアチニン(Creatinine)
- 役割:ほぼ「役割のない老廃物」
- 筋肉内でクレアチンやクレアチンリン酸が自然分解されてできる最終産物。
- 体内で再利用されず、腎臓から尿中に排泄されます。
- 特徴:
- 生成量は主に筋肉量に比例してほぼ一定。
- 腎臓のろ過機能が低下すると血中濃度が上昇。
3. 関係のまとめ(流れ図)
アミノ酸(Arg, Gly, Met)
↓ 肝臓・腎臓で合成
クレアチン(Creatine)
↓ 筋肉でリン酸化
クレアチンリン酸(Phosphocreatine)
↓ 自然分解
クレアチニン(Creatinine)
↓ 腎臓で排泄
尿
つまり、
- クレアチン=筋肉のエネルギー源
- クレアチニン=その使い終わった後の“燃えカス”
で、腎機能検査で使うのは後者のクレアチニンです。
(ChatGPT 5)