前向きコホート研究の例

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フラミンガム研究

研究デザインの教科書に必ず紹介されているのが、フラミンガム研究。心血管病の原因(危険因子)を探る目的で実施されたそう。フラミンガム研究によって、喫煙,年齢,高コレステロール,高齢,高血圧などが危険因子として同定された。この研究の「コホート」は何だったかというと、1948年にマサチューセッツ州フラミンガム町で無作為に選ばれ参加に同意した30~62歳の住民5209人。彼らが「前向き」に追跡されて、2年ごとにフォローアップ検診として病歴聴取,身体所見,胸部X線,心電図,各種血液生化学検査が実施された。

  1. フラミンガム心臓研究 コホート研究の開始
  2. 循環器トライアルデータベース Framingham Heart Study

喫煙と肺癌の関連

喫煙と肺癌の関連を最初に疫学的に明らかにしたのは、英国の医師を対象としたコホート研究。

  1. https://scienceshift.jp/epidemiology/#heading3-4

the Rotterdam Study

喫煙が認知症やアルツハイマー病のリスク因子になるかどうかを検証した前向きコホート研究。

  1. Lancet . 1998 Jun 20;351(9119):1840-3. doi: 10.1016/s0140-6736(97)07541-7. Smoking and risk of dementia and Alzheimer’s disease in a population-based cohort study: the Rotterdam Study
  2. 紹介スライド

久山町研究

大規模認知症コホート研究 JPSC-AD

  1. JPSC-AD

JACC Study

JACC Studyと呼ばれるこの研究は、文部科学省(当時文部省)の科学研究費の助成を受け、青木國雄名古屋大学教授(当時)を中心に、多施設が協力して開始されました。このコホート研究は、約12万人の一般の方々の協力を得て、最近の日本人の生活習慣ががんとどのように関連しているかを明らかにすることを目的としています。(JACC Studyとは

多施設ぜん息コホート

目的:多施設ぜん息コホートにおけるバイオマーカーを含めた包括的な患者背景情報を活用し、組み入れ後の増悪情報を収集し、患者背景との関連を検討することで、増悪に関連する因子を同定しようとするもの

コホート:18 歳以上の成人ぜん息患者 654 名

ベースライン臨床情報:

  • 患者背景 (年齢, 性別, BMI, 喫煙歴, 発症経過, 発症年齢, 罹患年数,家族歴, ペット飼育歴, 病型 (アトピー/非アトピー))
  • 併存症 (胃食道逆流症, アレルギー性鼻炎, 副鼻腔炎, COPD, NSAIDs 過敏症, 精神疾患)、
  • 治療内容 (治療ステップ, 吸入/経口ステロイド量, 気管支拡張薬, 抗 IgE 抗体)、
  • コントロール状態 (ぜん息コントロールテスト, 治療下での重症度)、
  • 呼吸機能 (スパイロメトリー, 強制オシレーション法)、
  • 気道炎症 (呼気一酸化窒素濃度, 末梢血好酸球数・比率, 血清ペリオスチン値, 血清 TGF-β 値)、
  • アトピー素因 (血清総IgE 値, ハウスダスト・ヤケヒョウヒダニ・スギ特異的 IgE)

統計学的解析:

  • 2群間比較:増悪の有無で 2 群に分類し、2 群間で上記のベースライン臨床情報を比較し、増悪と関連する因子を抽出する。さらに、入院または救急受診の有無の 2 群間でもベースライン臨床情報を比較する。2 群間の比較は、t検定またはカイ二乗検定で行い、
  • 単変量解析:(2 群間の比較で)有意差を認めた項目については、ロジスティック回帰分析で単変量解析を行う。
  • 多変量解析に単変量解析で有意差を認めた項目から指標を選択し、多変量解析を行う。最終的に、増悪予測式と入院または救急受診予測式を作成する。 

気管支ぜん息の動向等に関する調査研究 ①気管支ぜん息患者の長期経過及び変動要因 バイオマーカーを含めたぜん息増悪因子の同定と層別化指導指針の策定 -多施設ぜん息コホートの検討から研究代表者:長 瀬 洋 之 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/investigate/pdf/29-3-1-2_01.pdf

揚げものの摂取と冠動脈疾患リスク

  1. 揚げものの摂取と冠動脈疾患リスク Guallar-Castillón P, et al. Consumption of fried foods and risk of coronary heart disease: Spanish cohort of the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition study. BMJ. 2012; 344: e363.
  2. 循環器疫学サイト [疫学レクチャー] 第1回のお題: 疫学研究で「調整のしすぎ」ということはありませんか?

疫学研究で因果関係がいえるのかについて

  1. 因果関係 疫学の「考え方」

交絡の調整

  1. 交 絡 EBMのための臨床疫学入門講座

参考

  1. 出生前コホート研究マニュアル https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/birthcohort/data/part1.pdf コホート研究全般に関する解説も詳細かつ実にわかりやすい。
  2. 日本の大規模コホート研究(日本疫学会)
  3. EBM実践のための医学文献評価選定マニュアル
  4. 疫学コア 症例対照研究 https://ocw.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2010/04/2010_ekigakukoa.pdf
  5. http://www.imed3.med.osaka-u.ac.jp/c-research/c-research01.html
  6. 第3回日本栄養改善学会「実践栄養学研究集中セミナー」 2008.1.12.名古屋 最終版資料 栄養疫学の基礎① デザインと解析 国立保健医療科学院 技術評価部 横山徹爾 https://www.niph.go.jp/soshiki/gijutsu/staffs/yokoyama/etc/kaizen2008jan.pdf
  7. 勤労者における抑うつ状態と体力との関連の縦断的研究 第58巻第 4 号「厚生の指標」2011年 4 月 https://www.hws-kyokai.or.jp/images/ronbun/all/201104-3.pdf
  8. ーエビデンスを評価するための観察研究の基礎知識と2大テーマ検証への応用ー  コホートをまず決めてから、暴露因子の有無で分けている図を示していて、理解しやすい。
  9. あなたもデータに騙されています 観察研究 日本臨床麻酔学会第35回大会特別企画
  10. 薬剤疫学研究入門 そのデザインと解析 -製薬企業の臨床開発部門で働く生物統計家のために- 平成 22 年 10 月 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 統計・DM 部会

 

 

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