心臓の構造と機能、分子メカニズムなど

心臓の構造

ポンプとして血液を送り出すのが「心室」、血液が入ってくるとこが「房室」。全身に送り出すのは「左心室」。房室から心室へとつながっている。これだけおさえておけば、左心室から血液を全身におくり、右心房に全身から戻ってきて、右心室から肺に送られ、肺から左心房に戻ってきて、左心室に入って再び全身へという流れが、記憶に頼らずともつくれます。

全身→右心房→右心室→肺→左心房→左心室→全身

  1. 心臓ってどんな臓器 東豊中動物病院 大阪府豊中市東豊中町

 

心臓の弁の名称

左心房から大動脈がでているので、逆流を防ぐのが大動脈弁 aortic valve。右心室から肺へむかう肺動脈があるので、逆流を防ぐのが肺動脈弁 pulmonary valve。左心房から左心室へ向かう血流の逆流を防ぐのが、「僧帽弁 mitral valve」。これは覚えておくしかない。そして、4つめの弁ですが、右心房から右心室へ向かう血流の逆流を防ぐのが「三尖弁 tricuspid valve」。これも覚えておくしかありません。全身に血液を送る左心室が、主役級なので僧帽弁は耳にすることが多いです。それに対して、三尖弁はちょっと地味な存在。

The tricuspid valve is often referred to as the “forgotten” valve, as historically, surgeons have been loath to intervene for a variety of reasons. https://www.jtcvs.org/article/S0022-5223(20)31258-7/

 

心臓におけるcAMPの働き

アドレナリンやノルアドレナリンはβ1受容体に結合し、GプロテインGsを活性化して、アデニル酸シクラーゼ(adenylate cyclase; AC)を活性化し、細胞内cAMP濃度を上昇させる。cAMPはプロテインキナーゼA(PKA)を活性化し、PKAは細胞膜上のL型カルシウムチャンネルを開口させる。細胞外から流入したカルシウムイオンはさらに心筋小胞体(sarcoplasmic reticulum;SR)の膜上にあるリアノジン受容体を活性化して心筋小胞体からカルシウムイオンを放出させる。このような細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が、心筋細胞の収縮性を高める。

These and other intracellular events increase inotropy (muscle contractility), chronotropy (heart rate), dromotropy (velocity of electrical conduction) and lusitropy (relaxation rate). https://www.cvphysiology.com/Blood%20Pressure/BP011a

  1. Cardiac Signal Transduction Mechanisms (G-Protein-Linked) https://www.cvphysiology.com/Blood%20Pressure/BP011a