がん遺伝子とは

がんの原因は、細胞が無節操に増殖してしまうことにあります。つまり、細胞増殖の制御を司るタンパク質がもしDNAの変異により常時活性型になったりすると、常に細胞増殖シグナルが出続けてがんになってしまうというのが、発がんの一つのシナリオです。

がん遺伝子ras

がん遺伝子とは、変異したときにがん化を促進するような遺伝子のことで、代表的なものにrasがあります。rasには3種類あり、k-ras, h-ras, n-rasの3つの遺伝子があります。

  1. Drugging the undruggable Ras: mission possible? 2014
  2. 16 APRIL 2015 がん遺伝子産物Rasへの再挑戦  発がんに大きく関わるRasタンパク質。これを標的とする治療薬は、30年に及ぶ探求にもかかわらずまだ見つかっていない。
  3. 最多の発がん遺伝子を標的とした治療応用に期待 RAS遺伝子変異による発がんに関わる新たなメカニズムとその弱点を発見し核酸医薬による新規治療を提唱ーNature誌に論文発表ー2022月3月3日国立研究開発法人国立がん研究センター 2021年に初めて米国で、日本では2022年に一部のKRAS遺伝子変異(KRAS G12C変異:コドン12番目のグリシン[G]がシステイン[C]に変わる)のあるがんの増殖を特異的に阻害する画期的な薬が承認されました。
  4. RAS遺伝子変異(KRAS及びNRAS) 中外製薬 KRAS遺伝子の変異は膵がんの95%以上に確認されるほか、大腸がん、肺がん、多発性骨髄腫、子宮体がんなどでも多く確認されます。NRAS遺伝子の変異は、悪性黒色腫や多発性骨髄腫で多く確認されています。
  5. 遺伝子変異に合わせたがん治療とは ー 代表的な遺伝子変異 RAS遺伝子変異とは 中外製薬
  6. Targeting the Mitogen-Activated Protein Kinase RAS-RAF Signaling Pathway in Cancer Therapy 2012年 In normal quiescent cells, Ras is bound to GDP and is inactive (“off” state), while upon extracellular stimuli, Ras bind to GTP (“on” state), which has an extra phosphate group than GDP.