細胞内情報伝達機構

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人間が他の人間とコミュニケーションをとるのと同様に、細胞も他の細胞とコミュニケーションをとっています。その仕組みとして、一方の細胞が「シグナル伝達物質」を出して、相手の細胞がそのシグナルを「受容体」によって受け取り、さらに細胞内へとそのメッセージを伝えて、受けて側の細胞の挙動が変化するという仕組みがあります。挙動の変化の具体例としては、代謝の変化であったり、遺伝子発現の変化であったり、細胞の形や動きの変化であったりします。

受容体と結合する分子のことはリガンドと呼ばれるため、シグナル伝達物質は受容体に対するリガンドとして働くと言えます。シグナル伝達物質には大別すると水溶性のものと脂溶性のものとがあります。

水溶性のものとしては、タンパク質、ペプチドホルモン、神経伝達物質、サイトカインなどがあります。これらは、水にとけて油にはとけないため、「油」である細胞膜を通過できません。そのため、細胞膜上にある受容体のタンパク質と結合することにより、その情報が内部へと伝わることになります。

脂溶性のものとしては、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、ビタミンDなどがあります。脂溶性なので、脂質でできている細胞膜や核膜を通過することができます。

リガンドが水溶性か脂溶性かをなぜ考えるのかというと、それによって受容体が細胞のどこに存在しうるかが決まるからです。hbjj

水溶性リガンド→細胞膜を通過できないので、受容体は細胞膜表面にないといけない

脂溶性リガンド→細胞膜を通過できるので、細胞質中に受容体があるか、もしくは、さらに核膜も通過可能なので、核内に受容体があってもいい。

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