論文シェアとは?論文シェアを解釈する際の注意点

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研究力分析において出版された論文数のグラフを良く見かけますが、よくよくみると論文の数という生データではなくて、「論文シェア」のグラフであることが多いことに気づきました。生データだと基本的に増加傾向にあるため、相対的な変化が見にくくなるからだと思います。

ここでの論文数シェアとは、日本の国公私立大学の全論文数(分数カウント法)に占めるシェアを意味する。第1グループの上位4大学の論文数シェアは4.5%以上を占めている。(【論文数シェア(2009~2013年の論文数, 自然科学系)を用いた大学のグループ分類】 科学技術指標2019科学研究のベンチマーキング2019 2019年8月22日文部科学省科学技術・学術政策研究所)

 

論文シェアによる分析の解釈の注意点

「世界の論文投稿状況…主要国の動向(1)…各国の論文数と論文シェアの推移」が、「日本および世界の論文投稿状況の分析」(東京大学評価支援室インスティテューショナル・リサーチ担当船守美穂2012年3月6日 PDF)に示されていました。「論文数の推移(1981‐2010)」を見ると、中国の激増ぶりが凄いのですが、「論文数の世界シェアの推移(1981‐2010)」としてみると、アメリカの下落傾向が顕著に見えます。

中国が増加しているのだから、その分、シェアは他の国はすべて落ちるわけで、シェアの下落が実際を正しく反映しているともいえません。特に、注意が必要かなと思ったのは、粗悪な学術誌が新しく発刊され続けている現実をどう考えるかです。新興勢力の論文数増加が仮に粗悪な学術誌へ掲載された論文数でほとんど説明される場合には、「シェア」での表現はあまり意味を持たなくなります。

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