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国際特許分類(IPC)やFI、FタームによるJ-Plat Patでの特許検索とパテントマップの作成方法など

国際特許分類(IPC)やFI、FタームによるJ-Plat Patでの特許検索とパテントマップの作成方法などについての纏め。

  1. 知財インテリジェンスサービスの紹介(試行)(特許庁)
  2. (上級)特許調査研修(審査官の視点に近づこう!)テキスト 国際特許分類、FI、Fテキストタームの概要とそれらを用いた先行技術調査(独立行政法人 工業所有権情報・研修館)本テキストは、登録調査機関の調査業務実施者が必要とする国際特許分類に関する知識を理解・習得することを目的として、特許庁から原稿の提供を受けて作成したものです。
  3. 技術者・研究者のための 特許マップ作成法と 特許検索手法 ~ 他社に先駆けた技術潮流・新たな課題の発見 ~ ~ 自社製品に使える要素技術のブレイクスルーの予見 ~ 2019.7.3 英究特許事務所 弁理士 小島 浩嗣
  4. 野崎篤志のイーパテントチャンネル-調査・分析系中心- YOUTUBE動画チュートリアル 【無料で出来るパテントマップ作成講座1】J-PlatPatの検索結果一覧をExcelに貼り付け  【無料で出来るパテントマップ作成講座4】グラフ化・パテントマップを作成する
  5. J-Plat Pat FIセクション/広域ファセット選択 Aセクション生活必需品 Bセクション処理操作;運輸 Cセクション化学;冶金 Dセクション繊維;紙 Eセクション固定構造物 Fセクション機械工学;照明;加熱;武器;爆破 Gセクション物理学 Hセクション電気 広域ファセット
  6. パテントマップ(グラフ)作成・活用の大原則 ぱっとマイニング

生存曲線の分析:カプラン・マイヤー法とは

カプラン・マイヤー法の必要性

治療方法Aと治療方法Bとで治療成績の違いを知りたいときに、一定期間後に病気の再発が起きたかどうかを調べればすむのではないかと思いますが、話はそう単純ではありません。まず患者によって治療開始時期がことなるため、観察期間がまちまちです。患者が転院したり引っ越していなくなったりすると、その時点までしかデータがありません。

あるいは、観察終了時の生存率や治療成績だけでなく、途中における生存率を知りたいという場合もあります。そのときにはカプラン・マイヤー曲線を描いてやれば、途中経過を見ることができるようになります。

  1. カプランマイヤー法 アイスタット
  2. カプランマイヤー曲線(新谷歩)医学会新聞2012

MSTとは

生存率が50%となる時間ポイントを、生存期間中央値(median survival time:MST)と呼ぶそうです。治療効果が高くて、観察期間中、80%の人が生存していたら、生存率50%のポイントはわからないわけですが、そういうときはどうするのでしょうか。,MSTが計算できないときは年次生存率で議論すればよいようです。

  1. 医学統計セミナー 下川 2019

カプラン・マイヤー曲線を描き方

  1. 第9章 生存期間の解析 http://www.chugaiigaku.jp/images/EZR/sample3.pdf

カプラン・マイヤー解析例(論文)

  1. Approaches to Catheter Ablation for Persistent Atrial Fibrillation Kaplan–Meier estimates of freedom from documented atrial fibrillation more than 30 seconds after a single procedure, with or without the use of antiarrhythmic medications

カプラン・マイヤー法に関するその他の参考記事

  1. 生存時間分析 AMED

解糖系~TCA回路~電子伝達系:ATP産生のまとめ

解糖系のまとめ

解糖系の出発材料はグルコースで、最終産物はピルビン酸です。2分子のNADHと2分子のATPが産生されます。

C6H12O6(グルコース)+2NAD+ → 2C3H4O3(ピルビン酸)+2(NADH+H+)+2ATP

覚えておこう!

  1. 解糖系ではグルコース1分子から2分子のATPが産生される。
  2. 解糖系でエネルギー(ATP)を作りだすとき、酸素は必要ない。

☞ 解糖系をもっと詳しく

TCA回路のまとめ

解糖系の最終産物ピルビン酸はアセチルCoAni変換されてTCA回路に入ります。TCA回路では8分子のNADHと2分子のFADH2が産生されるほか、産生されるGTPがその後ATPに変換されるため、ピルビン酸2分子(つまりグルコース1分子)あたり2分子のATPが結果的に産生されます。

2C3H4O3(ピルビン酸)+6H2O+8NAD++2FAD → 6CO2(二酸化炭素)+8(NADH+H+)+2FADH2+2ATP(間接的に)

覚えておこう!

  1. TCA回路では酸素は必要ない。
  2. TCA回路では二酸化炭素が産生される。人間が呼吸で吐きだす息に二酸化炭素が含まれるが、それがこれ!
  3. TCA回路ではATPは直接は産生されない(産生されるのはGTPで、これがATPに変換される)

電子伝達系のまとめ

電子伝達系(酸化的リン酸化とも呼ばれる)においては、10分子のNADHと2分子のFADH2が電子供与体となり、その電子は酸素分子が受取り、プロトン(H+)勾配が形成され、その勾配を利用して最大34個のATPが産生されます。

10(NADH+H+)+2FADH2+6O2(酸素)→12H2O+10NAD++2FAD+最大34ATP

さて、トータルで産生されるATPの数はというと、解糖系で2分子、TCA回路で2分子、電子伝達系で(最大)34分子、なので合わせて(最大)38分子のATP産生ということになります。人間は肺呼吸で酸素を吸い、二酸化炭素を吐き出すわけですが、その酸素は、この細胞呼吸において使われ、二酸化炭素が産生されて排出されるということになります。

覚えておこう!

  1. 電子伝達系は、酸化的リン酸化とも呼ばれる。
  2. 電子伝達系では、電子が受け渡されていくが、電子を与える「電子供与体」はNADHとFADH2である。
  3. 電子伝達系で、電子を受け取るのは「酸素」である。
  4. 電子伝達系では、酸素が必要。だから人間は常時呼吸によって酸素を体内に取り入れているのです。
  5. 酸化的リン酸化では(グルコース1分子あたり)ATPが34個もできる。それに対して解糖系でできるATPはたったの2個だった。
  6. がん細胞では、酸素が存在していても酸化的リン酸化ではなく解糖系だけでエネルギー産生(ATP産生)を行っている(好気的解糖と呼ぶ)。これは発見者にちなんでワーブルグ効果とも呼ばれる。

細胞内呼吸(解糖系+TCA回路+電子伝達系)

C6H12O6(グルコース)+6O2(酸素)→ 6CO2(二酸化炭素)+6H2O(水)+エネルギー(38ATP)

ADPとリン酸を左に書いていませんでしたが、実際には38ADP+38リン酸⇒38ATPということになります。

自分が息を吸って吐くたびに、こうやってATPが産生されているのかと思うと、不思議ですね。

覚えておこう!

  1. 解糖系、TCA回路、酸化的リン酸化全部あわせると、結果として3グルコース1個あたり38個のATPが産生される。
  2. C6H12O6(グルコース)+6O2(酸素)→ 6CO2(二酸化炭素)+6H2O(水)+エネルギー というのは、植物が行っている光合成の逆反応。つまり人間や動物は酸素をつかってグルコースからエネルギーを取り出し、二酸化炭素と水が副産物として産生される。植物は逆に、太陽エネルギーをつかって二酸化炭素と水から、酸素とグルコースを産生している。

参考サイト

  1. リメディアル教育2021 第7回 日本大学

好気的解糖とは ワールブルグ(Warburg)効果 その理由

好気的解糖とは、酸素が存在するにもかかわらずエネルギー生産のために、酸化的リン酸化(電子伝達系において酸素が使われてH+勾配が作り出されてそれを利用してADPがATPにリン酸化される経路)を使わずに、解糖系のみを使うことです。

通常、酸素存在下では、解糖系の最終産物であるピルビン酸がアセチルCoAに変換されたのちTCA回路に入り、TCA回路で産生されたNADHFADH2が電子供与体として、電子伝達系に電子を供与します。

NADH ⇒NAD + H+ + e-

FADH2 ⇒FAD + 2H+ + 2e-

上の式の右側にH⁺(プロトン)とe-(電子)が2つずつできています。これらの電子が、電子伝達系に渡されて、プロトンは内膜を横切って、プロトン濃度の高い側へと汲み上げられるわけです。つまり、ミトコンドリアの内膜の内外のプロトン濃度勾配としてエネルギーが貯められていることになります。このH+勾配を利用して、H+が勾配に沿って移動するときにADPがリン酸化されてATPが産生されます。

電子伝達系において、酸素は電子を受け取る側になります。

1/2 O2+2H+ + 2e-  ⇒ H2O

 

好気的 というのは、酸素が存在する環境という意味です。好気的解糖といった場合、酸素が存在する環境における解糖 という意味であって、酸素を利用した解糖 という意味ではありませんでした。しばらく間違って理解していました。

  1. 好気的 看護roo!

好気性細菌(酸素が存在する条件でも、もしくは、酸素が存在する条件のみで生育する細菌)、嫌気性細菌(酸素が存在しない条件で生育する細菌)という言葉があるためか、自分は好気的というのは酸素を使うものだと思い込んでいました。

Warburg効果

好気的解糖はWarburg効果とも呼ばれます。

Otto Warburgが観察した現象で,がん細胞有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化よりも,解糖系でATPを産生する現象(Warburg効果 実験医学Online)

不思議なことに、がん細胞はエネルギーを産生する際に、酸素があっても酸素を使わない「解糖系」だけでATPを作るんですね。解糖系だとATPはたったの2個しかできません。そのため大量のグルコースが必要になります。そのため、がん細胞は大量のグルコースを取り込んでいます。なのでグルコースを大量に取り込んでいる細胞を可視化することにより、がん細胞が可視化されるわけです。

Warburg効果は好気的解糖?嫌気的解糖?

酸素が存在する環境での解糖なので「好気的解糖」といえますが、ネットでいろいろ記事をみていると、酸素を使わない解糖なので「嫌気的解糖」と説明しているように思えるものにも遭遇します。正反対の言葉が同じことを意味するために使われていて、なんだか混乱を招きそうですね。

ナイーブT細胞は、脂肪酸酸化や低レベルの解糖を介して供給されるアセチルCoAなどの代謝産物を利用してミトコンドリア内で酸化的リン酸化をおこなうことでATPを産生し、その生存を維持しています。一方、抗原認識に伴い、T細胞では嫌気的解糖が亢進するとともに(ワールブルグ効果)、ペントースリン酸経路が活性化し、クローン増殖が開始します。それに加え、活性化したT細胞では、グルタミン代謝が亢進することが知られています。抗原認識によってT細胞で誘導される代謝変化は、がん細胞の代謝状態に類似したものですが、可逆的であり、抗原排除後に長期間生体内に残るメモリーT細胞では、再び、ナイーブT細胞と同様の代謝経路が使われます。(愛媛大学大学院医学系研究科免疫学・感染防御学 研究内容

ワールブルグ(Warburg)効果 その理由

なぜがん細胞が酸素存在下でもTCAサイクルを回さずに解糖系だけを動かしているのか?その理由はがん細胞が増殖しないといけないから、増殖するためにはDNA合成を盛んにする必要があり、DNAの材料であるリボースを大量に必要とするから、そしてリボースは解糖系から分岐する代謝回路(ペントースリン酸回路)で作られるからです。

Specifically, TGF-β1 promotes tumor progression by inducing a switch from an epithelial to a mesenchymal/migratory phenotype in HCC cells, reducing mitochondrial respiration and enhancing glutamine transporter SLC7A5b (Solute Carrier Family 7 Member 5), glutaminase 1, and pentose phosphate cycle [74]. The latter provides precursors for nucleotide synthesis and prevents oxidative stress and redox homeostasis. https://www.mdpi.com/2072-6694/12/10/2819

Here we propose that the metabolism of cancer cells, and indeed all proliferating cells, is adapted to facilitate the uptake and incorporation of nutrients into the biomass (e.g., nucleotides, amino acids, and lipids) needed to produce a new cell. Supporting this idea are recent studies showing that (i) several signaling pathways implicated in cell proliferation also regulate metabolic pathways that incorporate nutrients into biomass; and that (ii) certain cancer-associated mutations enable cancer cells to acquire and metabolize nutrients in a manner conducive to proliferation rather than efficient ATP production. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2849637/

下のレビューでは、増殖のための生合成経路を動かすために解糖系を使っているという考え方は魅力的ではあるが必ずしも妥当性があるとはいえないということを指摘しています。

However, after careful inspection, it becomes apparent that its benefits for cell growth and survival are not yet resolved.

The Warburg Effect has been proposed to be an adaptation mechanism to support the biosynthetic requirements of uncontrolled proliferation (Figure 2, Key Figure). In this scenario, the increased glucose consumption is used as a carbon source for anabolic processes needed to support cell proliferation []. This excess carbon is used for the de novo generation of nucleotides, lipids, and proteins and can be diverted into multiple branching pathways that emanate from glycolysis.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4783224/

  1. Acta Pharmaceutica Sinica B Volume 14, Issue 3, March 2024, Pages 953-1008 Acta Pharmaceutica Sinica B REVIEW Targeting the Warburg effect: A revisited perspective from molecular mechanisms to traditional and innovative therapeutic strategies in cancer Author links open overlay panelMinru Liao a †, Dahong Yao b †, Lifeng Wu a †, Chaodan Luo d, Zhiwen Wang a b c, Jin Zhang c, Bo Liu a https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211383523004719
  2. New Clarity on the Warburg Effect SubscribeExit Disclaimer January 13, 2021, by Alba Luengo, Zhaoqi Li, and Matthew Vander Heiden https://www.cancer.gov/research/key-initiatives/ras/news-events/dialogue-blog/2021/vander-heiden-warburg-effect

T細胞の疲弊(T cell exhaustion):細胞も疲れるの?

最近、疲弊T細胞という言葉を聞きます。T細胞も疲れちゃったりするのでしょうか。

T細胞の疲弊とは

下の説明が、概念的にも具体的にも一番わかりやすい。

「T細胞」は「がん組織」に潜り込み、そこで刺激を受けて活性化します。しかし、刺激を受けるのは一度だけではなく、何度となく刺激を受けることになります。そして刺激を受けているうちに、「T細胞」の機能が低下してくることが知られています。これを「免疫疲弊」と呼び、一度この状態に陥ると自力での回復が難しいと言われています。 具体的には、「がん」を攻撃して殺すTNF-αやIFN-γを産生する能力や「T細胞」の増殖および活性化を行うインターロイキン-2(IL-2)の産生能力が低下していることが報告されています。 「免疫疲弊」を起こした「T細胞」をよく観察してみると、ある物質が発現していることがわかりました。このある物質は「疲弊分子」と呼ばれ、「T細胞」を「疲弊」させる元凶となっています。実はこの「疲弊分子」の代表が、あの「免疫チェックポイント分子」なのです。刺激を受けるごとに「免疫チェックポイント分子」が発現し、PD-1であればPD-L1およびPD-L2に、CTLA-4であればCD80[B7-1]/ CD86にそれぞれ結合します。また、PD-1やCTLA-4の他にも、Tim-3LAG-3Nr4aという転写因子が「免疫疲弊」を引き起こすと言われています。そして「T細胞」の機能が段階的に低下し、アポトーシス(細胞死)へと導かれ、最終的には排除されてしまいます。(T細胞が疲れちゃう❓ 【がん微小環境内のT細胞】  Vol.39 がん免疫療法コラム 同仁がん免疫研究所)

  1. Tumor Immunity 腫瘍免疫の基礎知識(垣見の腫瘍免疫学) 免疫細胞治療学講座で実施している研究のベースとなる腫瘍免疫に関する基礎知識、考え方を概説します。 5.がんとの闘いを司令官として考えてみる
  2. CD8+ T Cell Exhaustion in Cancer Front. Immunol., 20 July 2021 T cell exhaustion is a blanket term covering all of the dysfunctional states that exist within antigen-specific CD8+ T lymphocytes as first described in the framework of chronic viral infection, where these cells persist but are unsuccessful in clearing a pathogenic threat.
  3. 抗原の長期的な曝露によって,T細胞上にPD-1CTLA-4TIM-3などさまざまな共抑制分子が誘導される結果,T細胞が機能不全状態に陥ること (疲弊 実験医学Online)
  4. 癌と化学療法 抗腫瘍T 細胞の疲弊プロファイルと免疫チェックポイント阻害剤反応性のかかわり 癌と化学療法 Volume 49, Issue 6, 609 – 614 (2022)
  5. 実験医学 2020年12月号 Vol.38 No.19 イムノメタボリズムとT細胞の疲弊・老化 免疫機能不全を克服する新たなターゲット T細胞機能不全をイムノメタボリズムから理解する
  6. T細胞疲弊は、多くの慢性感染やがんにおいて生じるT細胞の機能不全状態である。T細胞疲弊は、限定されたエフェクター機能抑制性受容体の持続的な発現、機能的なエフェクターT細胞や記憶T細胞とは異なる転写状態によって特徴付けられる。 免疫学:CD8 T細胞疲弊の調節 2019年7月11日 Nature 571, 7764
  7. CD8 T Cell Exhaustion During Chronic Viral Infection and Cancer Annual Review of Immunology Vol. 37:457-495 (Volume publication date April 2019) Early use of lymphocytic choriomeningitis virus (LCMV)-specific TCR transgenic CD8 T cells revealed exhaustion of the virus-specific CD8 T cell response through the physical deletion of these cells during chronic infection (3). The concept of a persisting yet functionally compromised CD8 T cell, however, was first revealed by Zajac et al. (4) and Gallimore et al. (5), who identified CD8 T cells responding to chronic LCMV infection that remained present and detectable by tetramer staining throughout infection but were unable to efficiently elaborate effector functions.
  8. Defining ‘T cell exhaustion’ Published: 30 September 2019
  9. 疲弊したT細胞を若返らせ再活性化、強い抗腫瘍効果をもつ細胞に-慶大  2017年05月25日 PM12:00 qlifepro.com 活性化したT細胞をストローマ細胞であるOP9-DL1と共培養すると、活性化T細胞にNotchと呼ばれる特殊な刺激が入り、より未感作状態に近いT細胞が生まれることが判明した。この未感作状態に近いT細胞は、疲弊状態を示す免疫チェックポイント分子であるPD1CTLA4の発現がほぼ消滅し、若返った状態だったという。
  10. 慢性ウイルス感染では、ウイルスや持続的な炎症による刺激の繰り返しが引き金となって、T細胞の“疲弊”が起こる。この過程では、そのウイルスに特異的なT細胞が次第に機能を失い、最終的には死んでしまう。(T細胞の疲弊 Nature Immunology 2013年5月6日)慢性感染を引き起こす系統のリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)を感染させたマウスから“疲弊した”T細胞を単離して、急性感染を引き起こす系統のLCMVを感染させたマウスに移植すると、このT細胞が増殖して効果的な免疫応答を引き起こす
  11. T 細胞の疲弊とは, 抗原の長期的な曝露による T 細胞抗原受容体 (TCR)レパートリーの狭小化TCR シグナル伝達 系 の 機 能 低 下,T 細胞膜上に programmed death 1(PD-1),cytotoxic T lymphocyte associated protein 4(CTLA-4),T cell immunoglobulin and mucin domain 3(TIM-3)などさまざまな共抑制分子が誘導される結果,IL-2 の産生障害活性化障害増殖障害をはじめとして,T 細胞が機能不全状態に陥ることである(T 細胞の疲弊とインターロイキン -15 ―高齢者敗血症の新たな治療戦略―)2007年

CAR-T療法とは

Chimeric antigen receptors (CARs) are receptor proteins that have been engineered to give T cells the new ability to target a specific antigen. The receptors are chimeric in that they combine both antigen-binding and T cell activating functions into a single receptor. (ウィキペディア

  1. CAR-T細胞療法(NOVARTIS)
  2. 近年、がん患者さんからT細胞を分離しがん細胞を攻撃できるように遺伝子を導入したT細胞(CAR-T)を、再び患者さんの体内に戻すCAR-T療法が次世代のがん免疫療法として注目されています。(KOMPAS)
  3. CAR-T療法は、がん患者の末梢血由来T細胞に体外でがんを認識する遺伝子CARを導入して増やし、がん細胞を攻撃できるようにしてから患者へ再び戻す治療法です。(疲弊したT細胞を若返らせ、強い抗腫瘍効果をもつT細胞の作製に成功―がん免疫療法における新規CAR-T療法の開発― AMED
  4. 代謝リプログラミングによるステムセルメモリーT 細胞の誘導とがん免疫療法への応⽤ 近藤泰介 慶應義塾大学医学部 微生物学免疫学教室 平成 30 年度 血液医学分野 若手研究者助成 研究成果報告書 【結 果】 我々はCAR-T細胞Notchリガンドを発現するフィーダー細胞と共培養することでiTSCM様のCAR-T細胞、CAR-iTSCM細胞 を誘導することに成功した。またCAR-iTSCM細胞の誘導にはミトコンドリアの代謝リプログラミングが重要であること特定した。 Notchシグナルはミトコンドリア新生および脂肪酸合成を誘導し、これらの特性はiTSCM細胞誘導過程で重要なイベントであっ た。さらに我々はNotchシグナルの下流因子であるFOXM1を同定し、FOXM1がこれらの代謝学的変化およびiTSCM細胞の誘 導に重要であることを見出した。Notchリガンドを発現するフィーダー細胞との共培養で作成されたCAR-iTSCM細胞と同様に FOXM1の強制発現でCAR-iTSCMと同等の細胞が得られ、これらのTSCM細胞様CAR-T細胞はヒト白血病モデルマウスにおい て強い抗腫瘍効果を示した4)。

T細胞の分化

  1. T細胞記憶とT細胞疲弊の分子メカニズム

T細胞の分化と代謝リプログラミング

After T-cell activation, naive CD8+ T cells differentiate into either effector T cells or memory T cells via transcriptional regulation, in a process supported by metabolic reprogramming to meet different energy demands. For instance, naive T cells in a state of metabolic quiescence use oxidative phosphorylation (OXPHOS) for energy production. After activation, naive T cells undergo a metabolic switch governed by the phosphatidylinositol-3-kinase–protein kinase B–mammalian target of rapamycin (PI3K–Akt–mTOR) pathway; this switch supports differentiation into effector T cells, which rely on aerobic glycolysis for their rapid expansion and effector functions.(Metabolic and epigenetic regulation of T-cell exhaustion 21 September 2020  Nature Metabolism

細胞性免疫

  1. 獲得免疫におけるT細胞の応答  Hemapedia 免疫基礎講座 T細胞の疲弊のメカニズム

【医学用語】担癌 がんを体内に持っている状態

担癌あるいは担がんは、がんを体の中に持っている状態のことだそうです。自分が初めてこの言葉を知ったのは、がん細胞をマウスの体内に入れて癌のマウスをつくるような実験においてだったので、てっきりがん細胞を移植することかと思っていたのですが、全然違いました。

担がん(状態)とは?がんを体内に持っていることです。(国際医療福祉大学三田病院

担癌という言葉の使用例

  1. 担癌患者の鑑別疾患
  2. 担癌患者における手術侵襲と生体反応
  3. 担癌患者に見られる脳梗塞
  4. 担がんモデルマウスの落とし穴

EEG(脳波)解析入門YOUTUBE動画集

EEG測定の実際

  1. How to place electrodes for EEG/ 10- 20 system of Electrode Placement / EEG electrode placement map 2020/08/20 PhysiologyForMBBS
  2. How to Measure a Patient for an EEG (10-20 system) 2022/03/29 Jared Beckwith, R. EEG T.

臨床EEG入門

  1. Introduction to EEG Jeremy Moeller(チャンネル登録者数 1.38万人) モンタージュの説明 まばたきをすると脳波に影響する理由の説明 てんかんの脳波

EEGシグナル解析入門

  1. 接続性、ボリューム伝導、および時間ベースの接続と試行ベースの接続の概要 2017/10/01 Mike X Cohen

EEG入門

  1. EEG Signal Processing 2020/04/01 A brief explanation on Feature Extraction for EEG signals.  Nataly Medina Auto-correlationなど

Open BCIの使い方

  1. ガングリオンバイオセンシングチュートリアル 2018/06/21 OpenBCI

Open BCI関連製品

  1. OpenBCI製品がどのように連携するか 2018/06/21 OpenBCI MarkIVドライ電極(多電極ヘッドセット)

共感の科学~研究および論文~

世の中には気が合う人と合わない人がいます。これが自分はずっとナゾでした。なぜ合う人と合わない人がいるのでしょうか。

合う合わないをもう少し具体的に考えると、共感するかしないか、協同作業を行うときにラポール(信頼感)が生じるかどうかということになります。

共感(empathy)やラポール(rapport)の実体(neural correlates, neural substrate)は何でしょうか。

共感とは

  1. Empathy is the capacity to feel and understand others’ mental states. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278262622000173

共感に関する論文

2022

  • Empathy at birth: Mother’s cortex synchronizes with that of her newborn in pain Eur J Neurosci. 2022;55:1519–1531
  • Social synchronization of brain activity increases during eye-contact Communications Biology volume 5, Article number: 412 (2022) Published: 04 May 2022

2021

  • Exploring the “Dark Matter” of Social Interaction: Systematic Review of a Decade of Research in Spontaneous Interpersonal Coordination. Front. Psychol., 11 October 2021
  • Incorporating Interpersonal Synchronization Features for Automatic Emotion Recognition from Visual and Audio Data during Communication Sensors 2021, 21(16), 5317
  • Human attachments shape interbrain synchrony toward efficient performance of social goals. NeuroImage Volume 226, 1 February 2021 The current study utilized hyperscanning EEG to measure neural synchrony during two naturalistic interactions: joint motor activity and empathy-giving, in male-female pairs who were either long-term cou- ples, best friends, or strangers. … In order to assess the brain synchrony between the couples, data was bandpass to alpha (8–12Hz), beta (13–30Hz) and gamma (31–48Hz), and phase-locking value (PLV) was calculated between each pair of between-subject electrodes and for every frequency.

2020

2019

  • Implementing EEG hyperscanning setups. Barrazaa et al.,  MethodsX Volume 6, 2019, Pages 428-436.
  • Prior physical synchrony enhances rapport and inter-brain synchronization during subsequent educational communication. 04 September 2019 Scientific Reports 9: 12747 (2019) Nozawa et al. Using functional near-infrared spectroscopy (fNIRS) hyperscanning, we tested the effects of preceding physical synchrony on subsequent dyadic teaching-learning communication.
  • 同時計測されたEEG信号からの2名における感情共有の測定 (2019). (PDF)
  • Using second-person neuroscience to elucidate the mechanisms of social interaction Nature Reviews Neuroscience volume 20, pages495–505 (2019)

2017

  • Brain-to-Brain Synchrony during Naturalistic Social Interactions. Scientific Reports 7: 17060 (2017) 06 December 2017 Kinreich et al. Using hyperscanning EEG recordings, we measured brain-to-brain synchrony in 104 adults during a male-female naturalistic social interaction, comparing romantic couples and strangers. 人間対人間の自然なやりとりにおける脳波の同調を報告した初の例 ‥ Brain areas that support brain-to-brain neural synchrony may involve temporal-parietal structures, including the posterior superior temporal sulcus (pSTS) and temporo-parietal junction (TPJ), and studies using a variety of methods have indeed pinpointed neural synchrony to these regions. 同調が認められる脳の部位 Hyperscanning EEG is a recently-developed methodology for recording EEG simultaneously from two or more individuals engaged in a social task. やりとりをする複数の人の脳活動を同時計測するハイパースキャニング脳波計測
  • Brain-to-brain entrainment: EEG interbrain synchronization while speaking and listening Scientific Reports volume 7, Article number: 4190 (2017)
  • The Science of Empathy Helen Riess, MD Journal of Patient Experience First published online May 9, 2017 Empathy plays a critical interpersonal and societal role, enabling sharing of experiences, needs, and desires between individuals and providing an emotional bridge that promotes pro-social behavior. This capacity requires an exquisite interplay of neural networks and enables us to perceive the emotions of others, resonate with them emotionally and cognitively, to take in the perspective of others, and to distinguish between our own and others’ emotions.

2016

  1. Empathy: A Review of the Concept April 2016 Emotion Review 8(2):144-153 DOI:10.1177/1754073914558466 Authors: Benjamin M.P. Cuff UKHSA Research Gate

2015

2014

2013

2012レビュー論文

  1. The neural basis of empathy(無料要旨)Annu Rev Neurosci . 2012;35:1-23. doi: 10.1146/annurev-neuro-062111-150536. Empathy—the ability to share the feelings of others—is fundamental to our emotional and social lives. Previous human imaging studies focusing on empathy for others’ pain have consistently shown activations in regions also involved in the direct pain experience, particularly anterior insula and anterior and midcingulate cortex. 他人の痛みを見て共感する人では、痛みを感じたときに活動する脳部位が活動する。

2012原著論文

  • The two-brain approach: how can mutually interacting brains teach us something about social interaction? Front. Hum. Neurosci., 24 July 2012 The second group of studies has recorded dual EEG/NIRS from two people interacting, in (1) face-to-face turn-based interactions, investigating functional connectivity between theory-of-mind regions of interacting partners, or in (2) continuous mutual interactions on millisecond timescales, to measure coupling between the activity in one person’s brain and the activity in the other’s brain. レビュー論文
  • Interpersonal body and neural synchronization as a marker of implicit social interaction Scientific Reports volume 2, Article number: 959 (2012)

2008

  • Gamma-band activity in the human superior temporal sulcus during mentalizing from nonverbal social cues Cohen et al.  23 December 2008 Psychophysiology The posterior superior temporal sulcus (pSTS) is a key structure for our ability to infer others’ mental states based on social cues including facial expressions, body posture, and gestures (“mentalizing“)

 

共感に関する記事

臨床研究者のためのエクセルでデータベース構築する方法の解説・入門書など

電子カルテの情報は、そのままデジタルで抽出してデータベースを構築できれば良いのですが、実際にはそういう使い方は、個人情報保護の観点からほとんどの場合許されていません。研究者は病院の管理部門に依頼してデータを抽出してもらったり、自分で手作業で電子カルテのデータを転記したりするようです。

データベース構築に利用されるソフトウェアは、マイクロソフトのエクセルが一番使われています。エクセルでデータベースを構築する手順や注意点などを解説した論文、記事などを紹介します。

 

エクセル(スプレッドシート)上でのデータベース構築入門(論文)

  1. Research skills and the data spreadsheet: A research primer for low- and middle-income countries. Afr J Emerg Med. 2020; 10(Suppl 2): S140–S144. Published online 2020 Jun 7. doi: 10.1016/j.afjem.2020.05.003 PMCID: PMC7718460
  2. Health Services Research and Analytics Using Excel (Springer Publishing) 2020/2/13  書籍 アマゾン

エクセル+マクロ(VBA)を用いたデータベース構築(論文)

  1. Using macros in microsoft excel to facilitate cleaning of research data. J Community Hosp Intern Med Perspect. 2021; 11(5): 653–657. Published online 2021 Sep 20. doi: 10.1080/20009666.2021.1954282 PMCID: PMC8462890

エクセルからEDC(REDCap)へ

Secure Medical Data Collection – Best Practices with Excel, and Leveling Up to REDCap & CollaboratoR 1,011 回視聴 2021/08/31 The R/Medicine presentation covers Best practices for Secure Medical Data Collection with demonstrations provided by Peter Higgins, Will Beasley, Amanda Miller, and Kenneth McLean.

参考ウェブ記事など

  1. 医療ITコラム【ITを活用したこれからの臨床研究 ②〜業務系と研究系の一本化〜】 2020年9月23日

がん悪液質(cachexia)とは

がん悪液質(cachexia)とは

Cachexia – Wasting Syndrome – Explained! 901 回視聴 2022/05/10

 

Combating cachexia: New approaches 11,910 回視聴 2015/12/20 Earn CME for related activities: https://www.naccme.com/oln The 20th Annual Perspectives in Thoracic Oncology, held in New York, NY from November 21-22, 2015 provided thoracic oncology clinicians and researchers with the latest information on the complex biology and treatment of lung cancer. This conference series has become the premier forum to update knowledge in the field, confirm current best-practices, and provide valuable take-home information on exciting new screening and staging modalities, management approaches, and emerging treatment options. In this presentation, Dr. Phil D. Bonomi examines new approaches for combating cachexia.

 

Cachexia (wasting syndrome) 43,041 回視聴 2017/11/25 😍🖼Animated Mnemonics (Picmonic): https://www.picmonic.com/viphookup/me…