プロンプト:ヒトの胎児の発生で、卵黄嚢茎は、何になりますか?消失する?それとも、盲腸の近くにある虫垂になる??
Gemini :
ヒトの胎児の発生において、卵黄嚢茎(らんおうのうけい、別名:卵黄管または臍腸管)は、通常は消失します。
虫垂にはなりません。
卵黄嚢茎のゆくえ
卵黄嚢茎は、発生のごく初期に、胎児の中腸(将来の小腸など)と卵黄嚢(栄養が入った袋)をつないでいる管です。
胎児が成長し、胎盤からの栄養供給が確立すると、卵黄嚢とこの管は不要になります。そのため、卵黄嚢茎は通常、妊娠の早い段階(妊娠5〜9週ごろ)で自然に閉じて、完全に退縮し、消失します。
虫垂とは?
虫垂(ちゅうすい)は、卵黄嚢茎とは全く別のものです。
虫垂は、盲腸(もうちょう:大腸の始まりの部分)の先端から突き出すように発生する、指のような形をした小さな管状の組織です。発生する場所も役割も、卵黄嚢茎とは異なります。
もし消失しなかったら?
まれに、卵黄嚢茎が完全に消失せずに一部が残ってしまうことがあります。
この残ってしまったものを「メッケル憩室(けいしつ)」と呼びます。これは小腸(回腸)の壁にできる小さな袋状の突起で、最も頻度の高い消化管の先天異常です。
したがって、卵黄嚢茎は「消失する」のが正解であり、もし残ったとしても「メッケル憩室」になるもので、虫垂になることはありません。
プロンプト:メッケル憩室とは?
**メッケル憩室(けいしつ)とは、一言でいうと「小腸にできる、生まれつきの小さな袋状の突起」**のことです。
消化管の先天的な異常(生まれつきの形態異常)の中では最も頻度が高いもので、全人口の約2%程度の人にあるとされています。
前の質問にあった**「卵黄嚢茎」と深く関係しています**。
1. なぜできるのか?(原因)
- 胎児の発生のとても早い時期、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃん(胎児)は、「卵黄嚢(らんおうのう)」という袋から栄養をもらっています。
- この卵黄嚢と胎児の腸(中腸)は、「卵黄嚢茎(らんおうのうけい)」(または卵黄管)という管でつながっています。
- 胎児が成長し、胎盤が完成すると卵黄嚢は不要になるため、この卵黄嚢茎は通常、妊娠5~9週ごろまでに自然に退縮して完全に消失します。
- しかし、この卵黄嚢茎がうまく消失せずに、一部が腸側に残ってしまったものが「メッケル憩室」です。
つまり、メッケル憩室は「卵黄嚢茎のなごり」であり、本来なくなるべきものが残った状態です。
2. どんな特徴があるのか?
- 場所: 小腸の終わりの方(回腸)にできます。
- 異所性組織(いしょせいそしき): メッケル憩室の最大の特徴は、その袋の中に、小腸とは関係のない別の組織が迷い込んでいることがある点です。
- 最も多いのは「胃の粘膜」で、次に「膵臓の組織」などが見られます。
3. 症状は?
- ほとんど(95%以上)の人は無症状です。
- メッケル憩室を持っていても、一生何も症状が出ず、本人も気づかないまま生涯を終えることがほとんどです。
- 症状が出る場合(全保有者のうち約4%):
- 多くは乳幼児期(特に2歳以下)に症状が出ます。
- 症状の主な原因は、憩室内に迷い込んだ「胃の粘膜」です。
主な症状(合併症)
- 出血・下血(血便):
- 憩室内の胃粘膜が胃酸を分泌します。
- 小腸の壁は胃酸に耐えられないため、憩室の周辺が潰瘍になり、そこから出血します。
- 痛みはなく、突然、レンガ色やイチゴゼリー状の血便が出ることが特徴です。
- 憩室炎:
- 憩室が炎症を起こします。
- 虫垂炎(盲腸)と似たような腹痛(おへその周りや右下腹部の痛み)や発熱が起こります。
- 腸閉塞(イレウス):
- 憩室が原因で腸がねじれたり(軸捻転)、腸が重なってしまったり(腸重積)、憩室から伸びたヒモ状の組織に腸が絡まったりして、腸が詰まる状態です。
- 激しい腹痛、嘔吐、便が出ないなどの症状が出ます。
4. 治療は?
- 無症状の場合:
- 他の検査(CTなど)や手術で偶然発見された場合は、基本的に治療はせず、そのまま経過観察となります。
- 症状がある場合(出血や憩室炎、腸閉塞など):
- 外科手術でメッケル憩室を切除します。
まとめ
- メッケル憩室は、胎児期に消失するはずの「卵黄嚢茎」が残ったもの。
- 虫垂とは全く別物。
- ほとんどの人は無症状。
- まれに、憩室内の異所性胃粘膜が原因で出血したり、炎症を起こしたりすることがある。