特許法第14条は、文章の意味がつかみにくくて、フレーズドライの問題を解いていて間違えました。フレーズドライの解説を読んでもまったく理解できなかったのでAIに訊いてみました。これはもう「国語力」、「文章読解力」の問題です。自分は国語力はない方ではないと自信を持っていたのですが、その自信はあえなく打ち砕かれました。法律の条文は日本語の文法に則ってただしく書かれており、単に自分に読解力が足りないだけだったようです。
ちなみに生成AI3つに訊いたところ、Geminiは間違えました。ClaudeとChatGPTのほうが日本語の知識が豊富なようです。自分は今まで主としてGeminiをつかって条文の勉強をしてきましたが、(少なくとも現時点での)Geminiに頼るのは危険かも。
特許法
(複数当事者の相互代表)
第十四条 二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。
プロンプト:
この条文に基づいた問題が解けないんだけど、問題は
「甲および乙が共同して出願をしたときは、当該特許出願についての出願公開の請求は、甲および乙が共同してしなければならない。ただし、甲を代表者と定めて特許庁に届け出たときは、当該特許出願についての出願公開の請求は、甲が代表してすることができる。」(2022特実1)
まるかばつか? どっち?
ChatGPT5.4 Thinking:
×(バツ)です。
理由は、特許法14条がこういう構造だからです。
条文本文では、共同手続の場合、原則として各人が全員を代表するとされています。
しかしその原則から外れて、「各人が単独で代表できない」例外が列挙されていて、その中に 「出願公開の請求」 が入っています。したがって、共同出願人甲・乙の特許出願についての出願公開の請求は、甲乙が共同してしなければならないです。ここまでは問題文前半どおりです。 (e-Gov 法令検索)
でも後半の
「ただし、甲を代表者と定めて特許庁に届け出たときは、甲が代表してすることができる」
は誤りです。
なぜかというと、14条のただし書きは、本文の原則事項について「代表者を定めたらその代表者が行う」という意味であって、最初から例外として除かれている手続まで単独代表可能に変えるものではないからです。出願公開の請求は、JPOのFAQでも明確に**「出願人全員でしなければなりません(同法第14条)」**とされています。 (特許庁)
なので、この問題文は
前半○、後半× → 全体として×
です。
覚え方はこうです。
14条の列挙事項は「単独代表できない重い手続」。
その中に 出願公開の請求 も入っている。
だから、代表者届を出してもダメ、全員でやる。
Cladue Opus4.6の回答:これ、よく引っかかるポイントですね。答えは ×(バツ) です。理由を整理します。
第14条の構造は「原則+除外リスト+ただし書」です。
原則: 各人が全員を代表する(=一人でできる)
除外リスト: ただし以下の手続は除外(=全員でやれ): → 出願の変更・放棄・取下げ、延長登録出願の取下げ、請求等の取下げ、優先権主張とその取下げ、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求
ただし書: 代表者を定めて届け出たときは「この限りでない」
ここで問題文の後半、「甲を代表者と定めて届け出たときは、甲が代表して出願公開の請求ができる」としていますが、ただし書の「この限りでない」は原則部分(各人が全員を代表する)にかかっているのであって、除外リストの手続にかかっているわけではありません。
つまりただし書の意味は:
- 原則では「各人が全員を代表」→ 代表者を届け出たら「代表者だけが代表する」
という、原則側の修正にすぎません。
出願公開の請求はそもそも除外リストに入っているので、原則の適用外=常に共同でしなければならず、代表者を届け出ても一人ではできません。
ひっかけのパターン: ただし書が除外リストの手続にも効くように読ませる、という典型的な入れ替えパターンです。条文の「この限りでない」が何にかかるか、を正確に読めるかが問われています。
プロンプト:「14条で全員共同が必要なもの」を覚えやすく整理して。
ChatGPT5.4 Thinking:
はい。これは**「14条本文に列挙された手続は、全員共同。代表者届を出しても単独ではできない」**と押さえると、一気に整理できます。根拠は特許法14条本文そのものと、JPO方式審査便覧の注記で、代表者を届け出ても、14条本文に掲げる手続についてまで代表者が単独代表できるわけではないと明示されています。 (e-Gov 法令検索)
まず、14条で全員共同が必要なものは、条文どおり次のものです。
変更・放棄・取下げ系
特許出願の変更、放棄、取下げ。さらに、特許権の存続期間の延長登録出願の取下げ。これらは、権利や出願そのものを動かしたり消したりするので、勝手に一人でやらせない、という理解でよいです。 (e-Gov 法令検索)
攻撃系の手続の取下げ
請求、申請、申立ての取下げ。いったん起こしたアクションを引っ込める行為なので、他の共同当事者に大きく影響します。これも全員共同です。 (e-Gov 法令検索)
優先権まわり
41条1項の優先権主張と、その取下げ。優先権の有無は出願の命運を左右しうるので、これも単独でいじれません。 (e-Gov 法令検索)
公開系
出願公開の請求。ここが試験でとても狙われやすいです。共同出願人の一人だけではできませんし、代表者届を出していても単独ではできません。JPOも、共同出願なら出願人全員でしなければならないとしています。 (e-Gov 法令検索)
不服申立て系
拒絶査定不服審判の請求。これも重要な争訟行為なので、全員共同です。 (e-Gov 法令検索)
覚え方は、かなり乱暴に言えば、
「重いものは全員」
です。
つまり、
消す(放棄・取下げ)、
切り替える(変更)、
順位を左右する(優先権)、
前倒しで公開する(出願公開請求)、
争いを始める(拒絶査定不服審判請求)、
こういう大事なものは全員共同。
それ以外は原則として各人が全員を代表します。 (e-Gov 法令検索)
ひっかけポイントは、主に次の4つです。
ひっかけ1:「代表者を定めたら何でも単独でできる」ではない
これが最大の落とし穴です。14条ただし書は、もともと相互代表できる手続について代表者に一本化するだけで、14条本文で除外されている重い手続まで単独可能にするものではありません。方式審査便覧も裁判例を引いて、その旨をはっきり述べています。 (特許庁)
ひっかけ2:「出願公開の請求」は軽そうに見えるが、実は全員共同
補正とか意見書みたいな通常対応と同じノリで単独でできそうに見えますが、できません。試験ではとても狙いやすいです。 (e-Gov 法令検索)
ひっかけ3:「請求、申請又は申立ての取下げ」だけが全員共同
ここは「請求そのもの」全部が全員共同なのではなく、条文は取下げを問題にしています。もっとも、拒絶査定不服審判の請求は別建てで明示されていて、これは請求自体が全員共同です。つまり、
普通の「請求・申請・申立て」→原則は相互代表、
でもその取下げ→全員共同、
そして拒絶査定不服審判の請求そのもの→全員共同、
という切り分けです。ここは混同しやすいです。 (e-Gov 法令検索)
ひっかけ4:「代理人」と「共同当事者の相互代表」は別の話
たとえば出願公開請求は、JPO資料でも特別授権が必要な重い手続として扱われています。つまり、代理人にやらせる場合にはまた別の代理権の問題があり、14条の共同当事者間の相互代表ルールとは別次元です。ここをごちゃまぜにすると間違えやすいです。 (特許庁)
試験用には、次の一文で覚えると強いです。
「14条は原則バラで動ける。でも、変更・放棄・取下げ、優先権、公開請求、拒絶査定不服審判だけは、みんなで。」
さらに圧縮すると、
「消す・変える・優先・公開・審判は全員」
です。
最後に、問題の切り方のコツを書いておきます。
設問で
「共同出願人の一人が単独でできる」
「代表者を届け出ているから一人でできる」
と来たら、まず頭の中で
変更、放棄、取下げ、優先権、公開請求、拒絶査定不服審判
のどれかに当たるかをチェックする。
当たれば、原則として単独不可です。 (e-Gov 法令検索)
必要なら次に、14条の短答ひっかけ10問をこちらで作ります。