幸せホルモンとは?その科学的根拠となる論文 セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィン

神経伝達物質の中には、俗に幸せホルモンと称されるものがあります。セロトニン、オキシトシン、ドーパミン、エンドルフィンなどが、挙げられることが多いようです。しかし、本当にこれらは幸せな感覚を引き起こすのでしょうか?人間でそのような実験があるのでしょうか?マウスなどであればセロトニン作動性ニューロンを刺激したときに幸福そうにみえるか?という実験が実施可能ですが、幸福感を感じていたかどうかの判定は困難です。人間の場合は、セロトニンを脳に注入するわけにはいきません。直接的な証拠はあまりないのではないかと予想されます。

俗にいう幸せホルモン

  1. Feel-good hormones: How they affect your mind, mood, and body April 18, 2024 https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/feel-good-hormones-how-they-affect-your-mind-mood-and-body Here are the links to articles looking at each of the four feel-good hormones and how they work: dopamine serotonin endorphins oxytocin
  2. 幸せホルモンを増やす方法とは セロトニン・オキシトシン・ドーパミンなど 公開日:2024年8月20日 https://www.ns-pace.com/article/category/feature/happiness-hormone/
  3. 「幸せホルモン(幸福物質)4つ」ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・βエンドルフィンとは?

論文

  1. Happiness & Health: The Biological Factors- Systematic Review Article Dariush DFARHUD 1,2, Maryam MALMIR 3,*, Mohammad KHANAHMADI 4 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4449495/  Iran J Public Health. 2014 Nov;43(11):1468–1477. 全然根拠となる論文に辿り着てていないようです。
  2. Happy hormones and their significance in animals and man International Journal of Veterinary Sciences and Animal Husbandry 2018; 3(5): 100-103 https://www.veterinarypaper.com/pdf/2018/vol3issue5/PartB/3-5-15-355.pdf “The Happiness Hormone” Serotonin is involved in regulation of a
    range of behavioursviz sleep, appetite, arousal and aggression.
    Serotonin prevents depression and makes a person happy. 根拠となる文献?

セロトニン

うつ病の薬(抗うつ薬)として選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective Serotonin reuptake Inhibitors; SSRI)が広く使われています。このことから、脳内のセロトニン量を増加させると、「幸せ」になると考えているのでしょうが、うつの状態から少しマシな状態になることと、幸せを感じることとを単純に同一視するのはあまり合理的とは思えません。セロトニンは闘争などにも関係していることが知られているので、話は単純ではありません。

  1. 幸せホルモンは脳と腸、どちらでつくられる?

ドーパミン

ドーパミンは脳内で「報酬」として作用することが神経科学の実験で示されています。だからといって「幸せ」という感覚に直接結びつけるのは行き過ぎでしょう。

エンドルフィン

エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、鎮痛作用などが知られています。しかし「幸福感」との直接的な関係を示した論文はなかなか見当たりません。

オキシトシン

オキシトシンは社会的なつながりとの関連性が指摘されています。