Gemini:現在、お手元には何かテキストはお持ちですか? まだお持ちでなければ、あなたの前提知識(理系バックグラウンド+特許への興味)に合った、読みやすくて試験にも役立つ「現代の基本書」をいくつかピックアップしてご紹介することも可能です。いかがいたしましょうか?
自分:エレメンツ(特許法、実用新案法)は買って、読み始めているよ。
Gemini:それは素晴らしい選択です!TAC出版の『弁理士 エレメンツ(1)特許法/実用新案法』ですね。吉藤先生の本(1982年)から現代の『エレメンツ』への切り替えは、まさに「古地図」から「最新のカーナビ」に乗り換えたようなもので、弁理士試験の合格を目指す上での最適解の一つです。その選択がなぜ正しいのか、そしてその本を「どう読み進めるのが効率的か」、これまでのユーザー様の関心(研究者としてのバックグラウンドや、論理的な思考を好まれる点)を踏まえてアドバイスさせてください。
1. 『エレメンツ』が良い理由
- 「骨組み」が見える:
法律の条文は「迷路」のようですが、この本は「要件(どうなれば)」と「効果(どうなるか)」という**法律のロジック(骨組み)**を非常にわかりやすく整理しています。
- 最新法改正に対応:
当然ながら、吉藤本にはなかった「新しい制度」や「現在の条文番号」で書かれています。安心して読み進めてください。
- 「基本」に特化:
細かい例外規定(試験でたまにしか出ないマニアックな部分)をあえて削ぎ落とし、**「ここだけは絶対に理解していないと話にならない」**という幹の部分を太く解説しています。
2. 研究者バックグラウンドを持つ方へのおすすめの読み方
ユーザー様は普段、学術的な論文や論理的な文章に触れていらっしゃるので、法律のテキストも「ただ暗記する」のではなく、「システムとして理解する」読み方が合っているはずです。
以下の3つの視点を意識して読んでみてください。
①「原則」と「例外」を分ける
特許法は「原則はこう。ただし、こういう場合は例外」という構造の繰り返しです。
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読み方のコツ: いきなり細部(例外)を覚えようとせず、「なぜこの原則があるのか?」という制度趣旨をエレメンツで掴んでください。「発明を奨励したい(原則)」vs「でも独占させすぎると困る(バランス)」という綱引きが見えてきます。
② 手続きの「時系列(フロー)」を意識する
先ほどの「侵害警告」の話もそうですが、特許は「出願 → 審査 → 登録 → 権利行使」という時間の流れが重要です。
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読み方のコツ: 今読んでいるページが、このフローチャートのどこに位置しているのか(審査の段階なのか、登録後の話なのか)を常に意識すると、迷子になりません。
③ 条文番号に慣れる(チラ見する)
エレメンツには、解説の横に小さく「法29条」などの根拠条文が書いてあるはずです。
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読み方のコツ: 最初は覚えなくていいですが、「あ、これは29条の話なんだな」と数字を意識する癖をつけておくと、後で本格的な学習(条文の読み込み)に入った時にスムーズに接続できます。
今後の学習サポート
読み進める中で、例えば以下のような「法律独特の概念」や「理屈が飲み込みにくい部分」が出てくるかもしれません。
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新規性(29条1項)と進歩性(29条2項)の違い(先ほどの「公知」の話に関わります)
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先願主義(39条)(同じ発明を別々の人が出願したらどうなるか)
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補正の制限(出願した後でどこまで内容を直せるか)
そういった箇所で「これって、具体的にはどういうシチュエーション?」と疑問に思われたら、いつでも投げかけてください。