化合物の命名法 IUPAC,慣習

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化合物の構造式があったときに、炭素鎖が一番長くなるような炭素鎖を主鎖として、炭素数によって接頭語が与えられます。

アルカンの命名法

飽和脂肪族(alkane)の場合は語尾が-aneになりますので、

炭素数1のCH4は、methane メタン

炭素数2のCH3CH3は、ethane エタン

炭素数3のCH3CHCH3は、propane プロパン

炭素数4のCH3CHCHCH3は、butane ブタン

炭素数5のCH3CHCHCHCH3は、pentane ペンタン

炭素数6は、hexane ヘキサン

炭素数7は、heptane へプタン

炭素数8は、octane オクタン

炭素数9は、nonane ノナン

炭素数10は、decane デナン

となります。

アルケン

二重結合がある脂肪族はアルケン(alkene)と呼ばれます。

CH3CH=CH2CH3CH=CH-CH2CH3 であれば、octa-2,5-diene オクタ-2,5-ジエン。

炭素の位置の呼び方

官能基がついている炭素を1とするが、官能基の優先順位としてはカルボキシ基が最優先。例えば、

CH3CHCH(CH3)CH2COOH は、右側から1位なので、3位にメチル基がついていることから、

3-methylpentanoic acid となります。-oic acidはカルボン酸に対する名称です。

CH3CH=CHCH2COOH であれば、3位の炭素に二重結合があるので、3-en であり、炭素数5のカルボン酸なので、pent-3-enoic acid になります。

IUPACの命名には従わない慣習的な呼び方として、官能基の隣から順にα炭素、β炭素、最後がω炭素となる呼び方があります。タンパク質を構成するアミノ酸は、α‐アミノ酸ですが、例えばアラニンの場合には、β位の炭素にアミノ基が結合した、β‐アラニンという化合物が考えられます。脂肪酸のβ酸化というものも有名ですが、これもカルボキシ基の炭素が1位で、2位の炭素がα炭素、3位の炭素がβ炭素ということになり、β位の炭素 -CH2- が酸化されて -C(=O)- となるので、β酸化と呼ばれているわけです。

参考

  1. 有機化合物の名称 sci.kanagawa-u.ac.jp
  2. α炭素(ウィキペディア)
  3. 有機化合物の命名法 scc.kyushu-u.ac.jp
  4. 有機化合物のIUPAC命名法 まちがった命名をしないための要点 畑一夫 置換命名法は,母体炭化水素名に接尾語-olをつけ,異性体を区別するのには,OHの結合している炭素原子の位置番号を付記する。例:1-propanol  基官能命名法は,OHの結合している基名の後に官能名alcoholを書き,英語の場合,基名と官能名とは別語として別けて書く。異性体を区別するには,基の異性を表わす記号を付記する。例:propyl alcohol  置換命名法は炭化水素名から導かれるので, isopropanol,t-butanolといえば,isopropane, t-butaneという炭化水素が存在しなければならないことになる。これらの誤名が一般に広く通用してしまった
  5. 多重命名法 2000-11-04 貞廣知行 
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