2023年度~のJST戦略的創造研究推進事業テーマ、AMED革新的先端研究開発支援事業のテーマ

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科学新聞令和5年3月24日(金)号の報道によれば、2023年度から新たに走り出すJST戦略的創造研究推進事業テーマ、AMED革新的先端研究開発支援事業のテーマが決定したそうです。これにもとづいて、JSTさきがけやJST CRESTの公募が行われることになります。

文部科学省のウェブサイトに、2023年3月14日付けで「2023年度募集予定の新規研究領域」として発表されていました。

量子フロンティア開拓のための共創型研究(JST)

概要 量子技術は社会・経済に大きなイノベーションをもたらすと期待される革新的技術であるが、その実現に向けては様々な課題が山積している。従来、量子技術は物理学が基礎となって発展してきたが、これらの課題の解決に向けては数理科学・化学・情報工学・電気電子工学・機械工学・光科学・材料工学・生命科学などの幅広い分野との融合・連携が必要となる。本戦略目標では、将来的な量子技術の実現を見据えて材料・デバイスからアプリケーションまでの全レイヤでブレイクスルーを目指した研究を推進し、様々な分野とも協調・融合しながらこれまでにない量子デバイスとその制御技術、システム、アプリケーションの実現を目指す。

海洋とCO2の関係性解明と機能利用(JST)

概要 気候変動対策の重要課題である人為起源の二酸化炭素(CO2)の大気中濃度低下のためには、全球(大気・海洋・陸域)の炭素循環プロセスへの理解が不可欠であるが、自然界で最大級のCO2吸収源である海洋とCO2との関係性には未解明な部分が多い。本戦略目標ではミクロからグローバルのスケール横断及び異分野融合アプローチでこの関係性の理解深化を目指す。具体的には、海洋の炭素循環プロセス及び海洋温暖化・酸性化・貧酸素化等のCO2増加に伴う現象がそのプロセスに与える影響、CO2増加の海洋生態系への影響、海洋の機能を利用したネガティブエミッション技術1に関する研究開発を行う。目標の達成を通して、海洋機能の最大限の活用による気候変動対策への貢献を目指す。

新たな半導体デバイス構造に向けた低次元マテリアルの活用基盤技術(JST)

概要 デジタル社会の根幹を担う半導体集積回路には更なる低消費電力化・高速化・高集積化が求められ、そのために新たなトランジスタ構造が必要とされている。将来的には、極薄のナノシート、二次元物質、一次元物質といった低次元マテリアルがトランジスタのチャネル材料として用いられることが期待されている。また、低次元マテリアルは、特異な電子構造を活用した新たな半導体デバイス(各種センサ、光デバイスなどの半導体素子)のコア材料として利用されることが期待されている。本戦略目標では、低次元マテリアルを新たな半導体デバイス構造に活用するために必要な基盤技術の確立を目指す。

人間理解とインタラクションの共進化(JST)

概要 人間・AI・ロボット相互間やそれらと環境とのインタラクションが増加・多様化する中で、それを支える情報科学技術の創出や、人間や社会が受ける影響の理解等に資する研究を発展させることが必要である。本戦略目標では、情報科学技術と人間に対する理解の相互かつ連鎖的な深化・発展と、一人ひとりに寄り添ったインタラクションの実現等を推進することで、多様な価値観を持つ人々が相互に認め合い理解し合える社会や一人ひとりが自然に行動できる社会を支える技術・サービスを創出し、ウェルビーイングの実現を目指す。

革新的な細胞操作技術の開発と細胞制御機構の解明(JST)

概要 近年、細胞操作技術の開発や細胞制御に関わる新たなメカニズムの解明は、我が国においても急速に進展している。特に、細胞操作技術に関しては、例えばゲノム編集技術のように、生命科学のみならず、医療や農業等の分野でも活用され、社会に大きく貢献しうるものであるため、我が国としても重点的に取り組む必要がある。また、細胞操作技術の開発にはその基礎として細胞制御機構を十分理解することが重要であるため、本戦略目標では、細胞制御機構の解明と細胞操作技術の開発を両輪として進めることとする。これまでにない新たなアプローチによる研究開発を推進するため、手法、生物種を特定せずに、多様な研究分野の研究者を巻き込むことで、革新的な細胞操作技術の開発や、細胞操作技術の開発を通じた細胞制御機構に関する新たな知見やイノベーションの創出等を目指す。

ストレスへの応答と病態形成メカニズムの解明(AMED)

概要 社会・環境中に存在する様々な精神的・物理的・化学的ストレスを原因とした疾患の発症を予防することは、国民全体の QOL の向上等を図る上で重要である。しかし、多様なストレスに対する生体応答を詳細に捉えることは難しく、ストレスへの暴露と病態発症の機序が不明なものも多いため、ストレス暴露に対する生体の危険信号を早期に捉えた疾患発症の予防ができていない。このため、本戦略目標では、基礎研究者と臨床研究者が密接に連携した共同研究等を通じて、ストレス応答に対する細胞レベルの現象と個体レベルの現象を科学的・統合的に理解するとともに、病態形成メカニズムの解明を目指す。

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