胆道とは
胆道とは、肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れるまでの道で、胆管と胆のうからなります。胆のうは胆のう管で胆管につながり、胆汁を一時的にためて濃縮させる働きがあります。食事をすると胆のうから濃縮された胆汁が絞り出され十二指腸に流れていき、膵臓(すいぞう)で作られた消化酵素を含む膵液などの消化液とともに食物の消化吸収を促します。(胆道感染症(胆のう炎・胆管炎) 済生会)
胆道とは、肝臓で作られた胆汁が十二指腸に流れるまでの道で、胆管と胆のうからなります。胆のうは胆のう管で胆管につながり、胆汁を一時的にためて濃縮させる働きがあります。食事をすると胆のうから濃縮された胆汁が絞り出され十二指腸に流れていき、膵臓(すいぞう)で作られた消化酵素を含む膵液などの消化液とともに食物の消化吸収を促します。(胆道感染症(胆のう炎・胆管炎) 済生会)
「鑑別診断をあげる」という言葉を聞いたのですが、一体これはどういう意味でしょうか?
⑥ 鑑別診断を挙げるコツ 音声(YOUTUBE)
このようにして鑑別診断(differential diagnosis)をあげるには,知識をillness scriptの形で利用できること,そしてproblem representationを提示できることが前提になる.(鑑別診断のあげ方)
同時に鑑別診断も挙げさせよう。突拍子もない鑑別診断を挙げるようならよくわかっていない証拠。反対に稀だけど見逃してはいけない鑑別診断をきちんと挙げさせるのも大事。(第1回 忙しいERで教育なんてできる?)
その難しさには,① まだ指 導医自身がうまく鑑別診断を挙げることができないと感じている場合と② 後輩がちゃんと所見や検査データを チェックしていながら次の診断治療過程に反映できていないことについて何を指摘すればよいのかわからない場合, の2種類があると思われます。(誰も教えてくれなかった診断学)
病歴を取り、身体診察をして、目の前の患者さんが鑑別診断にあがった疾患(=疑った疾患)を持っている確率がどの程度か、見積もってみる。(鑑別診断なしの検査に待った【実名臨床道場】診断に結び付く検査値の読み方を野口善令氏が伝授実名臨床道場事務局2014年2月19日)
日本語の日常的な言葉としての「排泄」は、おしっこをする、うんちをするで、排せつ物を体外に出すことだと思いますが、医学用語としては、腎臓において老廃物などを尿中に排出することも「排泄」と呼ぶようです。知りませんでした。
薬の排泄とは、体から薬が除去されることです。すべての薬は最終的に体から排泄されます。化学的に変化(代謝)してから排泄されることもあれば、そのまま排泄されることもあります。大半の薬、特に水溶性の薬とその代謝物は、主として腎臓から尿中に排泄されます。
尿中への薬の排泄 薬のある特性など、薬を排泄する腎臓の能力に影響を及ぼす要因がいくつかあります。薬や代謝物が尿中に十分に排泄されるためには、水溶性でかつ血液中のタンパク質にあまり強く結合しないものである必要があります。(MSDマニュアル家庭版)
体から除去されることが排泄だが、尿中に出ることも、まだその尿が体の中にあるのにもかかわらず、排泄というようですね。
QT延長(心電図におけるQT間隔の延長)が問題という記述をよく見かけますが、QT延長とは何でしょうか?下の動画の説明がわかりやすいです。QTのフェーズは、活動電位に対応しており、ナトリウムチャンネルの機能の増大やカリウムチャンネルの機能の減少がQT延長につながるのだそうです。
Long QT Syndrome and Torsades de Pointes, Animation 2020/04/07 Alila Medical Media
小区分「血液および腫瘍内科学関連」の基盤研究(C)採択課題一覧 をKAKENデータベースから取得しました。採択課題名、研究期間(年度)、キーワードの順です。
独立変数(説明変数)が複数あり、従属変数がバイナリー(イベントの有無)の場合に、どの独立変数の寄与が大きいかを調べる手法が、ロジスティック回帰分析だそうです。わかりやすい説明サイト、実例紹介サイトのまとめです。
基礎系の生命科学研究を長年やってきたにも関わらず自分に全く馴染みがなかった言葉が、内的妥当性と外的妥当性です。これは、看護学の研究者が当たり前に使っていて、初めて聞いたときにとても新鮮に感じました。
説明を聞いてみると、特に目新しい概念というわけではなく、単に自分はそういう言葉遣いをしてこなかったというだけのようです。砕けた言い方をするならば、外的妥当性というのは、どれくらい一般化できるかという意味です。内的妥当性というのは、その実験結果がどれくらい間違いがないか(つまり再現性があるか)ということです。学問分野によって常識がずいぶん違うものなんですね。
ランダム化比較試験(RCT)は,最も内的妥当性が高い臨床研究として有名ですが,研究の対象となる人が限定されることから,外的妥当性は低いとの指摘もあります.一方,全数調査をするようなコホート研究では,ランダム化比較試験(RCT)より外的妥当性は高いが内的妥当性は低いといわれています.(妥当性 jspt.japanpt.or.jp)
内的妥当性とは、独立変数と従属変数の因果関係について、その因果関係が確かにあるということが確信をもっていえる程度のことである。外的妥当性とは、研究の結果がどの程度一般的なものであるかの程度のことである。(内的妥当性と外的妥当性 sotsurontaro2.seesaa.net/)
(1)内的妥当性(Internal validity)=因果推論 内的妥当性とは、「観察された共変する2つの事象に因果関係があるかどうか」ということに関する妥当性です。つまり内的妥当性とは因果推論そのものです。XとYが共変することは分かっていたとします。この2つは「原因」と「結果」であると言うことができれば内的妥当性は高いと表現されます。一方で、交絡因子・内生性の問題があり、見かけ上はXとYに関係性があるものの、それが因果関係になければ内的妥当性は低いと考えられます。(妥当性(Validity)と信頼性(Reliability) 2014/12/15 healthpolicyhealthecon.com)
例えば3歳児神話の研究では「就業している母親はこどもを保育園に通わせる」「就業している母親は学歴や年齢が高い」「ソーシャルサポートや同居家族が多いと保育園に通わせない可能性が高い」など、独立変数に関連する様々な要因が従属変数(例えば数年後の知能や社会性)に影響を与える可能性は十分ある。
このような場合に単純に独立変数と従属変数の関係を調べても、内的な妥当性(=従属変数への独立変数単独の効果を見ることができる程度)が低いため、様々な反論にさらされる可能性がある。(星野 崇宏 名古屋大学大学院経済学研究科 educ.kyoto-u.ac.jp)
一般に約100~150μm未満の血管系を微小循環と称している.(冠微小循環の視覚化 pp.873-877 呼吸と循環 53巻8号 2005年8月)
冠動脈はepicardialarteryから心筋に入り込み,分枝して冠小動脈になる(>100-150μm:large arterial microvessels / small arteries, <100-150μm: small arterial-microvesels / arterioles). 分枝に従い, 血管径を減じ, 毛細血管前小動脈 (precapillary), 内皮細胞と周皮細胞(pericyte)からなる毛細血管(<10μm:capiillary)を経て, 小脈(venule〈70μm)に移行する. 冠小動脈は中外膜の3層構造を有する筋性動脈である. このレベルでは中膜は4~6層の平滑筋細胞から構成される. 末梢に進むに従い, 中膜の厚さを減じ, precapillaryレベルの中膜は1層の平滑筋細胞になる. 終末小動脈の中膜は不連続となり, 平滑筋細胞も散在するようになる. 小脈は内皮細胞のみから構成されるが, 血管の増大に伴い中膜の平滑筋細胞が認められるようになる.(冠微小循環の基礎知識 心臓Vol.40 No.7(2008))
心臓には約45mlの血液が含まれ、動脈系、毛細血管、静脈系に約1/3ずつ存在する。冠微小循環は直径200μm以下の血管径の総称であり、左心室筋重量の約8%の血液が含まれている。動脈系の微小循環は直径200~100μmの小動脈(small artery)と100μm以下の細動脈(arteriole)に分けられる。両者は血管抵抗の75%を担っており、抵抗血管とも呼ばれている。細小動脈の役割は、体血圧が変動しても自動的に抵抗を調節することにより毛細血管内圧を25~30mmHgで一定に保つことである(自動調節能 autoregulation)。これは、毛細血管における酸素や栄養の交換を安定的に行う”恒常性の維持”のためである。毛細血管には冠微小循環の血液の90%が存在し、容量血管としての働きをもつ。拡張期に冠動脈から心筋に流れ込む血液を心筋内圧を上昇させることなく全て収容することができる。(急性心筋梗塞における冠微小循環障害の病態と治療戦略 岡山医学会雑誌 2009 JStage)
冠血流量は、灌流圧が一定であれば血管抵抗により決まる。冠血管抵抗に対する心外膜側の太い動脈の関与は生理的状態では少なく、細動脈などの抵抗血管により規定される。反応性充血やジピリダモール、アデノシンなどの薬物による冠拡張でみられるように、冠血流は安静時の5~6倍程度まで増加しうる。労作などにより心筋酸素消費量が増加すると、細動脈が拡張し、冠血管抵抗を減じ血流量を増やすことにより供給を維持する。一方、冠灌流圧の変化に対しても、心筋酸素消費量が一定であれば70~130mmHgの範囲では冠血流量を一定に保持する働きがあり(autoregulation,自動調節能)、動脈硬化などによる80%程度までの内径狭窄では、その末梢部の圧の多少の低下にもかかわらず虚血とはならない。(冠血流予備能〈coronary flow reserve〉 トーアエイヨ―)
左冠動脈前下行枝および回旋枝は, 左心室心外膜表面を走行し, 途中直角に心筋膜下層に向かって走行して内膜下層心筋部位に微小血管として分布する. この冠血流が途えると心筋組織に虚血が生じる. 特に心筋膜下層は, 心筋にして直角に走行する冠血管が周囲の心筋が収縮する度に圧迫されるため, 常に虚血になる危険に曝されている. (心臓微小循環 日薬理誌 1999)
冠微小循環障害(CMD)には機能性と構造性の2類型があることが明らかになりつつある。イギリスKings CollegeのRahmanらは、86名の狭心症患者を対象として、この分類の確定を報告している。… 著者らは、機能性CMDでは心筋‐冠動脈カップリング不全が酸素需要増をまねく一方、構造性CMDでは全身性内皮細胞障害による心筋過活動を介して血流供給が相対的不足となる、という機構を提唱している。(メディカルオンライン)
急性心筋梗塞症例の治療目標は,梗塞責任血管の速やかな再疎通である。なかには責任血管が再疎通しても冠微小循環に構造的障害が生じたために十分な心筋血流が得られない症例が存在し,noreflow現象と呼ばれている。(急性冠症候群の最近の動向 治療 虚血再灌流時の微小循環保護:現状と展望 CARDIAC PRACTICE Vol.22 No.2, 67-71, 2011)
冠動脈疾患の診療は、主に冠動脈狭窄や心筋虚血検査によって行われてきた。しかしながら、近年の筆者らの臨床研究によって、狭窄や虚血がなくても血管径が100μm未満の冠微小血管機能が障害している患者が存在し、心血管イベントの強い予測因子であることが明らかとなった。冠微小血管そのものを描出することはできないが、心臓PET装置と心筋血流トレーサを用いることでアデノシン負荷時と安静時血流量の比から、非侵襲的かつ定量的に冠血流予備能を算出することが可能である。(冠微小循環機能評価 北海道大学 研究シーズ集)
冠血流予備能(CFR)とは安静時に比較して最大冠拡張時に何倍増やすことができるかを示す指標である。… CFRは局所的狭窄のみでなく、瀰慢性病変の存在や微小循環障害の存在によっても低下する。(CFRとFFR ―その類似点と相違点― 日本心臓核医学会誌 Vol.19-1 jastage.jst.go.jp)
下の記事の説明が、FFRの定義が最も詳細です。
FFRとは圧センサー付きガイドワイヤー(pressure guidewire)を用いて冠動脈狭窄の遠位部圧を計測し、最大充血状態(抵抗血管を最大拡張した状態)での病
変部圧較差から重症度評価を行うものである。狭窄のない正常冠動脈では心筋外血管に抵抗、すなわち圧較差は存在しないため、その心筋灌流圧は(Pa-Pv)と
なり(Pa:大動脈圧、Pv:中心静脈圧)、細小動脈血管抵抗をRとすると、正常最大心筋灌流量QN,max=(Pa-Pv)/Rで表わされる。狭窄が存在すると狭窄遠位部圧(Pd)は低下し、その際の心筋灌流圧は(Pd-Pv)となるため、狭窄存在下の最大心筋灌流量QS,max=(PdPv)/Rとなる。FFRは次のように定義される。
FFR = 狭窄存在下の最大心筋灌流量 / 正常最大心筋灌流量 = QS,max / QN,max
抵抗血管を最大拡張の状態とするとその抵抗値Rは最小となり、また一定となる。Pa、Pdに対しPvが十分低いと仮定すると、
FFR=QS,max/QN,max=(Pd-Pv)/(Pa-Pv)≒Pd/Pa
正常血管である場合のFFR=1.0であり、FFRが0.75に低下しているということは、その血管が正常であった場合に得られる最大血流量の75%の血液を供給しうるということを意味する。(FFR を用いた心筋虚血の評価 田中信大 Nobuhiro Tanaka 東京医科大学 循環器内科 日本心臓核医学会誌 Vol.16-1)
下の記事は図解してあってわかりやすい。
狭窄の存在下での最大増加血流量が、その狭窄が存在しないと仮定した場合の最大増加血流量に対してどの程度の割合なのかを表す指標を FFR(心筋血流予備量比)といいます。 カテーテル検査ではプレッシャーワイヤーというカテーテルを用いて、薬剤により最大充血させた狭窄病変の FFR を計測することで、その狭窄病変が PCI 適応なのかそうではない のかを鑑別することができます。
FFR = Pd / Pa
Pa: 大動脈圧(ガイディングカテーテルの先端の部位で測定)
Pb:狭窄病変遠位部の冠内圧(プレッシャーワイヤーの先端の部位で測定)(葛西昌医会病院 臨床工学科 MEだより 第91号)
最大冠拡張状態では冠動脈圧と冠血流は比例関係になるため、冠内圧の比が冠血流量の比とみなすことができる。以上の理由から、薬剤により最大冠拡張誘発時のPdとPaの比を部分冠血流予備比(FFR)と定義することができる。… FFR0.75以下は虚血陽性、0.75-0.8はグレイゾーン、0.8以上は虚血陰性と診断できる。… 虚血のカットオフは0.75、PCIによるイベント抑制が期待できるカットオフは0.67とされている。(CFRとFFR ―その類似点と相違点― 日本心臓核医学会誌 Vol.19-1 jastage.jst.go.jp)
方法 心臓カテーテル検査に続いて行います。 冠動脈拡張剤(ATP: アデノシン)を点滴投与しながら、プレッシャーワイヤーという装置(外径: 約0.36mm)を冠動脈に挿入してFFRを測定します。 通常、数分間で終了します。(冠血流予備量比(FFR)測定 Fractional Flow Reserve 阪和記念病院)
血管造影を基準に行うカテーテル治療が薬物療法と比較して予後を改善しないという報告がある一方で、部分冠血流予備量比(FFR)に基づいたカテーテル治療が予後を改善することが報告され、ガイドラインにおいても虚血に基づいた治療適応の決定が推奨されている。(血流予備能定量化の臨床的意義 日本心臓核医学会誌 Vol.18-1)
【背景】 冠動脈狭窄重症度指標としてのFFRの意義は確立しているが、より非侵襲的なiFR(instantaneous wave-free ratio)とPd/Pa(resting distal coronary artery pressure/aortic pressure)がどの程度それを代替できるかは不明である。Stony Brook University Medical CenterのJeremiasら(The RESOLVE Study)は、1768名の患者を対象としてこの問題を検討した。 【結論】 iFRとPd/Paはともに80%程度の正確度でFFRを評価でき、一部病変ではその正確度は>=90%となりえる。(FFRをiFR・Pd/Paで代替する? メディカルオンライン)
冠血流予備量比(FFR)とともにカテーテル検査室で得られる虚血指標である瞬時血流予備量比(instantaneouswave-FreeRatio:iFR)の有用性について、2017年3月の米国心臓病学会(ACC)で、大規模臨床研究であるDEFINE-FLAIR試験1)*とiFR-SWEDEHEART試験2)**の結果が報告された。(7月に京都で開催された第26回日本心血管インターベンション治療学会学術集会(CVIT2017)の共催セミナー「FFR*を極める」では、わが国のFFRの第一人者である田中信大先生(東京医科大学八王子医療センター循環器内科)と、大規模臨床試験のFAME試験にも参加し「FFRの父」とも呼ばれるNicoH.J.Pijls先生〔Catharina Hospital (オランダ)〕が登壇し、FFRの可能性と虚血指標についての最新動向を発表した。2017年9月25日 http://friends-live.jp/)
FAMEstudyでは、多枝病変患者におけるFFRガイドのPCI手技の有用性について検討された4)。血管造影所見のみで適応を決定しPCIを施行した群に比して、全病変のFFR評価を行い、FFR0.80未満の病変についてのみPCIを施行した群の方が、心イベント数のみでなく医療費も抑制すると報告された。また解剖学的な重症度指標であるSYNTAXscoreを、FFR値を勘案して有意な病変に対してスコア化するFunctionalSYNTAXscoreは、より治療後のイベント発生を予測することに有用であった5)。非侵襲的負荷試験と比べ、個々の病変枝ごとの虚血の有無を判定できるFFRは、実臨床におけるPCIの治療戦略を立てる上で、非常に有用な情報を与えてくれる指標といえる。(FFR を用いた心筋虚血の評価 日本心臓核医学会誌 Vol.16-1)
冠循環にかかわる歴史は古く,冠動脈“coronaryarteries”の名付け親はGalen(130-200)[1]である.古代ギリシャで競技の優勝者に対して,冠として授与されたアポロンの霊木である月桂樹の輪から由来しているといわれる.その後,10数世紀を経て血液循環の確立で有名なHarvey(1578-1657)[1]が冠血管には心筋内の血行路があり,それが心筋を栄養することを的確に指摘している(図1).( 冠循環 岡山大学大学院医歯学総合研究科システム循環生理学 梶谷 文彦 LECTURES 日生誌 Vol. 66,No. 6 2004)
研究課題名に冠微小循環を含む研究課題のリストです。
2021年度の科研費「基盤研究(C)」への応募件数は44,948件でした。採択件数は12,775件で、採択率は, 12,775/44,948=28.4%です。小区分「脳神経外科学関連」への応募件数は、313件で、採択数は84件。ですから、「脳神経外科学関連」は、26.8%の採択率です。基盤研究(C)の審査は小区分ごとに行われますが、一人で313件もの計画調書を読むのは困難なため、応募書類は機械的に分割されます。何個に分割されたのかはわかりませんが例えば4つに分けられたとすると1分割あたり78件を審査したという計算になります(もし5分割だと審査委員一人あたり63件になります)。いずれにしても、全部読んで審査することを考えると、大変な数です。
小児難治てんかん手術例における脳梁髄鞘化の発達プロファイリング
TERTを標的とした悪性髄膜腫の新規治療法開発
内向き整流Kチャネルを基軸としたグリオーマ浸潤メカニズムの解明
葉酸受容体標的ホウ素化合物を用いたCED法によるBNCT治療効果向上に関する研究
神経毒性蛋白排出障害による神経変性機序の解明と新規排出促進の理論基盤の確立
血管信号抑制ASLによる非侵襲脳循環測定の精度向上技術の開発
交流磁場による新規神経膠芽腫治療の確立
ミトコンドリア機能に着目した膠芽腫におけるHDAC7の機能解析
脳ペリサイトの機能変化による細胞間クロストーク異常と脳血管障害の進展
脳腫瘍幹細胞の非対称性分裂におけるエピジェネティクス制御機構の解明
liquid biopsyによる、神経膠腫の非侵襲的診断/病態把握システムの開発
脳動脈瘤破裂におけるinflammasome活性化とsirtuinの役割
神経系に元来備わる自己修復能の活性化法:電気刺激療法を用いて
悪性グリオーマのグルタミン飢餓状態による一炭素代謝経路の調整と新規治療標的の探索
部分再開通における脳梗塞進展の機序解明と治療法の開発
脳深部刺激術におけるclosed-loop systemの応用と脳機能解析
脳虚血および虚血耐性現象におけるミトコンドリア細胞間移動の意義の解明
覚醒下脳手術による意欲関連ネットワークの解明
神経組織内因性蛍光反応を基盤とした大脳皮質活動領域の術中直接可視法の確立
経頭蓋電気刺激による脳神経疾患での姿勢制御異常に対する新規治療開発
脳出血慢性期モデルに対する幹細胞とScaffold合剤の有効性評価
脳動脈瘤破裂予防を目指した創薬標的の同定
網羅的メチル化解析で同定された頭蓋内高悪性度胚細胞腫治療標的候補分子群の機能解析
脳循環変化に伴う有害事象を予測する、新たな術中モニタリングシステムの開発
M2マクロファージ上に発現する B7 分子を標的とした転移性脳腫瘍の発症制御
マイクロミニピッグの脳室下帯におけるneurogenesisの検討
脳における血管内皮細胞特異的に制御するAQP11 欠損病態モデルの構築
中枢神経系悪性リンパ腫臨床試験における網羅的遺伝子解析による予後及び予測因子解析
オリゴデンドロサイトとニューロンとの相互作用を標的とした膠芽腫の新規治療法の探索
脳虚血病態におけるペリサイトの細胞死にフェロトーシスは関与するか?
性差関連因子の解析による膠芽腫の発生や治療抵抗性に関わる新たな経路の同定
クラスタリング手法によるMRI画像解析ー聴神経鞘腫の病態解明と先制医療の実現ー
安全かつ高効率誘導を実現する新世代型ダイレクトリプログラミング法の総合的開発
膠芽腫に対するアミノ酸代謝阻害併用ケトン食療法の基礎的研究
脳内てんかんネットワークのElectrical fingerprintの同定
脳動脈瘤壁の慢性炎症と退行性変化をもたらす血行力学的因子の解明
主幹動脈閉塞性脳梗塞に対する血管内治療を用いた新たな側副血行賦活化治療の開発
悪性脳腫瘍手術における術中判断を支援する局所噴霧式新規蛍光プローブの開発
悪性脳腫瘍に対するウイルス療法における力学動態解析に基づく治療効果増強法の開発
膠芽腫の再発形式に関与する幹細胞マーカー発現変化の解明
シロスタゾールを用いたもやもや病における内因性幹細胞賦活と血管新生促進療法の開発
脊髄損傷急性期に対する間葉系幹細胞静脈投与に対する脊髄腸相関に関する研究
難治性下垂体腺腫に対するNOTCHおよびPROP1を標的とした新規治療法の開発
神経膠腫の浸潤機序解析と浸潤能を標的とした先駆的治療法の開発
先端巨大症における成長ホルモン奇異性上昇の生物学的意義;反応振幅の度数分布から
エクソソームを利用した下垂体腺腫でのソマトスタチン受容体発現の評価システムの開発
ガンマ波規則性定量化・動的解析によるてんかん病変部・ネットワーク描出法の開発
髄液及び脳からの老廃物の排泄の改善による認知症発症の予防
脳梗塞に対するiPS細胞移植と内在性幹細胞による幹細胞コンビネーション治療法開発
膠芽腫に対するNK細胞と新たな免疫チェックポイント阻害の併用療法の開発
線維芽細胞に着目したくも膜炎症の分子機構の解明と新たな脳保護薬の開発
ドラッグリポジショニングによる中枢神経疾患治療薬の開発
脳梗塞におけるPDGFナノ粒子を用いた新規治療の開発
深在性かつ広範に跨る脳疾患部位を効果的に冷却できるハイブリッド脳冷却技術の開発
模擬微小重力環境で培養したヒト頭蓋骨由来間葉系幹細胞の脳梗塞ラットへの移植効果
悪性髄膜腫に対するWT1ペプチドワクチン療法の開発
頸動脈狭窄症における局所的乱流と脳梗塞発症リスクに関する研究
新規治療法開発を目指したクモ膜下出血後白質神経傷害の解明
特発性正常圧水頭症モデルを用いたGlymphatic systemの解析
好中球のRAGEによるクモ膜下出血後脳血管攣縮機構
好中球細胞外トラップを標的とした内頚動脈狭窄症不安定プラークに対する創薬
てんかんにおけるアデノシンA1受容体活性と心拍変動の関連の研究
S1PR1シグナル制御による脳血液関門保護を介したくも膜下出血の新規治療法開発
血行力学的観点に基づいた未破裂脳動脈瘤の増大抑制に関する研究
MYCファミリー遺伝子を標的にした膠芽腫に対する革新的治療法の開発
ムコリピンを標的としたがん根治・予防を可能とする治療薬の創出
Pseudoprogressionの病態解明と画像診断法の確立
逆行性顔面神経細胞変性の抑制機構の解明―変性神経の外科的治療をめざしてー
悪性神経膠腫の薬剤耐性へのDNA修復異常の関与の解明
腫瘍免疫の再活性化を可能にする悪性グリオーマ分子標的治療薬の開発
TET2遺伝子を用いた膠芽腫に対するマルチターゲット脱メチル化遺伝子治療研究
神経膠腫オルガノイドバンク構築による個別化治療の開発
新たな神経炎症経路に着目したくも膜下出血後認知機能障害の病態解明と治療応用
神経膠芽腫において代謝経路再編成が細胞増殖や治療抵抗性に与える機序の解明
脳梗塞に対する幹細胞移植後の機能回復に関連する脳可塑性の解明
siRNA結合ナノパーティクルを用いた膠芽腫に対する標的遺伝子治療法の開発
歯周病巣のexosomeによる脳動脈瘤破裂への影響
浸潤性脳腫瘍に対する分子標的薬と遺伝子治療との併用療法とその腫瘍微小環境の解明
神経膠腫の二重微小染色体による診断法とLiquid biopsyの開発
植物性エストロゲンによる脳動脈瘤形成予防の解明
新規トリプトファン代謝酵素阻害剤とインターフェロンによるグリオーマ複合免疫療法
microRNA解析に基づく悪性脳腫瘍の新規治療法とバイオマーカーの開発
抗腫瘍血管新生薬新規創薬のためのiPS細胞などを用いたドラッグリポジショニング
くも膜下出血後早期脳損傷の軽減をめざして:エダラボンのドラッグリポジショニング
そもそもがん幹細胞とは何でしょうか?
がん幹細胞の概念はもともと「移植腫瘍を形成するためには一個の腫瘍細胞の移植では不十分で、必ず多数の腫瘍細胞を移植する必要がある」という古くから知られた事実を説明するために生まれてきた概念である。(脳外誌24巻6号2015年6月 jstage.jst.go.jp)
がん幹細胞というのは、最初は概念だったんですね。実体が明かになる前に、まず概念が確立しその実体を追い求めて研究が進むというのは科学研究の世界ではよくあることです。