自分は父を大腸癌で亡くしましたが、もし大腸癌検診(大腸カメラ)などを定期的にしていれば外科的に取れる段階で見つけられたのではないかと思います。病院嫌いの父でしたので、早期検診などという概念とは無縁の生活をしていました。それまで健康に暮らしていたのに、ある時突然ひどい便秘になってしまい検査した結果、大腸癌が大きくなって大腸を塞いでいたために便が出てこれなくなっていたのでした。即入院してステントを入れて便通はできるようになりましたが、がんに関してはすでに肝臓や他の部位にまで転移していて、なすすべがない状態になってしまっていました。
職場の定期健診ではオプションで検便があります。潜血がないかどうかを調べて、もしあった場合には大腸癌が疑われるので大腸カメラをやったほうがいいというものです。尿検査で採尿するだけでもうっとおしいと感じているのに、自分のうんちを採取するなんてそんな面倒なことはやりたくないと、何年もの間検便は避けてきたのですが、父を大腸癌で亡くし、癌が家族性(リスクファクター)であることを考えると、あるとき突然死の宣告を受けるのも厳しいなと思って、今度から検便のオプションを選ぶようにしています。
しかしトイレで便を採取するのは面倒です。いっそトイレに潜血を自動的に検査するシステムが組み込まれていればよいのにと思いました。遠くない将来、そのようなスマートトイレが市場に出てくるのではないかと思いますが、現状はどうなっているのでしょうか。検便もそうですが、それ以外にも、健康管理を自動測定して警告を発してくれるシステムがあればいいと思います。家に防犯カメラなどのセキュリティをつける人がいますが、同様に常時自分や家族の健康状態が(精神面も含めて)測定できれば、なにかと便利そうです。もちろん個人情報を記録することになるので、その管理という点でいろいろクリアすべき問題はあるでしょう。
能動的に検査を受けるのは面倒ですので、普段の生活を邪魔されずに勝手に健康状態をモニタしてもらえると有難いと思います。そんな考え方が実はすでに世の中にあることを知りました。
「さりげないセンシングと日常人間ドックで実現する自助と共助の社会創生拠点」という東北大学および共同研究する企業からなる研究グループのプロジェクトです。科学技術振興機構(JST)の助成事業センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムで行われたプロジェクトだったようです。
- JSTトップ > 【終了】COIプログラムトップ COIプログラムは令和4年3月末をもって終了いたしました。(事業実施期間:平成25年~令和3年)
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さりげないセンシングと日常人間ドックで実現する自助と共助の社会創生拠点 東北大学
さりげない尿の成分測定
尿中のナトリウムイオンとカリウムイオンの濃度の比(ナトカリ)が血圧と相関するのだそうです。Na/K の比が高いほど高血圧である可能性が高いのだそう。よってナトカリをモニタすることで、高血圧ぎみですよと注意を促してくれるわけです。
2024 年 10 月 8 日 日本高血圧学会 尿ナトリウム/カリウム比(尿ナトカリ比)ワーキンググループ コンセンサスステートメントの発表について 日本高血圧学会は、日本人のための尿ナトカリ比の目標値と適切な評価方法を提唱するた め、機関誌 Hypertension Research(JSH STATEMENT)にて 2024 年 10 月 8 日(火)にコン センサスステートメントを公表いたしました。 https://www.jpnsh.jp/data/pressrelease_241008.pdf
- センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム 終了報告書 研究開発期間:平成 25 年度~令和 3 年度 拠 点 名: さりげないセンシングと日常人間ドックで実現する 自助と共助の社会創生拠点 中核機関: 東北大学(72ページPDF)https://www.jst.go.jp/coi/hyoka/data/110_tohoku_hokoku.pdf
- 尿ナトカリ比と高血圧リスクの関連 https://healthcare.kagome.co.jp/column/natokari