ダメな科研費申請書を書いてしまったことを知るためのセルフチェック方法

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科研費申請書(研究計画調書)は、自分で書いていると、不備に自分では気づけません。自分の頭の中には全てが常識として入っていて、自分の中ではしっかりつながっているからです。しかしながら、自分が書いた申請書の日本語の文章がきちんと論理的につながっているとは限りません。分野買いの人が読んだときに、適切な順番で情報が与えられていないと、理解できないということになります。自分では気づけない、上手く書けていないことを知るためのセルフチェック方法をご紹介いたします。

背景のセクションに引用論文がありますか?

背景と問いを書きなさいというセクションを書く目的は、立てた問いが問うに値する重要性を持っていることを審査委員に納得させるためです。そのためには客観的に議論を進める必要があります。客観性=発表論文です。一つも論文を引用していないで背景を書いていたとしたら、それは審査委員を納得させるには不十分ということになります。

背景と問いのセクションに「問い」が明示されていますか?

非常に多くの人が、本研究の学術的な問いは~である。という書き方をしていません。しかし、審査委員は評価ポイントとして問いの重要性を評価しなければならないため、問いはどこに書いてあるんだろうと思って読みます。このセクションを最後まで読んだのに、何が問いだかわからなかったとしたら、問いが不明確という判断を下されてしまうでしょう。

独自性・創造性

論文報告がないのでこの研究には独自性があると言える。と書いていませんか?論文報告がないのでこの研究には独自性があるとは、言えません。取るに足らないことなので誰もやっていないだけなんじゃない?と突っ込みをいれられたら、どう答えますか?その答えこそ、ここに書くべきことなのです。

国内外の研究動向と位置付け

国内外の研究動向というからには、しっかりと他人の論文を引用して議論をしていないといけません。このセクションで論文がひとつも引用されていないとしたら、それは、このセクションをうまく書けていない証拠になります。

研究動向の研究って、なんの研究だかわかりますか?当たり前のことですが、それは研究目的に書いたような研究、あるいは学術的な問いとして書いたようなことを目指す研究です。全然違う研究の紹介をしてしまっていませんか?

研究計画

解析する。どうやって?検討する。どうやって?比較する。どうやって?どんな統計学的手法を用いて解析するのかは書かれていますか?多変量解析すると書いた場合に、独立変数は何と何で、従属変数は何でしょうか?多変量解析ができるほどに十分な例数がありますか?独立変数の数と、必要な症例数の数との関係を知っていますか?

研究計画に書いた実験がすべて期待した通りの結果となったときに、その結果から導きだされる結論=研究目的の関係になっていますか?そうなっていない研究計画調書を書いてしまっている人がたくさんいます。同じ落とし穴にかからないようにしましょう。

研究分担者を置いた場合には、彼らはどんな実験を担当するのでしょうか?教授を研究分担者にしておいて、教授の役割=研究の指導なんて書いてしまっていませんか?教授に指導していただくと書く初心者さんが多数いますが、そう書いた瞬間に、則、不採択です。

科研費の教科書

  

科研費申請書の書き方

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