科研費申請書の研究計画欄に纏わる混乱「何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」には何をどのように書けばよいのか?

科研費の様式は、2018年度に非常に大きな変更がありました。そのため、以前から科研費に応募してこられた方は、何をどこに書けばいいのかわからず戸惑っているかもしれません。2018年度科研費以降に初めて様式を見た人も、どこに何を書けばいいのやらわからないという人が多いはずです。そのわかりにくさ、もやもやの一番の原因は何かというと、研究計画や研究方法をどこに書いたらいいのかの明確な指示がない!というところにあると思います。

2017年度科研費の基盤研究(C)の様式(様式S-1-8)を見てみると、3ページ目と4ページめが、「研究計画・方法」のページになっていて、「本欄には、研究目的を達成するための具体的な研究計画・方法について、冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述した上で、平成29年度の計画と平成30年度以降の計画に分けて、適宜文献を引用しつつ、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述してください。」という明確な指示がありました。

ところが、2018年度以降の科研費の基盤研究(C)の様式(様式S-14)を見ても、「研究計画」の欄がないのです。様式の名として「研究計画調書」とあるほかには、研究計画という言葉が、この様式の中にはそもそも見つかりません。最初の3ページは「1 研究目的、研究方法など」を書くようになっていて、指示としては、

本欄には、本研究の目的と方法などについて、3頁以内で記述してください。冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述し、本文には、(1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」、(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性、(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか、について具体的かつ明確に記述してください。

とあります。「計画」という言葉はなくても「方法」という言葉は「1 研究目的、研究方法など」の中にあるので、方法はこの3ページの中のどこかに書かないといけないことは明らかです。そして、(1)、(2)、(3)という項目の説明を読むと、どうやら方法を書くべき場所は(3)以外には無さそうです。つまり、「(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」が、2017年度科研費まであった「研究計画・方法」に相当するセクションだと考えられます。

ところが、紛らわしいことに2017年度科研費までの様式だと、「②研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか」を「研究目的」(基盤研究(C)の場合2ページ分)の中に書くことになっていたのです。2017年度までは「研究計画・方法」というページが2ページ分用意されていたので、「②研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか」は、文字通り何をどこまで明らかにしようとするのかをサラッと書いておけばよかったのでした。しかし、2018年度科研費以降は、「(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか」のセクションには研究計画・方法をしっかりと具体的に書きこまないといけないはずです。何しろ研究計画・方法を書く欄は他に見当たらないのですから。

このような事情があるために、科研費の申請書で何をどこに書けば良いのかに関して、非常にわかりにくさ、もやもや、が発生しているものと思われます。

そのせいかどうかわかりませんが、(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか のセクションに非常に大雑把な記述しかしていない人が結構います。審査委員が読んだときに、計画が具体的に説明されていないと判断されて採択の可能性は大幅に下がることでしょう。さて、言いたいことを最後に繰り返しておくと、(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのかのセクションには研究計画や方法を具体的にしっかりと書きましょうということになります。