科研費の審査種目(小区分)の選び方:プライドは捨てて実を取れ!

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医学部の先生は科研費の審査種目(小区分)を、自分の所属する診療科名で選ぶ人が多いようです。神経内科医なので神経内科学関連。消化器外科なので消化器外科学関連。循環器内科医なので循環器内科学関連。基礎系の研究者であれば、免疫学講座に所属しているので、免疫学関連。こうやって、なんとなく当たり前のように審査種目を選ぶ心理だけでなく、自分は~医だから~学関連で採択されたい、~学関連の審査委員の先生たちに認められたいというプライドもあるような気がします。自分が所属する研究者コミュニティに自分の研究を認めて欲しいと思う気持ちはとっても自然なことで理解できます。しかし、それはそれ、科研費は科研費。分けて考えましょう。

実のところ、日本は免疫学は世界のトップレベルなので免疫学関連は大激戦区ですし、伝統的な診療科の名前がついているような審査区分は一般的に激戦区になっていることが多いと思います。科研費の小区分リストを眺めていると、そういった伝統的な名称ではないものがたくさんあります。医用システム関連とか医工学関連とか、学際的なものですね。また、伝統的な分野であっても、「業績格差」で採択されやすい審査区分というものがあります。

実は、科研費で採択されている人はみな、そうやって楽に勝てそうな審査区分を探し回ってそこに応募しているのです。プライドがあったとしても、そんなプライドは科研費採択には不要です。不採択になるよりどこの審査区分でもいいので採択されたほうがよいのは明らかでしょう。だれも、採択された人の審査区分なんて気にしません。「あの人は科研費に採択された人」と思われるだけです。

自分で思いつけない審査区分の候補をどうやって見つければよいのか?というと、自分の研究のキーワードでKAKENを検索してみればよいのです。初めて聞く名前の審査区分で採択されているものが見つかることでしょう。

テーマと審査種目とのマッチングも大事です。科研費の審査の手引きなどの資料を見ると、分野違いだからという理由で低評価をつけてはならないということが書かれています。しかし、研究の意義を認めるかどうかとなると、どうしても、その研究テーマが審査委員にとって重要と思えるかどうかという主観が入るはず。なので、あまりにも場違いなところに応募してしまうと、正しく評価してもらえないでしょう。類似課題(キーワードが一致する課題)がその小区分で採択されているかどうかはしっかり確認しましょう。キーワードがあっていても不十分で、研究の方法などまであっているかどうかも大事なことがあります。しっかりと吟味して決めてください。

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