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ストレス反応

ストレスがかかるとストレスホルモンが分泌されます。ストレス反応は俗にFight or Flightを呼ばれますがどっちにしても、エネルギーをブーストする必要があります。つまりストレスホルモンは、エネルギー産生を促進する方向に作用します。

Inflammaging: The Role of Inflammation in the Acceleration of Aging Dr David Jockers チャンネル登録者数 21.1万人

遺伝子ノックダウンで用いられるsiRNAとhrRNAの違い

siRNA(small interfering RNA)とshRNA(short hairpin RNA)は、いずれも遺伝子ノックダウン(特定の遺伝子の発現を減少させる)に使用されるツールですが、いくつかの違いがあります。

  1. 構造と合成方法:
    • siRNA: siRNAは二本鎖RNAで、通常、化学的に合成されます。長さは一般的に21-23ヌクレオチドです。siRNAは細胞に導入されると、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と結合し、標的mRNAを認識して分解します。
    • shRNA: shRNAは、短いヘアピンループ構造を持つRNAで、通常、DNAプラスミドやウイルスベクターに挿入されて細胞に導入されます。細胞内で転写されると、最初は一本鎖RNAとして生成され、ヘアピンループを形成します。shRNAは細胞内のDicerという酵素によって加工されてsiRNAに変換され、同様にRISC複合体と結合してmRNAを分解します。
  2. 発現の持続性:
    • siRNA: siRNAの効果は一過性で、通常、数日間続きます。化学的に導入されるため、細胞分裂や代謝によって徐々に減少します。
    • shRNA: shRNAはプラスミドやウイルスベクターにより持続的に発現されるため、遺伝子ノックダウンの効果がより長期間持続します。これにより、遺伝子発現の長期的な抑制が可能です。
  3. 導入方法:
    • siRNA: 直接細胞に導入するため、トランスフェクションが主な方法です。これにより、短期間で遺伝子ノックダウンが可能です。
    • shRNA: 遺伝子ベクター(プラスミドやウイルス)を介して細胞に導入されることが多く、安定したノックダウンを達成するために使用されます。これは特に、長期間の研究や動物モデルで使用されます。

まとめると、siRNAは短期間の遺伝子ノックダウンに適しており、shRNAは長期間のノックダウンに適しています。どちらも特定の状況に応じて選択されるツールです。

ChatGPT 4o

人はなぜ老いるのか:老化の原因とメカニズム

老化とは?

  • 中年期以降、体の水分量やタンパク量が減少し、脂肪分が増加
  • 老年期には、臓器重量も減少
  • 動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病が進行
  • 癌遺伝子がオンに
  • 老化の正体は、①さびること(酸化作用)②しぼむこと(内分泌ホルモンの減少)③こころがすさむこと(精神的な風化)
  • 活性酸素などによって細胞膜が「酸化
  • DNAの酸化
  • 動脈硬化も血管内皮細胞の酸化
  • アンチエイジング(抗加齢)医療は、「老化の時計」と戦い、元気で楽しく生きながら、「ピン、ピン、コロリ」とあの世に行くため

老化とは 田中消化器科クリニック https://www.tanaka-cl.or.jp/anti-aging/chance/aging/

酸化ストレスによる生体内の変化

  • 活性酸素によって酸化ストレスは亢進し
  • DNAやたんぱく質といった生体成分を酸化
  • 酸化されたDNAやたんぱく質の中には、血中や尿中に出てくるものもあるため、血液検査や尿検査で分かることがあります。
  • 発生した酸化ストレスに対し、抗酸化能(活性酸素を除去する能力)が追い付かない状況になると、酸化ストレスがたまっていく
  • 活性酸素によって細胞が攻撃されると、細胞膜の脂質が酸化
  • 酸化ストレスが高い状態が続くと、私たちの体を構成する全てのDNAやたんぱく質、脂質、糖質が酸化されていきます
  • 糖尿病では、酸化された糖とたんぱく質が結合し、異常な糖化たんぱく質が増えている
  • 動脈硬化を起こした血管では、酸化された脂質が蓄積し、血管の内腔が狭くなり、血液が流れにくく
  • アルツハイマー病やパーキンソン病など、高齢者に多い脳の病気でも、酸化したたんぱく質などが蓄積

酸化ストレス 健康長寿ネット 長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/sanka-sutoresu.html

長生きする秘訣

下のコラムは老化の原因をわかりやすく説明したもので、説得力があり、とてもためになる記事です。

20〜30代では周りはみんな同じような体型・肌のつや・健康状態をしていますが、80歳になると元気な人から寝たきりの人まで病気の有無・認知レベル・活動範囲などのどれをとっても個人差はとんでもなく広がります。これは、慢性炎症をはじめとする体を蝕む反応を日々どれだけ抑えてきたかによって、長い年月をへて大きな差として現れるからです。何にでも当てはまることですが、小さな努力は、すぐに実感できるような大きな変化をもたらしません。しかし、大きな変化とは、あくまでも結果であり、その結果に至るまでの毎日の地道な努力の積み重ねが、将来の自分を変えていけるのです。

万病の元「慢性炎症」が加齢によって起きやすくなる3つの理由【予防医療の最前線】 虎ノ門中村クリニック 神谷町院 https://toranyc.com/information/2018/08/26/万病の元「慢性炎症」が加齢によって起きやすく/

インターロイキン11(Interleukin-11; IL-11)の生理作用

IL-11の発見

1990年,Paulらは,マ カクザル由来の骨髄間質細胞株PU34を 樹立し,こ の細胞株が,ヒ トおよびサル由来の骨髄多能性幹細胞を長期間維持できること を発 見 した1).PU34は,IL-6,IL-7,GMCSF,M-CSF,G-CSFなどを産生 していたが, IL-1α で刺 激後 のPU34培 養上清 に は,IL-6依 存性形質細胞株T1165の 増殖活性があり,こ の活性は抗IL-6抗 体 では中和 できなかった.そ こで,この活性を指標として発現遺伝子のクローニングが行われ,得 られたcDNAに よりコー ドされた蛋白はIL-11と命名 された.

一 方,時を同じくして,川島らは,TPA+A23187KM102処理したヒト骨髄間質細胞培養上清 に,脂肪細胞化抑制因子(AGIF)が含まれていることを報告し,後にこの因 子がIL-11と同一のものであることが判明した.

IL-11の発現とその生理作用 日本リンパ網内系学会会誌 1998 年 38 巻 1 号 p. 29-40  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslrt1997/38/1/38_1_29/_article/-char/ja

IL-11と老化

IL11の発現に関連する遺伝子を欠失させると、老年期による代謝の低下、多発性疾患、虚弱から身を守り、雌雄ともに平均24.9%寿命が延びた。Nature 2024年7月18日https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/14976

「Inhibition of IL-11 signalling extends mammalian healthspan and lifespan(IL-11シグナル阻害は哺乳動物の健康寿命と寿命をともに延長できる)」 マウスの老化とともに、様々な組織、様々な細胞でこの分子の発現が高まること、そして IL-11 がともに老化に関わる自然炎症とともに、AMPKを抑えてmTORという代謝の中核経路を活性化することから、IL-11 が老化を促進する因子として働いているのではと着想し、IL-11ノックアウトマウスを調べている。

7月19日 抗 IL-11 抗体は夢の抗老化薬になるか?(7月17日Nature オンライン掲載論文) https://aasj.jp/news/watch/24856

IL-11と骨吸収

IL-11依存的な骨吸収誘導機構を詳細に検討した結果,IL-11は破骨細胞の形成・活性化を直接的に促進するのではなく,骨芽細胞または骨血管内皮細胞におけるプロスタグランジンン産生酵素COX-2(cyclooxygenase-2;シクロオキシゲナーゼ2)の発現を誘導し,PGE2(prostaglandinE2;プロスタグランジンE2)の産生量を増大させることにより破骨細胞の形成・活性化を促進していることを見いだした.https://jams.med.or.jp/event/doc/119044.pdf

IL-11と骨形成

PTH(1-34)は骨芽細胞においてグルココルチコイドによるIL-11の発現抑制を阻害する: グルココルチコイド過剰に対する骨芽細胞分化促進のメカニズム Parathyroid hormone (1-34) counteracts the suppression of interleukin-11 expression by glucocorticoid in murine osteoblasts: a possible mechanism for stimulating osteoblast differentiation against glucocorticoid excess. 著者: Kuriwaka-Kido R, Kido S, Miyatani Y, Ito Y, Kondo T, Omatsu T, Dong B, Endo I, Miyamoto K, Matsumoto T. 雑誌: Endocrinology. 2013 Mar;154(3):1156-67. http://www.jsbmr.jp/1st_author/11_tmatsumoto.html

IL-11と歯周炎

歯肉線維芽細胞によるIL11の産生機序 https://dbarchive.biosciencedbc.jp/yokou/pdf/2004/200403629390016.pdf

IL-11と特発性肺線維症(IPF)

Interleukin-11(IL11)がIPF患者の肺でIPFの重症度に関連する患者の肺でアップレギュレートされ、IL-11がIPF線維芽細胞から分泌される https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/31554736

IL-11と大腸がん

通常の組織には存在しないIL-11を出す細胞(IL-11陽性細胞)が、大腸炎や大腸がんの進展に伴って局所に出現 https://cancer.qlife.jp/news/article15268.html

IL-11の産生EGFP細胞が腫瘍形成に伴って、腫瘍間質領域に出現 https://www.ueharazaidan.or.jp/houkokushu/Vol.33/pdf/report/165_report.pdf

Interleukin-11 は,癌ならびに炎症関連線維芽細胞の マーカーであり,腫瘍形成を促進する因子である https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/bdyview.do?bodyid=TD35147032&elmid=Body&fname=td35147032_cover.pdf

ヒト大腸癌におけるインターロイキン11及びインターロイキン11レセプターαの発現; 免疫組織学的解析と臨床病理学的因子との関係 https://www.nagasaki-u.ac.jp/zaigaku/ronbun/ronbun0606/igaku0606/igaku_kou1244ronbun.pdf

IL-11と大腸炎

大腸筋線維芽細胞におけるIL-11発現調節機構の解明 平成16年 https://www.shiga-med.ac.jp/~hqkikaku/education/ejournal/gakui/PDF15/h455.pdf

IL-11と乳がん

腫瘍形成時特異的にNRF2の下流でIL-11の顕著な発現上昇が観察され、Il11遺伝子を欠損させると腫瘍形成が著しく抑制された。乳がん患者の検体の検討からも、NRF2陽性がんの多くがIL-11陽性であり、乳がんではNRF2とIL-11の連携ががんの悪性化をもたらしていることがわかった。https://www.ueharazaidan.or.jp/houkokushu/Vol.31/pdf/summary/181_summary.pdf

 

IL-11と子宮内膜間質細胞 脱落膜化

脱落膜化に伴うIL-11発現増加によりコア時計遺伝子Per2Bmal1の振動低下 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrds/108/0/108_P-64/_article/-char/ja/

IL-11とカエルの尾の再生

il-11 は尾再生芽で BrdU 陽性の増殖細胞の一部に発現 il-11 の発現は尾切断後 2 時間で誘導  https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/50538/files/A33567_review.pdf

IL-11細胞伝達系

Biochemical and biophysical research communications 20170916 Vol. 491 issue(2) インターロイキン11受容体の切断はガンマセクレターゼとプロテアソームによるそのC末端フラグメントのプロセシングを誘導する https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/28735867

IL-11に関する論文の論文紹介記事

  1. <海外文献紹介2024年7月号> Inhibition of IL-11 signaling extends mammalian healthspan and lifespan. Anissa A. Widjaja, et al. Nature Jul 17 (2024), DOI: 10.1038/s41586-024-07701-9. Online ahead of print. 、マウスの肝臓、白色脂肪組織、腓腹筋で加齢に伴ってIL-11 の発現が上昇 老齢(110週齢)のIL11 受容体欠損マウス(IL-11RA1 KOマウス)では、これらのシグナリングパスウェイや老化細胞マーカーの発現が若い状態に保たれている https://www.jsbmg.jp/Henshu_news/Ronbun_2024_7.pdf
  2. 昨年アップデートされた「Hallmarks of Aging」で、新しく追加されたものの一つが慢性炎症です(Lopez-Otin et al., Cell, 2023)。以前より「Inflammaging」と呼ばれているように、慢性炎症は老化の特徴を最もよく表した状態だと言えます。今回紹介するのは、炎症性サイトカインであるIL-11を抑制することで、マウスの健康・最大寿命が延びることを報告した論文です。 https://www.jsbmg.jp/new/new-920/
  3. 骨芽細胞/骨細胞由来IL-11は骨形成と全身の脂肪形成を制御する Nature Communications. 13: 7194, 2022 http://www.jsbmr.jp/1st_author/issue500/514_mhiasa.html 驚いたことに、IL-11-/-マウスでは脂肪組織のWntシグナルも抑制されており、骨髄脂肪のみならず内臓脂肪、皮下脂肪を含む全身脂肪組織の増加と耐糖能低下を示すことが判明した。

IL-11に関する科研費研究

  1. 肝内胆管癌におけるIL-11の機能解析と分子マーカーへの応用 2019-04-01 – 2024-03-31 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09204/
  2. 創傷治癒におけるIL-11/JAK/STAT3 axisを介した新規治療の開拓 2019~ https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KAKEN_19K18914seika.pdf?file_id=164121

研究用試薬

  1. ヒト IL-11 タンパク質 https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/human-il-11-protein-humankine-pgi.asp?entry_id=44453
  2. インターロイキン-11 (IL-11), ヒト, 組換え体 https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/product/detail/W01W0109-0428.html

サロゲートマーカー(Surrogate marker)とは

サロゲートマーカー(Surrogate marker)とは、医療や生物学の分野で、ある病気や治療効果を直接測定することが難しい場合に、その代わりとして使用される間接的な指標のことを指します。サロゲートマーカーは、疾患の進行状況や治療の効果を推定するために使われることが多いです。

たとえば、心血管疾患の研究において、実際の心臓発作や死亡率を待つのではなく、コレステロール値や血圧をサロゲートマーカーとして使うことで、治療の効果を早期に評価することができます。このように、サロゲートマーカーは臨床試験などで時間やコストを削減し、より迅速に結果を得るための重要なツールとなっています。

ただし、サロゲートマーカーが本当に疾患や治療効果を正確に反映しているかどうかの検証が必要であり、時には誤解を招くこともあるため、慎重に選定され、使用される必要があります。

文責:ChatGPT 4o

肺の構造と機能、障害と修復機構

肺は、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すための臓器です。肺に吸い込んだ酸素(O2)は、肺胞という組織で血管を流れる赤血球の中のヘモグロビンというタンパク質に結合して運ばれます。それに対して、二酸化炭素は水に溶けて炭酸イオンになる性質があるので、血液に直接溶けた重炭酸イオン(HCO3-)の状態で運ばれます。CO2+H2O→H+ + HCO3ー というわけです。

  1. ガス交換のしくみ 2021/09/17 看護roo! 『本当に大切なことが1冊でわかる呼吸器』

常時起きている障害と修復

外界と接している肺はさまざまな刺激により,日々,傷害を受けては修復されることを繰り返し,ある程度の炎症や外傷による傷害であれば,適切な治療とともに自己修復機能により,もとの状態に回復する。https://www.jstage.jst.go.jp/article/jst/52/1/52_031/_pdf

  1. Ⅳ.最近の話題 3.急性肺損傷における細胞治療の可能性 久保 裕司
  2. シンポジウム3『がん・組織障害とオートファジー』 SP3-1 肺胞上皮細胞の傷害と組織再生 東京慈恵会医科大学呼吸器内科 桑野 和善 (シンポジウム要旨)肺は粉塵、タバコの煙、薬物、放射線など外因と、遺伝子素因、免疫、加齢など内因性の素因との 相互関係によって、常に軽微ではあっても損傷を生じうるストレスを受けている。しかし、損傷を最低限にとどめ、損傷が生じた際に修復あるいは再生する生体の適応反応によって、臓器や生体の恒常性を維持している。急性肺損傷、間質性肺炎、COPDなどほとんどの肺疾患は、肺細胞の様々な損傷に対応する生体反応が適切でないことが病態の形成に関わっており、同じ刺激、損傷の程度であっても、 修復、再生過程における生体反応の違いが、疾患ごとの形態的及び機能的特徴を形成すると考えられる。‥ 細胞は、アポトーシス、細胞老化、オートファジーといった分子機構によって損傷に対応し、細胞の運命は決定され、臓器や生体の恒常性を維持する。しかし、損傷の原因が取り除かれず、高度あるいは慢性化すると、これらの維持機構の対応も変化し、病態の形成が始まる
  3. 肺の回復・成長・再生―肺移植と再生医療― 和田啓伸,坂入祐一,吉野一郎千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学
  4. 急性肺障害を引き起こす新たなメカニズムを解明 2022.4.11 三重大学 細菌由来のペプチドであるcorisinおよび類似構造のペプチドが肺胞上皮細胞の細胞死を誘発し、急性肺障害を引き起こすことを明らかにしました。さらにcorisinおよび類似構造のペプチドを抑制することにより、急性肺障害とそれに引き続いて起こる肺線維化を改善することを明らかにしました。

肺の線維化

  1. 肺線維症発症の中心的機構を発見特発性肺線維症の治療へ光 2023.08.31 神戸大学 

ショウジョウバエの体節形成と体節形成遺伝子、3つの表現型分類

ショウジョウバエの発生

ショウジョウバエの胚発生/Two color time lapse movie of Drosophila embryo rikenchannel チャンネル登録者数 2.74万人 チャンネル登録 受精後約4時間の細胞性胞胚期の胚8時間にわたり撮影した。この間に、原腸陥入(00:30)、胚帯伸長(01:00)が起き、伸長した尾部が頭部に接する海老反り方の形態をとる 胚帯伸長期(03:00)には気管の陥入、神経芽細胞の生産などが盛んに起きる。04:20からは胚帯短縮が始まり07:00には短縮が完了して、体節の繰り返し構造が明確になる。

  1. ショウジョウバエが教える驚きの発生メカニズム理化学研究所 多細胞システム形成研究センター 林 茂生 https://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/59/Snet59-3.pdf  卵殻の限られた空間で伸長した胚はえび反りのかたちをとった状態で3胚葉の構造を取り,繰り返し構造が目に見えるようになります(図2C:胸部,腹部に形成される気管の原基の繰り返しが見える)。続いて頭尾軸は短縮し(図2D:胚帯短縮),体節が明瞭な幼虫の形態となります(図2E)。

体節形成に関与する遺伝子の数々はショウジョウバエの発生学遺伝学研究で明らかになりました。

  1. 5分でわかる!ショウジョウバエのホメオティック遺伝子 TryIt https://www.try-it.jp/chapters-15244/sections-15293/lessons-15302/point-2/
  2. https://bio.libretexts.org/Bookshelves/Introductory_and_General_Biology/Biology_(Kimball)/14%3A_Embryonic_Development_and_its_Regulation/14.05%3A_Segmentation_-_Organizing_the_Embryo The body of Drosophila melanogaster is built from 14 segments: 3 segments make up the head with its antennae and mouth parts. 3 segments make up the thorax. Each thoracic segment has a pair of legs (insects are the six-legged creatures). In Drosophila (and other flies), the middle thoracic segment carries a single pair of wings; the hind segment a pair of halteres. 8 abdominal segments.

発生を規定する遺伝子群の概説

ショウジョウバエの発生を決める遺伝子は高校の生物で学ぶようです。

【高校生物】 動物の発生12 形態形成:体節決定(12分) 映像授業 Try IT(トライイット) チャンネル登録者数 71.9万人 チャンネル登録

  1. TryIt 高校生物 5分でわかる!体節決定 動画集 https://www.try-it.jp/chapters-15244/sections-15293/lessons-15298/point-2/
  2. https://www.sciencedirect.com/topics/biochemistry-genetics-and-molecular-biology/pair-rule-gene
  3. Concentration dependent chromatin states induced by the bicoid morphogen gradient Sep 11, 2017 https://doi.org/10.7554/eLife.28275 eLIFE https://elifesciences.org/articles/28275
  4. The gap gene network Cell Mol Life Sci. 2011 Jan; 68(2): 243–274. Published online 2010 Oct 8. doi: 10.1007/s00018-010-0536-y PMCID: PMC3016493 PMID: 20927566
  5. Formation of the bicoid morphogen gradient: an mRNA gradient dictates the protein gradient Development. 2009 Feb 15; 136(4): 605–614. Published online 2009 Jan 23. doi: 10.1242/dev.031195 PMCID: PMC2685955 PMID: 19168676 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2685955/
  6. Pre-Steady-State Decoding of the Bicoid Morphogen Gradient Published: February 6, 2007 https://doi.org/10.1371/journal.pbio.0050046

 

ショウジョウバエを用いて生き物の体がどのようにしてできてくるのかを調べるときに、遺伝子をランダムに壊して、その結果ある遺伝子が壊れときにはどのような「奇形」(表現型)が生じてくるかを調べるという戦略がもちいられました。

ショウジョウバエの幼虫は14個の体節からなります。遺伝子を破壊する研究により、代表的な奇形のパターンとして、GAP、PAIR RULE、SEGMENT POLARITYの3つが浮かび上がってきました。ギャップというのは、胴体の一部分がごそっとなくなる表現型です。ペアルールというのは、体節が一個おきになくなるもので、偶数番目の体節がなくなるのがeven-skippedで、奇数番目の体節がなくなるのがodd-skippedになります。セグメントポラリティは、ひとつの節の領域の一部がなくなるものです。

 https://www.mun.ca/biology/scarr/Zygotic_Genes.html

 

ギャップ遺伝子群

 (ウィキペディア gap gene)

ペアルール遺伝子群

 https://en.wikipedia.org/wiki/Pair-rule_gene

odd-paired遺伝子

odd-paired (opa)はペアルール遺伝子の一つ。

  1. Cell-specific occupancy dynamics between the pioneer-like factor Opa/ZIC and Ocelliles/OTX regulate early head development in embryos Posted December 16, 2022. https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.12.15.519123v1.full
  2. Odd-Paired: The Drosophila Zic Gene Adv Exp Med Biol . 2018:1046:41-58. doi: 10.1007/978-981-10-7311-3_3. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29442316/ Zinc finger in the cerebellum (Zic) proteins are a family of transcription factors with multiple roles during development, particularly in neural tissues. The founding member of the Zic family is the Drosophila odd-paired (opa) gene. The Opa protein has a DNA binding domain containing five Cys2His2-type zinc fingers and has been shown to act as a sequence-specific DNA binding protein. Opa has significant homology to mammalian Zic1, Zic2, and Zic3 within the zinc finger domain and in two other conserved regions outside that domain. opa was initially identified as a pair-rule gene, part of the hierarchy of genes that establish the segmental body plan of the early Drosophila embryo. However, its wide expression pattern during embryogenesis indicates it plays additional roles. Embryos deficient in opa die before hatching with aberrant segmentation but also with defects in larval midgut formation. Post-embryonically, opa plays important roles in adult head development and circadian rhythm.
  3. Odd-paired is a pioneer-like factor that coordinates with Zelda to control gene expression in embryos Jul 23, 2020 https://doi.org/10.7554/eLife.59610
  4. Odd-paired controls frequency doubling in Drosophila segmentation by altering the pair-rule gene regulatory network Erik Clark Is a corresponding authorMichael Akam University of Cambridge, United Kingdom Aug 15, 2016 https://doi.org/10.7554/eLife.18215 https://elifesciences.org/articles/18215
  5. Odd paired transcriptional activation of decapentaplegic in the Drosophila eye/antennal disc is cell autonomous but indirect Developmental Biology Volume 343, Issues 1–2 , 1–15 July 2010, Pages 167-177 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012160610002332 The gene odd paired (opa), a Drosophila homolog of the Zinc finger protein of the cerebellum (Zic) family of mammalian transcription factors, plays roles in embryonic segmentation and development of the adult head.
  6. Emerging roles for zic genes in early development Christa S. Merzdorf First published: 01 March 2007 https://anatomypubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dvdy.21098
  7. The Zic family member, odd-paired, regulates the Drosophila BMP, decapentaplegic, during adult head development 01 April 2007  DEVELOPMENT https://journals.biologists.com/dev/article/134/7/1301/53041/The-Zic-family-member-odd-paired-regulates-the   …  However, the postembryonic role of opa is completely unknown. … We find that opa is expressed in the eye/antennal disc, primarily in the peripodial epithelium of this structure. Loss of opa function during eye/antennal disc development results in defects in ventral head structures identical to those observed with loss of dpp.

その他の重要な遺伝子

engrailed

  1. Spatial and temporal control elements of the Drosophila engrailed gene Judith A. Kassis GENES & DEVELOPMENT 4:433-443 1990 https://genesdev.cshlp.org/content/4/3/433.full.pdf

精神疾患と社会

統合失調症は罹患率が100人に1人と意外と多いのだそうです。全校生徒が600人の学校があれば、6人くらいが統合失調症という計算になります。うつ病にいたっては、もっと高い罹患率です。

  • 100人に6人がうつ病経験~社会経済的損失は2兆円~ 2021/10/27 05:00 時事メディカル 日本人の100人に約6人がうつ病を経験したことがある、という調査報告がある。
  • 平成22年度厚生労働省障害者福祉総合推進事業補助金 「精神疾患の社会的コストの推計」 事業実績報告書 平成23年3月 学校法人慶應義塾 (PDF) 目的 本研究の目的は、2008年の日本における統合失調症、うつ病性障害、不安障害の社会的コスト(疾病費用)の推計を行うことである。

語句

  • 顕在発症 顕在発症とは、精神疾患が発症する段階を指します。多くの精神疾患では、顕在発症よりも早期の段階で介入することでより大きな効果が得られることがわかっています。統合失調症では、発症前に「前駆期」と呼ばれる時期があり、不安や焦燥、不眠、強迫症状などの前駆症状が現れます。また、社会適応が悪くなって不登校や欠勤などの行動面の変化もよく見られます。これらの症状は、一見するとうつ病やうつ状態と変わらない時期で、本人も家族も精神症状とは思わずに内科などを受診することもあります。(Search Labs | AI による概要)

酸化ストレスマーカー「8-OHdG」とは?

8-OHdGは、8-hydroxy-2’-deoxyguanosineの略で、DNAを構成する塩基グアニンのの8位がヒドロキシル化されたされたデオキシグアノシンdeoxyguanosine (dG)です。尿により、非侵襲的に生体内酸化ストレスを評価できる利便性の高いマーカーであることから、広く使われています。

  1. https://www.jaica.com/guidance_8ohdg/

tautomers 互換体

https://www.researchgate.net/figure/a-8-Oxoguanine-8-oxoG-and-8-oxo-2-deoxyguanosine-8-oxodG-chemical-structures-and-b_fig5_348859494

脳脊髄液漏出症とは

脳やせき髄を覆う膜

硬膜とは脳脊髄を包んでいる硬い膜である。硬膜の下の構造はくも膜軟膜、脳/脊髄実質が存在している。硬膜・くも膜・軟膜を合わせて髄膜と呼ぶ。硬膜は脳や脊髄を外傷や感染から守っている役割を果たす。脳を包んでいるのが脳硬膜、脊髄を包んでいるのが脊髄硬膜である。

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E7%A1%AC%E8%86%9C

髄膜の発生

  • 軟髄膜 (leptomeninx)
  • 髄膜のうちくも膜と軟膜は合わせて leptomeninx と呼ばれる
  • 軟髄膜は硬膜と脳表との間に位置し脳脊髄血管を包埋し、神経組織の機械的支持性や生理的機能に関わり、病態の理解の上で重要である
  • Harvey&Barrの報告以降[22]、髄膜は神経堤と中胚葉のdouble origin で、鳥類[23]、哺乳類[24]の前脳の髄膜はneural crest由来、後脳および脊髄は中胚葉由来であり、髄膜の血管は場所に限らず中胚葉由来と考えられてきた。しかし最新の分子マーカーを使用した研究では部位に限らず鳥類、哺乳類ともに髄膜はneural crest 由来で中胚葉は髄膜の血管の形成に寄与しているとの報告もある[25]。
  • 髄膜の発生はneural crest もしくは中胚葉の細胞が神経管周囲にCarnegie stage 10-11(受精後22-24日)ごろに移動することではじまる。
  • Stage 11-12(24-28 日)ごろに脳や脊髄周囲に血管の形成が始まる。
  • Stage 14-15(33-36 日)ごろには脳全体が疎な結合組織である primitive meninx に取り囲まれる

https://nicheneuroangio.com/pdf/2023nnac/202301mizutani.pdf

脳脊髄液漏出症とは

脳脊髄液漏出症は、外傷等により脳脊髄を覆っている膜が損傷を受け、脳脊髄液が漏れ出すことにより頭痛、頚部痛、めまい、倦怠感、不眠、記憶障害などさまざまな症状を呈する疾患です。
平成24年6月、厚生労働省により、脳脊髄液漏出症の疾患概念と画像診断基準が取りまとめられるとともに、この疾患に対する治療法である硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ療法)が先進医療と定められ、平成28年4月からは脳脊髄液漏出症(関連学会の定めた診断基準において確実又は確定とされたもの)に対して、硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ療法)による治療を行う場合に保険適用されることになりました。

https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/nanbyo/portal/shikkan/joho/disease01.html

脳脊髄液漏出症の罹患率

  • 脳脊髄液漏出症ついては『この病態は滅多にない』とする報告もある一方で『稀ではない』と報告する施設もあり、一般外来レベルでの頭痛診療で苦慮することが多い。
  • 当院開業後3年2か月の間に経験した脳脊髄液漏出症患者について検討し頭痛関連患者数に占める割合について調査した。
  • 当院における総受診者数6,644名のうち頭痛関連で受診されたのは3,186名(48.0%)であった。
  • 当院は脳神経外科、神経内科、内科を標榜しており頭痛を主訴に受診される患者さんの割合が一般内科と比べてはるかに多いと考えられる。
  • 初診患者5,335名に占める頭痛患者数2,191名(41.1%)。このうち起立性頭痛を訴えて来院され、その経過や画像診断から脳脊髄液漏出症と判断した症例は4例であった。これは頭痛で受診した患者の0.12%、総初診者数に対しては0.06%である

http://csfleak.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20170219021339-EA919456185AA4DC6083DC1F17168CE98D13716C1C62C0288D142B4AD446E4A0.pdf

  • 脳脊髄液漏出症は起立性頭痛を中心とした症状を訴える疾患である.
  • 特発性では 1/2~5 万人/年,外傷性では骨折・脱臼のない頚椎捻挫患者において2人/100事故の割合と報告され,いずれも発症機転や原因を有し,頭痛の出現時期が明確な場合が多い.
  • 機序は硬膜破綻による脊髄髄液漏であるが,原因には硬膜脆弱性など内的因子や交通外傷の報告がある.
  • 症状は起立性頭痛が特徴的であるが,一般に両側性の重い頭頸部痛である.加えてめまい,嘔気,視覚症状,聴覚症状,倦怠感などをきたす.

http://csfleak.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20170219021339-EA919456185AA4DC6083DC1F17168CE98D13716C1C62C0288D142B4AD446E4A0.pdf