科学技術基本計画 Science and Technology Basic Plan あらため 科学技術・イノベーション基本計画

第7期科学技術基本計画(2026~2030年度)

  1. 第7期科学技術・イノベーション基本計画に向けた論点 参考資料令和6年7月31日版 https://www.mext.go.jp/content/20240730-mxt_sinkou01-000037287_04.pdf

 

第6期科学技術基本計画(2021~2025年度)

Society 5.0という言葉が登場したのがこの時期でした。

Society 5.0, “a human-centered society that balances economic advancement with the resolution of social problems by a system that highly integrates cyberspace4 and physical space” set forth in the Fifth Science and Technology Basic Plan https://www8.cao.go.jp/cstp/english/sti_basic_plan.pdf

  1. Science, Technology, and Innovation Basic Plan [Tentative Translation] March 26, 2021 Government of Japan  https://www8.cao.go.jp/cstp/english/sti_basic_plan.pdf

 

第5期科学技術基本計画(2016~2020年度)

 

第4期科学技術基本計画(2011~2015年度)

1.基本方針
(1)「科学技術イノベーション政策」の一体的展開
(2)「人材とそれを支える組織の役割」の一層重視
(3)「社会とともに創り進める政策」の実現
2.分野別の重点化から課題達成型の
重点化へ (1)「科学技術イノベーション政策」の一体的展開
(2)「人材とそれを支える組織の役割」の一層重視
(3)「社会とともに創り進める政策」の実現
政府研究開発投資 新成長戦略の2020年度までに官民合わせた研究開発投資を
GDP比4%以上にするとの拡充目標、政府負担研究費の割合が諸外
国に比して低水準であること、諸外国が拡充を図っていること等を総合的
に勘案し、官民合わせた研究開発投資を対GDP比4%以上にするとの
目標に加え、政府研究開発投資を対GDP比の1%にすることを目指す
その場合、計画期間中の総額規模を
25兆円 とすることが必要(GDP名目成長率等を前提に試算)
3.基礎研究と人材育成の強化
4. PDCAサイクルの確立やアクションプラン
等の改革の徹底

https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf

研究支援者を充実させるという計画が盛り込まれたのが目新しいと思います。

我が国の研究開発力の抜本的強化のための基本方針(平成 25 年 4 月 22 日 科学 技術・学術審議会決定)抜粋 2.研究の質及び生産性の向上、新規性の高い研究の推進 (4)研究に打ち込める環境の整備(研究支援者等の育成、確保) 1. 研究者が本来の活動に集中して、優れた研究成果を上げ、またそれを最大限 活用するためには、国際水準を目指した研究環境の改善、特に研究者ととも に車の両輪として研究を推進する高度な専門性を有したリサーチ・アドミニスト レーターの存在が不可欠である。研究活動の活性化や、研究開発マネジメント (企画立案、研究者間や分野間のネットワーキング等)の強化による研究推進 体制の充実強化を図るため、専門性の高い人材の育成、確保、かつ、安定的 な職種としての定着の促進 2. 研究者が高度な研究を実施する上で不可欠な環境整備、研究機器の維持や 整備等のため、研究基盤を支える人材の育成、獲得、確保のための取組の促 進や、外部連携も含めたこれらの人材のキャリアパスの確立 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu16/005/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/11/15/1339959_5_1.pdf

第3期科学技術基本計画(2006~2010年度)

1.基本理念
2つの基本姿勢((1)社会・国民の支持と成果還元、(2)人材育成と競争的
環境:モノから人へ)と6つの大目標の設定 (1飛躍知の発見・発明、2
科学技術の限界突破、3.環境と経済の両立、4イノベーター日本、5生涯はつらつ
生活、6安全が誇りとなる国)
2.科学技術の戦略的重点化
・基礎研究の推進
・政策課題対応型研究開発における重点化
⇒「重点推進4分野」に優先的に資源配分
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料
「推進4分野」に適切に資源配分、
エネルギー、ものづくり技術、社会基盤 、フロンティア
8分野で「分野別推進戦略」を策定、
重要な研究開発課題を選定、戦略目標の明確化、
「戦略重点科学技術」の選択・集中
(「国家基幹技術」を精選、厳正な評価を実施)
政府研究開発投資
GDP比率で欧米主要国の水準を確保するとし
計画期間内における科学技術関係経費の総額の
規模25兆円(実績21.7兆円)
3.科学技術システム改革

https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf

選択と集中がどんどん進められていく状況です。

 

第2期科学技術基本計画(2001~2005年度)

1. 基本理念
・新しい知の創造
・知による活力の創出
・知による豊かな社会の創生
2. 政策の柱
・戦略的重点化
– 基礎研究の推進
– 重点分野の設定
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料
エネルギー、製造技術分野、社会基盤分野 、フロンティア
・科学技術システム改革
– 競争的資金倍増
– 産学間連携の強化 等
欧米主要国の動向を意識し、かつ第1期基本計画
の下での科学技術振興の努力を継続していくとの観
点から、計画期間内における科学技術関係経費の
総額の規模24兆円
(実績21.1兆円)

https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf

第2期科学技術基本計画では、選択と集中が強化され、競争的資金の割合が増やされた結果、富める者がますます富み、そうでないものが研究力を失い、資金獲得競争にも敗れて、研究が空洞化したように思います。そもそもいくら業績を挙げた研究者といえども一人で数億円~数十億円もの巨額な予算を有効に活用できるものではなく、研究に投資した金額に見合った研究成果は出ていないと思います。薄く広く研究費を分配して革新的な研究の芽がどこかで出ることを期待したほうがいいのです。SNSなどを見ると研究者の間ではそのような意見が多いと思いますが、国は選択と集中を続けており、多くの研究者が研究費不足にあえいでいます。

 

第1期科学技術基本計画(1995~2000年度)

1.政府研究開発投資を拡充 政府研究開発投資について、21世紀初頭に対GDP比率で欧米主要国並みに引き上げるとの考え方の下、計画期間内における科学技術関係経費の総額の規模17兆円(実績17.6兆円)
2.新たな研究開発システムの構築のため制度改革等を推進
競争的研究資金の拡充
ポストドクター1万人計画
産学官の人的交流の促進
・評価の実施等

https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf

悪名高い「ポスドク1万人計画」は、第1期科学技術基本計画に盛り込まれて、実行されたものでした。企業によるポスドクの雇用は進まず、かといってアカデミアには職が全くなく、多くのポスドクが行き場を失って高齢になるまでポスドクを繰り返し、ますます定職に就くことがかなわなくなるという惨憺たる状況を生み出してしまったものです。

 

 

参考

  1. https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-18.pdf