成人男性の60%は水分 生体における水の働き 

成人男性の場合、体の重さの60%は「水」です。人間の体の構成要素のうち、ほとんどは水にすぎないんですね。同じ体重で比べた場合、女性の方が男性よりも脂肪が多いため、そして脂肪は他の組織に比べて水分を保持する量がすくないため、女性の体に占める水分は55%程度です。教科書によっては人間の水分は50%~60%と紹介されています。

また、赤ちゃんと老人とを考えてみると、見た目そのままです。赤ちゃんの肌は、みずみずしいことからもわかるように水分は成人と比べるとずっと多くて80%もあります。逆に老人はパッと見も干からびて見える通り、成人よりも水分は少なくて50%~55%程度です。

  1. 身体の体重の60%は水分でできている 大塚製薬 成人男性で体重の60%、新生児で約80%が「体液」とよばれる水分

水は生体にとって重要な役割を担っています。そのうちの一つが体温調節。水は比熱が大きいので寒暖の変化でも急激な体温変化を生じにくいというメリットがあります。もし比熱が小さければ、ちょっとの気温の変化が体温の変化に大きく影響してしまいます。また暑いときには汗をかきますが汗が気化するときに気化熱を周りから奪うので体温を下げる効果があります。つまり水を利用して、余計な熱を体から捨てることができているのですね。

水は、体内を循環する血液の主要な部分でもあります。水(血液)の循環により体の隅々まで体温を一定に保つことができます。

血液の循環が体温を調節していることを実感できる例として、例えば、冬の厳しい寒さの中で首筋が露出していると、熱を奪われて温度がさがり、血液の循環のために体温が下がることが経験されます。なのでマフラーをしたりして肌を露出させないで保温すれば熱を奪われなくてすみます。

  1. 4.2 : Role of Water in Human Biology JOVE
  2. なぜ体には水が必要なの?|体液の成分と働き 2018/11/26 看護roo!

水はまた、さまざまな生体物質を溶解させ、化学反応を生じる場を提供しています。水はまた、血流によって物質を必要な組織まで運んでいると考えることもできます。

  1. 第1章 水の性質と役割 文部科学省

参考

  1. ヒトの体温調節 神戸女子大学 森本武利 体温が一定に保たれるためには,以上で述べた産熱量放熱量が等しくなる必要がある.これを式で表すと,M=E±R±C±Sとなる.ここでMは代謝による熱産生量,E,R,C,はそれぞれ蒸発,輻射,伝導・対流により体内外で移動した熱量,Sは蓄熱量で,平均体温の変化量に体重と体組織の比熱(0.83kcal/kg・℃)を掛けて求めることができ,この値が0の場合には体温が一定であることを示す.