◆ 自閉症スペクトラム(ASD)とは
正式名:Autism Spectrum Disorder(ASD)
日本語:自閉スペクトラム症、または自閉症スペクトラム障害
どんなものか?
👉 社会的なコミュニケーションの苦手さと、
👉 行動や興味がすごく限定的・反復的になる、
という特徴を持つ発達障害のことだよ。
- たとえば
・相手の表情を読み取るのが難しい
・暗黙のルール(空気を読む、など)が苦手
・興味の範囲がすごく狭い(例:電車、恐竜だけが好き、など)
・手をパタパタさせるなどの反復行動をする
などが見られることがあるよ。
スペクトラム(連続体)という言葉がついているのは、
重い・軽いがグラデーション状に幅広く存在するから。
だから、「重度の人」もいれば、「日常生活はほぼ問題ない人」もいるんだよ。
◆ 知能は遅れるの?
結論からいうと、
「知能が遅れる場合もあるけど、必ずではない」
つまり、人それぞれだよ!
具体的には:
- 知的障害を伴わないASD(高機能自閉症とも呼ばれてた)も多い。
- 一方で、ASDのうち約30〜40%くらいの人は、
知的障害(IQ70未満)を併せ持つと言われている。 - また、知的障害がなくても、**言語や学習に独特の困難さ(学習障害、言語発達遅滞)**を持つ人もいる。
だから、
📝 ASDだから必ず知能が低い、とは全く限らない
し、むしろ**すごく得意な分野を持つ人(サヴァン症候群的才能)**も一部にいるよ!
◆ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
ASDとは | 社会性の困難+興味・行動の偏り |
知能との関係 | 知的障害を伴うこともあるが、伴わないことも多い |
ポイント | スペクトラム=重さ・タイプに幅がある |
ちなみに、
最近は**「個性の一つ」として捉える考え方(ニューロダイバーシティ)」**もすごく広がってるよ。
ASDの人たちの得意なところを活かせる社会にしていこう、っていう流れね!
◆ 自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準(DSM-5版)
ASDと診断されるには、2つの大きな柱が必要だよ。
① 社会コミュニケーションと対人関係の障害(すべて必要)
以下のうち、全部がみられることが求められる。
- 対人相互反応の障害
たとえば、普通の会話のやり取りがうまくできない、興味や感情を共有することが難しい、など。 - 非言語的コミュニケーション行動の障害
たとえば、目を合わせない、表情やジェスチャーが乏しい、身振りをうまく使えない、など。 - 人間関係の構築・維持・発展の困難
たとえば、友だち作りや集団の中でのふるまいが苦手、想像的な遊びができない、興味を共有する遊びができない、など。
② 限定された、反復する行動パターンや興味(2つ以上必要)
以下のうち、最低2項目以上がみられること。
- 反復的な行動・言語パターン
例:同じ言葉を繰り返す(エコラリア)、物を回す、手をひらひらさせる。 - 同一性への固執、ルーティンへの強いこだわり
例:日課の変更にパニックになる、道順や物の並び順に強くこだわる。 - 非常に限定された、強烈な興味
例:特定の物や話題にだけ異常に集中する(電車、恐竜など)。 - 感覚刺激への過敏または鈍感
例:音、光、触覚への異常な反応(すごく敏感だったり、逆に鈍感だったり)。
③ 発症時期について
- 症状は発達初期から存在していること。
(ただし、社会的要求が高くなって初めて明らかになる場合もある)
④ 機能障害の有無
- 日常生活(学校生活、仕事、人間関係など)に臨床的に意味のある障害を引き起こしていること。
⑤ 他の障害による説明ではないこと
- 知的障害や発達遅滞だけでは説明できないこと。
(ただし、ASDと知的障害は重複することもある)
◆ 簡単にまとめると…
柱 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
① 社会性の障害 | 対人関係・非言語コミュニケーション・人間関係の困難 | 全部必要 |
② 限定的行動 | 同じ行動・強いこだわり・限定的興味・感覚異常 | 2項目以上 |
発症時期 | 幼児期から | |
生活影響 | 実生活に支障があること | |
他の障害除外 | 単なる知的障害ではない |
◆ 注意!
DSM-5では、それまで別々に扱われていた
- 「自閉性障害(古典的自閉症)」
- 「アスペルガー症候群」
- 「広汎性発達障害(PDD)」
などを**ぜんぶ統合して「自閉スペクトラム症(ASD)」**と一括りにしたんだよ。 (これが、DSM-4からDSM-5に変わったときの大きな違い!)
🌟まとめ
ASD診断には、社会性の障害+限定的行動パターンが必須
そして、発達早期から存在し、実生活に支障が出ていることが必要だよ!