大脳基底核という名前について
大脳基底核 basal gangliaのbasalと言う言葉は、これらの脳部位が前脳 forebrainの底(基底)の部分に存在することに由来しています。また、ganglia(神経節)は本来、末梢神経系の領域内で神経細胞が塊になっている部分に用いられる用語であり、中枢神経系の領域内で神経細胞が塊になっている部分は「神経核 nuclueus」と呼ばれます。大脳基底核 basal gangliaは、そういう意味で間違って命名されてしまった名前が現在まで生き延びてしまった結果と言えます。
大脳基底核を構成する脳部位
大脳基底核は複数の部位を纏めた総称で、いくつかの部位から構成され、線条体striatum(被殻putamen、尾状核caudate nucleus)、淡蒼球globus pallidus(外節、内節)、黒質substantia nigra(緻密部pars compacta、網様部pars reticulata)、視床下核subthalamic nucleusからなる。
淡蒼球は外節と内節とにわかれ、淡蒼球内節は黒質網様部と一体の構造で、視床へ出力する。淡蒼球外節は「間節路indirect pathway」の経由地である。
線条体はヒトの場合、被殻と尾状核からなる。齧歯類では被殻と尾状核の区別がない。線条体は、大脳皮質や視床からの入力を受ける。「線条体被殻と淡蒼球」は合わせてレンズ核とも呼ばれる。
黒質は中脳に存在する部位であるが大脳基底核(前脳に属する)の一部としてとらえられる。
- 大脳基底核(ウィキペディア)