科研費申請書の書き方:勝てないケンカはしない

書き方というよりも、採択されるための戦略の話なのですが。どんなに頑張って科研費の申請書を書いても、しょせん科研費にはライバルが存在しており、相対的な評価で序列が付けられて採否が決まります。研究テーマや研究計画が十分練られた研究計画調書が集まってくると、最後は業績の良し悪しが効いてきます。つまり、どれほど申請書の完成度を上げたとしても、かなわないときにはかなわないのです。

自分は神経内科医だから神経内科学関連、自分は循環器医だから循環器内科学関連などと、科研費を応募する審査種目を決めつけてしまってはいませんか?自分の研究計画のキーワードを用いて、KAKENを検索してみてください。類似した研究テーマは実はいろいろな審査種目で採択されていることがあります。

そして採択課題、研究代表者、リサーチマップ(もしリンクがなければグーグル検索)、あるいはその研究者の所属する大学の教員データベースなどを調べて、どれくらい業績のある人がその審査種目で採択されているかを眺めてみましょう。もちろん、ここでのポイントは、どれくらい業績が無い人でも採択されているのか?です。

審査種目の競合の強さを調べて、ここなら自分の業績でも太刀打ちできると思えるような、勝てる土俵で勝負しましょう。科研費は参加することに意義があるオリンピックではないのです。応募して採択されてナンボです。

同じような申請書を、不採択になった翌年、審査種目を変えて出しただけで採択されたという例があることは、皆さんも聞いたことがあるはず。世の中は、不均一にできているのです。

科研費申請書の書き方

 

科研費の教科書