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科研費の応募で研究分担者を置くべきかどうか、採否への影響は?

科研費を応募する際、申請書を作成していて頭を悩ませることの一つが、「研究分担者」を置くべきかどうかです。分担者がいたほうが採択される可能性が上がるのか?あるいは下がるのか?などと考える人がいることと思います。答えは、「単純に採択されやすくくなるということはない」です。それよりも大事なのは、なぜ分担者を置く必要があるのかです。分担者を置く必然性があればOK,なければNGなのです。

 

分担者を置くことで、採択可能性が下がる例

助教や講師、准教授が研究代表者で、教授を研究分担者とし、教授に対する役割として「ご指導を仰ぐ」ためと書く。こう書けば、申請書の他の部分がどれほどよくても、一発で落ちることでしょう。

研究分担者を置いているのに、計画欄のところで分担者の役割を全く書いていない計画調書もありますが、これもなぜ分担者が必要なのかが不明瞭なので、かなり印象が悪くなります。

 

分担者を置かないほうが不自然な例

例えば臨床医とAIの専門家がそれぞれ専門知識を生かして研究プロジェクトを計画したとします。臨床医が研究代表者になるのなら、AIの専門家が研究分担者として参加していないと、実験計画の実現可能性は低く感じられることでしょう。

 

研究分担者を置くほどのこともない例

「研究分担者」は、科研費に採択されたときに研究費を分けあうわけですから、お金が対してかからないような役割しか担っていないのであれば、わざわざ研究分担者にするのは不自然でしょう。その場合、「研究協力者」として、本文中に役割を記載するにとどめれば十分です。完全に一人でできる研究などそうそうなく、たいてい、複数の人達の協力によって研究がなりたっています。ですから、論文を書くときには単著ということはあまりなくて、たいてい共著論文になります。共著者たちがかならず研究分担者になっていないとおかしいということはありません。

 

結論

研究分担者をおくべきかどうかの判断は、実験計画との整合性で決めるのが良いでしょう。分担者を置く理由が言えないのなら、億べきではない。分担者がいないと研究計画が実行できないのなら、共著者になるのか、お金が必要かなども含めて考えたうえで、分担者を置くかどうかを考えればよいのです。

 

科研費申請書作成の疑問:「着想に至った経緯」や「国内外の研究動向と本研究の位置づけ」は、「本研究の学術的背景」とどう書き分ければよいのか?

科研費の申請書を書いている研究者の方々の多くが悩んでいることの一つが、「着想に至った経緯」や「国内外の研究動向と本研究の位置づけ」は、「本研究の学術的背景」とどう書き分ければよいのか?という点です。背景も経緯も似たようなものですし、背景と動向も似たようなものです。内容がそもそも被っているからといって同じことを繰り返し書いてもいいのでしょうか。全く同じことを書くのは、芸が無さすぎです。審査委員だって、同じような記述が2回も3回も繰り返されていたら、面白くないでしょう。

さて、経緯や動向と背景とをどう書き分ければいいのかという疑問を抱くのは当然のことです。というのもこの悩みは2018年度科研費の様式の変更に伴って必然的に発生したものだからです。変更前の2017年度の科研費の申請書を見てみると、セクションの割り振りが今とは大きく違っていて、最初の2ページは「研究目的」を書くページです。指示としては3つのことを書くようになっていて、①研究の学術的背景(本研究に関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ、応募者のこれまでの研究成果を踏まえ着想に至った経緯、これまでの研究を発展させる場合にはその内容等) と明確な指示がありました。つまり、様式を作った側も、動向や位置づけ、着想を学術的な背景の中身として考えていたのです。もともと同じ場所に書く内容だったのですから、同じに感じるのは当たり前。

このような科研費申請書の様式の変遷を考えれば、多少の内容のオーバーラップは許されるのではないかと思います。しかし、同じことを3回繰り返し記述するのはばかげていますので、やはり書き分けたいところです。書き分けるヒントですが、同じことでも違う角度で見れば、違うものように見えます。同じこと内容を書くにしても、書く目的が異なればおのずと力点を置く場所が変わってきます。

どう書き分けるかの答えは、研究者の自由な発想にお任せするとしましょう。別に決まりは無いのですから。