男性不妊の原因となるEDはErectile Dysfunction(勃起障害)の略として良く知られていますが、もう一つのEDすなわちEjaculatory Dysfunction(射精障害)の略でもあります。
射精障害
勃起障害
クエン酸シルフィナデル
男性不妊の原因となるEDはErectile Dysfunction(勃起障害)の略として良く知られていますが、もう一つのEDすなわちEjaculatory Dysfunction(射精障害)の略でもあります。
クエン酸シルフィナデル
臨床の世界では「アルゴリズム」という語句が使われています。プログラミングでつかう「アルゴリズム」は何かをさせるときの手順といった意味だと思いますが、医学用語としてのアルゴリズムは治療の流れ(フローチャート)のことのようです。初めて目にしたときは軽く驚きました。ずいぶん仰々しい言葉遣いだなあと。
参考
突然口の中(喉)に血豆ができる、Angina Bullosa Haemorrhagica (ABH)という症状があるそうです。一応、稀な疾患とされていますが実は決して稀ではないみたいで、体験者のブログ記事がいくつか見つかります。
「決してまれではなく、国内では、1990年代から歯科・口腔外科領域で報告されてきたが[1]、医科の領域ではあまり認識されていないようだ」(いつのまにかできて消える口腔内の血疱 (2010.1.26改訂) 2009/04/24 末田 聡美=日経メディカル)
Angina Bullosa Haemorrhagica (ABH) is considered a rare condition. However, overview of English language literature of the case reports in the last 05 years revealed that the condition is not as uncommon as it was considered previously (Table-1). (Angina bullous haemorrhagica: Case report and review of literature Case report J Pak Med Assoc Vol. 68, No. 10, October 2018)
ABHの最初の報告は1967年でBadhamによってなされました。
Badham1)は この ような大きな血液水疱のうち,水疱性疾患あ るいは血液異常のような全身疾患とは無関係に特発性に血管破掟をきたし口腔粘膜下に出現する血液水疱を,Angina Bullosa Haemorrhagica(以下ABHと略す)と命名した.
ABHはトンカツとか唐揚げなどの揚げ物で生じることが多いようです。
豚カツなどを口の中でモグモグしている際に、揚がったパン粉が口の粘膜にチクリと刺さるような痛みに襲われます。するとその部分が瞬く間に膨れてきて赤黒い血豆が形成されます。(口の中にできる血豆、ABHを詳しく解説 2019年07月04日 野口内科)
上のブログが一般向けで一番詳しい解説だと思います。
血豆ができたあと、それがつぶれて口内炎のような症状になるようです。
- 左側軟口蓋部に暗赤色,半球状,約20×20mmの水庖を認めた(写真1).
- 水庖は初診当日帰宅後に破れ,翌日来院時には白色の被苔とそのなかに多くの赤色斑点が存在する大きなびらんを形成していた(写真2)
(引用元:〔図説〕松本歯学17:242-243,1991 最近の症例から(11) Angina Bullosa Haemorrhagica(ABH))
水疱は初診日夜に破れ,翌日再診時には接触痛のあるびらん面を呈し,白色の被苔とそのなかに多くの赤色斑点が存在していた(写真2).
(引用元:Angina Bullosa Haemorrhagica(ABH)の4例 日本口腔外科学会誌 Jan.1991 J-STAGE)
ABH treatment may include the use of anti-inflammatory and antibiotic agents, as well as antisepsis with mouthwash containing 0.25% or 0.12% chlorhexidine digluconate, to help relief painful
symptoms and avoid secondary infections2,12,13,18,19. Because secondary infection of areas of ulceration are not uncommon, it is of paramount importance that the patient be provided with appropriate information and adequately followed. Patients presenting with lesions affecting the soft palate should be immediately prescribed antibiotic prophylactic therapy; in our study, all patients with lesions at the soft palate developed secondary infection. In other
regions, patient follow-up will reveal whether the use of antibiotics is needed or not. There is a recommendation in the literature
that oral antiseptics such as chlorhexidine digluconate be prescribed to all patients, as these agents seem to have an important role in the prevention of infections after blister rupture. Our findings apparently confirm the benefit of that recommendation: no antiseptic agent was prescribed before the clinical diagnosis of infection, and all four cases with lesions affecting the soft palate developed secondary infections after rupture.
ABHは原因不明なようですが、症状や対処方法がわかれば、少しは安心できると思います。
免疫抑制剤の進歩により臓器移植は対象臓器の非可逆的臓器不全に対する確立した治療法の一つとなっている.しかし種々の合併症を併発する危険性も内包しており,急性・慢性拒絶反応もその一つである.(総説特集 遺伝子チップを用いた臨床免疫研究の最前線 マイクロアレイの臓器移植への応用 松井郁一,斎 浦 明 夫,菅原寧彦,児玉龍彦,幕 内 雅 敏 Jpn. J. Clin. Immunol., 28(2)73~78(2005))
移植臓器の短期生着率は飛躍的に向上してきた1。しかし,慢性拒絶反応に対する効果的な予防や治療方法が存在しないことや,免疫抑制薬そのものの副作用により,長期成績は未だ満足できるものとなっていなし。このため免疫寛容の誘導は免疫抑制法がこれほど進歩した現在でも,移植医療の究極の目標として捉えられている。
免疫寛容:個体の免疫抑制を行うことなく,移植片だけが特異的に拒絶されず,感染症などに対する生体の防御機能は正常に保たれている状態
([シリーズ:移植医療と組織適合性] 第3回 臓器移植における免疫寛容の基礎と臨床 村上徹,河合達郎マサチューセッッ総合病院夕1科ハーバード大学医学部 MHC Vol.14, No.3 )
- 1954年 長期生着第1例 一卵性双生児間の腎移植 ボストン にて
- 1960年代 アザチオプリンとステロイドの併用による免疫抑制療法の開発
- 1970年代 日本でも腎移植が本格化
- 1980年代 免疫抑制剤シクロスポリン
- 1990年代 免疫抑制剤タクロリムス
(臓器移植の現状と展望腎移植)
慢性拒絶反応の病因については慢性拒絶反応を合併している患者の免疫状態についてT細胞,NKT細胞,マクロファージなどのエフェクター細胞や抗体と補体,また,抗体依存性細胞性細胞障害(ADCC)を生じる抗体などいろいろな角度から二十数年にわたり検討されているが,現在までのところ明確な結論は得られていない.(慢性拒絶反応の克服 小野佳成 大島伸一)
2/22/19:Chronic rejection after kidney transplantation: Is there hope? 2019/02/23 UW Department of Medicine
The Cancer Genome Atlas (TCGA) provides researchers with unprecedented amounts of molecular data along with clinical and histopathological information (http:// cancergenome.nih.gov/). This data set has not only led to increases in our understanding of cancer (Ciriello et al., 2013; Hoadley et al., 2014), but its scale has also allowed for previously impossible projects such as a comprehensive cataloguing of the human transcriptome (Han et al., 2014; Iyer et al., 2015).
(OncoLnc: linking TCGA survival data to mRNAs, miRNAs, and lncRNAs Jordan Anaya)
乳がん
胃がん
肝がん
ALSは約1割のケースが遺伝性だとされています。
平均発症年齢は60歳前後です。つまりサラリーマンが定年退職するくらいの年齢で発症することが多いということになります。
ALSの有病率は10万人あたり9.9人で、日本にはALS患者が1万人、世界では40万人存在します。
It’s rare, affecting about 5.2 people per 100,000 in the U.S. population, according to the National ALS Registry. https://www.webmd.com/brain/who-gets-als
ちなみに、ある一定期間の間に疾患を発症する割合のことを罹患率、ある特定の時点でその疾患を発症している割合のことを有病率といいます。罹患率は、その病気の原因となる要因が増えたり減ったりしたときに連動して変化しますので、罹患率に注目して病気の原因を探るということができます。
ALSには客観的なバイマーカーが存在せず、臨床的な診断に依存しています。
ALSは不治で進行性の病気のため現在のところ特効薬が存在しない、やがて死に至る病気です。診断までに1年かかる病気ですが、診断が買う低してからの予後は人によって大きな差がありますが平均3~5年といわれています(気管切開をしない場合)。その差は大きく1年~10年の開きがあるそうです(気管切開をしない場合)。自分で呼吸できなくなるため、気管切開をして呼吸器をつければ、何年間も生き続けることができるそうです(つけないと生きることができない)。
On average, people with ALS (PALS) die due to respiratory failure 2 to 4 years after the onset of symptoms. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8380909/
About 10% of those with the condition will live 10 years, and 5% will live for 20 or more years. https://www.verywellhealth.com/als-lou-gehrigs-disease-life-expectancy-2223973
Unfortunately, the prognosis for ALS is poor. ALS is a progressive condition that is terminal within five years for 80% of the people impacted by it. https://www.verywellhealth.com/als-lou-gehrigs-disease-life-expectancy-2223973
ALSを治す薬は存在しませんん。数か月の延命効果があるクスリとしてリルゾール、進行を抑制する効果があるものとしてエダラボンがあります。残念ながらALSの進行を止めるような薬も、治すような薬も現時点(2024年)では存在しません。
Generally, ALS is categorized in one of two ways: Upper motor neuron disease affects nerves in the brain, while lower motor neuron disease affects nerves coming from the spinal cord or brainstem. In both cases, motor neurons are damaged and eventually die. ALS is fatal. The average life expectancy after diagnosis is two to five years, but some patients may live for years or even decades. (The famous physicist Stephen Hawking, for example, lived for more than 50 years after he was diagnosed.) There is no known cure to stop or reverse ALS.
Each person with ALS experiences a different proportion of upper and lower motor neurons that die. This results in symptoms that vary from person to person. https://www.hss.edu/condition-list_amyotrophic-lateral-sclerosis.asp
2-Minute Neuroscience: Amyotrophic Lateral Sclerosis (ALS) 2017/03/14 Neuroscientifically Challenged
初めて疾患概念なる語句を見た時、なぜ単に疾患と言わずに疾患概念というのか疑問でしたが、「どいういう疾患なのかという概念」が定まらない時期があり、研究が進むにすれてこの疾患はこういう疾患であると概念が定まるもののようです。
そのため疾患概念が確立するという言い方を良くします。
DSM-Ⅲ(精神障害の診断と統計の手引き;第3版)やⅢ-R,あるいはICD-10(国際疾病分類)が世に出るようになって,それを見ると病気という概念を外して disorder(障害)という概念でとらえようということが書いてあって(Disease から disorder へ [ 座 談 会 ] 軽症うつ病 軽症うつ病の診断と治療)
細胞が何か物質を作り細胞外へ放出することを分泌(ぶんぴつ)と呼びます。分泌されたものが体外へ出る場合には、外分泌(がいぶんぴつ)、体内へ放出される場合には内分泌(ないぶんぴつ)と呼びます。体外は、文字通り体の外または、消化管などです。胃や腸の中というのは外界とつながっているという意味では「体外」と考えます。体内というのはもう少し詳しく言うと血流の中へ放出するものです。血流はもちろん体内にあります。
内分泌というのは具体的にはホルモンが血中に放出されることです。ホルモンを作り血中へ放出する臓器のことを内分泌臓器と呼びます。
内分泌臓器でのホルモン分泌の異常(増加又は低下)、 あるいは、そのホルモンが作用する臓器においてホルモン受容体やホルモン情報伝達の障害がありホルモン作用の異常が起こった状態を内分泌代謝疾患と呼びます。
- 歯周病は歯周ポケット(歯と歯肉との間にある隙間)に細菌が定着することから始まる
- 歯周ポケットが深くなると嫌気性環境ができあがり、歯周病の原因菌(歯周病細菌)のすみ家が完成
- 歯周ポケットに定着した細菌は菌体外物質(バイオフィルム)を作り増殖し、成熟してプラーク(歯垢)という見える形になる
- 歯周ポケット内で増殖した細菌は、多量の代謝産物を産生し、口臭の原因となる。
- LPSは細菌の外膜に存在する物質で内毒素として働く(外毒素は最近が分泌する物質)。内毒素は微量であれば細菌進入の手がかりとして生体の免疫細胞を活性化するので有用。多量であれば、炎症を引き起こし、障害性に働く。
(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
歯周病はプラーク中の歯周病原細菌により誘導される慢性炎症性疾患で,歯と歯肉の付着の喪失と歯槽骨の吸収を特徴とする。(http://www.perio.jp/member/award/file/science/2010-1.pdf)
歯周病:gum disease; periodontal disease; periodontitis
歯肉炎:gingivitis (gum inflammation)
サイトカインはいろいろな細胞から産生され、比較的産生細胞の周囲の細胞に作用します。…歯周組織局所で産生されるサイトカインには、炎症を起こす方向に作用する(炎症性サイトカイン)としてIL-1、IL-6、IL-8、TNF-αがあります。炎症を抑える方向に作用する(抗炎症性サイトカイン)としてIL-4、IL-10があります。サイトカインは歯周病の発症と進行、そして全身疾患に大きい影響を与えています。(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
内毒素の増加に対してマクロファージが、PGE2、IL-1、IL-6、IL-8、TNF-αを産生し、他の生体防御細胞を活性化します。活性化されたTリンパ球やBリンパ球は増殖し、IL-1、IL-6を産生します。そして、Bリンパ球は抗体を産生します。(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
上皮細胞は, 一般的に細菌の侵入に対して最前線に位置し, 物理的なバリアーとして機能している。 上皮細胞は, 細菌の付着 (侵入) に応答して抗菌ペプチド産生などの自然免疫機能を有する一方で, インターロイキン(IL)-1,IL-8,TNF-αなどの炎症性サイトカインを産生し, 炎症の惹起に積極的な役割を果たしている。(https://core.ac.uk/download/pdf/144566417.pdf)
EMTは上皮-間葉移行、上皮間葉転換ともよばれます。
上皮-間葉移行(Epithelial-mesenchymal transition、EMT)は、上皮細胞が間葉系細胞様に形態変化する現象であり、初期胚発生における原腸陥入、神経提細胞の運動や器官形成過程、特に心臓や腎臓での重要性がよく知られている。EMTは細胞の運動性や細胞外基質の蓄積をもたらすことから、最近EMTが癌の浸潤や転移、また臓器線維化や慢性炎症に重要であることが徐々に明らかとなってきている。(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19659198/)
EMTを誘導する主たるサイトカインとしてtransforming growth factor-β (TGF-β)が知られており(http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/data/h22/126545/126545a.pdf)
歯周病が増悪してくると、その影響は口腔内にとどまりません。口腔内で増殖した細菌は、気道を通じて直接気管や肺に移動します。また、歯周組織内に進入した細菌は、血行性に全身に移動します。歯周病の増悪によって量産されたサイトカインも、血行性に全身に移動します。これらの細菌やサイトカインは、他の疾患の増悪因子となります。肺炎、糖尿病、心疾患、低体重児出産といろいろなことに影響を及ぼします(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)