ビタミンB6(ピリドキシン)とは

ビタミンBは1から12までありますが、4,8,10,11が抜けています。つまり、1,2,3,5,6,7,9,12があります。化合物名は「ちりなぱぴびようし」(散りな、パピ美容師)と覚えることに自分はしました。

  1. ビタミン (Vitamin)とは?ビタミンBを語呂合わせで覚える方法ビタミン (Vitamin)とは?

チアミン(VB1)、リボフラビン(VB2)、ナイアシン(VB3)、パントテン酸(VB5)、ピリドキシン(VB6)、ビオチン(VB7)、葉酸(VB9)、シアノコバラミン(VB12)です。

シアノコバラミンは名前が複雑ですが、シアノ+コバルト+アミン からなる造語だと知れば覚えやすいはず。

ビタミンB6は、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンの3つを合わせた総称で、補酵素として機能するピリドキサールリン酸(PLP)の材料になります。

ギンナン(銀杏)の食べ過ぎに注意

ギンナンには、ギンコトキシン(Ginkgotoxin)という物質が含まれており、食べ過ぎるとこれが「毒」になります。子供の場合、意識不明、けいれんをおこし、最悪の場合、死に至る例もあるそう。

食べ過ぎると中毒を起こす。戦後の食糧難の時代に事故が多発したが、最近でも小児が食べ過ぎて痙攣を起こす事故が時々発生している(銀杏の食べ過ぎで小児が痙攣を起こす理由とは 2018/07/30 medical.nikkeibp.co.jp)

IUPCA名は、4′-O-メチルピリドキシンで、その名前が示すようにピリドキシンに非常に構造が良くにており、ビタミンB6の働きを競合的に阻害してしまいます。

ギンナンの食べ過ぎ→ギンコトキシンがビタミンB6と競合→グルタミン酸脱炭酸酵素の活性の低下→GABAの生合成が阻害→抑制性神経細胞の働きが低下→興奮性神経細胞の活動が優勢→てんかんの発作

というメカニズムが想定されています。

銀杏の経口中毒量は、子どもは7~150個、大人は40~300個と言われています。小さい子どもの場合は中毒を起こしやすく、5~6個程度食べただけで中毒を起こしたという報告もあります。(何個までなら大丈夫? docomo.ne.jp)

  1. 健常成人に発症した銀杏中毒の 1例 JJAAM. 2010; 21: 956-60 患 者:41歳,女性 主 訴:嘔気,嘔吐,下痢,めまい,両上肢振戦, 悪寒

 

ビタミンB6の構造

原子の「番号」のつけ方に関してですが、Nが1番で、メチル基がついている炭素が2番、その順番で1,2,3,4,5,6となり、4位の炭素に結合している炭素が4’となります。ギンコトキシンは、4’の炭素に結合している酸素Oにメチル基が結合しているので、4′-O-メチルピリドキシンという名称になっていることがわかります。

  1. ギンコトキシン(ウィキペディア)

6員環のNに関しては、Hが結合してNが正電荷を帯びたもの(マクマリー生化学反応機構)と、Hがないもの(ウィペディア)と両方の説明があるようです。

ここまで、ギンナンを20個ほど食べながら記事を書きましたが、体調は問題なさそうです。

活性型ビタミンB6(ピリドキシンリン酸)の働き

ビタミンB6の働きがどうも覚えられない原因は、そもそもビタミンB6が非常に多くの役割を担うために自分の頭の中の整理が追い付いていからでした。

  1. 多才な補酵素:PLP 2017/3/15 ケムステーション

畠山『生化学』では、PLPの働きとして、α‐ケト酸のアミノ基転移アミノ酸の脱炭酸(セロトニン、ドパミン、GABAの産生)があげられれています。また、ビタミンB6欠乏症として、皮膚炎が挙げられています。