バイオフィードバックは自分の身体の状態(発汗、心拍数など)を計測・可視化しリアルタイムで自覚することにより、よりよい身体の状態になるようにするトレーニングです。脳波も身体の状態を表しますが、望ましい脳波の状態を得るためのトレーニングが、ニューロフィードバックです。
- ハイパーニューロフィードバックによる個人間脳同調の制御手法の開発 21K19787 2021-07-09 – 2024-03-31 野澤 孝之 東京工業大学, その他部局等, 准教授 (60370110) 中区分61:人間情報学およびその関連分野 研究開始時の概要:挑戦的研究(萌芽) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳内サウンド刺激による新奇ニューロフィードバック手法が挑む自己想起型BCI創生 21K18304 2021-07-09 – 2025-03-31 和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70293248) 中区分61:人間情報学およびその関連分野 研究開始時の概要:挑戦的研究(開拓) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 妬みのサブタイプを制御する脳内処理メカニズムの同定 21K13758 2021-04-01 – 2024-03-31 土元 翔平 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 特別研究員 (80849315) 小区分10040:実験心理学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要:私たちは他者が自分よりも優れていたり、多くの報酬をもらっている状況を見たときに羨んだり妬んだりする。自分よりも優れている他者の中には、他者を目標として自分も頑張ろうと励みになる他者がいる一方で、その他者に不幸が起きれば良いのにと妬みの対象になる他者が存在することが知られている。虐待やいじめの原因の根底にあるネガティブな妬み感情のコントロールは解決すべき社会問題である。そこで本研究では、相手の報酬に対する帰属先に着目して、妬みのサブタイプに対応する脳活動パターンを同定する。そして同定した脳活動パターンをニューロフィードバック法にて制御することで、妬みの感情と行動の因果関係を明らかにする。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックを用いた認知行動療法の補強効果 21K13727 2021-04-01 – 2024-03-31 横山 仁史 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (40727814) 小区分10030:臨床心理学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要:本研究は、うつ病の治療成績を向上させるための認知行動療法とニューロフィードバックのハイブリッド治療戦略の提案を通して、脳科学に基づく治療開発に向けた実用的・学術的な知見の拡大を目指す。うつ病に対する認知行動療法(CBT)への期待はますます高まっているが、ここ20年の治療効果量は大きく変化してない。CBTが引き起こす脳の機能的変化から、CBTがうまく作用しない脳作用経路が明らかになってきている。ニューロフィードバックはCBTが直接作用しない脳回路に働きかけることが可能であるため、CBTの作用を補強するニューロフィードバックを開発し、それがCBTの治療効果を向上させるかについて検証を行う。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 発達性協調運動障害に対する前頭-頭頂ニューロフィードバックトレーニングの効果検証 21K11258 2021-04-01 – 2024-03-31 信迫 悟志 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50749794) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder:DCD)は,運動の不器用さを主症状とする神経発達障害の一類型である.この運動の不器用さの原因として,運動学習や運動制御を担う脳機能に問題が生じていることが分かってきている.本研究では,脳波測定によって,DCDにおける脳機能の問題を詳細に明らかにすると共に,問題が生じている脳機能を直接的に活性化させるニューロフィードバック・トレーニングを実施することによって,DCDを有する児の運動の不器用さが改善するか否かを検証するものである. 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳状態依存刺激を活用した手指分離運動の神経基盤解明とリハビリへの応用 21K11174 2021-04-01 – 2025-03-31 緒方 勝也 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (50380613) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:本研究計画ではこれまで明らかにしてきた運動誘発電位(MEP)の時間的揺らぎに対して、MEPの標的筋と周囲筋の応答の差異(空間的揺らぎ)に着目する。MEPを多チャンネル(ch)で同時記録し、MEPの空間的揺らぎと脳波の関連(脳波-多chMEP連関)のシステムを構築、分離運動時の脳波律動を解析する。続いて脳波律動に合わせ磁気刺激を行う脳状態依存刺激で分離運動の誘発を行い、脳波-多ch MEP連関を検証する。これらの研究を基に、脳波律動を被験者に視覚提示するニューロフィードバックに応用する。
一連の研究を通じて手指分離運動の神経基盤の理解を深め、新たなニューロリハビリテーション方法の開発を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要: - 個人の脳活動制御能を予測する脳指標の特定とメカニズム解明 21K07521 2021-04-01 – 2024-03-31 高村 真広 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (50720653) 小区分52030:精神神経科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:うつ病等の精神疾患に対する新規治療法の候補としてニューロフィードバック治療(NF治療)の研究が進められている。NF治療とは、患者の脳活動状態をリアルタイムでフィードバックし、患者自身が脳活動の制御法を学習することで、疾患によって変化した脳機能を回復させる治療である。これまでNF治療の有効性を示唆する報告がある一方で、脳活動の制御そのものが得意か不得意かという個人差が治療効果を左右してしまう問題が認識され、実用化にむけた課題となっている。本研究はこの問題の解決にむけて、この個人差を事前に予測する脳画像指標や個人差が生まれるメカニズムを検討し、より効果的なNF治療の開発に資する基礎研究を展開する。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 神経振動異常と言語性幻聴の因果関係:聴覚訓練とニューロフィードバックによる検討 21J40073 2021-04-28 – 2024-03-31 小区分10040:実験心理学関連 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要:統合失調症の新たな病態基盤として大脳皮質における興奮性と抑制性の神経伝達バランスの障害が注目されている。このような障害を反映する神経生理学的な指標として30 Hz以上の頻度で起こる神経活動であるγオシレーションの異常が知られておりその異常の度合いが統合失調症者の約8割に見られるとされる「言語性幻聴」の症状の強さと相関することが知られている。本研究では言語性幻聴の症状と関連が深いと考えられる統合失調症者の聴覚皮質におけるγ及びθオシレーションの異常に注目し、その異常と言語性幻聴の症状を改善するための、聴覚訓練課題とその訓練効果を促進させるニューロフィードバック課題を開発することを最終目的とする。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 感覚運動ネットワークの再編成を誘導する標的定位型ニューロフィードバック法の開発 21J20955 2021-04-28 – 2024-03-31 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要:ヒトは与えられた環境に対して感覚情報をもとに動的に適応する。しかしながら、感覚運動適応を実現する脳と行動変化の対応関係は未だ十分に明らかにされていない。そこで本研究では、運動関連脳領域の活動パタンから同定される感覚運動ネットワークを標的とした神経機能修飾技術を確立し、運動技能への影響を検討することを目的とする。上肢運動の遂行に関連する感覚運動ネットワークの機能変化を誘導するニューロフィードバック法を開発し、訓練前後での行動学的評価から神経活動パタンと運動機能の関係を因果的に検証する。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 観察学習を促進する脳波フィードバック訓練の検討 21J00886 2021-04-28 – 2024-03-31 小区分90030:認知科学関連 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要:本研究では、動作の観察時のニューロフィードバックがミラーシステム(動作観察時に賦活する脳の運動関連領野)の状態にどのように影響するか、活動脳領域の変化を調べる。また、ニューロフィードバックを用いた運動の観察学習を行い、運動学習が促進されるか検討する。実験では、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)と脳波の同時計測システムを使用し、動作観察中の活動脳領域について調査する。また、動作の観察と実行を1 セットとし、それを繰り返す訓練(観察学習訓練)を行う。訓練中の動作観察時にニューロフィードバックを行い、運動学習や運動機能の変化について調べる。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- スマート端末を用いた脳状態計測技術の開発とビッグデータ解析 21H04909 2021-04-05 – 2025-03-31 天野 薫 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (70509976) 中区分61:人間情報学およびその関連分野 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要:知覚,認知,運動など多くの機能を司る脳の状態を知ることは心身の健康維持にとって不可欠であるにもかかわらず,脳の状態を測る機会は極めて限定的である.そこで本研究では,脳波計やMRIなどの脳計測装置を使わずに,スマート端末だけを使っていつでもどこでも気軽に脳の状態を計測する技術を開発し,日常的な脳の健康管理による健康寿命の延伸を実現することを目的とする.この目的を達成するため,①スマート端末だけを使っていつでもどこでも気軽に脳の状態を計測するための技術開発,②その技術に基づく,脳状態と活動量や認知機能の関係に関するビッグデータ収集と分析,③脳状態の変調による機能向上,の3つのステップで実現する. 研究成果の概要:研究実績の概要:
- TMSニューロフィードバック学習によるヒト脳活動制御と神経疾患への応用 20K21770 2020-07-30 – 2023-03-31 小金丸 聡子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (40579059) 中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野 研究開始時の概要:挑戦的研究(萌芽) 研究概要:経頭蓋磁気刺激(TMS)により、一次運動野(M1)を刺激すると、筋電図上、運動誘発電位(MEP)が生じる。MEPの振幅を被験者にフィードバックし、被験者が内因性にMEP振幅の大きさを変化させることを学習する『TMSニューロフィードバック学習システム』を用いることで、TMSニューロフィードバック学習により脳内神経活動を内因性に変化させることを学習させ、脳内神経活動の制御を目指す。健常者においては、新たな学習法の確立をめざす。また患者においては異常な神経活動を内因性に修復することを学習させることにより、新たな治療法の確率をめざす。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ミラーシステムの活動強化による観察学習促進効果の検討 20K15887 2020-04-01 – 2023-03-31 池田 悠稀 九州大学, 芸術工学研究院, 学術研究員 (60868800) 小区分45060:応用人類学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要:観察学習を行うときに、脳ではミラーシステム(動作観察と動作実行の両方で活動する脳の運動関連領域)が賦活する。ミラーシステムは模倣や動作の習得に重要な神経機構であるが、ミラーシステムの活動と動作習熟の関係は不明瞭な点が多い。また、ミラーシステムの活動を向上させることで動作の習得が促進されるかは明らかでない。本研究では、観察学習を行う際にミラーシステムの活動を向上させる訓練を行い、通常の観察学習や観察を行わない運動学習をした群と比較することで、ミラーシステムと動作習熟の関係について明らかにする。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 神経生理学的「あがり」指標の開発とニューロフィードバックトレーニングへの応用 20K11367 2020-04-01 – 2023-03-31 佐藤 大樹 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (90416933) 小区分59020:スポーツ科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:精神的重圧がかかるスポーツ競技や人前での発表において、緊張に伴いパフォーマンスが低下する現象を「あがり」と呼ぶ。その発生メカニズムの解明は未だ不十分であるが、近年では神経生理学的研究も進みつつあり、「『あがり』は脳で生じた現象である」ということが分かってきた。本研究では、脳血流信号や脳波、心拍、呼吸を含む複数生体信号群の同時計測、および機械学習を用いた解析を用いて、「あがり」と「良い緊張」を切り分ける総合的な神経生理指標(「あがり」指標)を確立することを目的とする。また、その「あがり」指標を用いたニューロフィードバックトレーニング法を開発し、その有効性の評価を試みる。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックによる事象関連電位調節手法の開発 20K11176 2020-04-01 – 2023-03-31 高野 弘二 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究員 (00510588) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:ニューロフィードバックは対象者に自身の脳活動を評価し、視覚・聴覚などの何らかの形で対象者に提示することで、脳活動を自発的に制御し、目的に合わせた脳内ネットワークの構造に誘導する技術である。
発達障害や高次脳機能障害などでは、特定の認知機能の強弱により、日常に困難が生じることがあり、その解決手法が求められている。
本研究では、特定の認知課題に対する脳活動を判別する手法を開発、その脳活動の強化・抑制を可能とするニューロフィードバック手法の開発を行う。これによって従来手法では困難であった脳活動を選択的に強化ないし抑制することが可能とし、それにより認知リハビリテーション技術の向上に当てるものである。 研究成果の概要:研究実績の概要: - 脳卒中片麻痺上肢に対するテーラーメイド型ニューロフィードバック法の開発と効果検証 20K11173 2020-04-01 – 2023-03-31 中野 英樹 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (60605559) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:高齢者医療費・要介護認定要因の第一位である脳卒中患者の運動機能回復を促進させることは喫緊の学術的・社会的課題である.しかし,脳卒中患者の上肢機能を改善させるエビデンスの高い治療法は未だ確立されていない.本研究は,脳卒中患者の脳機能個人差を考慮したテーラーメイド型ニューロフィードバックトレーニングを開発し,それが脳卒中患者の上肢機能に及ぼす効果を運動機能と脳機能の観点から明らかにすることを目的とする.本研究により,個々の脳の特性に基づいたテーラーメイド型ニューロフィードバックトレーニングが開発されれば,脳卒中患者の運動機能回復を最大限に引き出すことが可能になると考える. 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバック技術を応用した前庭リハビリテーション法の創成 20K09752 2020-04-01 – 2023-03-31 高倉 大匡 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (50345576) 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:慢性めまい・体平衡障害患者の治療には前庭リハビリテーション(前庭リハ)が行われているが、十分回復しない難治性症例も存在し、従来の治療法に代わる新たな治療アプローチが求められている。我々は、同患者群への前庭リハとして、従来の手法とは異なった、めまいの認知に関与している大脳皮質機能を直接調節する、ニューロフィードバック(NF)療法の応用を試みる。正常被験者および慢性めまい患者に対して、めまいに対する慣れと代償を促進する従来の前庭リハに対して、NF療法を単独もしくは付加して行い、その臨床効果を検証するとともに、至適な治療条件を決定し、NF療法を応用した前庭リハの実用化を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 認知機能障害と情動調整障害を同時に回復するうつ病のニューロフィードバック法の開発 20K07920 2020-04-01 – 2023-03-31 松原 敏郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60526896) 小区分52030:精神神経科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:われわれは、情動・認知相関の知見をもとに、陽性情動刺激課題を用いた前頭部ニューロフィードバック(NF)を用いて、うつ病患者の認知機能回復も目指した情動調整法とその脳病態を明らかにする。具体的には、うつ病患者をRCTにて、NF介入群と非介入群に分け、光トポグラフィー装置を用いて、NFを介入群、sham-NFを非介入群に、週1回6ヶ月間行い、0ヶ月、3ヶ月、6ヶ月後の情動・認知機能検査および0ヶ月、6ヶ月後のDTIを測定する。またNF終了6ヶ月後に、情動認知機能が維持されていることを確認する目的で、もう一度情動・認知機能検査を行う。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 多チャンネル脳波を用いた身体所有感の脳基盤の同定と介入法の開発 20K07714 2020-04-01 – 2023-03-31 大木 紫 杏林大学, 医学部, 教授 (40223755) 小区分51010:基盤脳科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:身体所有感は「自分の身体が自分に所属している」という感覚で、健常者では当然の身体意識である。しかし、例えば脳卒中の片麻痺患者では麻痺肢に対する身体所有感が低下し、不使用につながることが知られている。本研究では身体所有感をモニターし改善することを目的に、多チャンネル脳波を用いて身体所有感の脳活動マーカーの同定を行う。更に、マーカー部位に対し、経頭蓋磁気刺激、直流電気刺激、neurofeedbackで介入し、マーカーと身体意識の因果関係を明らかにすると同時に、介入法を確立する。本研究では、脳波によるマーカーの同定から介入まで統一的に行うことで、そのまま臨床応用できる方法の開発を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ADHD動物研究によるニューロフィードバ ック・薬物療法・応用行動分析の相乗化 20K03029 2020-04-01 – 2023-03-31 麦島 剛 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (40308143) 小区分09060:特別支援教育関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:この研究では、注意欠如・多動症(ADHD)モデル動物を用いて、ニューロフィードバック(NFB)療法の有効性を検討し、NFB療法と薬物療法の相乗効果の解明し、音への事象関連電位を指標とした前注意過程(注意が生じる前の認知過程)の不全に対する治療薬効果を検討し、オペラント行動に基づく確率割引を指標とした衝動性との関係の解明する。これらによって、ADHDの不注意と衝動性を神経と行動の両面で解明し、NFB療法・行動療法・薬物療法の3者をクロスさせてADHDの療育の相乗化と理論統一をめざす。また、生理心理学領域の基礎研究そのものの進展と、発達障害の臨床応用への将来的な架け橋の一端を築く。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 身体意識の拡張を伴う身体部位拡張の実現 20J12569 2020-04-24 – 2022-03-31 小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要:義手を代表とする補綴や新たな身体を獲得する身体拡張技術は身体の制約を超えて人の活動および機能を支援することができる.日常生活だけでなく遠隔手術ロボットにみられるように医療など幅広い場において多くの波及効果を生む重要な技術である.人の身体図式は不変のものではなく,四肢の追加や増強といった試みは多くあるものの,身体認識を拡張する明確な方法論は語られていない.
そこで本研究では,身体認識の変容を順応学習であると捉えなおし,ニューロフィードバックにより身体認識の変容を促進することを試みる.これにより本来の身体と等価な身体認識を身体拡張部位に獲得することができる身体認識の拡張を伴った身体拡張を実現する. 研究成果の概要:研究実績の概要: - ニューロフィードバックで思考習慣を変える: fMRIと脳波による認知活動の可視化 20J01375 2020-04-24 – 2023-03-31 小区分10030:臨床心理学関連 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 聞こえているのに聞こえない:高齢リハビリ患者の聴覚異常の可視化と新規治療法の開発 20J00552 2020-04-24 – 2023-03-31 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要:多くの高齢者は、「聞こえているのに理解できない」と訴え、この症状は中枢性聴覚処理(CAP)異常に基づくと考えられる。CAP異常と海馬異常とには密接な関連があることが示唆されているが、隠れたCAP異常を検出する技術は確立されていない。CAP異常とリハビリとの関係性を明らかにするため、本研究では、(実験1; 海外研究施設にて)高齢者てんかんに対して、脳磁図と非侵襲的聴覚刺激を用いたニューロフィードバック治療法を開発することにより、CAPをモデュレートすることができるかどうかを検討する。また(実験2)高齢リハビリ非効率患者に対して、脳磁図を用いて、隠れたCAP異常を検出することを目的とする。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 心脳限界認識の哲学と心脳限界突破の倫理学 20H05717 2020-10-02 – 2023-03-31 中澤 栄輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90554428) 学術変革領域研究区分(Ⅰ) 研究開始時の概要:学術変革領域研究(B) 研究概要:本研究は心脳限界の認識と突破に関する科学哲学・倫理学である。領域に特有の倫理的・法的・社会的課題を人文学的に掘り下げ、限界認識・突破の概念を彫琢することで、心脳限界突破という新たな融合学問領域に社会的・学問論的位置づけを与える。
本研究は心脳限界認識の哲学と心脳限界突破の倫理学に二分される。哲学的考察においては心の哲学、現象学、社会哲学の知見を援用しながら人間の認識、知識、能力の限界を規定する人間の自己反省的な認識のあり方、その限界を突破する人間の欲求を検討する。
倫理学的考察においては、理論的方法、経験的方法双方を混合させ、心脳限界突破の倫理的妥当性を人間的および社会的側面から検討する。 研究成果の概要:研究実績の概要: - テイラーメード神経活動修飾法による注意機能改善がもたらす高齢者の運動学習促進 20H05485 2020-04-01 – 2022-03-31 櫻田 武 立命館大学, 理工学部, 助教 (40588802) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要:本研究では、認知機能個人差を考慮したテイラーメードニューロフィードバック訓練環境・プロトコル確立とそれを用いた運動学習効果促進を目指す。これを検証するため、まず個々の脳機能特性を脳活動から定量化したうえで、ニューロフィードバック訓練において賦活させる神経回路(ゴール) を適切に切り替える。最終的には、このような個人差を考慮するプロトコルを適用することで、高齢者の認知機能(注意制御能力)・運動機能(適応能力・運動学習能力) の保持・再獲得が促進することを示す。さらに、その訓練効果を予測するモデルの提案を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 検出不可能なドーピング技術に関する生命・スポーツ倫理学的研究 20H04084 2020-04-01 – 2023-03-31 近藤 良享 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 教授 (00153734) 小区分59020:スポーツ科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要:2003年に「遺伝子治療を応用する方法」がドーピングとして禁止されて以来、今まさに新しい局面を迎えようとしている。その1つが遺伝子編集技術、CRISPR-Cas9の開発(2012年)である。もう1つが脳科学のニューロフィードバック技術である。これらの方法はドーピングとして検出困難もしくは不可能な方法になりうる技術である。よって、本研究は、これらの検出困難もしくは不可能とも言えるドーピング方法がどのような影響をスポーツ界に招来させるかを生命倫理やスポーツ倫理の視点から考察する。遺伝子ドーピングや脳ドーピングのスポーツ界への影響を論じる中で、私たちの未来社会のあり方も問うことになる。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- パーキンソン病の歩行障害に対するNIRS-ニューロフィードバックシステムの応用 20H04044 2020-04-01 – 2023-03-31 三原 雅史 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80513150) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要:本研究では、パーキンソン病の歩行障害に対して、歩行運動の想像中の脳活動を患者に提示し、その活動を大きくする、”ニューロフィードバック”と呼ばれる介入が、通常のリハビリテーション以上の介入効果をもたらすかどうか、およびその効果がどの程度持続するかを多施設共同研究、並行群間デザインによる臨床研究によって明らかにし、併せて脳機能画像を用いた評価で、介入前後の脳内の機能的ネットワークの変化を検討することで、パーキンソン病の歩行障害改善効果をもたらす神経基盤についても検討を行う。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 主体的多感覚統合による知覚・認知過程の新しい枠組みの構築 20K20423 2019-06-28 – 2022-03-31 乾 敏郎 追手門学院大学, 心理学部, 教授 (30107015) 中区分10:心理学およびその関連分野 研究開始時の概要:挑戦的研究(開拓) 研究概要:本研究プロジェクトでは、外受容感覚、自己受容感覚、内受容感覚(内臓感覚で自己の内部状態の情報)、全ての感覚の統合を扱う新しい理論的枠組みの構築を目指す。さらに内受容感覚に着目し、以下の2つの処理過程のメカニズムを実験的に解明し、Karl Fristonの「自由エネルギー原理」を基礎とした新しい枠組みの構築を目指す。
①外受容・自己受容・内受容感覚の統合過程
②外受容感覚と内受容感覚の統合過程
最終年度は前年度までの実験データに基づき、自由エネルギー原理に基づく、より一般的な多感覚統合過程の原理を構築する。 研究成果の概要:研究実績の概要: - アスリートを対象とした簡便なあがり防止法の開発: 脳活動の偏側性を利用した試み 19K19956 2019-04-01 – 2023-03-31 平尾 貴大 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (70824572) 小区分59020:スポーツ科学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要:本研究では,脳活動の偏側性(右半球優勢)に着目し,アスリートを対象とした効果の高いあがり防止法の確立を目指す.左手でボールを把握すること(以下,反復把握法と呼ぶ)が,アスリートのあがり対策として有効視されている.本研究では,反復把握法がなぜあがり防止に有効であるのか脳機能の観点から解明した上で,反復把握法とニューロフィードバック訓練(右半球活動の増強)の相乗効果を検証する.相乗効果の検証については,大学生アスリートおよびトップレベルアスリートを対象とすることで,本研究で確立するあがり防止法が競技レベルによらず効果的なものであるか確かめる. 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳卒中患者の認知機能個人差に根ざしたニューロフィードバック訓練と運動機能への影響 19K19917 2019-04-01 – 2021-03-31 手塚 正幸 自治医科大学, 医学部, 助教 (40721311) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要:認知機能個人差により運動学習効果も変化する。このような認知機能個人差は背外側前頭前野の神経活動に反映する。この個人差神経基盤の知見に基づき、これまで急性期脳卒中患者を対象として近赤外分光法を用いたニューロフィードバックを適応し、体性感覚認知機能が高い患者ほど背外側前頭前野活動量が向上する結果を得てきた。しかし、このようなニューロフィードバック訓練で得られた脳活動が運動機能改善に及ぼす影響は明らかではない。そこで本研究は、急性期脳卒中患者におけるニューロフィードバック訓練効果差と訓練後の運動機能改善との関連性を解明することを目指す。最終的には患者の早期社会復帰に貢献する訓練手法を提案する。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 難治性ADHDの新規治療・『ニューロフィードバック経頭蓋直流電気刺激法』の開発 19K17016 2019-04-01 – 2022-03-31 門田 行史 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80382951) 小区分52020:神経内科学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要:小児神経発達症の代表疾患である注意欠如多動症(ADHD)の既存治療に難治な症例の症状を改善させる全く新しい治療法の開発を目的とする。そのために、磁気刺激を用いた介入治療を行う。脳機能のリアルタイムに観察できるfNIRS(光トポグラフィー)を用いてtDCS刺激中に変化する脳機能を可視化する。正常な脳機能変化が生ずるために必要なtDCS刺激をfNIRS計測を行いながら検証する。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 認知機能のリアルタイム個人差判別によるテイラーメード脳卒中リハビリ環境の確立 19K11400 2019-04-01 – 2022-03-31 櫻田 武 立命館大学, 理工学部, 助教 (40588802) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:運動機能障害を持つ患者が行うリハビリテーションでは、できる限り短い期間において最大限の訓練効果を得ることが重要となる。この際、患者の脳機能特性を事前に明らかとすることで、その人に適した訓練内容や指示を決めることができる。このような個人差を脳活動に基づき客観的かつ短時間で評価し、より多くの患者が最大限の訓練効果を得られるシステムの提案を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 月経随伴症状を有する若年女性への聴覚ニューロフィードバックトレーニングの基礎研究 19K11103 2019-04-01 – 2022-03-31 松尾 奈々 京都橘大学, 健康科学部, 専任講師 (50633351) 小区分58070:生涯発達看護学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:女性は身体的・精神的に多岐にわたる月経随伴症状を経験することが多く、症状をセルフケアできずに不快な情動体験が情動痛症状に変質して身体的・精神的症状に現れると考えられる。このような症状は、ストレス要因と連動して脳内神経回路の可塑的変化を引き起こすとされている。よって、月経随伴症状有訴者には脳機能状態を正常化へ向けたマネジメントが有用であると考える。
本研究では月経随伴症状を有する若年女性に対して脳波周波数のフィードバックとして聴覚ニューロフィードバックトレーニングを実施し、月経随伴症状への効果検証を行い、身体的・精神的な月経随伴症状に対する新たな改善プログラム創出のための基礎研究とする。 研究成果の概要:研究実績の概要: - マルチスケール侵襲型BMIによる発声のニューロフィードバック 19K09452 2019-04-01 – 2022-03-31 國井 尚人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80713940) 小区分56010:脳神経外科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:発声障害をターゲットとしたブレインマシンインターフェース(BMI)の研究は端緒についたばかりである。我々は、先行研究において、ひとつひとつの神経細胞の活動と沢山の神経活動の総和としての脳波を同時に計測できる電極を開発して特許を取得した。これにより、発声した母音を脳信号から予測することが可能となった。本研究では、予測した内容を被検者に提示する訓練を行うことで、予測精度を向上する技術の開発を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバック制御型の神経結合動態計測による認知過誤リスク推定の研究 19H04025 2019-04-01 – 2022-03-31 中井 敏晴 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教授 (30344170) 小区分59030:体育および身体教育学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要:加齢により認知機能の予備能力(CR)が減少すると普段は明確な支障が無くても強い認知負荷が加わると急に認知過誤が発生して適切な対応ができず、予期せぬ事故や問題を引き起こしうる。本研究では高齢者に対する神経リハビリを最適化するために、神経回路の可塑的変化を非侵襲脳機能計測と行動データに基づいて定量化する手法を開発する。運動・認知機能の個人差が大きい高齢者のCRを推定する方法として神経フィードバック制御型の神経結合動態計測法を開発する。加速度計を使った日常動作記録や神経心理検査との相関を機械学習(AI分析)により明らかにし、指標の連続的拡張性を確保する。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロモジュレーションによる周辺視野機能の拡張 19H03992 2019-04-01 – 2022-03-31 中村 仁洋 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 主任研究官 (40359633) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要:ヒトの視覚機能には、視野中心部の対象を高速かつ正確に分析する「中心視」と、その外側のより広い範囲の視野情報の処理を担当する「周辺視」がある。周辺視は、日常生活の様々な局面に関わるほか、視覚障害や読み書き障害との関連も注目されており、周辺視機能の向上のために様々な訓練プログラムが考案されてきた。最近の神経科学研究から、周辺視には大脳皮質レベルにおける機能的制約のため、中心視のように精密な視覚分析は難しいことが示されている。本研究計画では、周辺視と脳機能との関係に着目し、経頭蓋脳刺激法とニューロフィードバックを組み合わせて、周辺視の機能増幅のための安全で新しい介入手法の開発を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 重度手指麻痺患者の機能回復を促すマルチモーダル・ニューロリハビリテーションの創生 19H03985 2019-04-01 – 2023-03-31 小野 弓絵 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要:脳血管障害患者の手の運動意図に同期した「マルチモーダル感覚フィードバック」を付与するブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を構築し,重度の手指麻痺を回復へ導くニューロリハビリテーション技術の確立を目指す。残存する視覚・運動感覚・触圧覚刺激による手の運動経路の再構築を促す介入を行い,回復期患者に対する臨床効果を検討する。機能回復指標による評価に加え,運動関連脳活動の機能的結合性解析ならびに電気生理学的検査による脳-脊髄興奮性変化を評価し,中枢から末梢に至る手指機能回復の神経機構を明らかにする。通所・在宅訓練にも適用可能な、慢性期患者を対象とした低コスト・自立型システムの開発と検証も行う。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 身体意識の拡張技術 19H01121 2019-04-01 – 2024-03-31 前田 太郎 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (00260521) 中区分61:人間情報学およびその関連分野 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要:人の身体図式は生得的な特徴を備えているとはいえ,不変のものでは無く,発達や受傷の過程などを経て変容することが知られている.身体の機能拡張技術においては知覚能力や効果器としての四肢の追加・増強の試みは多くあるが,これらの追加要素を新たな身体として認識し行動を決定する「身体意識」そのものを高いリアリティを伴って拡張する明確な方法論については未だ語られていない.本研究では身体拡張技術の観点からこの「身体意識」の変容を狙う.感覚伝送と身体応答計測,ニューロフィードバック技術を駆使して,身体拡張に伴う身体意識の拡張の可能性について解明し,身体意識の再構築を実現する誘導・制御技術について開発を行う. 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 興奮抑制バランス操作による脳の可塑性メカニズムの理解 19H01041 2019-04-01 – 2023-03-31 柴田 和久 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20505979) 中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要:ピアノ演奏や宝石鑑定といったスキルの学習には、訓練に応じて脳を変化させる可塑性と、無用な脳の変化を防ぐ安定性が不可欠である。本研究では、この可塑性と安定性を制御する仕組みとして、脳の興奮性・抑制性神経修飾物質の変化に焦点をあてる。第一に、研究代表者が開発した脳の状態を操作する技術を援用し、特定脳部位の興奮抑制バランスを操作するための技術を開発する。第二に、この技術を用い、興奮抑制バランスがスキル学習における可塑性・安定性を決めることを実証する。本研究の成果は、興奮抑制バランスの変調に起因する脳機能不全の治療法開発にも貢献し、科学・社会の両面で強い波及効果をもたらす。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- fMRIニューロフィードバック法による慢性疼痛の神経科学的修復機構の解明 18K07561 2020-03-01 – 2022-03-31 吉野 敦雄 広島大学, 病院(医), 講師 (90633727) 小区分52030:精神神経科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要:研究の説明・同意が得られた上で、健常者においてfMRIニューロフィードバック法を行い、制御可能性および安全性の確認を行う。また行動指標としての認知・注意課題の成績変化や、反芻に関する変化、脳内ネットワークの活動変化などのデータ解析を行ったうえでfMRIニューロフィードバック法を確立し、慢性疼痛患者に対する施行を目指す。 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 複数モダリティ脳イメージングに基づく集中時脳状態の解読技術とその応用 18KK0284 2018-10-09 – 2021-03-31 川鍋 一晃 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究室長 (30272389) 中区分61:人間情報学およびその関連分野 研究開始時の概要:国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 極度の忘我状態が引き起こす脳状態の変容-対人相互作用時のフローとチョーキング 18KK0280 2018-10-09 – 2024-03-31 中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252320) 中区分61:人間情報学およびその関連分野 研究開始時の概要:国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックを用いた言語的直観の神経基盤と可塑性の研究 18K18512 2018-06-29 – 2020-03-31 時本 真吾 目白大学, 外国語学部, 教授 (00291849) 中区分2:文学、言語学およびその関連分野 研究開始時の概要:挑戦的研究(萌芽) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:ある文に対する適格性判断は、それぞれの話者について不変だと考えられている。しかし、Carroll, et al. (1981, Language)は、英語文に対する適格性判断を母語話者に求める際に、鏡を眼前に置いて自身の姿を見せると、適格性判断が体系的に変化することを示した。本研究では彼らの知見を日本語文において検証すると共に、文呈示に伴う脳波計測によって文の適格性判断の神経基盤を考察した。実験の結果、鏡を眼前に置いた場合、文が非適格として多く排除される傾向があり、また、脳波のシータ帯域ならびにベータ帯域の信号強度が増大した。また適格性判断と話者の対人傾向とは有意な相関を示した。
- ブレイン・マシン・インタフェースを使ったベットサイド脳卒中リハビリシステムの開発 18K17707 2018-04-01 – 2021-03-31 橋本 泰成 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80610253) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳波を用いたニューロフィードバックによりエラー行動を予防する手法の開発 18K15338 2018-04-01 – 2021-03-31 大良 宏樹 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (80612069) 小区分51010:基盤脳科学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ASDの安静時脳機能結合評価と介入法の検討:より良い治療効果を得るために 18K13352 2018-04-01 – 2021-03-31 土屋垣内 晶 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (30778452) 小区分10030:臨床心理学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳波と人工知能を用いた条件づけによるマインドワンダリングへのメタ的気づき能力上昇 18K13332 2018-04-01 – 2021-03-31 川島 一朔 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (90773292) 小区分10030:臨床心理学関連 研究開始時の概要:若手研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- テーラーメイドニューロリハビリテーション実現に向けた多感覚刺激治療装置の開発 18K10798 2018-04-01 – 2021-03-31 兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (80708371) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 非侵襲脳活動計測を用いた一次運動野刺激の疼痛認知抑制機構の解明 18K08993 2018-04-01 – 2021-03-31 細見 晃一 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (70533800) 小区分56010:脳神経外科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックによる社交不安傾向が高い中学生のポジティブ思考教育法の開発 18J12527 2018-04-25 – 2020-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳活動の偏側性を利用したアスリートのあがり防止法の確立 18H06421 2018-08-24 – 2020-03-31 平尾 貴大 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (70824572) 0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野 研究開始時の概要:研究活動スタート支援 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 時の流れの神経基盤 18H05522 2018-06-29 – 2023-03-31 北澤 茂 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00251231) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 個体間脳波オシレーションのニューロフィードバックコントロール 18H04954 2018-04-01 – 2020-03-31 大須 理英子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60374112) 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脊髄損傷後の機能回復を促進する脳活動の解明と制御 18H04085 2018-04-01 – 2023-03-31 貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10332743) 中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 薬理遺伝学的手法を用いた前頭前野ー頭頂葉経路と前頭前野ー線条体経路の機能分離 18H03662 2018-04-01 – 2021-03-31 坂上 雅道 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (10225782) 中区分10:心理学およびその関連分野 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 重度の上肢麻痺に対するニューロフィードバックを併用した複合的CI療法の開発 18H03136 2018-04-01 – 2023-03-31 道免 和久 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50207685) 小区分59010:リハビリテーション科学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 記憶・想起の脳機能ネットワークの解明と認知症早期治療システムの構築 18H01411 2018-04-01 – 2022-03-31 呉 景龍 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (30294648) 小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 予測誤差と運動主体感をつなぐ神経機構の解明 18H01098 2018-04-01 – 2021-03-31 今水 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30395123) 小区分10040:実験心理学関連 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- オラリティを核とする共在や共感の質の定量評価と介入応用 17KT0056 2017-07-18 – 2021-03-31 川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90250828) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳血管疾患患者へのニューロフィードバックを用いた摂食嚥下リハビリテーションの確立 17K17386 2017-04-01 – 2020-03-31 元開 早絵 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60792877) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:要介護高齢者が増加する日本では、介護負担を軽減するため有効な機能回復手法の開発が重要である。申請者は運動課題時の脳血流量の増加に注目し、他者の運動映像を視聴することによっても十分な脳機能活性が得られるのではないかと考えた。測定時、他者の運動映像を視聴することにより脳血流増加は認められたが、課題を施行した時ほどの効果は見られなかった。そのため、他者の運動映像を視聴しながら運動課題を施行する場合の検討を行った。結果、運動課題を施行するのみの場合より脳機能が活性化されることが考えられた。
- ニューロフィードバックトレーニングを応用した新しい口腔機能訓練法の開発とその評価 17K17374 2017-04-01 – 2019-03-31 後藤 崇晴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (00581381) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では、ニューロフィードバックトレーニングを用いた口腔機能訓練法の開発として、咬合力と前頭前野の活動に着目し、健常歯列を有する若年者と高齢者、およびインプラントを用いた固定性補綴装置を装着している高齢者を対象にその関連を検討した。本研究により、高齢者同士で比較した場合、インプラントは、天然歯と同等の咬合力調節が可能であり、感覚統合における前頭前野の脳血流量の増加は、天然歯に劣ることはなく、若干増加傾向にあると考えるが、発現する咬合力はやや高くなる傾向で、高齢による調整能力低下には注意を要することが示唆された。
- 徳倫理学における「道徳的な性格」という考え方の意義と可能性についての研究 17K13318 2017-04-01 – 2020-03-31 立花 幸司 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (30707336) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:道徳を探究する現代の学問分野群にとって、アリストテレスを始祖とする徳倫理学のもつ可能性が注目されて久しい。本研究課題では、アリストテレス的徳倫理学のもつ優れたアイデアの一つである「倫理的な反応が求められている状況において、道徳原則に頼ることなく適切な反応を可能とする〈道徳的な性格〉」に焦点をあて、(1)現代の倫理学研究における「道徳的な性格」という考え方のもつ哲学的な意義を検討し、そして(2)この考え方が狭義の哲学倫理学のみならず、道徳性を研究する今日の経験科学に対してもつ可能性を明らかにした。
- 脳卒中患者のニューロフィードバックを用いた運動リハビリテーションの効果 17K13096 2017-04-01 – 2019-03-31 手塚 正幸 自治医科大学, 医学部, 助教 (40721311) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いた神経活動を修飾する系を構築した。健常者と脳卒中患者を対象とし、視覚条件と振動条件の探索課題を行った結果、振動条件にのみ個人差を認めた。fNIRSを用いて課題中の前頭前野活動も測定しており、その個人差が反映する脳基盤が背外側前頭前野であることを示した。この背外側前頭前野の機能に介入する新たな手法としてfNIRSを使ったニューロフィードバック系を構築し、片側麻痺を持つ急性期脳卒中患者に実施した結果、脳機能が高い個人ほど背外側前頭前野活動が上昇する傾向が得られている(n=20、群間差 p=0.072)。
- 違和感の少ない舌動作推定手法を利用した嚥下リハビリテーションシステムの構築 17K13089 2017-04-01 – 2021-03-31 中谷 真太朗 鳥取大学, 工学研究科, 講師 (10781700) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳卒中患者の麻痺側上肢の運動機能回復を促進させるニューロフィードバック法の開発 17K13078 2017-04-01 – 2020-03-31 中野 英樹 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (60605559) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究の目的は,聴覚ニューロフィードバックトレーニングを用いた運動イメージトレーニングが脳卒中患者の麻痺側上肢機能と運動イメージ能力に及ぼす効果を検証することである.対象者は通常のリハビリテーションに加え,運動イメージを用いた聴覚ニューロフィードバックトレーニングを実施した.その結果,麻痺側上肢機能と運動イメージ能力のスコアはトレーニング後に改善を示した.本研究により,運動イメージを用いた聴覚ニューロフィードバックトレーニングは,脳卒中患者の麻痺側上肢機能と運動イメージ能力の改善に貢献することが示唆された.
- 舌痛症に対する抗うつ薬と認知行動療法による治療効果の脳機能画像的評価 17K11908 2017-04-01 – 2021-03-31 土井 充 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30412620) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックを用いた革新的前庭リハビリテーションシステムの開発 17K11321 2017-04-01 – 2020-03-31 高倉 大匡 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (50345576) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では、めまい時の大脳活動の変化を解明し、脳神経科学を応用した前庭リハビリテーションシステムを開発すること目標とした。主な成果は以下の通りである。
1) 前庭覚・視覚・体性感覚の不一致によって、縁上回、頭頂側頭接合部などの自己運動認知に関連した大脳皮質が活動することを解明した。2)一側前庭障害後の慢性めまい患者の大脳活動の違いから、患者毎に正常感覚入力(視覚・体性感覚)への依存度が異なる可能性を明らかとした。3)主観的めまい感覚の強さが背側縁上回の活動性と負の相関をもつ事を解明した。4)大脳血流リアルタイムフィードバック装置を導入し、同装置により背側縁上回付近の血流が増加する事を確認した。 - 霊長類視床痛モデルにおける中枢性疼痛メカニズムの解明 17K10893 2017-04-01 – 2020-03-31 齋藤 洋一 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (20252661) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:肥後博士の協力で、マカクサルの片側視床(VPL核)に微小な破壊を行いアロジニアを示す個体を作成した。その2頭のマカクサルの行動データ(温度刺激、触覚刺激)を検討。片側VPL核破壊後、数週間後からアロジニアが反対側に現れ数か月かけて減少していく傾向が見られた。VPL核破壊後の経時的な構造画像では1ヶ月ほどで破壊巣は小さくなった。拡散テンソル画像ではVPL核と一次感覚野を結ぶ神経束の密度が減少した。
経時的なrs-fMRIデータを解析したところ、アロジニアが発生後は、破壊と同側の視床(MD/Pf核)と扁桃体間の機能結合が上昇していた。rTMSを施行すると、MD/Pf核と扁桃体間の機能結合が低下した。 - ニューロフィードバックの倫理―医工連携の研究倫理と社会的受容性 17K08905 2017-04-01 – 2020-03-31 中澤 栄輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90554428) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、近年、脚光を浴びつつあるニューロフィードバックに焦点を絞り、その倫理的問題について検討し、社会的受容性を評価することを目的とした。ニューロフィードバック技術は近年、急速に進歩している一方で、倫理的視点による分析はいまだ萌芽的段階にとどまっているものの、その倫理的要点は社会受容性、インフォームド・コンセント、リスク・ベネフィット評価である。とりわけ、ニューロフィードバック技術の不可逆性に関するリスク評価と社会的受容性は本技術の倫理的な要点になることが分かった。
- 長期間にわたって繰り返し利用可能なブレイン・マシン・インタフェースの開発 17K01992 2017-04-01 – 2020-03-31 森重 健一 富山県立大学, 工学部, 講師 (30433197) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:異なる日に同じ人の脳波を記録する際、毎日まったく同じ位置にヘッドキャップを被ることはできないため、脳波電極の位置ずれを避けることは困難である。そのため、これまでのBMIでは、脳波電極を頭に取り付けるたびに、脳活動とノイズを分離し直したり、解読器を用意し直したりすることで、脳波データから脳情報を解読していた。これらの計算には長い時間を要するため、日常生活の中でインタフェースとして毎日使い続けるには大きな障害であった。本研究課題では、電極の位置ずれがある脳波データであっても、アーチファクトを分離して、短時間で精度よく脳電流を推定でき、その時系列データを長期間にわたって繰り返し再構成できた。
- 脳活動の変調に伴う運動記憶の獲得 17K01618 2017-04-01 – 2020-03-31 門田 宏 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (00415366) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:我々が日常生活を営むうえで運動は欠かせないものであり、その多くは学習によって獲得されたものである。本研究では、実験参加者の脳の活動状態と運動学習との関係を明らかにしていくことを目的とした。実験参加者は視覚的に提示される脳活動情報に基づいて、自己の脳活動状態を変化するようトレーニングを行った。また、トレーニング後に2種類の相対する環境を学習する課題を行った。その結果、トレーニングによって自己の脳活動を変調させることができるようになること、しかし異なる運動記憶を獲得するには今回の脳活動の変調では不十分であることが示唆された。
- 機能回復を促進する意識と工学的デバイスとの相互作用解明 17K01503 2017-04-01 – 2020-03-31 浦川 将 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (30445811) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:リハビリテーション領域で活用される工学的手法を用いる際の、利用者の脳活動と意識に着目して研究を行った。自らの脳活動をフィードバックしながら運動想像を行う研究では、前頭極の脳活動をフィードバックしながら制御することで、効果的なパフォーマンス向上が得られることが明らかとなった。ロボットHALを装着して、意識的に運動を制御する場合には、前頭葉-頭頂葉の運動関連領域の活動上昇が得られ、パフォーマンス制御に関わっていることが示唆された。
- ニューロフィードバックが高齢者の認知機能に及ぼす効果の解明 17K01474 2017-04-01 – 2021-03-31 山口 哲生 東邦大学, 医学部, 講師 (70464592) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 歩行律動同期型脳・末梢神経筋ハイブリッド刺激による神経可塑性誘導と歩行機能回復 17K01453 2017-04-01 – 2020-03-31 小金丸 聡子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (40579059) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:これまで手術を必要としない非侵襲的な脳刺激法が広く、脳神経損傷患者において使用されており、多くの機能回復の報告が出ています。しかしながら、脳刺激法により歩行機能を再建するには、まだまだ報告が少なく、効果的な刺激法がわかっていません。そこでこの研究では、電流強度が一定のリズムで変化する脳刺激を用いて、これがヒトの歩行を変化させることができるか、まず健康な成人で検討しました。その結果、歩行リズムが脳刺激のリズムに同期していくことが分かりました。そこで、歩行に同期した脳刺激を行い、歩行障害のある脳卒中患者で検討しました。その結果、脳卒中患者にて歩行機能を回復させることが分かりました。
- チックの抑制のための神経認知行動療法:バイオフィードバックの新たな応用可能性 17J40054 2017-04-26 – 2021-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 行動設計時の海馬発火シークエンスの意義の解明 17J10777 2017-04-26 – 2020-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- うつ病の再発防止のためのマインドフルネスのニューロフィードバック介入法の開発 17J10680 2017-04-26 – 2020-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 脳卒中片麻痺の皮質ー視床ループの異常興奮を抑制するニューロフィードバック法の開発 17J04792 2017-04-26 – 2019-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ミラーシステムの活動向上は他者感情知覚時の反応を変化させるか? 17J02763 2017-04-26 – 2019-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 適応的記憶忘却メカニズムの解明―行動およびfMRIデータモデリングの活用― 17J01808 2017-04-26 – 2020-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 双方向ニューロフィードバックによる神経刺激型再運動学習パラダイムの開発 17H06504 2017-08-25 – 2019-03-31 林部 充宏 東北大学, 工学研究科, 教授 (40338934) 研究開始時の概要:研究活動スタート支援 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 皮質脳波ビッグデータによる革新的人工知能の開発 17H06032 2017-04-01 – 2019-03-31 柳澤 琢史 大阪大学, 高等共創研究院, 教授 (90533802) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ヒト前頭・頭頂葉内の脳内身体表現:皮質脳波解読と刺激・病変研究による包括的研究 17H05907 2017-04-01 – 2019-03-31 松本 理器 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00378754) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 柔軟な学習の調整を可能にする脳メカニズムの解明 17H04789 2017-04-01 – 2020-03-31 柴田 和久 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主幹研究員(任常) (20505979) 研究開始時の概要:若手研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:学習内容を長期的に保持すること、必要に応じてこれを強化することは、学習全般に普遍的に求められる重要な機能である。一見相反するこれらの機能が脳でどう実現されるかを調べるために、本研究では、視覚における見分けの課題訓練と核磁気共鳴分光法を組み合わせた実験的検証を行い、以下の成果を得た。第一に、視覚課題訓練後の学習内容の固定化、脱固定化、再固定化に伴い、脳の低次視覚野における興奮・抑制バランス(グルタミン酸・GABA比)が変化することを突き止めた。第二に、脳の興奮・抑制バランスを操作するためのニューロフィードバック技術の開発に着手した。この開発は、発展的な形で次の基盤研究Aに引き継がれる。
- 運動学習に対する安静時脳活動の影響とニューロフィードバックによる促進 17H04683 2017-04-01 – 2020-03-31 小川 健二 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (50586021) 研究開始時の概要:若手研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、安静時脳活動が運動学習に果たす役割を機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)で検討した。運動学習課題としてMRI内で視覚追随運動を用いた。まず、感覚運動野の脳活動パターンから運動学習試行とコントロール試行との識別を行い、次にその識別器を学習前後の安静時脳活動パターンに対して適用した。その結果、学習後の安静時において運動学習時と同じ脳活動パターンが再現されることが明らかとなった。次に安静時脳活動を計測し、ニューロフィードバックとして学習時の脳活動との類似度を、被験者に視覚的にリアルタイムに提示した。その結果、ニューロフィードバックにより運動時と類似した活動に誘導可能である点が示された。
- 注意の逆説的投資効果とニューロフィードバック 17H02648 2017-04-01 – 2020-03-31 河原 純一郎 北海道大学, 文学研究院, 教授 (30322241) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究はトップダウンの認知制御が3つの注意の下位成分を変調しうるかを調べた。注意ネットワーク課題を用いて,認知エフォートをすべて投入する場合と,自分がもつ半分の認知エフォートのみを投入する場合を設けた。行動成績は当初の通り,予定した効果を概ね再現することができたため,この手法は妥当であるといえる。一方で,前年までに実施した脳機能計測実験の結果を再分析したが,予測した部位での神経活動と,認知資源の意図的配置との関連は得られなかった。しかし,意図的な注意制御に関して,視覚探索中の抑制テンプレートを調べたプロジェクトが派生し,その生起要因を特定することに成功した。
- 身体的表象から自他分離表象にいたる発達プロセスの解明 17H01016 2017-04-01 – 2021-03-31 明和 政子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (00372839) 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 難治性疼痛患者の脳波周波数解明と聴覚ニューロフィードバックトレーニングの基礎研究 16K21475 2016-04-01 – 2018-03-31 松尾 奈々 京都橘大学, 健康科学部, 専任講師 (50633351) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、難治性疼痛患者の脳波周波数パターンの解明および聴覚刺激をフィードバック情報とするニューロフィードバックトレーニングを実施し、難治性疼痛症状の効果を検証した。その結果、聴覚ニューロフィードバックトレーニングを実施することで身体知覚異常の改善および痛みの破局的思考に改善がみられ、トレーニング終了後3週においてもその効果を認めることができた。このことから、聴覚刺激を用いたニューロフィードバックトレーニングの実施は、脳波周波数をコントロールすることができ、痛みの破局的思考および身体知覚異常などの難治性疼痛症状の改善に有効である可能性が示唆された。
- 脳の使い方を学ぶ精神活動・運動トレーニング法の提案 16K16649 2016-04-01 – 2020-03-31 廣瀬 智士 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (70590058) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:課題中の脳活動が空間解像度高く計測できる機能的磁気共鳴装置(以下fMRI)で撮像した脳機能画像から機械学習を用いて課題の成績と関連する脳活動のパターンを取り出し、成績が高い人の活動パターンを真似ることで、脳の使い方を模倣し、学習を促進することを目指した。しかし、本研究期間内では、学習に使用するのに十分な精度で課題の成績と関連する脳活動のパターンを同定することができず、学習促進を達成するには至らなかった。目的を達成するにはよりfMRI信号内のノイズに頑強な機械学習法、画像処理法の開発を進めるとともに、より多人数を対象とした実験が必要であると考える。
- 脳卒中後の認知機能障害に対するニューロフィードバック介入の試み 16K16451 2016-04-01 – 2019-03-31 大杉 紘徳 城西国際大学, 福祉総合学部, 助教 (00708159) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 小型ヒューマノイドを使った自己動作モニタリングによる運動訓練支援システムの開発 16K13063 2016-04-01 – 2019-03-31 中井 敏晴 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 神経情報画像開発研究室, 室長 (30344170) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究ではリアルタイムfMRIにより抽出された脳活動を小型ヒューマノイド(SHR)の動作に反映させ、其の映像をニューロフィードバック(NF)情報として利用する運動学習法を開発した。訓練学習の進行に伴う逐次的な二重判別分析法を考案し、身体座標系を直感的に反映するMI学習方法としてBrain Machine Interfaceに応用する見通しを得た。加齢による脳活動領域の非特異的拡大は必ずしも判別分析に不利ではなく、高齢者でも本法による運動学習が有効である事を見出した。実際のロボットの動作による印象評価実験では、高齢者でも自己動作表象を使った視覚的NFはモチベーションを促進する事が判明した。
- 階層化ニューロフィードバックによる認知制御機能の改善 16K12443 2016-04-01 – 2018-03-31 齋木 潤 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60283470) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、理論指向と応用指向のニューロフィードバック研究を架橋し、複雑な注意機能を改善するために、認知制御課題を題材として、課題間転移が可能なニューロフィードバック技術の確立を目指した。頑健な干渉効果が知られている多資源干渉課題に着目し、行動フィードバックによる干渉効果の減少を試み、有効に干渉を減少させることができる方法を発見した。並行して、多資源干渉課題遂行時の脳活動を計測し、干渉効果の個人差と相関する脳活動、特に干渉の小さな協力者で賦活する領域、大きな協力者で賦活する領域を同定した。これらの知見を基に、今後、ニューロフィードバック信号の設計を行い、その有効性を検証する。
- 脳内身体マップに基づく手指運動能力の個人差の解明および介入法の開発 16K12440 2016-04-01 – 2018-03-31 小川 健二 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (50586021) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は手指運動能力に関する神経基盤の検討を行った。健常成人を対象にし、示指、中指、環指、小指を使ったタッピングを実行してもらい、脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で計測した。空間的なボクセル活動パターンを解析した結果、一次運動野の活動を使ってそれぞれの指パターンを識別できた。さらに参加者のピアノ練習経験の有無に応じ、タッピング運動中の指の神経表現が異なっていることが示された。またニューロフィードバックを使って一次運動野の活動レベルを視覚提示するシステムを開発し、運動イメージ化を用いて一次運動野の活動を上げることにより、手指運動のパフォーマンスが促進される可能性を示した。
- 再発予防を目的としたneurofeedbackと情動調整によるうつ病治療法の開発 16K10215 2016-04-01 – 2021-03-31 松原 敏郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60526896) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- セロトニン神経系が司る辛抱強さの神経機構の解明 16K07008 2016-04-01 – 2019-03-31 宮崎 勝彦 沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, 研究員 (10426570) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:申請者はこれまでの研究から、背側縫線核のセロトニン神経活動と将来報酬を辛抱強く待つことの因果関係を明らかにしてきた。本研究では、将来の報酬のための辛抱強い振る舞いで「待つ」場合だけでなく「行動する」場合も背側縫線核セロトニンは関与してるかを光遺伝学行動実験により調べた。その結果、辛抱強く待つ場合と行動する場合で、背側縫線核セロトニン神経は異なった関与をしていることが明らかになった。
- バイオフィードバックによる心拍変動の増大が圧受容体反射に及ぼす影響 16K04395 2016-04-01 – 2019-03-31 榊原 雅人 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (10221996) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:バイオフィードバックを通じて心拍変動を増大させると、自律神経障害やストレスに関わるさまざまな症状(特に抑うつや不安)が緩和することが報告されている。この臨床的効果の背景には圧受容体反射機能の活性化が仮定されているが実際的な検討は少ない。本研究は心拍変動の増大によって圧受容体反射の感度が増加するかどうか、さらに認知機能に関わる皮質活動の指標として脳波の随伴性陰性変動が変化するかどうかを検討した。実験によって得られた結果から、バイオフィードバックによって引き起こされた心拍変動の増大は自律神経系ホメオスタシス機能を向上させるとともに、認知/注意過程に関わる皮質活動に影響を与えていることが示唆された。
- 重度手指麻痺患者の手の機能回復を目指す「脳波+ロボット」リハビリテーションの創生 16K01520 2016-04-01 – 2019-03-31 小野 弓絵 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:脳血管障害患者の手の運動意図に同期した感覚フィードバックを付与するロボットシステムの構築を通じて,重度の手指麻痺を回復へ導く自立的なリハビリテーションシステムを作成した。これまで運動機能リハの対象から外れてきた最重度の麻痺症例に対しても咀嚼刺激や視覚,運動感覚刺激による運動経路への介入を行い,週・日単位の運動機能変化を感度良く追跡する手指機能評価装置を開発・適用して機能回復の可能性を探索した。従来廃用手とせざるをえなかった随意運動がみられない患者においても随意運動が回復した症例を経験し,患側運動野における事象関連脱同期(ERD)信号強度の回復が,手指機能回復に寄与していることを明らかにした。
- 運動習慣がパーキンソン病に与える影響:マルチモーダルイメージングを用いた解析 16K01453 2016-04-01 – 2020-03-31 三原 雅史 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80513150) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:我々は、パーキンソン病における日常生活活動が、ドーパミン変性と密接に関連していることを明らかにし、また、併せてパーキンソン病の運動機能特に立位バランス機能については大脳皮質活動の機能低下も関連していることを明らかにした。大脳皮質活動と歩行バランス機能との関連においては、前頭前野における認知処理リソースが重要な役割を果たしていることを健常者での検討によって明らかにし、パーキンソン病においても大脳皮質の賦活が立位歩行能力の向上につながる可能性を示唆する知見を得た。
- 発話・上肢・下肢の運動制御の個人差に着目した吃音の神経メカニズムの探求 16K00366 2016-04-01 – 2020-03-31 豊村 暁 群馬大学, 大学院保健学研究科, 准教授 (90421990) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:疑似対面発話時の脳活動を計測したところ,吃音の頻度と扁桃体の活動が有意に相関していた。下肢運動時の脳活動を計測するために,非磁性の円筒型トレッドミルを作成し,評価した。8週間のマインドフルネス瞑想法の練習が聴覚フィードバックを介した発話の知覚・生成過程に影響を及ぼした。3歳児の吃音の割合は1.41%,回復率は82.8%であり,1歳半における言語発達の程度によって回復率が有意に異なっていた。口唇運動の模倣時の運動野の働きには左右差があり,親密度によって異なっていた。
- スポーツスキル向上を目指した神経科学的研究 16J01324 2016-04-22 – 2019-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 前頭前野における情報の抽象化と演繹的情報創生の神経メカニズムの研究 16H06571 2016-06-30 – 2021-03-31 坂上 雅道 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (10225782) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 「コグニティブライフシステム」の創出を目指して 16H03250 2016-04-01 – 2020-03-31 野田 隆政 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医長 (50446572) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:衝動性の神経基盤に関する検討を行い、事象関連電位において課題提示から300ms以降に生じる脳活動(P300)が衝動性のコントロールに関連している可能性を確認した。安静時の脳活動を利用していた従来のニューロフィードバック(Neurofeedback: NF)手法を改良し、課題中にフィードバックするタスク型NFを開発した。効果検証試験においてもタスク型NFは脳活動の良好な変化を認めた。また、タスク型NFトレーニングは従来法よりも短い期間で効果が発揮されることも分かった。また、NFと併用することで増強効果が期待できる知覚感度に関する自律神経系フィードバックを考案した。
- 動物モデルを用いた中枢性脳卒中後疼痛の病態および神経刺激療法の除痛機序の解明 15K21142 2015-04-01 – 2018-03-31 細見 晃一 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (70533800) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:霊長類中枢性脳卒中後疼痛(CPSP)モデルを作成し、行動評価および高磁場MRIを用いた脳機能評価を行った。疼痛発症後には、痛み関連領域内における領域間の機能的結合が増加していた。その疼痛モデルザルに一次運動野に対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を実施したところ、感覚過敏が改善すると共に、痛み関連領域内における領域間の機能的結合が減弱していた。CPSPの発症機序やrTMSの除痛機序に痛み関連領域内の領域間機能的結合が関与していることが示唆された。
- 情動制御を実現する脳内ネットワークの解明 15K17318 2015-04-01 – 2019-03-31 村上 裕樹 大分大学, 福祉健康科学部, 准教授 (40600325) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:マインドフルネス傾向の高い参加者に対して,実験的なストレス場面として,不快な画像を呈示した際の脳活動を測定した。その結果,右前部島皮質においてより高い活動が見られた。前部島皮質は情動の自覚に関する脳領域とされていることから,マインドフルネス傾向の高い人では,身体の情動反応における気づきが高いことを表している。また,前部島皮質と右扁桃体の機能的結合が,マインドフルネス傾向の高い人で低下していることが確認された。
- 脳可塑性への働きかけに基づく言語障害リハビリテーション 15K16386 2015-04-01 – 2018-03-31 岩渕 俊樹 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20711518) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:ニューロフィードバックに代表されるような脳の可塑性を利用する手法を用いて、言語の神経メカニズムの解明および言語リハビリテーション法への応用可能性の探索を目的として研究を行った。機能的MRIによる2つの研究(研究1、研究2)を行い、文処理の神経メカニズムを検討した。研究1により、文処理の負荷が統語処理とワーキングメモリに分離され、前者に左下前頭回弁蓋部が、後者に左前頭弁蓋(op9)が関与することが示された。研究2は、背側言語経路が統語処理に、腹側言語経路が意味的統合に関わることを示した。これらの研究に基づきfMRIニューロフィードバックによる統語障害リハビリテーションの確立を目指す。
- 感性的好意度評価の変動と脳内可塑的変化との因果性の解明 15K16080 2015-04-01 – 2019-03-31 緒方 洋輔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (60641355) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では脳領域の活動をフィードバックし脳活動を変化させる際にタイミングを個人ごとに変化させることで効果の確度が増す傾向は見られ、同時にEEGを用いた計測により機械学習アルゴリズムを用いて好意度を200msから400msの事象関連電位成分から読み取ることに成功した。
以上の結果から、好意度変化に関与する可能性のある脳活動情報は刺激呈示より比較的短時間の成分であり、精度の高いニューロフィードバックを行うためには、時間解像度に優れるEEGなどに由来する時間成分情報抽出やミリ秒単位でのfMRI高速撮像法による活動量の抽出が必要になることが示唆された。 - 米国での調査を踏まえて長期間ニューロフィードバック訓練の効果検討 15K13136 2015-04-01 – 2019-03-31 山口 浩 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20174625) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は抑うつ傾向に対して効果の考えられる脳波neurofeedback(NF)法で特に前頭部脳波非対称性(左前頭部賦活>右前頭部賦活を訓練)のNF訓練を長期間(20日間)実施し効果を検討した。
実験は、統制群(8名;BDI-2平均23.1,SD=6.6)とNF実験群(8名;同23.5,SD=5.1)を設け、実験群に毎回25分間のNF訓練を実施。訓練未終了の被験者がいるため途中結果報告だが、抑うつ傾向に関し実験群でのみ得点が有意に低下。学習法について集中学習法の有利を予測したがそうとも言えなかった。更に訓練効果を上げるためには今回収集した内省報告をもとに修得方法や訓練時間配分の検討が必要である。 - fMRIニューロフィードバックを用いた吃音の発話流暢性改善手法の開発 15K12594 2015-04-01 – 2018-03-31 錦戸 信和 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (60610409) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:発話の流暢性が損なわれる発話障害である吃音のある成人に対して,fMRIニューロフィードバックを用いた流暢性改善手法を検討する前に,発話の流暢性に関する神経基盤を調べるために,発話時および発話のイメージ時の脳活動と生体信号を同時に計測した.
また,吃音のある成人と無い成人の脳形態の比較および,心理的特性や吃症状との関係を調べた.その結果、吃音のある成人は無い成人に比べ,左の楔部および,紡錘状回の体積が有意に小さいことが示された.また,楔部に関しては心理的特性と負の相関があることも示された.これらの結果は,心理的特性が脳形態に影響する可能性を示唆する. - 脳血流BFトレーニングシステムの開発と評価 15K12040 2015-04-01 – 2017-03-31 川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90250828) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:機能的MRIを用いた個人脳活動解析によって、食欲の制御に関わる脳領域を同定し、それらの領域内に超小型NIRS装置を用いたバイオフィードバック訓練のターゲット領域が含まれることを確認した。しかし、実生活環境でシステムを稼働させると、ベースラインシフトへの対応、脳活動をフィードバック信号に変換する係数の設定が非常に困難であることが判明し、プログラムの修正を行ったが、目的とする実証実験を行うことができなかった。
- 運動想起型相互適応BCIにおけるフィードバック訓練のための信号取得法 15K01852 2015-04-01 – 2018-03-31 加納 慎一郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00282103) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:ユーザが身体動作を想起した際の脳波を検出する運動想起型BCIの正答率向上のため,脳活動信号をユーザにリアルタイムで提示しながら課題の遂行を求めるニューロフィードバック(NF)訓練を行う際,被験者に提示するフィードバック情報を統計的手法により取得する方法を検討した.本研究の結果,多チャネル脳波に適用する空間フィルタによってNF訓練の効果が向上することがわかった,また,脳波から脳内信号源の電気活動を推定してNFに供することでNFの効果が向上する可能性が示された.
- 運動錯覚と運動イメージを同期させたニューロリハビリテーションデバイスの開発 15K01439 2015-04-01 – 2018-03-31 兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708371) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究の目的は、運動錯覚生成メカニズムに及ぼす運動イメージ能力の影響を解明し、ニューロリハビリテーション介入時に運動イメージ能力を高めながら、感覚運動機能を改善させる効果的な脳内神経機能再編成システムを構築することであった。振動刺激時の脳内神経活動についてMicrostate法解析を行った結果、錯覚誘起には運動イメージ能力が影響を及ぼすことが明らかとなった。また、脳卒中片麻痺患者に対して、我々が開発した脳波周波数パターン認識型システムを用いた介入を実施した結果、感覚運動関連脳領域の神経活動性に向上を認め運動主体感も改善を認めた。以上より、本システムの介入手法としての有用性が示唆された。
- リアルタイムfMRIによるニューロフィードバックを用いた慢性不眠症治療法の開発 15J12161 2015-04-24 – 2018-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- NIRSと機械学習を用いたアレキシサイミアに対するニューロフィードバックの開発 15J07284 2015-04-24 – 2017-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 精神疾患の次世代治療法に繋がるfMRIニューロフィードバックトレーニングの開発 15J06788 2015-04-24 – 2017-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 発振操作による動的ネットワークの再組織化 15H05880 2015-06-29 – 2020-03-31 美馬 達哉 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20324618) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では、精神神経疾患の発症とそこからの機能的回復には、発振現象を基盤とした動的ネットワークの変化(再組織化)が関わっているという「ネットワーク病態」仮説を元にして新しい着想での研究を展開した。実験研究班として、Aグループ、Cグループ、公募班と共同研究を行い、健常人および神経精神疾患患者での新規の発振現象を探索し、脳卒中やパーキンソン病など運動障害のバイオマーカを開発するとともに、発振制御によるヒト脳可塑性誘導手法を開発することを達成し、リハビリテーション効果を実証した。
- ネットワーク自己再組織化の数理的基盤の創成 15H05878 2015-06-29 – 2020-03-31 津田 一郎 中部大学, 創発学術院, 教授 (10207384) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:脳の病態を非線形振動子ネットワークの異常ととらえ、特にてんかん患者の脳波の異常発振とレビー小体型認知症の複合型視覚性幻覚に対するバイオマーカーを提案することを目標にした。拘束条件付き自己組織化理論を構築し、ミクロとマクロのニューロフィードバックを実現する計測システムをネコなどの動物で構築した。これらの理論的基盤、実験的基盤に基づき、てんかん患者の脳波データを複雑系解析し、少数自由度力学系の出現、パワースペクトル揺らぎの減少をバイオマーカーとして提案した。また、視覚性幻覚に関する数理モデルを構築しネットワークの自己再組織化過程においてネットワーク病としてのシナプス学習異常を発見した。
- 心的イメージの神経基盤の解明 15H05710 2015-05-29 – 2020-03-31 神谷 之康 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50418513) 研究開始時の概要:基盤研究(S) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:イメージはわれわれの心の状態を構成するもっとも重要な要素の一つである。本課題では、脳情報デコーディングを活用して知覚、想起、および、夢に共通する神経情報処理とその相違を明らかにすることを目標とした。イメージの種類による脳情報表現の類似性・相違を、画像特徴の階層性と脳部位の両面から解析する方法を確立し、世界で初めて想起イメージを脳から画像として可視化することに成功するなど、分野を超えたインパクトをもたらす成果が得られた。
- 過剰訓練が引き起こす脳神経疾患の神経リハビリテーション法の開発 15H05358 2015-04-01 – 2018-03-31 古屋 晋一 上智大学, 音楽医科学研究センター, 特任准教授 (20509690) 研究開始時の概要:若手研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を両側の大脳皮質運動野に印可しながら両手指鏡像動作を行う介入(ニューロリハビリテーション)を実施し,その前後に神経生理学評価(経頭蓋磁気刺激:TMS)と巧緻運動機能評価(データグローブ,MIDI)を行うことで,当該介入効果の神経生理学的機序を明らかにした.さらにTMSと動作分析により,大脳皮質運動野の興奮性異常と巧緻運動機能低下の間にある詳細な関連を,機械学習手法を用いて明らかにした.加えて,経日介入を行うことで,当該介入効果の漸増が認められた.
- 運動機能再建を目的としたreal-timefMRIニューロフィードバックの構築 15H05357 2015-04-01 – 2019-03-31 北 佳保里 千葉大学, フロンティア医工学センター, 助教 (60550548) 研究開始時の概要:若手研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 共鳴の輪の中で:音楽の場とその形成について 15H03175 2015-04-01 – 2018-03-31 古川 聖 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (40323761) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:3人~5人の参加者の脳波計測データの実時間分析しそのデータを音や映像に変換し芸術表現を行った、さらにこのシステムを双方向化、つまり、参加者がその音や映像を再び体験し、その結果を脳波が変化し音や映像も変化するという、フィードバックループする状況をインスタレーションとして発表した。多数の人が簡単に装着できる脳波計を開発し、10人以上の人が同時に脳波計測できるシステムの準備をおこなっており、次のフェーズで実施公開する。
- 運動処方への初期応答による高齢者の分類法の確立 15H03104 2015-04-01 – 2019-03-31 中井 敏晴 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 神経情報画像開発研究室, 室長 (30344170) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:fMRIを用いて高齢者に対する介入開始4週間後に運動処方の効果予測を行ない、運動処方の長期的効果を反映する脳活動指標を探索した。何れも前部帯状回の安静時脳活動が有力な指標候補と考えられた。認知負荷への応答特性を高精度で抽出するためのNeurofeedback fMRIを開発し年齢群間比較を行なったところ、若年者では後部帯状回と視覚野群の活動が脱賦活化されるが高齢者ではこの傾向は見られず、認知処理の予備能力減少を反映すると考えられた。対人認知機能の評定実験では高齢者は第一印象と一致しない情報処理への動機付けが弱いと考えられた。
- 超多点BMI環境におけるニューロフィードバックによる神経系の可塑的変化の研究 15H03049 2015-04-01 – 2018-03-31 鈴木 隆文 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 室長 (50302659) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:BMI接続による神経系の変化が注目されている。本研究は申請者が開発中の超多点BMIシステム等の技術を統合させた実験システムを構築して、神経系の可塑的変化の特性や限界を解明し、その制御・誘導を図ることを目的として行った。なお本研究における動物実験は、大阪大学生命科学研究科の承認のもと、大阪大学にて実施された。まず、(1)実験用統合システムの構築と評価として高密度柔軟電極を試作し、BMIデコーディングなどの用途における高密度電極の設計指針を得た。次に(2)多点柔軟神経電極を利用した可塑特性解明実験を動物モデルにより行い、BMI接続によりハイガンマ帯域の信号などに変化がみられることが観察された。
- 音声の病態分析を用いた治療効果のフォローアップ技術の開発 15H03002 2015-04-01 – 2018-03-31 徳野 慎一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40508339) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:診療上で医師の主観的評価や自記式質問紙による患者本人の主観的判断に頼らざるを得ない疾患が少なからずある。我々は患者の音声を解析して客観的な指標を示すことで、そうした疾病のスクリーニングやモニタリングを可能とする技術を開発した。うつ病においては、十分な感度と特異度を持った指標が完成した。また、その指標が医師の評価と相関が取れることも確認した。さらにこの指標を用いてスマートフォンアプリケーションを作成し一般に公開した、また、この指標を用いたクラウドシステムが商品化された。パーキンソン病についても同様の指標を開発したが、更なる検証が必要である。双極性障害や認知症の指標については現在なお開発中である。
- 多利用者・多状況に共通する特性の抽出による情報転移BMI 15H02759 2015-04-01 – 2018-03-31 川鍋 一晃 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究室長 (30272389) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:脳活動パターンは、同一の認知課題であっても利用者間で異なる上、同一利用者でも状況により揺れが存在する。このような脳計測データの不均質性を把握する解析手法を開発し、fMRIや脳波の実データに適用した。また、利用者や計測状況に共通した特徴を発見するために、変動の軽減に役立つノイズ除去法の評価、およびロバストな特徴抽出法の構築を行った。さらに、利用者への負担が軽いブレインマシンインタフェース(BMI)をめざして、辞書学習法や多変量自己回帰モデルなどに基づく転移学習法の枠組みを提案し、30日間分の筋電データを用いて転移学習法の有効性を検証した。
- うつ病の神経回路病態の解明とそのリモデリングに関わる基盤研究 15H02552 2015-04-01 – 2018-03-31 山脇 成人 広島大学, 医歯薬保健学研究科, 特任教授 (40230601) 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究の目的はうつ病の病態を局所の神経活動の異常および関連する神経回路の機能異常として理解し、神経回路のリモデリングによる治療法を解明することである。本研究の成果として、① 前頭前野と前帯状皮質を含めたうつ病患者の特異的な機能的結合の同定、②ラットの前頭前野の神経活動変化による行動変化の同定、③ラットの行動変化と前頭前野における電気生理学的変化との関連、④ ①から③の基礎検討を元にうつ病患者に対してNeurofeedbackを実践し、前頭前野と前帯状皮質の機能的結合の改善、を明らかにすることができた。社会実装の観点から今後さらなる症例の蓄積や方法論において修正を重ねていく必要がある。
- 身心変容技法と霊的暴力ー宗教経験における負の感情の浄化のワザに関する総合的研究 15H01866 2015-04-01 – 2019-03-31 鎌田 東二 上智大学, グリーフケア研究所, 教授 (00233924) 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:「身心変容技法」がもたらす負の側面の考察を主軸に考察した。例えば、気功修行で言う「入魔」、禅の修行で問題とされる「魔境」、諸宗教で信仰されてきた「悪魔・悪霊」などの観念や経験を含む「霊的暴力」という観点から総合的に研究を進め、研究成果を『身心変容技法シリーズ第1巻 身心変容の科学~瞑想の科学』『同2巻 身心変容のワザ』(ともにサンガ、2017年9月、2018年2月)として出版した。また、2018年9月9日に日本宗教学会で分担研究者5名と共に成果をパネル発表し、同学会誌『宗教研究』に掲載した。本科研の全活動と全成果は研究年報『身心変容技法研究』に掲載し、HP上でPDF全頁公開し社会還元している。
- 認知モデルを利用した自伝的記憶のミラーリングエージェント 15H01615 2015-04-01 – 2017-03-31 森田 純哉 静岡大学, 情報学部, 准教授 (40397443) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 統合失調症・気分障害における「寛解」と「回復」の脳機能基盤に関する縦断的研究 26860914 2014-04-01 – 2016-03-31 滝沢 龍 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30420243) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:精神症状のみの軽減を目指した「寛解」だけでなく、社会的機能や幸福感の改善も含めた「回復」の脳機能基盤の背景を明らかにすることを目的とした。うつ状態の診断の補助に資する指標として、NIRSによる脳機能計測法が2013年に保険適応となったが、いまだ状態把握や予後予測に資する客観的・生物学的な指標は確立されていないため、縦断的研究により個人内の継時的変動を明らかにすることを目指した。
脳部位によって、特性依存的と状態依存的なNIRS信号がそれぞれ存在する可能性を示した。臨床応用には、さらなる検討が必要であるが、NIRSにより計測された局所脳機能が状態依存性に変動し、予後を予測する可能性が示唆された。 - 発達性ディスレクシアのリスク児における病態解明と早期支援システムの導入 26780524 2014-04-01 – 2018-03-31 北 洋輔 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 室長 (90627978) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:文字の読み書きに著しいつまずきのある発達性ディスレクシアは、小学校入学後に初めて診断を受けるものの、既に著しい学習困難に陥っていることが少なくない。そのために、就学前の段階で早期に発見し、適切な支援を行うことが効果的とされる。この研究では、ディスレクシアの可能性のある子どもを年長の段階で発見し支援につなげるための方法を、心理学・教育学・認知神経科学の観点から開発した。そして、年長の時点から行うことが可能な支援の方法を、神経生物学的エビデンスに基づいて提案することを達成した。
- 脳波による難治性疼痛症例の運動療法の治療効果の予測 26750207 2014-04-01 – 2017-03-31 西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:慢性痛の多くは器質的な問題だけでなく心理的・社会的な要因、さらには、中枢神経系の変調が関与しあっている。本研究の目的は,慢性痛患者の初期評価時の脳活動が運動療法の治療効果を予測できるか検証することである。対象は慢性痛患者(男性12名,女性23名)であった.初診時及び3ヶ月後に疼痛強度,疼痛生活障害尺度、不安、抑うつの評価指標、痛みの破局的思考、生活の質の指標及び脳活動を評価した。結果、20%以上疼痛が改善した患者は14名で,20以内であった患者は21名であった.初期評価時に両群間に有意な差を認めたものは、EQ-5Dのみであり、各周波数解析の結果に両群に有意な差を認めなかった。
- 脳波による指運動情報の予測 -脳波バーチャルキーボードに向けて- 26560303 2014-04-01 – 2017-03-31 南部 功夫 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (40553235) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では、直感的で操作が容易な脳情報バーチャルキーボード構築に向けた基礎検討を行った。最初に、脳波(EEG)を用いて、運動実行時および想起時の個々の指運動(想起)を予測できる可能性を明らかにした。次に、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)により、運動準備時には対側の運動前野や補足運動野に高精度な指運動情報(系列)が含まれることがわかった。最後に、機能的近赤外分光計測(fNIRS)を用いた運動情報の抽出を目指し、fNIRS信号に混在する頭皮血流アーチファクトを除去し、脳活動の推定精度を向上させる手法を開発した.以上の結果は、脳情報を利用したバーチャルキーボード構築に貢献すると期待される。
- 動作主体感を生み出す脳内機構の操作的検証 26540059 2014-04-01 – 2016-03-31 小川 健二 北海道大学, 大学院文学研究科, 准教授 (50586021) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、fMRIニューロフィードバックを利用し、脳の感覚運動学習に関わる神経表象、および学習に付随する運動主体感の操作を試みた。まず研究代表者の所属機関に新規導入されたMRI装置に対して、新たにfMRIのリアルタイム処理系およびフィードバック・システムを構築した。そのシステムを使って実験参加者は感覚運動学習時の感覚運動領域の脳活動パターンを変化させた。本研究からニューロフィードバックにより感覚運動領域における脳活動パターンの操作が可能である点が示された。
- Learning to control brain activity pattern using real-time functional MRI: A feasibility study 26350993 2014-04-01 – 2017-03-31 BAGARINAO E. 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任准教授 (00443218) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では、即時に脳機能状態を識別して可視化する、リアルタイム機能的MRIによる脳機能識別システムを独自に開発し、被験者が自分の脳の状態を観察しながら、目的とするパターンに制御する、つまり、ニューロフィードバック制御、の可能性について検証した。結果では、開発したシステムは、全体の処理を、画像取得時間(2秒)よりも速く行う事が出来た。3つのタスク(指を鳴らす行為を想像、語想起、引き算)について、リアルタイム機能的MRIを撮像しながら、被検者に識別、再現させるフィードバック実験では、サポートベクターマシンを用いる事により、一貫して80%以上の平均識別精度で、目的とする脳状態を再現する事ができた。
- 内的思考への注意揺らぎ神経基盤の解明と集中持続支援への応用 26330171 2014-04-01 – 2017-03-31 野澤 孝之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60370110) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本課題の目的は,思考の諸次元における揺らぎの神経基盤を解明し,その知見をもとに日常的思考活動を支援する脳計測応用の基盤を確立することである.一連の研究を通じて以下のような成果を得た:(1)自発的に生じる内的思考への注意・意識状態の揺らぎの神経基盤を同定した; (2)ポジティヴ/ネガティブな思考の持続や移り変わりの背後にある脳活動ダイナミクスを同定した; (3) 思考の多様性を支える,時空間的に非一様な高次元機能的結合ダイナミクスの存在を明らかにした; (4) コミュニケーションを介した集団的思考の評価における多人数同時脳計測と脳活動同調分析の有効性を明らかにした.
- 脳内身体表現のスローダイナミクスモデル 26120005 2014-07-10 – 2019-03-31 淺間 一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50184156) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:運動主体感や身体保持感などの身体意識は,脳内身体表現に基づき実時間で創出される(Fast dynamics).一方,脳内身体表現は知覚運動経験を通してゆっくりと生成・更新され,変容する(Slow dynamics).研究項目B01では,この身体意識に関する脳内身体表現の生成・更新のダイナミクスのモデル化を行った.具体的に、身体意識の創出と脳内身体表現の変容の数理モデル化,認知身体マッピング器モデルの検証,およびモデルベーストリハビリテーションへの応用の検討を行った.
- 脳内身体表現の変容を促す神経機構 26120002 2014-07-10 – 2019-03-31 今水 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30395123) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:人間が適切に身体を動かしているときには“自身が運動している”という運動主体感や“これが自身の身体である”という身体所有感などの身体意識を得られる.本研究は,身体意識の神経基盤が,主に右半球の下頭頂小葉と前頭回を結ぶ神経回路網に存在することを,健常者における行動実験・脳活動計測・非侵襲脳刺激,身体意識に変容のある統合失調症患者における脳内ネットワーク解析で明らかにした.また,身体意識の基礎となる感覚抑制のメカニズムを,サルの神経活動記録により,ニューロンレベルで明らかにした.
- 運動学習の獲得と実現に関わる神経回路の構造基盤と機能変化 26112006 2014-07-10 – 2019-03-31 藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022) 生物系 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:最近この運動学習の過程には、線条体の異なる領域間での機能シフトが関与するという報告がある。しかし大脳皮質―基底核―視床ループは、点対点の、あるいは部位ごとの整然とした中継によって構成されているわけではなく、獲得期から熟練期への機能シフトを担う“真の機能領域”がこのループにおいて何に規定されているのかはほとんどわかっていない。そこで本計画研究では、まず形態学、電気生理学、光遺伝学を系統的に組みあわせて解析し、線条体コンパートメントと大脳皮質―基底核―視床ループにおける機能的な結合様式を同定した。さらに皮質入力と視床入力の差異を調べることで、各々のシナプス特性の違いを解明した。
- ニューロフィードバックを用いた患側手の自発的使用の意思決定介入 14J11742 2014-04-25 – 2016-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックを用いた位相同期ダイナミクスの制御と脳機能解明 14J08352 2014 – 2015 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- 高機能自閉症スペクトラム障害における共感の神経基盤の解明と育成に関する研究 14J04621 2014-04-25 – 2016-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- オプトジェネティクスを応用した特異的セロトニン神経刺激による強迫性障害の病態解明 25893204 2013-08-30 – 2015-03-31 酒井 雄希 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60714475) 研究開始時の概要:研究活動スタート支援 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:麻酔下マウスで海馬を対象としたオプトジェネティクス特異的刺激を行うことで、マウス機能的MRIで光刺激による変化を全脳評価できることが確認できた(Takata 2015)。無麻酔でマウス用MR画像を撮像する実験系を確立し、オプトジェネティクスを用いた刺激を行っても、体動アーチファクトがほとんど起きないことを確認した。麻酔下と覚醒下や、セロトニン作動性抗うつ薬投与前後での検討では有意な差を検出し、高い精度で測定できていることが確認できた。
ヒトOCD患者の安静時機能的MRIデータ収集を行い、脳ネットワークを対象とした判別解析にて、線条体・前頭葉ネットワークと関連した仮説を裏付ける結果が得られた。 - 数学認知と神経基盤を共有する高次認知機能の学習効果 25871252 2013-04-01 – 2016-03-31 丸山 雅紀 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (70443033) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:数学能力と神経基盤を共有する認知機能を示すために、日常で得られる経験学習の差異で生じる個人差に着目し、数感覚と、痛覚などの認知課題を20名の健常成人に遂行させ、収集した行動データの相関を調べた。簡易的な解析を行った結果、数感覚と有意に正の相関を示す認知課題は得られなかった。今後、高度な解析の導入や被験者数の追加などにより統計解析の精度を高め、更に検証を進める。
学習課題を遂行させて計算式の文法認知を強化または弱化させ、その効果の言語機能への汎化も調べた。16名の健常成人が実験に参加し、課題成績の上昇が確認された。今後、学習課題の前後に収集した言語機能のデータを比較し、学習効果の汎化を検証する。 - NIRSを用いたrealtimeneurofeedbackによるうつ病治療の開発 25861011 2013-04-01 – 2017-03-31 松原 敏郎 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (60526896) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:ニューロフィードバック(Neurofeedback:NF)とは,被験者が脳機能測定中に自身の脳活動をモニターでリアルタイムに見ながら,脳活動コントロールを学ぶことである。 うつ病患者で情動刺激に対する前頭葉の機能異常が報告されており、その機能異常をNFを用いて改善できれば,有用な治療法となる可能性がある。われわれは脳機能測定装置として、被験者に副作用のない光トポグラフィーを用いた。研究成果としては、1)うつ病患者に脳の情動調整障害があることを明らかにした、2)健常人を対象に前頭部NFを行い、NFは1)気分を改善する効果があり,2)陰性情動刺激に対して,前頭部血流を上昇させることを明らかにした。
- 吃音者・児の発話における運動前野の役割-近赤外分光法による検証- 25770169 2013-04-01 – 2017-03-31 青木 淳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第三部, 流動研究員 (00633174) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:発話時の左前頭皮質における脳血液応答について近赤外分光法(NIRS)を用いて測定し、吃音者・非吃音者間で差異があるか検討した。その結果、被験者群と単語種類(高親密度単語、低親密度単語、無意味単語)の間で、ブロードマンエリア(BA)46における脳血液応答に有意な相互作用がみられた。一方でブローカ野では差がみられなかった。本研究より、左BA46が単語親密度と関連し、発話において吃音者・非吃音者間で応答が異なることが示唆された。本研究では発話に関わる神経応答を定量する新しい方法を示し、吃音の発達問題をより理解するために吃音児へ適用できる可能性がある。
- 動作に対する好ましさの感性とその感性脳機能学的情報処理モデルの検討 25730172 2013-04-01 – 2015-03-31 緒方 洋輔 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 脳病態統合イメージングセンター, 流動研究員 (60641355) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究の目的は、運動・動作を美しく、または好ましく感じる際にどのような神経基盤によって表象されているかを明らかにすることであった。研究の結果、反復模倣・観察を行った動作に対して好意度評価の増加が認められた。関連して、反復模倣・観察を行った動作刺激に対する好意度の評価時には、報酬価値の表象に関与する腹側線条体を含む部位の活動増加が認められた。加えて、動作を反復している際に下頭頂小葉の活動が減少し、その減少量と好意度の増加量の相関が認められた、これらの結果から、動作の反復模倣・観察が、刺激に対する価値表象の変化を誘発し、選好に影響を与えている可能性が示唆された。
- ニューロフィードバックを利用した直接伝送型脳波コミュニケーションの実現 25560430 2013-04-01 – 2015-03-31 飯塚 博幸 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (30396832) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:通常,ニューロフィードバックは自分の脳波を観察することによって行われるが,本研究では,計測された脳波を直接伝送し,2者の間においてニューロフィードバックを行う実験を行った.フィードバックする脳波はα波帯域のパワーを視覚刺激で表示する方法を用いた.結果として,この相互の脳波を伝え合うコミュニケーション状態を利用し,双方のα波を高める訓練が成功した.2者間でのコミュニケーション型ニューロフィードバックで訓練をした場合には,その後,1者でニューロフィードバックを行ってもその効果が継続していることがわかった.
- ニューロフィードバックを用いた知的障害者のための言語学習支援システム 25560287 2013-04-01 – 2016-03-31 伊良皆 啓治 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (20211758) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:発達障害児や知的障害児の学習をサポートするため、脳情報を計測しフィードバックする学習支援システムを開発することを目ざしたが、脳波や脳血流の情報を非拘束状態で計測するシステム開発、特に脳波の動きによるノイズ除去法の提案、フラクタルディメンジョンを用いた脳波、NIRS解析法の構築、また、重度心身障害児に対する脳波応答の特徴抽出により、シータ波の事象関連位相解析が言語の応答に対して有効であるという研究成果を得た。
- こころの時間長・同期・クロックを作り出す認知メカニズムの解明 25119003 2013-06-28 – 2018-03-31 村上 郁也 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (60396166) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:主観的現在の時間スケールにおいて私たちが感じる時間長や時間差などをつかさどる脳内メカニズムが、視覚運動・位置知覚・注意・多感覚統合などの処理プロセスと階層的に相互作用している計算枠組みが、心理物理学と機能的脳計測の手法で解明された。心的時間に関わる神経表現が感覚モダリティごとに特有の同期周波数をもつことが示唆され、また感覚証拠が乏しい際に事前確率が重視されるなどの最適推定が行われることがわかった。
- 感性特性に着目した自閉性障害者の視覚的短期記憶機構の解明と感性知能検査の開発 13J09521 2013 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:本研究の目的は, ①「自閉症者を対象としたパターン認知と視覚的短期記憶における感性特性の影響に関する心理物理的検討, および個人差の検討」, ②「心理物理データ蓄よび個人差に関する生理学的基盤の証明」, ③「感性知能検査の開発」から構成されている。
研究時間およびエフォートの多くは, 研究所における研究課題と日常業務に充てられた。研究所の研究課題としては, 本年度は脳波に着目したニューロフィードバック訓練の導入を試みた。ニューロフィードバック訓練は, 注意などの高次視覚機能の改善を目的とする訓練法である。海外では導入が検討され始めているものの, 日本では学術的検討がなされてこなかった。このため, 注意欠陥多動性障害(ADHD)のある児童に対してニューロフィードバック訓練を実施することは, これらの児童の高次認知機能を検討するために有益であると考えられる。本年度も結果から, ニューロフィードバック訓練に関する一定の効県が認められた。この結果は, neuroReport誌に掲載された。
日本学術振興会特別研究員としての研究課題に関しては, 満足な研究時間とエフォートを充てることはできなかった。したがって, これまで行なってきた研究内容を論文化することに尽力した。これらは研究課題で対象としている自閉症スペクトラムに関する研究であり, 「Journal of Autism and Developmental Disorders誌」を始めとして5本が掲載された。また, 自閉症スペクトラムの早期診断と関連があるとされている低出生体重児の研究についても1本が掲載された。学会発表も積極的に行ない, 発達障害や低出生体重児に関する内容を7つの国際・国内学会で発表した。研究実績の概要: - ヒトの知覚における確率共振現象の生理学的メカニズムの解明 24700617 2012-04-01 – 2015-03-31 相原 孝次 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 専任研究員 (10600918) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:脳内で確率共振が起きる証拠を示すために、脳波から逆問題を解いて脳内ノイズレベルを推定することを試みたが、計算機シミュレーションの結果から正確な推定は困難であることが明らかになった。次に、経頭蓋ランダムノイズ刺激により脳内ノイズレベルを操作できる証拠を得るために、心理物理実験により脳内ノイズレベルを推定した。操作できることが示唆されたが、さらなる実験的裏付けが必要である。最後に、安静状態ネットワークのノードに経頭蓋磁気刺激を行い、誘発反応を脳波で計測した。脳波からアーチファクトを除去する方法を検討し、安静状態ネットワークに固有の神経振動周波数が存在するかどうかを調べた。
- ニューロフィードバックを利用した複数運動課題の同時学習 24700615 2012-04-01 – 2014-03-31 池上 剛 独立行政法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (20588660) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:申請者は,ある一定方向(運動方向に対して左向き)に外乱が生じる新奇な力場課題を用いた腕到達運動学習実験を行なっている際に,獲得される運動記憶が,運動計画と運動実行に対応する階層的な2つの学習プロセスによって構成され,それらの相互作用によって形成されることを示唆する興味深い結果を得た.
力場環境下において、多くの被験者が,6~7試行に一回程の頻度で,力場の影響を“過補償”し,それまでとは逆方向の右向きの弧を描くように大きく軌道を修正することが分かった.この軌道修正は,直前の試行で課題を失敗した場合に観察された.この結果は,課題が成功していた際に活性化していたプロセスだけでなく,課題が失敗した場合に活性化する別の学習プロセスが存在する可能性を示唆している.そこで、意図的に課題の失敗を誘起させるため,運動終点で外乱が最大になる力場を開発した.実験の結果,課題が失敗した直後の試行で,力場を過補償する程大きな軌道の修正が観察された.さらに驚くべき現象が,力場学習後の脱学習過程(力場なし環境)において観察された.力場環境から力場なし環境に移行する際,力場学習の後効果によってターゲットに到達できず課題を失敗するため,次の試行では軌道が大きく修正される.さらに課題を継続すると,運動はある曲線軌道に収束した.この軌道は,力場学習前に力場なし環境下で観察される直線軌道とは明らかに異なっていた.その曲線軌道は20分以上も保持されたことから,単なる力場学習の後効果の持続では説明できない.むしろ,課題の失敗を誘起する力場学習前後において,異なる運動計画によって異なる運動が実行されたことを示唆している.
本研究によって得られた知見は,運動学習過程において,運動計画と運動指令の学習プロセスがどのように相互作用し,どのように潜在的な運動記憶を形成するかという神経メカニズムに示唆を与える.研究実績の概要: - 異なる変形性膝関節症モデル動物に対する歩行エクササイズの効果 24700569 2012-04-01 – 2014-03-31 西上 智彦 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (60515691) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:歩行エクササイズが関節炎モデル,関節不安定性モデルの痛みを抑制するか検討した。結果,関節炎モデルラットにおいて,トレッドミル歩行群はトレッドミル開始2週間後のみ通常飼育群より,疼痛閾値が改善していた。一方,関節不安定モデルではトレッドミル歩行群はトレッドミル開始4週間後より通常飼育群と比較して疼痛閾値が改善していた。脊髄後根神経節においてCGRPやASIC3といった疼痛関連分子に歩行エクササイズ群と通常飼育群に有意な差は認めなかった。関節炎モデルと関節不安定性モデルではトレッドミル歩行による疼痛抑制効果の減少には時間的な差があることが示唆されが,疼痛抑制メカニズムは明らかにできなかった。研究実績の概要:
- 脳磁計による神経義手の開発と上肢運動機能再建による大脳皮質再構築の検討 24700419 2012-04-01 – 2014-03-31 柳澤 琢史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90533802) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:本研究では臨床用脳磁計からオンラインで脳磁場信号を取得し、リアルタイムで脳情報抽出処理を行い、その結果に基づいて、患者が思った通りに動作する神経義手を開発した。また、これを腕神経叢引き抜き損傷や脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺等により重度の運動麻痺がある患者に適用した。麻痺で動かない上肢を動かす想起時の脳信号から運動情報を抽出し、麻痺患者でも脳信号で義手操作が出来る事を示した。また、この操作に習熟することで、脳活動自体も変化する事が示され、リハビリテーションなどへの応用が示唆された。本研究により非侵襲的BMIの新たな可能性が示された。研究実績の概要:
- リアルタイムfMRIを用いたバイオフィードバックによる社会認知機能改善プログラム 24659546 2012-04-01 – 2014-03-31 松田 哲也 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (30384720) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:本研究では、リアルタイムfMRIによるバイオフィードバック法を用いて、局所脳活動を改善させることで高機能自閉症・アスペルガーの社会的認知機能を改善させることを目指し、感情機能や社会認知機能の改善・回復への有用性を調べ、臨床応用の可能性について検討することを目的とした。
その結果、アスペルガー症候群もニューロフィードバックによるトレーニングにより扁桃体の活動を制御することが可能であることが確認され、トレーニング後に扁桃体の活動がトレーニング前と比較し活性化されていた。これらのことから、今後このようなトレーニング法は精神科のリハビリテーションにも十分応用できる可能性があることが示唆された。研究実績の概要: - 痛みと共感―“痛みの社会性”の認知・生理・神経的基盤に関する萌芽的検討 24653160 2012-04-01 – 2014-03-31 亀田 達也 北海道大学, 文学研究科, 教授 (20214554) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:「他者の不遇や痛みをどのように共有できるか」という問いは、社会科学の根本的な問いであると共に、災害・格差を含む今日的問題の中核を形成する。本研究は“痛みの社会性”を領域交叉的な形で検討するための有効な概念的フレームを構築することを目的とした。本研究は多領域にまたがる経験的知見を整理し、“痛みの社会性”に関わる複数の鍵次元を概念的に析出した上で、そのフレームがどの程度有効かを見極めるため、「他者の痛みに対する共感」を出発点に、行動・認知・生理・脳機能画像計測を組み合わせた一連の実験を実行した。この結果、他者の苦痛に対して、その身体状況に応じた共感反応が生理レベルで起きることが明らかになった。研究実績の概要:
- 随意性の低い効果器の訓練及び非侵襲脳刺激法による随意性向上と神経基盤の変化 24300210 2012-04-01 – 2016-03-31 荒牧 勇 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (40414023) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、非利き手や足など随意性の低い効果器を対象として、その随意性を向上させ、その随意性向上に伴う神経基盤の変化を明らかにする研究を行った。足によるボールリフティングや非利き手による投球訓練により、運動制御・学習に重要な役割を果たす小脳の灰白質量が増加することが明らかとなり、成人でも脳構造が発達する証拠を示した。また、一次体性感覚・運動野への非侵襲的な経頭蓋直流電気刺激により、足関節の関節可動域を変調することに成功し、ヒト運動システムに対する神経モジュレーションの可能性を示した。
- 多様な記憶情報の活用を担う機能的神経回路の解析 24243069 2012-04-01 – 2016-03-31 櫻井 芳雄 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (60153962) 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は、多様な記憶情報の活用を担う機能的神経回路、すなわちセル・アセンブリの活動を神経科学的に実証することを目的とした。様々な記憶課題を考案し、それらを遂行中のラットからマルチニューロン活動を記録し解析した。その結果、時間弁別課題、報酬確率予測課題、順序弁別課題など多様な記憶課題の遂行中に、海馬、扁桃体、前頭前野などでニューロン活動が変化することがわかり、さらにそれらの部位間で同期的に活動するニューロン集団、つまりマクロなセル・アセンブリの活動を検出することができた。
- 思春期および小児期・青年期における精神疾患の治療と予防に関わる脳神経倫理学 24118502 2012-04-01 – 2014-03-31 石原 孝二 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30291991) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:本年度は昨年度に引き続き、自閉症に対するオキシトシンの治療適用に関する倫理的問題の検討を中心に研究を進めた。オキシトシンは向社会性を高める効果があるものとされ、自閉症への適用が期待されてきたが、近年オキシトシンの向社会性の効果に関する文脈依存性を示唆する結果や効果に関する矛盾する結果が報告されるようになっている。本研究では、オキシトシン効果の向社会性に関する文脈依存性が倫理的問題に対してもつ意義の明確化を試みるとともに、オキシトシンと自閉症の関係を扱った論文における「社会性の障害」の捉え方を検証し、倫理的問題を分析するための基盤について検討した。また、2013年に発表されたDSM-5における診断基準の変更が自閉症(自閉症スペクトラム)の診断や教育などに対して与える影響についても検討を行った。
自閉症の治療に関する倫理的問題に関しては、ハイデルベルク大学において討論会(Extended Colloquium: New Ethical Issues on Autism)を開催し、ハイデルベルク大学の研究者などと自閉症の診断や治療に関わる倫理的問題に関する討論を行った。また、東京大学においてワークショップを開催し、オキシトシンに関する臨床試験を行っている研究者、当事者、東京都自閉症協会の関係者をスピーカーとして招き、オキシトシンの治療適用に伴う倫理的問題などについて討論を行った。
自閉症の治療に関する問題以外では、薬物療法が精神病理学に与えた影響についての論文を執筆したほか、投薬に依らない精神病早期介入のアプローチとして注目されつつあるOpen Dialogueに関する調査などを行った。研究実績の概要: - ハイパースキャン手法による協調的動作の解明:個人差と注意量の観点から 12F02747 2012 – 2014-03-31 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:
- ニューロフィードバックを応用した新たなリハビリ手法の開発 23700500 2011 – 2012 三原 雅史 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (80513150) 研究開始時の概要:若手研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:本研究では、多チャンネル近赤外分光法(NIRS)を用いたリアルタイム解析システムを構築し、そのシステムを用いて脳卒中後片麻痺患者を対象に、リハビリテーションと組み合わせた際の NIRS を用いたニューロフィードバックの効果を検討する目的で、プラセボ群を用いたランダム化試験を行い、対象脳領域の賦活効果と、麻痺側手指機能回復促進効果を確認し、ニューロフィードバックが安全で侵襲性の低いリハビリテーション手法として有効であることを証明した。研究実績の概要:
- 神経経済学の手法を用いた「幸福度指標」の確立 23683005 2011-04-01 – 2015-03-31 田中 沙織 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (00505985) 研究開始時の概要:若手研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:満足度・幸福度が生物学的指標で記述できるかを検証した。経済的な満足度を測定する実験課題の作成および脳活動データ、経済学・社会・生物学的属性データを収集し、経済学・社会・生物学的属性と満足度に関連する脳活動との関係を明らかにした。頭頂皮質と線条体が主観的効用の表現にかかわり、また島皮質と背外側前頭前野が社会的効用にかかわりかつ性別という個人属性によってその活動が異なることを明らかにした。これらの幸福度に関わる脳部位の具体的な機能の検証を行うためにfMRIによるニューロフィードバック実験を検討し、主観的効用に関わる線条体の活動の変化とそれに伴う意思決定行動の変化を示唆する予備的な結果を得た。
- 二者同時計測によるインタラクティブなニューロフィードバックシステムの提案 23653196 2011 – 2012 大村 一史 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (90431634) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:本研究では、セルフコントロールの効果的なトレーニングを促進するために、モバイル計測に適した携帯型脳波計を用いた二者同時計測によるニューロフィードバックシステムの提案を目的とした。従来の単独型とは異なる対戦型というインタラクティブなトレーニングスタイルを導入することによって、より短時間にトレーニング効果を引き出しうるニューロフィードバックシステムを構築し、そのシステムの信頼性・妥当性を検証した。研究実績の概要:
- ポータブルNIRS計測装置を用いた実利用型ブレイン・マシン・インタフェースの構築 23560286 2011 – 2013 伊藤 友孝 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00283341) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:本研究は,脳機能計測装置を用いて人の脳活動を計測し,その情報を各種機器の操作やコミュニケーションに用いる「ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)」の構築を目的とした.本研究では,ポータブルNIRS計測装置を用いて,脳血流変化から人の思考や感情を識別するための手法を考案し,有効性を確認した.また,日常生活で利用可能なBMIの構築を目指し,使用状況の変化に対応すべく識別精度を向上させるための方法を検討した.さらに,将来の双方向BMIの実現を目指して,外部刺激が脳血流に与える影響についても実験的に検討を行った.今回の研究によりBMIの応用可能性を高める上での重要な指針が得られた.研究実績の概要:
- 脳卒中片麻痺上肢に対するニューロフィードバック療法の開発とその効果検証 23500630 2011 – 2013 森岡 周 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20388903) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:本研究は、まず健常者の道具操作および観察・イメージ時の運動関連領域の脳活動をNIRS-EEGシステムを用いて検出し、それから得た脳活動を基に閾値を設定し、その閾値を超えると視覚フィードバックを与えるニューロフィードバック装置を開発した。なお全ての対象者において左運動前野の活動が明確であったため、その領域の活動に焦点を置いた。この装置を用いて、脳卒中後に上肢運動障害を呈した10名の患者に対して2週間の介入を行った。結果、道具操作観察・イメージ時に左運動前野の閾値を超える活動を認めた6名は、介入によって有意な機能改善を認めた。一方、閾値を超えなかった4名は介入によって著明な効果が見られなかった。研究実績の概要:
- 運動想起型BCIへのユーザ適応を促すニューロフィードバック手法の開発 23500483 2011 – 2013 加納 慎一郎 東北工業大学, 工学部, 准教授 (00282103) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:ヒトの感覚運動野の脳活動から運動の想起の有無やその種類を検出するBCI(brain-computer interface)における適用性や検出成績を向上させるために,脳波やNIRS(近赤外分光法による脳血流計測)によって得られたヒトの運動想起に伴う脳活動信号から生成された情報をユーザにフィードバックするニューロフィードバック(NF)を用いるための方法論について検討を行った.本実験の結果,計測信号からの情報抽出法,NF実験の実施方法などの知見が得られた.研究実績の概要:
- アレキシサイミアにおける、自己意識・メタ認知に関する統合的脳機能画像研究 23390192 2011-04-01 – 2016-03-31 守口 善也 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神生理研究部, 客員研究員 (40392477) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:アレキシサイミアとは自己情動の同定や表現困難を主徴とする心身症での重要な病態生理である。今回は,自己の身体―情動状態の変化とその認知の脳内基盤に関する知見を,fMRIを用いて得ることが目的である。’自伝的記憶に立脚した自己継続感’について日常の出来事を記録するwebシステムにより,ポジティブな記憶の方が保持され,海馬の活動の関与を明らかにした。情動刺激の際の脳活動と心拍変動との同時測定では,心拍変動の副交感成分と島皮質・腹側前帯状回の活動・機能的結合が関連していた。さらに、内受容感覚の認知の鋭敏さが不安を増大させ,内受容感覚への気づきに重要な島皮質の活動が,アレキシサイミア群で低下していた。
- 発達性「読み」障害に関する臨床的、計算論的、脳機能研究 23330201 2011-04-01 – 2016-03-31 宇野 彰 筑波大学, 人間系, 教授 (10270688) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究の結果、ひらがなの習得には、過去に報告されていた音韻認識能力だけでなく、記号や意味から素早く音韻に変換する自動化能力が重要であることが分かった。そして、良好な認知能力を活用することにより、3条件を満たす場合には、かなをほぼ完璧に習得できる方法を開発できた。このような発達性読み書き障害のある方の多くが習得困難である漢字の脳内処理部位に関して、非言語的図形から漢字という言語的図形に変化するにつれて、処理する部位が連続的に移動することが分かった。そして、トライアングルモデルにて、子ども達の仮名の習得や、習得困難さが計算論的研究によりシミュレイションされた。
- 運動療法によるストレス緩和作用の神経基盤に関する生涯発達研究 23300247 2011-04-01 – 2014-03-31 酒谷 薫 日本大学, 工学部, 教授 (90244350) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:現代社会に蔓延するストレスは、様々な疾患の主要原因の一つである。本研究では、近赤外分光法(NIRS)を用いて、前頭前野の神経活動を計測し、自律神経系・内分泌系機能及び心理状態とともに、ストレスを客観的に評価する方法を開発した。さらに本法を用いて、中高齢者における運動療法のストレス緩和効果について検討し、軽い運動でもストレス緩和効果があることを明らかにした。さらに高齢者に軽い運動を負荷することにより、前頭前野のワーキングメモリー課題に対する反応性が上昇し、パフォーマンスが向上することが示唆された。本ストレス評価法と運動療法を組み合わせることにより、ストレス性疾患を予防できる可能性がある。研究実績の概要:
- 知的エージェント介在型運動機能再建手法の開発 23300216 2011-04-01 – 2015-03-31 近藤 敏之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60323820) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究は運動関連領野の損傷による下肢運動麻痺患者に対するBCIリハビリシステムの開発を目的とした.本研究の成果は以下の3つである.第1に,運動想起型BCIの特徴量である事象関連脱同期/同期(ERD/ERS)の発現には,運動想像に加え,運動計画が重要であることを実験的に検証した.第2に,健常者の運動学習をモデルとして用いて,麻痺患者の運動機能再建過程における自発的な運動企図と運動機能向上の関係を調査した.第3に,上記BCI型リハビリシステムによって随意的な下肢筋活動に回復が見られた患者等に対し,自発的な筋活動を入力として実世界の自由な移動を実現する下肢筋活動駆動型電動車椅子システムを開発した.
- 自己と外界の関係を表現する脳内機構 23300151 2011-04-01 – 2015-03-31 神作 憲司 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 室長 (60399318) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本研究では、脳で自己と外界の関係がどのように表現されているかを解明するための研究を行った。まず、腕を交差した状態で左右の手を触覚刺激すると時間順序判断の逆転が生じる現象に着目して研究を進め、神経画像にて交差逆転現象に左後部頭頂皮質が関与していることを示し、さらに自閉症児では腕交差時に生じる時間順序判断の逆転が定型発達児に比べて少ないことを見出した。また、マウスが自己と外界の関係をどのように処理しているかについて評価するための新しい行動実験系を開発し、これによりマウスにも自己身体表象が存在する可能性を示唆する結果を得た。これらの研究を続けることでこうした脳内表現が明らかとなることが期待される。
- 熟慮的判断のための神経基盤の研究 23243077 2011-04-01 – 2014-03-31 坂上 雅道 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (10225782) 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:思考の基礎過程を調べるために、独自開発の推論課題(Pan et al., 2008)を使い、サルの脳の推論機能について調べた。その結果、①単一ニューロン活動記録から、前頭前野外側部のニューロンは推移的推論機能を反映した活動を見せたが、大脳基底核線条体にはそのような活動が見られなかった(Pan et al., 2014)。②前頭前野外側部の推移的推論機能は、カテゴリカルな処理と密接な関係があることが示された(Pan & Sakagami, 2012)。さらに③多電極同時記録による局所場電位解析から、前頭前野外側部から線条体への情報伝達が、正しい課題遂行に重要な役割を果たしていることが示唆された。研究実績の概要:
- 分子から社会までの統合的アプローチによる自己制御の形成・修復支援 23118004 2011-04-01 – 2016-03-31 笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80322056) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:人間の精神機能は、自分自身を知り(自己意識・自我・メタ認知[=自分自身の認知・行動を対象化し、自己像として認識すること])、社会環境適応的な自己制御性を持つという、他の動物にない特長を持つ。ヒトの自己制御をその神経基盤も含めて包括的に解明し、それにもとづいて自己制御の形成・修復の支援方法を開発することは、精神疾患が急増していることを鑑みれば喫緊の課題である。本領域では、5年間の研究を通して、自己制御の障害を呈する思春期精神病理における神経基盤を明らかにし、自己制御の支援方法を具体的に提案することに成功した。
- メタ認知と社会行動の発達にもとづく自己制御 23118003 2011-04-01 – 2016-03-31 藤井 直敬 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (20392095) 複合領域 研究開始時の概要:新学術領域研究(研究領域提案型) 研究概要: 研究成果の概要:研究実績の概要:本課題では動物とヒトを対象とした比較認知科学的アプローチを用いて、内的・外的過程であるメタ認知・社会行動にもとづく自己制御とその思春期発達の神経基盤を明らかにすることを目的とした。その結果、社会性の行動基盤としての脳内ネットワークの解明、メタ認知の動物実験プラットフォームの構築、 言語的アプローチによる自己認知メカニズム、因果推論や対人コミュニケーションの神経メカニズム等を明らかにすることが出来た。
- 神経科学的アプローチによる倫理的行動モデルの研究 23011005 2011 – 2012 松田 哲也 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (30384720) 人文・社会系 研究開始時の概要:特定領域研究 研究概要: 研究成果の概要:これまでの脳科学研究によって、社会規範を犯した人に対する制裁の欲求など道徳や倫理のメカニズムが脳内に存在することが示されてきた。その一方で、私たちは、そのような人の不遇な境遇や事情を知ることで、その人を哀れみ、同情することがある。その際に、同情と犯罪者への責任追及との関係性が問題となるが、脳内でどのようなメカニズムが働いているかについては未解明のままであった。そこで今回の研究では情状酌量に着目し、同情と量刑判断に関連する脳機能を探索した。被験者は、模擬裁判の裁判員として、被告人が犯罪行為に至った背景を基に量刑を決定するとともに、被告人に対してどの程度同情できるかを評定した。被告人が犯罪に至った背景に関する説明書を被験者に読んでもらい、そのときの被験者の脳活動をfMRIにより解析した。その結果、被告人への同情と量刑判断は、他者理解や道徳的葛藤に関わる内側前頭前皮質と襖前部という共通した脳領域の働きによるものであることが判明した。一方で、情状酌量傾向には個人差があり、その個人差は、主観的体験に関わる右島皮質の活動と関連しており、同情により刑を軽くしやすい人ほど島皮質の活動が高いことが明らかとなった。2009年に裁判員制度が我が国において導入され、法律に基づき人を裁くことは、とても身近な話となった。今回の研究の成果は、法律的判断の訓練を必ずしも十分には受けていない一般人の、裁判審理における情状酌量に関連する脳機能メカニズムを調べた世界で最初の研究成果である。研究実績の概要:
- 社会的評価ストレス下における運動パフォーマンスとその神経基盤 11J09607 2011 – 2013 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:日常的に, 他者から評価される状況で行動する際, 他者の反応によって知覚や行動そのものに影響が生じることがある。本研究では, 社会的評価を受けている際の運動知覚や運動制御の特徴を明らかにし, 身体教育等の実践に役立てることを目指した。
最終年度である本年度は, 「研究実施計画」に記載の通り, 主に昨年度までに得たデータの分析及び論文の執筆を行った。まず, 英国University College LondonのPatrick Haggard教授と共同で行った心理物理学実験のデータを分析した。本実験では, 自分の行為が外界に結果を生み出したという感覚である「行為主体感」を客観的に測定するため, 自発的な運動(ボタン押し)とその結果として生じる感覚(音)の主観的時間間隔が狭まるという時間知覚のイリュージョン(intentional binding)を用いた。すると, ボタン押しの際に, 他者が快反応を示した条件に比べて, 不快反応を示した条件では, intentional bindingが小さくなり, 行為主体感が弱まったことが示された。すなわち, 他者から不快反応が生じると, 「自分のせいではない」と感じる知覚的バイアスが存在することが示唆された。本研究成果は, Current Biology誌より出版され, 海外のメディアにも報道された。また, データの分析と並行して, イタリア・ミラノのサンパウロ病院と共同で, 気分障害の患者様を対象に実験を行った。本実験により, 行為者の気分によって, 他者からの感情的反応が行為主体感に与える影響が変化するかが明らかになると見込まれる。年度中, 2編の原著論文が出版された他, 2013年度包括脳ネットワーク夏のワークショップや第7回Motor Control研究会など, 6件の研究発表を行い, 包括脳ネットワークより若手優秀発表賞を受賞することができた。研究実績の概要: - ニューロフィードバックによる行動制御の発達支援に関する実証的研究 22530765 2010 – 2012 篠田 晴男 立正大学, 心理学部, 教授 (90235549) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:近年、ニューロフィードバックは、発達障害に適応され、非薬物療法として、自己制御能力を高め、問題を軽減することが報告されている。本研究では、健常者および発達障害事例を対象に、その効果を多面的に検討し、臨床適用上の手がかりを探索した。トレーニングにより、主観的自己制御感が変容するとともに、前頭部におけるN2事象関連脳電位、右前頭前野における脳血流の亢進が生じることを見出し、制御的注意の活性化が示唆された。研究実績の概要:
- 社会性の個人差を決める脳メカニズムの解明とその利用 22300139 2010-04-01 – 2014-03-31 春野 雅彦 独立行政法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター 脳情報通信融合研究室, 主任研究員 (40395124) 研究開始時の概要:基盤研究(B) 研究概要: 研究成果の概要:本研究では社会性の個人差における前頭葉皮質と皮質下の領域の役割を調べることが目的であった。 向社会的な被験者と個人的な被験者に公平性に基づき意思決定を行うゲームをfMRI計測時に行ってもらった。この課題には、ゲームと同時に乱数を記憶させ背外側前頭前野を使用、そのような要求がない2条件がある。背外側前頭前野を乱数記憶に使用すると、向社会的な人はより向社会的、個人的な人はより個人的な行動を示した。この時のfMRIデータを解析した結果、両者の差は扁桃体と側坐核の活動に現れることが明らかとなった。 さらにこの扁桃体と側坐核の脳活動に機械学習技術を適用することで被験者の行動を予測できる可能性を示した。研究実績の概要:
- 機能的近赤外分光装置を用いた高次脳機能の計測とその評価に関する研究 10J01118 2010 – 2012 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:近年,非侵襲式の脳活動計測方法の発展に伴い,ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)が注目されている.BCIとは,脳活動から使用者の意図を検出し,様々な機器を操作する技術であり,医療・福祉・エンターテインメントなど幅広い分野への応用が期待されている.BCIにおげる非侵襲式の脳活動計測方法としては,脳波(EEG),近赤外分光法(NIRS)が挙げられる.特に,NIRSは空間分解能が高く,環境ノイズに強いという特徴を持つことから,新しいBCIの脳活動計測方法として注目されているしかし,NIRSを用いたBCI(NIRS-BCI)においては,BCIを目的とした信号処理方法が確立されていないため,BCIを開発する上での大きな障害となっていた.
本研究では,小型で汎用性が高いBCIシステムの開発のために,まずNIRS-BCIのための信号処理方法の検討を行い,次に検討した信号処理方法をもとに運動野を対象としたBCIと前頭連合野を対象としたBCIシステムの開発を行った.その結果,運動野を対象としたBCIの開発では,NIRSを用いて運動意図を識別し,筋刺激装置やロボットアームを操作できることを確認した.これにより,片マヒ患者などのリハビリテーションにBCIを応用できる可能性を示した.
前頭連合野を対象としたBCIでは,BCI使用者の訓練とニューラルネットワークによる識別を組み合わせることで,計測できる情報が少ない小型BCIでも,約80%の正答率を実現できることを確認した.この結果から,NIRSを用いた小型で汎用性が高いBCIシステムを実現した.また,前頭連合野を対象とすることで,NIRS-BCIの新しい応用としてメンタルヘルスケアへの応用の可能性を確認した.研究実績の概要: - ブレイン・コンタクトによる予測協調制御に向けた適応型BMIの展開 21240013 2009 – 2011 和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70293248) 研究開始時の概要:基盤研究(A) 研究概要: 研究成果の概要:非侵襲の脳活動計測(近赤外分光法: fNIRS)によって,ヒトが外部装置を思い浮かべるだけで制御できるようにするための基礎研究を実施した。ヒトが前後左右4方向への等尺性収縮運動を行った際のfNIRS信号を測定し、得られた信号から腕の力方向の時間的・空間的な特徴量選択を行い,方向推定を行い, 80-90%程度の推定精度が得られた。結果,運動情報の空間的、時間的局在が示された。研究実績の概要:
- 「身体で覚える」ニューロフィードバックを用いた自己コントロールプログラムの開発 20653047 2008 – 2009 大村 一史 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (90431634) 研究開始時の概要:挑戦的萌芽研究 研究概要: 研究成果の概要:昨年度に引き続き、前半は据置型の脳波計を利用した脳波・皮膚電位・脈波を用いたニューロフィードバックシステムの構築をメインに行っていたが、より簡便で広範囲かつ効率的な利用を目指すために、後半からはモバイル型の生体アンプを利用したシステムへと移行した。移行に際し、自律神経系の指標としては脈波から導出される心拍および心拍変動を、中枢神経系の指標としてはθ/βパワーを選出し、ターゲットとする指標を絞り込んだシステムを確立するようにした。大学生3名を対象とした予備実験を継続的に実施し、試行錯誤を繰り返しながら、システムの基本形を完成させた。このシステムの妥当性を検討するために、数名の参加者を対象に、1セッション(10分×3セット)からなるトレーニングを長期間縦断的に試用し、トレーニングを通じての認知・情動的変化の観察を継続中である。
さらに、このフィードバックを用いたセルフコントロールプログラムを適用した場合に、どのようにセルフコントロールが改善されたのかを評価検討するために、プログラム適用前と適用後に実施する心理生理実験の検討を行った。前年度の行動実験に加え、今年度は多チャンネル脳波計を利用した事象関連電位(P300)を指標として導入し、連続遂行課題(Continuous Performance Task : CPT)と時間評価課題を中心に、心理・生理の両面からトレーニング効果を評価できる方法を検討した。
前年度同様に、研究分担者を中心にプログラム適用前の衝動性傾向を広く検討するための質問紙調査を行った。大学生の基本的生活習慣がセルフコントロールに及ぼす影響を検討し、規則正しいリズムがより高いセルフコントロールにつながることが示され、その成果は学会で発表された。今後はこの知見をニューロフィードバックプログラムの総合的な事前事後指導に導入する。研究実績の概要: - 神経行動科学的アプローチによる芸術的パフォーマンスの向上を目指して 08J11133 2008 – 2010 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:公での音楽演奏場面で演奏者に引き起こされる演奏不安は,多くの演奏家を悩ませる深刻な問題であり,その適切な対処法を探ることは急務である。本研究では,運動生理学・心理学・神経科学を組み合わせた学際的アプローチを用い,不安喚起がピアノ演奏のパフォーマンスに及ぼす影響について包括的に検討し,教育場面で役立つ実践的知見を得るとともに,情動が身体運動に影響を及ぼす機構の解明に寄与することを目指した。本年度は,「研究実施計画」に記載の通り,社会的評価ストレスがピアノ奏者の脳波に及ぼす影響に関する実験を東京大学駒場キャンパスにて実施した。昨年度実施した質問紙調査に基づき,低不安群8名,高不安群9名の計17名の熟練ピアノ奏者に参加してもらった。分析の結果,ストレス下での自律神経系反応(心拍数の増加)には群間で差がなかったが,高不安群においてのみ,唾液中ストレスホルモン(コルチゾール)濃度や筋活動強度が上昇するとともに,前腕の屈筋・伸筋が同時に収縮する傾向が強まったことが明らかとなった。さらに,こうした反応の違いの背景には,脳の感覚運動関連領域由来の律動波であるμ波の変化があることが示された。本研究成果より,演奏不安の悪影響を緩和するために,脳波ニューロフィードバックを利用できる可能性が示唆された。また,脳波の実験の分析と並行して,英国サセックス大学のHugo D.Critchley教授の研究室にて,健常被験者を対象として,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と脳波,心電図,筋電図を同時計測する実験を行った。空間解像度の優れた本実験データの詳細な分析により,不安による運動パフォーマンス低下を媒介する脳部位を特定することができると考えられる。研究実績の概要:
- 脳波を用いたユーザ適応型ヒューマンインターフェース(BCI)のシステム化 19560414 2007 – 2009 加納 慎一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00282103) 研究開始時の概要:基盤研究(C) 研究概要: 研究成果の概要:従来の非侵襲計測によるBCI(brain-computer interface)で問題になっていたユーザへの適応性を改善する方法論を提案し,ユーザ適応性の高いBCI を実現するための手法を検討した.運動のイメージによって生じる脳活動を検出するBCI のための特徴抽出,パターン分類,ユーザ訓練の手法を脳波,近赤外分光法(NIRS),機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により検討した,また,事象関連電位を用いたBCI を開発し,そのユーザへの適用性の向上のための検討を行った.研究実績の概要:
- プライミング効果に対応したMEG応答を用いた多義的仮現運動における知覚交代の予測 07J03670 2007 – 2008 研究開始時の概要:特別研究員奨励費 研究概要: 研究成果の概要:我々は,先年度,武田研究室が有する440ch全頭型MEGを用いて,(1)多義図形の一種での知覚交替を予測する事,(2)その知覚が意図によりコントロール可能な事などを明らかとしてきました.成果(1)は本年度,生体磁気学会にて若手奨励賞を受賞しました.さらに,同学会の査読付き学会誌にて出版されました.さらに,日本機械学会から招待論文のご依頼を頂き,出版される事となりました.成果(2)は,英文雑誌への出版を直前に迎えている段階にあります.
また,その解析技術を土台として,ATR(国際電気通信基礎技術研究所)との共同研究を行いました.ここでは,画像情報をオブジェクトカテゴリー情報に変更した上で,オフラインで高精度のクラシフィケーションに成功いたしました.この成果は,国際学会(Biomag2008)において,Young Investigator Award(U35)を受賞いたしました.
さらに,先年度から開発を進めておりました脳信号をリアルタイムで画像もしくは音声刺激に反映させるニューロフィードバックシステムの改良(高速化など)を進めました.ニューロフィードバックの効果を調査する中で本年度の終了を迎える事となりましたが,近い将来にそのシステムを用いた波及的な成果が得られる事が期待されます.研究実績の概要: