樹状細胞(dendritic cell)とは?

樹状細胞というのは風変わりな名前で、高校で生物をやらなかった自分には全く馴染みがない細胞の種類でしたが、実は免疫系において非常に重要な役割を担います。当然、高校の生物の免疫の授業でも登場するようです。

 

  1. 高校生物基礎 免疫by 池田博明
  2. 樹状細胞 単球から分化。食作用だけでなく,抗原提示を行います。(22 免疫のしくみ  第 3 章 生物の体内環境の維持 旺文社
  3. 5分でわかる!自然免疫(先天性免疫) 高校生基 トライ 動画付き
  4. 高等学校理科 生物基礎/免疫 WIKIBOOKS

 

樹状細胞は体内に入ってきた異物を食べて無毒化する「食細胞」であると同時に、その異物を分解した一部を抗原として提示する「抗原提示細胞」としての働きも持っています。前者は「自然免疫」と呼ばれる機構であり、後者は「獲得免疫」と呼ばれる機構ですので、自然免疫と獲得免疫の両方において重要な役割をする、さらには、自然免疫と獲得免疫とを結びつけるポジショニングをとっているキープレーヤーと言えます。

 

樹木の枝のような突起を持っているので、樹状という名前が付けられました。樹状細胞は食細胞の仲間ですが、体に侵入した病原体を排除するしくみである適応免疫がスタートする際の、きっかけとなる免疫細胞です。いわば、自然免疫と適応免疫とを結び付けて、橋渡しをする、要の役割を担った細胞です。(第26回 適応免疫 (1) ~細胞性免疫~ 生物基礎監修:東京都立八王子東高等学校教諭 長尾 嘉崇 NHK高校講座 生物基礎

 

大学レベル、研究レベルになると、シグナリングに使われる分子が多数登場して、話がかなりややこしくなります。高校生物の免疫の話は細かいことを全部端折っていたようです。

樹状細胞は、病原体侵入に素早く応答してサイトカインやケモカインを産生することにより自然免疫に関わると同時に、代表的な抗原提示細胞として侵入した異物の情報をT細胞に提示しエフェクター化を促すことによって獲得免疫の方向性を制御する役割を担っています。(Chiharu Nishiyama Laboratory 東京理科大学)

 

  1. 自然免疫と獲得免疫 MBL
  2. 細胞内に入り込んだ病原体でも、感染細胞が死んだら病原体そのものやその破片を免疫系が取り込むことができます。樹状細胞は、そうして取り込んだ病原体の情報をヘルパーT細胞とキラーT細胞に伝えます。(獲得免疫の働き 一般の方向け記事:免疫のしくみを学ぼう! 京都大学再生医学研究所再生免疫分野河本宏研究室)