CoAの構造は結構複雑です。CoAが反応してアセチルCoAなどになるときに使われるのはシステアミンのSH(チオール基)の部分です。全体の構造はというと、3’-ホスホアデノシン(3′-Phosphoadenosine リボースの3位の炭素にリン酸が結合)に二リン酸が結合して(つまりは3’-ホスホアデノシン-5′-二リン酸)、さらにパントテン酸(pantothenic acid)、システアミン(cysteamine)HSCH2CH2NH2が結合したものです。
パントテン酸はβ‐アラニンの構造を含んでいます。β‐というのは、通常のアミノ酸がα‐位の炭素にアミノ基がついているのにたいして、β‐位の炭素にアミノ基がついている構造。
α‐アラニンの構造は、 (COOH)CH(NH2)CH3 太字にしたのはα‐位の炭素。最後のCH3は側鎖のメチル基。それに対して
β‐アラニンの構造は、 (COOH)CH2CH2NH2 太字にしたのがβ‐位の炭素。
パントテン酸は、β‐アラニンとパントイン酸とが結合した構造をしています。パントイン酸のIUPAC名は(R)-2,4-ジヒドロキシ-3,3-ジメチルブタン酸。構造式は、
(COOH)-CH(OH)C(CH3)2CH2OH
炭素4つつながっているので「ブタン」で、カルボキシ基から1位、2位、3位、4位の炭素ですが、3位の炭素にはメチル基が2つ結合しています。また、2位と4位の炭素にはそれぞれ水酸基が結合しています。
もう一度おさらいをすると、CoAの構造は、
システアミン + パントテン酸 + 3ホスホアデノシン5二リン酸
と覚えるのが良いのではないでしょうか。パントテン酸はビタミンB5と呼ばれることもあります3ホスホアデノシン5二リン酸 は、ADP(アデノシン二リン酸)の3位の水酸基にリン酸がついた構造。
Coenzyme A Chemistry Molecular Memory
酸の名称
なんとかic acidとなんとかateとの違いはというと、acetic acid はCH3COOH(酢酸)のことであり、それがイオン化したCH3COO- がacetateと呼ばれるようです。今まで混同していて、そういう違いがあることを知りませんでした。
The main distinction between acetate and acetic acid is that acetic acid is a neutral compound, while acetate is an anion with a net negative electric charge. https://byjus.com/chemistry/acetate/