酵素反応速度論ミカエリス・メンテン式の導出

ミカエリス・メンテン式の導出は大学の生化学の教科書にたいてい書いてありますが、ちょっとややこしくて、すんなり頭に入ってきにくいため、ミカエリス・メンテン式を分かりやすく説明してくれる動画をいくつか探してみました。

 

【大学化学】ミカエリス・メンテン式【反応速度論】 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」 チャンネル登録者数 97.2万人

~7:45 基質、酵素、酵素複合体、生成物の濃度に関する説明
7:45~14:22 ミカエリス・メンテン式の導出
14:22~ ミカエリス・メンテン式が意味することについての解説

動画の中の説明にあった、[ES]一定(定常状態)という仮定を置く(4:23~)というのは知りませんでした(or忘れていたor理解していなかった)。

 

ミカエリスメンテン式 簡単に 解き方 導き方 酵素 高校化学 エンジョイケミストリープラス 151351 ヒロシのエンジョイケミストリー チャンネル登録者数 8190人

~17:07 ミカエリス・メンテンの式の導出

17:07~ ミカエリス・メンテンの式の意味の解説

23:15~ ミカエリス・メンテンの式の直観的な解釈、イメージ

E+S→ESとなる反応の速さv1=k1[E][S]よりも、ES→E+Pとなる反応の速さv2=k2[ES]のほうがずっと遅い(律速段階になる)のだそうです。この動画(エンジョイケミストリープラス)でも、[ES]を一定とするという仮定に関して丁寧な説明がありました(6:30~)。v2は遅くv1は速いため、ES→E+Pという遅い反応が起きたときに、ここでできたEはすぐさま早い反応E+S→ESを起こすので、ESの濃度があまり変わらないということだそうです。これはしっくりくる説明だと思いました。

この定常状態というものを数式でかくなら

S+E→ES、(逆反応)ES→S+E)、ES→E+Pの速度をそれぞれv1, v-1, v2としたときに、生成速度=分解速度なので、v1=v-1 + v2 ということになります。

酵素のモル濃度は基質のモル濃度よりもずっとすくないというのもポイントです。

この動画で最後に、例え話で直観的なイメージを教えてくれていましたが(23:15~)、これがとてもわかりやすいと思いました。曰く、酵素は役所の窓口の係員(数人)、基質は書類を出しにきた市民(数十人)、生成物は無事に書類を受け取ってもらえて帰る人、酵素基質複合体は窓口で受付中の状態(市民と市役所の窓口の人が向かい合っている)、逆反応は書類の不備で撥ねられてしまった市民(書類を作り直してまた行列に並ぶ)というものです。日常生活のアナロジーがぴったりはまると、難しい酵素速度反応論もわかりやすいですね。

ちなみにSはSubstance(物質)でなくSubstrate(基質)のSだと思います。