ヘミアセタールとは
生化学で糖の勉強をしていると、アセタールやヘミアセタールと言った言葉がでてきます。何回読んでもなかなか頭に入りにくいのですが、どのように理解するのが一番すっきりするでしょうか。
アセタールを生成するアセタール反応とは、アルデヒドやケトンが酸性条件下でアルコールと縮合してできる物質です(脱水縮合ではなく)。
OH-CH2-CH2(-OH)-CH2(OH)-CH2(OH)CH2(OH)CH(=O)
上は鎖状のグルコースです。記法はテキトーです。
1.カルボニル酸素のプロトン化
アセタール反応の開始は、酸触媒の存在下で、カルボニル基の酸素のプロトン化です。
OH-CH2-CH2(-OH)-CH2(OH)-CH2(OH)CH2(OH)C⊕H(-OH)
1番の炭素と酸素との間の二重結合にあった電子対が、酸触媒のプロトンに渡されてーOH がつくられたのでCは正電荷を帯びます(C⊕)
2.アルコールの求核付加
5番目の炭素に結合した水酸基の酸素が主役になります。これは模型をつくってみたら明らかですが、ちょうどくるりんことアルデヒド基のそばに来ます。紙面ではそれが上手く表現されていませんが。アルコールのーOHの酸素は孤立電子対を持っているので、それにより正電荷を帯びた炭素を攻撃して、結合します。
3.脱プロトン
酸触媒AHのA-がアルコールのーOHのHをプロトンとして回収して、セミアセタールが完成。環状構造をうまく書けませんが、これで環状のグルコースになります。カルボニル酸素はプロトン化により水酸基になりますが、その際に配置がどっちになるかでα型とβ型の区別が生じます。
参考
- マクマリー生化学反応機構第2版 東京化学同人 21ページ