肝臓の役割

肝臓は、人の場合、右側にあります。大きさは成人の場合、1~1.2㎏くらい。肉屋さんでレバー(liver)として売られていますが、ぱっと見が赤黒いのは血管が多数張り巡らされているからで、血の色で赤みがかって見えます。

肝臓というのは、実はものすごい血管の塊で。(第19回 肝臓のつくりとはたらき 生物基礎監修 東京都立八王子東高等学校教諭 長尾 嘉崇 NHK 生物基礎)

肝臓に入り込む血管は2種類あり、一つは小腸に張り巡らされた血管が集まってくる門脈。小腸で吸収された栄養素が肝臓に入って代謝されます。また心臓からやってくる冠動脈は、酸素を肝臓に供給します。そして肝静脈として出ていくので、3種類の血管系が肝臓に存在することになります。

「代謝」、「解毒」、「胆汁合成」、「エネルギー貯蔵」、「栄養素の貯蔵」などの重要な役割を担っています。肝臓の機能が低下したとしても、なにしろ肝臓は「沈黙の臓器」といわれるくらいに自覚症状が出ませんので悪くなりすぎてから気付く恐れがあるので要注意。

肝臓の機能:代謝

アルブミンの合成

  1. 栄養状態によるアルブミン合成の調節機構 (PDF) 日本栄養・食糧学会誌64(4):215-219 (2011). 肝臓は、1日あたり約6-15gのアルブミンを合成。肝臓が産生する全タンパク質の25%を占める。アルブミンのは、血漿膠質浸透圧の維持脂肪酸ビリルビンと結合して血中で可溶性を保つ。

肝臓の機能:胆汁合成

肝臓の機能:エネルギー貯蔵

肝臓の機能:解毒

小腸から吸収された物質が直ちに肝臓に送られるので、肝臓で解毒されることにより全身に毒が回りにくくなるというなんとも合理的なシステムです。

肝臓の機能:栄養素の貯蔵 ビタミンの貯蔵

ビタミンを多く含む食物の表を見ると、多くのビタミンがレバーに含まれていることがわかります。

  1. ビタミンA:豚レバー、鳥レバー
  2. ビタミンD:アンコウ肝、レバー
  3. ビタミンB2:豚レバー、牛レバー、鶏レバー
  4. ナイアシン(ビタミンB3):豚レバー
  5. パントテン酸(ビタミンB5):鶏レバー、豚レバー
  6. ビタミンB6:牛レバー、豚レバー
  7. ビタミンB12:牛レバー、鶏レバー
  8. 葉酸(ビタミンB9):牛レバー

参考

  1. 脂溶性ビタミン(MSDマニュアル家庭版):脂溶性ビタミンは肝臓や脂肪組織に貯蔵されます。‥ 肝疾患や アルコール依存症によって、ビタミンの処理(代謝)や貯蔵が阻害されることもあります。
  2. ビタミン A を貯蔵する肝星細胞が肝臓の炎症を制御していた(京都大学):肝星細胞は肝臓構成の細胞のうち約5%を占め、ビタミン A を貯蔵する役割がひろく知られています。
  3. 【一覧表】ビタミンが多い食べ物 melos.media)
  4. 食肉にはどんなビタミンが含まれている? 日本食肉消費総合センター
  5. ビタミンKの働きと1日の摂取量 健康長寿ネット
  6. ビタミン及びビタミン様物質の一覧 lbv.jp

多くの代謝の反応が肝臓で起こることを考えると、肝臓に多量のビタミンが存在するのはもっともな話です。さらに、肝臓にはビタミンを「貯蔵」する働きもあります。ビタミンA、ビタミンB12、葉酸などは肝臓に貯蔵されています。

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