科学新聞で、水を電気分解して水素を発生させる触媒の記事を読んでいたら、研究グループは今後、その場測定や理論的研究~と書いていました。最初、その、場測定や と読んで「その」ってどの?と意味がとれなくて、「その場」測定かと気付きました。in situ測定 ということのようです。何かの現象がおきているまさにその場所での測定ということのようですね。
科学新聞で、水を電気分解して水素を発生させる触媒の記事を読んでいたら、研究グループは今後、その場測定や理論的研究~と書いていました。最初、その、場測定や と読んで「その」ってどの?と意味がとれなくて、「その場」測定かと気付きました。in situ測定 ということのようです。何かの現象がおきているまさにその場所での測定ということのようですね。
ビタミンB1が欠乏すると、まずはイライラ、倦怠感、食欲の低下などの症状が表れます。また末梢神経や中枢神経に異常が生じ、手や足の先に痛みやしびれが出るようになります。さらに進行すると筋力が衰え、感覚障害が出て歩行が不自由になります。また膝下をたたくと足が跳ね上がる膝蓋腱反射がなくなり、反応しなくなります。重症化すると同時に心臓機能が低下し、心拍数の増加、手足のむくみ、胸水がたまるなどの症状が表れます。急に心筋虚脱を生じる脚気衝心(かっけしょうしん)が出ることもあり、最悪の場合は心不全により死に至ります。(Doctors File 2020/08/03 監修医師 聖マリアンナ医科大学 東横病院 生活習慣病センター長 太田 明雄 先生)
ビタミン不足が原因で中枢神経が侵されて足元がふらついたり倦怠感や心不全、いらいらなど様々な脚気症状を招いてしまった。
脚気は、いったん患うと数日で亡くなることも珍しくなかった。
(「白米好きの日本人」を襲ったヤバい病気の正体 大正期には1年で「約3万人」もの命が奪われた 新 晴正 2021/03/07 6:30 東洋経済ONLINE)
日本史上、「脚気」が原因で亡くなったと思われる有名人は少なくない。徳川将軍家などは3代家光、5代綱吉、13代家定、14代家茂とまさにオンパレードである。
豊臣秀吉も脚気で亡くなったとする説が有力視されている。晩年の秀吉が悩まされていた、下痢や失禁、精神錯乱などはまさにビタミン不足によるものだという。
明治から大正時代にかけては江戸時代よりもはるかに多くの患者を出し続けたとみられており、肺結核と並んで二大国民病とも言われた。
日清戦争(明治27年)では約20万の兵を動員したが、その2割までが脚気患者だった。
日露戦争でもはっきり表れた。戦病死者3万7200余人のうち、脚気による死者は実に約75パーセントに当たる2万7800人を数えた(『医海時報』明治41年10月)。
(2021/03/07 6:30 東洋経済ONLINE)
明治43年になり、農芸化学の鈴木梅太郎博士が、ぬかの中からビタミンを抽出することに成功する。しかし、鈴木博士は医学者ではなかったため医学界からは何年も黙殺された。これも脚気患者を増やす一因となった。(2021/03/07 6:30 東洋経済ONLINE)
わざと新型コロナウイルスに感染させる臨床試験の手法Human Challengeというものがイギリスで行われていることを知り大変驚きました。この臨床試験に参加したボランティアの若者は新型コロナウイルスに意図的に感染し、もし重症化したら死ぬ可能性があるわけです。なにしろ特効薬が存在しないのですから。
Exploring human challenge studies with coronavirus to speed up COVID-19 vaccines
The Human Challenge Model is a study during which healthy volunteers are deliberately exposed to a virus, known as the “challenge virus”. This is different to standard vaccine clinical trials where volunteers are exposed to viruses naturally. The Human Challenge Model can provide a more efficient and faster way to develop vaccines as fewer volunteers are required. (About our COVID-19 volunteer trials UK COVID CHALLENGE)
臨床試験への参加は本人の希望によります。決して強制されるものではありません。一般の健康な若者が、どういう想いからこの危険な臨床試験に参加しているのでしょうか?
How COVID-19 human challenge trials work — and why I volunteered | Sophie Rose 2020/12/02 TED
若い人が新型コロナウイルスで亡くなる割合は、
Infection fatality risk:0.007-0.03% in adults < 30 years (including individuals with comorbidities)
だそうです(YOUTUBE v=99nDR856dLA 17:35)。基礎疾患がない人であれば、死亡率は上記よりもさらに小さいのでしょう。臨床試験参加者を、若くて基礎疾患のない健常者に限ることにして、死亡リスクを最小限にしているというのが、正当性の根幹にあるようです。
COVID-19は治療法もない新型コロナウイルス感染症であり、死ぬ可能性もあるというのに、ワクチン接種もしていない健康な人にわざとウイルスに感染させるということが自分は信じられなかったのですが、どうやらこの臨床試験は本当にそういう手順で行われるようです。
そもそもわざとウイルスを感染させる場合に、どれくらいの量のウイルスを感染させれば発症するかを知る必要があります。そのため、健康な人にウイルスを感染させて発病させるそうです。
Scientists will expose a small group of unvaccinated volunteers (somewhere between 50 and 90 people) to a very low dose of the virus, gradually increasing it until they find “the Goldilocks dose” — enough to infect most participants, but not enough to make them very ill. (The UK is about to start deliberately infecting volunteers with Covid-19 to test vaccines A “human challenge trial” just received ethics approval. Here’s what data it might provide — and why it’s very controversial. By Sigal Samuel Updated Feb 19, 2021, 1:55pm EST VOX)
その後、ワクチン接種の効果を見る試験なので、新型コロナウイルスのワクチン接種をした人達と、そうしていない人達(”プラシーボ”)の2グループに分かれて効果を調べるわけです。
Only after this initial phase concludes in the spring would the company actually inject volunteers with candidate vaccines to study their effectiveness. At that point, there would be a control group. “Half the volunteers will get a vaccine, half will get a placebo vaccine, and all of them will be exposed to the virus,” explained Andrew Catchpole, the chief scientific officer at Open Orphan, who’s conducting the study. (The UK is about to start deliberately infecting volunteers with Covid-19 to test vaccines A “human challenge trial” just received ethics approval. Here’s what data it might provide — and why it’s very controversial. By Sigal Samuel Updated Feb 19, 2021, 1:55pm EST VOX)
上の説明では、対照実験群に割り当てられた人たちは、プラシーボワクチンを接種されると説明されています。
プラシーボワクチンとはいったい何でしょうか?別のニュース記事に合った解説によれば、ワクチン接種の対照実験としては生理食塩水よりも何かしら別のワクチンの方が対照として優れているため、別のワクチンを使うことがあるようです。
University of Oxford researchers have begun testing a COVID-19 vaccine in human volunteers in Oxford today. Around 1,110 people will take part in the trial, half receiving the vaccine and the other half (the control group) receiving a widely available meningitis vaccine. (Oxford COVID-19 vaccine begins human trial stage 23 APR 2020 University of Oxford)
In some COVID-19 vaccine trials, participants in the control group (the group receiving a placebo) are injected with a saline solution. In other trials, they receive an actual treatment. For example, in the COVID-19 vaccine developed by the University of Oxford, the control group receives a meningitis and septicaemia vaccine as a placebo. The benefit of using an actual vaccine as the placebo control is that it will cause a similar reaction at the site of the injection as the COVID-19 vaccine, such as muscle pain and soreness. (Coronavirus vaccine: why it’s important to know what’s in the placebo September 22, 2020 4.14am AEST The Conversation)
対照群に割り当てられた人たちに新型コロナウイルスを感染させるHuman Challenge研究は、非常に危険に思えます。
Human Challengeという手法自体は、古い歴史があるようですが、新型コロナウイルスのワクチンでやっていいことなのかどうかに関しては、賛否両論ありかなり白熱した議論があるようです。昨年来、賛成派、反対派両者から多数の論文が出版されていました。
Debate arises over human challenge trials in race to develop Covid-19 vaccine 2020/05/22 CNBC Television
Scientists Split Over Safety Of Coronavirus Human Challenge Trials For Vaccine | NBC News NOW 2020/08/19 NBC News
新型コロナウイルスにいつ感染するかわからない、自分は重症化するかもしれない、最悪の場合死ぬかもしれないという危機的な状況でワクチンの臨床試験に参加したときに、できればプラシーボをうける対照グループではなくて、実験群(本当にワクチン接種を受けられるグループ)に割り当てて欲しいと思うのが人情ではないでしょうか。少なくとも自分ならそう思います。だとしたら、対照群に割り当てられて人たちは、一体何のメリットがあるのでしょうか?現在のワクチンの供給状況では、臨床試験に参加して対照群に割り当てらた人たちは、通常よりもワクチン接種を早く受けられる可能性があるようです。
Good news for tens of thousands of volunteers in the COVID-19 vaccine trials: Many of those who received a placebo are now being offered a vaccine — in some cases, earlier than they would otherwise have been eligible. (Vaccine trial participants who received placebo now hop the line for the real thing from Pfizer, Moderna By JUDY PERES CHICAGO TRIBUNE | JAN 14, 2021 AT 5:16 PM)
タイミングによっては、対照群として臨床試験に参加している人が、それとは別にワクチン接種を受ける機会に恵まれたときに、参加中の臨床試験から離脱してしまうというリスク(臨床試験を実施している研究者にとっての)があります。
論文を読んでいてbolus insulinという語句に遭遇しました。bolus insulinとは何のことでしょうか。
What is bolus insulin?
A bolus dose is insulin that is specifically taken at meal times to keep blood glucose levels under control following a meal. (diabetes.co.uk)
糖尿病の治療でインシュリンの注射を1日に複数回行うときに、食事を取ったときの血糖値の上昇を抑えるためのインシュリン注射が、bolus insulinで、食間の血糖値を維持するためのインシュリン注射が、basal insulinあるいはbackground insulinと呼ばれるようです。
basal insulinとbolus insulinは目的や期待する作用が異なるため、注射する際には異なる種類のインシュリンが選ばれます。
bolusという言葉は、異なる分野では異なる意味で使われるようです。上記は、糖尿病の場合。ウィキペディアにも同様の説明がありました。
Diabetics and health care professionals use bolus to refer to a dosage of fast-acting insulin with a meal (as opposed to basal rate, which is a dose of slow-acting insulin or the continuous pumping of a small quantity of fast-acting insulin to cover the glucose output of the liver). (Bolus Wikipedia)
糖尿病が恐ろしいのは、自覚症状がないまま病気が進行すること。進行すると取り返しがつかないこと(失明、足の切断、腎臓透析)になることだそうです。これらの合併症もまた自覚症状が出にくいため、うっかりすると本当に恐ろしい結末になってしまいます。
糖尿病の恐ろしさの一つが、合併症により失明する恐れがあること。実際に英国では毎週30人のペースで、糖尿病により失明しているのだそうです(dm-net.co.jp)。
落下星氏のブログから、症状の記載を引用します。最初の兆候。
時々目の前を小さな虫が飛んでいるように思えたのです。でも、それが何を意味するのかわからなかったのです。白い壁などに向かって、片目で、なにげなく壁を見つめていると、小さい蠅のようなものが1~2匹飛んでいるように見えました。これは眼底に出血した血が固まって黒い点にみえるものだそうです。ただ、片目にしかみえませんから、注意してチェックしないと自覚しないことが多いのだそうです。
もう少し程度がひどいときの症状。
少し出血が多いときには、コップの中に黒いインクを1滴たらしたあとのように、小さな黒い点からインクが流れだしたように見えました。いづれの場合も、目球を動かすと、像も動くように見えますし、焦点を変えるとピンボケで見えなくなりました。普通に両目でみていたのでは気付きませんので、片目で無地の壁をみるようにすると、わかりやすいのです。
以下は、失明に至ったときの症状。
なにかかおかしい。物が見難い。ふと蛍光灯を見上げると、なんとなく赤っぽい。訳がわからず、とりあえず手のひらで片目づつおおってみると、あらら、左目は正常なのに右目だけにするとまっかに染まった室内。2~3回確認してからドクターの言葉を思い出したのです。「そうか・・・。これが眼底出血かぁ・・・。」
(引用元:落下星の部屋)
糖尿病の合併症の一つに神経障害があり、足が壊疽(えそ)して最後は切断を余儀なくされるそうです。実際にイギリスでは1時間につき一本の足が(手術で)切断されているそう(dm-net.co.jp)。
肺がんは「非小細胞肺がん」と「小細胞がん」とに大きく分けられる。非小細胞肺がんは、肺がんの約8割を占める。
アスペルギルス症とは、アスペルギルス属(Aspergillus)の真菌によって引き起こされる感染症で、通常は肺の感染症。アスペルギルスは、屋内外のどこにでもいる真菌であるが、特に堆肥の山、通気口、空気中のほこりの中などに多い。アスペルギルス Aspergillusの胞子をほとんどの人が毎日吸い込んでいるが、通常であれば感染症は起こらない。アスペルギルス症は、なんらかの理由で免疫機能が低下した人において発症しやすくなる、日和見感染症。
ボリコナゾール、イサブコナゾール(isavuconazole)、ポサコナゾール、イトラコナゾールなどの抗真菌薬。
日本の病院では、呼吸器内科における肺アスペルギルス症の治療選択肢はかなり限られていて、アゾール系抗真菌薬に至っては、イトラコナゾール(商品名イトリゾール)かボリコナゾール(同ブイフェンド)しかなかった。… isavuconazoleという、まだ日本では販売されていないアゾール系薬は、侵襲性アスペルギルス症に対してボリコナゾールに非劣性であったことが過去の臨床試験で示されている(Lancet 2016; 387: 760-769)。 さて、日本で昨年(2020年)発売されたアゾール系薬のポサコナゾール(商品名ノクサフィル)について、侵襲性アスペルギルス症に対するエビデンスを紹介したいと思う(Lancet 2021; 397: 499-509)。(世代交代の予感、肺アスペルギルス症治療薬 ポサコナゾールの臨床試験 2021年03月02日 17:55 最新論文で考える日常臨床 Dotor’s Eye 呼吸器 倉原 優 Medical Tribune)
気胸という言葉は聞いたことあるけれども、実際のところは何なのかよくわかっていませんでした。
気胸(ききょう)というのは、胸腔(きょうくう)に空気が溜まった状態を指すことばで、病名ではないそうです。出血が病名ではなく血が出ている「状態」を示すのと同じことだそう。
気胸は病名ではなく状態と言いながら、自然気胸というと今度は病名なんだそう。肺などの臓器から空気が漏れている場合が、自然気胸(spontaneous pneumothorax)と呼ばれて、これは病名。これに対して、外傷により外から空気が入り込んでも自然気胸とは言わないそう。ややこしいですね。自然気胸の自然は、英語だとspontaneousなので、どちらかといえば「自発的に生じた」という意味で考えたほうがわかりやすいです。naturalという意味ではありません。
気嚢のできた場所が、肺の表面側(胸膜の直下)にあればブレブ、肺の表面から見えても、胸膜を外した狭義の意味での肺の中にあればブラとする、と説明されています。
https://saitama.hosp.go.jp/service/thoracic-surgery_spontaneous-pneumothorax_faq_a.html
精巣や副腎では男性ホルモン(アンドロゲン)が産生されているが、前立腺がんはこの男性ホルモンによる刺激を受けて増殖する。そこで、男性ホルモンの産生量や男性ホルモンの前立腺内への取り込みを抑制することによりがんを治療していく「ホルモン治療」が行われている。
しかしながら、ホルモン治療の効果は3年程度しか持続せず、その後は男性ホルモンが低く抑えられているにもかかわらず前立腺がんは増殖するようになる。この状態の前立腺癌は、去勢抵抗性前立腺がん(Castration Resistant Prostate Cancer; CPRC)と呼ばれる。
去勢(castration)といっても、陰茎(penis)や陰嚢(scrotum)が取られるわけではないようです。男性ホルモンを産生する組織であるtesticle(精巣/睾丸)が取られます。
Orchiectomy is the name given to the surgical procedure to remove the testicles. The procedure is considered a type of hormone therapy, since its main purpose is to reduce the production of testosterone by the body. There are two types of orchiectomy. During a simple orchiectomy, the surgeon removes both testicles by making an incision in the front of the scrotum, while a subcapsular orchiectomy consists of the removal of the tissue from the lining of the testicles, which is where testosterone is produced. In either of the cases, both the penis and the scrotum remain intact.
- Hormone therapy can be conducted with drugs or surgery.
- Testosterone and dihydrotestosterone (DHT) are the two main male sex hormones and are called androgens.
- Androgens are produced by the testicles, adrenal gland and prostate cancer tumor itself
がん細胞を標的とするための抗体と、がん細胞を攻撃すつための薬物とを複合体の形にした新たながん治療薬。がん細胞を特異的に攻撃することが期待できる。英語では、Antibody-drug conjugate (ADC)と呼ばれる。