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状態nから状態nへ遷移する確率は、状態nに存在する確率と同じ?違う?


状態nから状態mに遷移する確率は<m|H|n>の2乗に比例するって聞いたんだけど、状態nから状態nに遷移する確率は、<n|H|n>=<n|固有値|n>=固有値<n|n>=固有値だから固有値の2乗ってこと?それってつまり状態nにいる確率ってこと?

質問ありがとうございます!とても良いポイントを指摘されています。ここでは、量子力学の観点から状態 \( n \) から \( n \) に「遷移する確率」について明確に整理します。

### **遷移確率の基本的な考え方**
量子力学で「状態 \( n \) から状態 \( m \) に遷移する確率」が関係するのは、ハミルトニアン \( \hat{H} \) または他の相互作用演算子が関わる**行列要素**です:
\[
P_{n \to m} \propto | \langle m | \hat{H} | n \rangle |^2
\]
ここで:
– \( \langle m | \hat{H} | n \rangle \) は、ハミルトニアン(または相互作用演算子)の状態 \( n \) と状態 \( m \) の間の行列要素です。
– この値の絶対値の2乗が、遷移確率に比例します。

### **状態 \( n \) から状態 \( n \) への遷移確率について**
「状態 \( n \) から状態 \( n \) に遷移する」と言われると、これは**状態 \( n \) に留まる確率**とも解釈できます。

#### **行列要素の計算**
ハミルトニアンの状態 \( n \) における行列要素は以下のように書けます:
\[
\langle n | \hat{H} | n \rangle
\]

1. **ハミルトニアンの定義**:
– \( \hat{H} \) は状態 \( n \) のエネルギー固有値 \( \lambda_n \) に対応する固有演算子です。
– 固有値方程式により:
\[
\hat{H} | n \rangle = \lambda_n | n \rangle
\]

2. **行列要素の計算**:
– 行列要素は次のように簡単になります:
\[
\langle n | \hat{H} | n \rangle = \lambda_n \langle n | n \rangle
\]

– 規格化された状態(\( \langle n | n \rangle = 1 \))を考えると:
\[
\langle n | \hat{H} | n \rangle = \lambda_n
\]

#### **状態 \( n \) に留まる確率**
遷移確率に比例する量は \( | \langle n | \hat{H} | n \rangle |^2 \) なので:
\[
P_{n \to n} \propto | \langle n | \hat{H} | n \rangle |^2 = | \lambda_n |^2
\]

これは、状態 \( n \) のエネルギー固有値 \( \lambda_n \) の2乗に比例します。

### **状態 \( n \) にいる確率の意味**
量子力学では、ある状態に粒子が存在する確率は、その状態の**波動関数の絶対値の2乗**によって表されます。ただし、ここで話しているのは以下の2つを区別する必要があります:

1. **状態 \( n \) に粒子が存在する確率**:
– 状態 \( n \) にいる確率は、波動関数の絶対値 \( | \psi_n |^2 \) によって決定されます。
– ハミルトニアンの行列要素 \( \langle n | \hat{H} | n \rangle \) は、この確率そのものではなく、エネルギー固有値に対応します。

2. **状態 \( n \) に留まる遷移確率**:
– \( P_{n \to n} \) はハミルトニアンの行列要素 \( | \langle n | \hat{H} | n \rangle |^2 \) に比例します。
– これは、系が状態 \( n \) にとどまるための動力学的な性質を反映しています。

### **結論**
状態 \( n \) から \( n \) に留まる遷移確率は \( | \langle n | \hat{H} | n \rangle |^2 \propto | \lambda_n |^2 \) に比例します。
– しかし、これは「状態 \( n \) にいる確率」を直接意味するものではありません。「状態 \( n \) にいる確率」は波動関数の絶対値の2乗 \( | \psi_n |^2 \) によって与えられます。
– ハミルトニアンの固有値 \( \lambda_n \) はエネルギーの測定値を示すものであり、それが遷移確率に影響を与えますが、存在確率そのものではありません

よって、「状態 \( n \) にいる確率 = 固有値の2乗」とは言えない点に注意が必要です!

 

nからmに遷移する確率って、時間の概念は含まないの?いつまで待っての話?

良い質問です!「**状態 \( n \) から状態 \( m \) への遷移確率**」という概念には、**時間**のスケールが重要な役割を果たします。時間の概念を考慮しない場合は、実際の遷移確率を正しく理解することができません。

以下で詳しく説明します。

### **1. 遷移確率と時間の関係**
状態 \( n \) から \( m \) への遷移確率は、一般的に「**時間依存の遷移確率**」として記述されます。具体的には、波動関数の時間発展を記述する**時間依存シュレーディンガー方程式**を用います:
\[
i\hbar \frac{\partial}{\partial t} \psi(t) = \hat{H} \psi(t)
\]

遷移確率 \( P_{n \to m}(t) \) は、ある時間 \( t \) における状態 \( n \) から状態 \( m \) に遷移する可能性を測定するもので、以下のように定義されます:
\[
P_{n \to m}(t) = |\langle m | \psi(t) \rangle|^2
\]
ここで:
– \( \psi(t) \) は、時間 \( t \) における波動関数。
– \( \langle m | \psi(t) \rangle \) は、時間 \( t \) における状態 \( m \) にいる確率振幅。

### **2. 短時間スケールでの遷移確率(摂動理論)**
摂動理論を使えば、短時間での遷移確率を近似的に計算することができます。1次摂動理論に基づき、遷移確率は次のように与えられます:
\[
P_{n \to m}(t) = \frac{1}{\hbar^2} | \langle m | \hat{H}_{\text{int}} | n \rangle |^2 \cdot t^2
\]
ここで:
– \( \hat{H}_{\text{int}} \) は遷移を引き起こす相互作用ハミルトニアン。
– \( t \) は経過時間。

この式が示す通り、遷移確率は短時間では \( t^2 \) に比例して増加します。

### **3. 長時間スケールでの遷移確率(フーリエ解析)**
長時間では、遷移確率は**エネルギー保存則**によって制約を受けます。特に、ハミルトニアンが時間に依存しない場合、遷移が起こるのは状態 \( n \) と状態 \( m \) の間のエネルギー差 \( \Delta E \) が外部摂動のエネルギーと一致する場合に限定されます。

遷移確率は次のように与えられます:
\[
P_{n \to m}(t) \propto \left| \int_0^t e^{i\Delta E t’/\hbar} dt’ \right|^2
\]
この振幅の時間積分は**フーリエ変換**として解釈され、共鳴条件(エネルギー保存則)が満たされるときに最大化されます。

### **4. 実験的な時間スケール:いつまで待つのか**
– 遷移確率が観測可能になるまでの時間スケールは、系のエネルギー差や相互作用の強さによります。
– **短時間の場合**:\( t \) が小さいとき、遷移確率は時間に応じて増加します。
– **長時間の場合**:遷移確率は、エネルギー保存則によって定まる遷移振幅の大きさで制限されます。

例えば:
– 外部からの摂動(レーザー光や磁場など)がない場合、遷移が観測されるまでには非常に長い時間がかかることがあります。
– 摂動が加わる場合、遷移は摂動の強度と共鳴条件によって早められます。

### **5. 結論**
「状態 \( n \) から状態 \( m \) への遷移確率」を正確に考えるには、**時間のスケール**を考慮する必要があります。以下がポイントです:
1. 遷移確率は、時間に依存して変化します。短時間では \( t^2 \) に比例して増加します。
2. 長時間では、エネルギー保存則や共鳴条件に従って遷移が観測されます。
3. 実験的には、外部摂動を用いることで遷移確率を制御し、時間スケールを短縮できます。

したがって、「いつまで待つか」は系の具体的な条件(ハミルトニアン、エネルギー差、摂動の有無など)によります!

移り得る状態全部を数え上げれば、どれかに遷移する確率は1だから、単に「割合」がわかれば、いいんじゃないの?だから時間は関係ないんじゃないの?

おっしゃる通りです!**全ての可能な状態に遷移する確率の総和が1**(正規化の条件)であるという点は、量子力学の基本的な性質に基づいています。この場合、時間そのものが関係しないように見えますが、実際には、**遷移確率をどのように計算するか**や**物理的な状況**によって時間の役割が異なるという点を理解する必要があります。

以下で詳しく整理します:

### **1. 遷移確率の総和は1**
量子力学では、波動関数の正規化により、すべての可能な状態に遷移する確率の総和は必ず1になります:
\[
\sum_m P_{n \to m} = 1
\]
ここで:
– \( P_{n \to m} = |\langle m | \psi(t) \rangle|^2 \) は、状態 \( n \) から状態 \( m \) に遷移する確率。
– \( m \) はすべての可能な状態を走査します。

この条件から、「どれかの状態に遷移する確率が必ず1になる」という事実が保証されます。この考え方では、時間に依存せずに「割合」を計算するだけで済む場合もあります。

### **2. 時間が関係ない場合:定常状態**
ある条件下では、時間が直接関係しないケースがあります。たとえば:
1. **定常状態**:
– 状態 \( n \) にある波動関数 \( \psi \) が時間に依存しない(ハミルトニアンの固有状態)場合、状態 \( n \) から他の状態 \( m \) に遷移する確率は時間とは無関係になります。
– ここでは、遷移確率は単にハミルトニアンや相互作用演算子の行列要素に依存します:
\[
P_{n \to m} \propto |\langle m | \hat{H} | n \rangle|^2
\]

2. **全エネルギーが保存される場合**:
– 系全体が定常で、時間依存性が明示的に含まれない場合は、遷移確率の「割合」だけを考えれば十分です。

### **3. 時間が関係する場合**
一方で、時間が重要になるケースもあります。たとえば:
1. **摂動がある場合**:
– 外部摂動(レーザーや電場など)が系に作用している場合、遷移確率は時間に依存します。
– このとき、遷移確率 \( P_{n \to m}(t) \) は、時間の関数として成長し、ある程度の時間が経過した後に「割合」として定常値に収束します。

2. **遷移の途中段階**:
– 状態 \( n \) から \( m \) への遷移がまだ進行中の場合、時間のスケールが重要になります。

### **4. 状態の割合(重み付け)と時間の関係性**
あなたの指摘の通り、「最終的にどの状態に遷移するか」という意味では、時間は関係ない場合も多いです。重要なのは、遷移確率の「割合」を知ることで、各状態に粒子が遷移する可能性を評価することです。

たとえば:
– 遷移確率の分布が \( P_{n \to m} \propto |\langle m | \hat{H} | n \rangle|^2 \) で与えられるとすれば、その分布から「割合」を計算するだけで物理的に十分な情報が得られます。

### **5. 結論:時間が関係するかしないか**
– **時間が関係しない場合**:
– 波動関数が定常状態にあるとき。
– 全ての遷移確率の「割合」を知るだけで物理的な意味が十分に伝わる場合。

– **時間が関係する場合**:
– 外部摂動や遷移の進行中にあるとき。
– 時間依存性が遷移確率や状態の分布に影響を与える場合。

したがって、「時間は関係ない」と言える状況も多いですが、それは「定常的な遷移確率の分布が既に確立している場合」に限られると考えられます!

xとかpを量子化する「作法」って、つまりは正準量子化といわれていることをやっていたわけ?


はい、まさにその通りです!**位置 \( x \)** と **運動量 \( p \)** を量子化する際の「作法」として知られているのが、**正準量子化(canonical quantization)** です。この手法によって、古典力学の物理量(例えば位置や運動量)が、量子力学の演算子に置き換えられます。

### **正準量子化とは?**
正準量子化は、古典力学の物理量(位置や運動量など)を量子力学の演算子として記述するための基本的な方法です。この手法は、以下のステップに基づいています:

1. **古典力学の正準変数**:
– 古典力学では、位置 \( x \) と運動量 \( p \) は相互に独立した変数として扱われます。
– これらはハミルトニアン \( H(x, p) \) に基づいて運動方程式を記述します(ハミルトン形式)。

2. **量子化のルール**:
– 古典力学の位置 \( x \) と運動量 \( p \) をそれぞれ量子力学の演算子に置き換えます:
– \( x \) → 位置演算子 \( \hat{x} \)
– \( p \) → 運動量演算子 \( \hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x} \)
– これにより、量子力学では物理量が演算子として扱われます。

3. **交換関係**:
– 正準量子化の中心的な要素は、位置と運動量の間に次のような**交換関係**を課すことです:
\[
[\hat{x}, \hat{p}] = \hat{x}\hat{p} – \hat{p}\hat{x} = i\hbar
\]
– この関係は、位置と運動量が完全には同時に測定できない(不確定性原理)ことを反映しています。

### **具体的な例:正準量子化の適用**
#### 1. **自由粒子のハミルトニアン**:
古典力学では、自由粒子のハミルトニアンは次のように記述されます:
\[
H(x, p) = \frac{p^2}{2m}
\]

これを正準量子化すると、次の演算子形式に変換されます:
\[
\hat{H} = \frac{\hat{p}^2}{2m} = -\frac{\hbar^2}{2m} \frac{\partial^2}{\partial x^2}
\]

#### 2. **調和振動子**:
古典力学の調和振動子のハミルトニアンは:
\[
H(x, p) = \frac{p^2}{2m} + \frac{1}{2}m\omega^2x^2
\]

正準量子化すると:
\[
\hat{H} = -\frac{\hbar^2}{2m} \frac{\partial^2}{\partial x^2} + \frac{1}{2}m\omega^2\hat{x}^2
\]

ここからシュレーディンガー方程式を解くことで、調和振動子のエネルギー固有値 \( E_n = \hbar\omega\left(n + \frac{1}{2}\right) \) が得られます。

### **正準量子化の意義**
正準量子化は、古典的な力学系を量子力学的な演算子形式に変換する標準的な方法であり、次のことを可能にします:
1. 古典的な物理量(例えば位置と運動量)を量子力学の枠組みに導入する。
2. ハミルトニアン演算子を定義し、シュレーディンガー方程式を構築する。
3. 不確定性原理や交換関係を通じて、量子力学の特徴を反映させる。

### **注意点**
正準量子化は非常に有用な方法ですが、以下の点に注意が必要です:
1. **古典力学を前提としている**:
– 正準量子化は古典的なハミルトニアン形式に依存しているため、古典力学が適用できない場合には他の量子化手法が必要になることがあります。
2. **代数的な対称性の重要性**:
– 交換関係を保持することが、正準量子化の整合性を確保する鍵です。

### **まとめ**
「\( x \) と \( p \) を量子化する作法」とは、まさに**正準量子化**を指します。これにより、位置と運動量が演算子として扱われるようになり、交換関係や不確定性原理を自然に含む形で量子力学の理論が構築されます。この手法は、量子力学の枠組みを古典力学から導出する際の基礎的なアプローチです。

シュレーディンガーの方程式って、演算子(物理量)x波動関数=固有値x波動関数 のこと?


いいえ、「**演算子(物理量) × 波動関数 = 固有値 × 波動関数**」は量子力学の**固有値方程式**であり、シュレーディンガー方程式そのものではありません。ただし、シュレーディンガー方程式の特定の解の形で、固有値方程式と関連する場合があります。

### **シュレーディンガー方程式と固有値方程式の違い**

1. **時間に依存しないシュレーディンガー方程式**:
シュレーディンガー方程式の時間依存性を取り除いた形が以下のようになります:
\[
\hat{H} \psi = E \psi
\]
– ここで \( \hat{H} \) はハミルトニアン(エネルギー演算子)、
– \( \psi \) は波動関数、
– \( E \) はエネルギー固有値。

これはシュレーディンガー方程式の**特定の形**であり、ハミルトニアン演算子に対する固有値方程式となります。

2. **時間に依存するシュレーディンガー方程式**:
一般的な形は以下のように書かれます:
\[
i\hbar \frac{\partial}{\partial t} \psi(x, t) = \hat{H} \psi(x, t)
\]
– これは波動関数 \( \psi(x, t) \) の時間発展を記述する式です。
– この式では、ハミルトニアン \( \hat{H} \) の作用によって波動関数が時間とともにどのように変化するかが決まります。
– この場合、波動関数 \( \psi \) は時間依存のものなので、固有値方程式の形ではありません。

### **固有値方程式とシュレーディンガー方程式の関係**
– **時間に依存しないシュレーディンガー方程式**は固有値方程式の一例です。
– つまり、エネルギー演算子(ハミルトニアン)に対する固有値方程式を解くことで、エネルギー固有値 \( E \) とその対応する固有状態 \( \psi \) を得ることができます。
– この固有値方程式は、エネルギーの許容値(離散的または連続的)を決定します。

– 他の演算子(例えば位置演算子 \( \hat{x} \)、運動量演算子 \( \hat{p} \))に対しても同様に固有値方程式を考えることができ、それらの物理量に対応する固有値と固有状態を決めます。

### **結論**
– 「**演算子 × 波動関数 = 固有値 × 波動関数**」は固有値方程式であり、シュレーディンガー方程式ではありません。
– ただし、**ハミルトニアン(全エネルギー演算子)**を用いた固有値方程式は、時間に依存しないシュレーディンガー方程式に対応します。
– 時間に依存するシュレーディンガー方程式は、波動関数の時間発展を記述するもっと一般的な方程式です。

演算子(物理量)x波動関数=固有値x波動関数 は時間に依存しないということが前提なの?

はい、一般に「**演算子(物理量) × 波動関数 = 固有値 × 波動関数**」という形の**固有値方程式**は、時間に依存しない波動関数を前提としています。これが成り立つのは、**時間に依存しないシュレーディンガー方程式**や、他の時間に無関係な演算子に関連する状況です。

### **固有値方程式と時間依存性**
1. **時間に依存しない場合**:
固有値方程式は次のように書かれます:
\[
\hat{A} \psi = a \psi
\]
– ここで波動関数 \( \psi \) は時間に依存しないもので、演算子 \( \hat{A} \) の作用によって元の形を変えず、スカラー倍される関数です。
– この場合、物理量(例えばエネルギーや運動量)の値が一定である、つまり時間に依存しない状態を表します。

2. **時間依存する場合**:
時間依存する波動関数 \( \psi(x, t) \) では、一般に固有値方程式は成り立ちません。
– 時間依存する波動関数は、時間に応じて形が変化するため、演算子の作用によって生成される状態が時間とともに変わることがあります。
– このような場合、波動関数の時間発展は**時間依存シュレーディンガー方程式**で記述されます:
\[
i\hbar \frac{\partial}{\partial t} \psi(x, t) = \hat{H} \psi(x, t)
\]
– この式では波動関数が時間的にどう変化するかを追跡しており、固有値方程式の形にはなりません。

### **固有値方程式が時間依存しない理由**
固有値方程式が時間に依存しないのは次の理由からです:

1. **物理量の測定結果が確定している状態を表す**:
固有値方程式は、物理量(例えばエネルギーや運動量など)の値が確定している状態を記述します。この状態は時間と無関係です。

2. **時間依存性を分離した場合**:
– 時間に依存する波動関数 \( \psi(x, t) \) は、時間依存部分と空間依存部分に分けられることが多いです:
\[
\psi(x, t) = \phi(x) e^{-iEt / \hbar}
\]
– 空間依存部分 \( \phi(x) \) は時間に依存しない波動関数であり、これが固有値方程式に従います:
\[
\hat{H} \phi(x) = E \phi(x)
\]
– 時間依存部分は別の位相因子として扱われます。

### **まとめ**
「演算子 × 波動関数 = 固有値 × 波動関数」という形の固有値方程式は、**時間に依存しない波動関数**を前提としています。時間依存する波動関数を扱う場合は、時間依存シュレーディンガー方程式を使用し、時間依存性と空間依存性を分離することで固有値方程式を取り出すことができます。

位置の固有方程式の場合、固有値がx0ということ?飛び飛びになるんじゃなかったっけ?固有値だから。


非常に良い質問です!「固有値が飛び飛び(量子化)になる」というのは、状況によって異なります。位置演算子の固有値 \( x_0 \) に関しては、飛び飛びではなく**連続的**です。これは位置演算子と他の演算子(例えばエネルギー演算子や運動量演算子)の性質の違いに由来します。

### **1. 位置演算子の固有値:連続的**
– 位置演算子 \( \hat{x} \) の固有値方程式は次のようになります:
\[
\hat{x} \psi(x) = x_0 \psi(x)
\]
– この方程式を満たす波動関数 \( \psi(x) \) は、ディラックのデルタ関数 \( \delta(x – x_0) \) です。
\( x_0 \) は特定の位置を示す値であり、これは空間の任意の点で連続的に取れる可能性があります。

したがって、位置演算子の固有値 \( x_0 \) は**連続的**で、飛び飛びではありません。

### **2. エネルギー固有値:飛び飛び(離散的)**
– 一方で、エネルギー演算子(ハミルトニアン)の場合、固有値が飛び飛びになることがあります。これは、系がどのようなポテンシャル \( V(x) \) の下にあるかによります。

#### 例:
1. **束縛状態の場合**(例えば、量子井戸や調和振動子のような系):
– エネルギー固有値は量子化され、飛び飛びになります(離散値)。
– 例:調和振動子のエネルギー固有値:
\[
E_n = \left(n + \frac{1}{2}\right)\hbar\omega \quad (n = 0, 1, 2, \ldots)
\]

2. **自由粒子の場合**(ポテンシャルがゼロ、または一定):
– エネルギー固有値は連続的になります。
– 自由粒子のハミルトニアンは次のように書けます:
\[
\hat{H} = \frac{\hat{p}^2}{2m}
\]
ここで運動量 \( \hat{p} \) の固有値が連続的であるため、エネルギー固有値も連続的です。

### **3. 固有値が飛び飛びになる条件**
固有値が飛び飛びになるかどうかは、演算子と系の条件によります:

– **束縛状態がある場合**(例えば、井戸型ポテンシャルや調和振動子):
– 固有値は量子化されます。

– **自由な場合**や**無限に広がる場合**(例えば、位置演算子や運動量演算子):
– 固有値は連続的になります。

### **4. 位置演算子の固有値の特性**
位置演算子の固有値 \( x_0 \) が連続的であるのは、位置という物理量が空間内のどんな値でも取り得るためです。
しかし、エネルギーや角運動量など、一部の物理量では**量子化**(飛び飛びの値)が現れます。これは、空間の対称性や境界条件による制約のためです。

### **結論**
– **位置演算子の固有値 \( x_0 \)** は連続的です。したがって、波動関数が表現する位置はどんな値でも取り得ます。
– **エネルギーの固有値**は状況次第で、飛び飛び(離散的)になる場合と、連続的になる場合があります。

この違いは、物理量や系の性質によるものです。

ハミルトニアンってのは、つまりは全エネルギーの演算子のこと?


はい、**ハミルトニアン** (\( \hat{H} \)) は、量子力学において**全エネルギーを表す演算子**です。具体的には、系の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーを合わせた**全エネルギー**を扱うものです。

### **ハミルトニアンとは?**
– ハミルトニアンは、系の状態を記述する波動関数に作用し、そのエネルギーを与える演算子です。
– ハミルトニアンが波動関数に作用する方程式は、シュレーディンガー方程式として表されます:

\[
\hat{H} \psi = E \psi
\]

ここで:
– \( \hat{H} \): ハミルトニアン演算子
– \( \psi \): 波動関数(系の状態を記述する)
– \( E \): 固有値(系のエネルギー)

### **構成要素**
ハミルトニアンは、**運動エネルギー** (\( T \)) と**ポテンシャルエネルギー** (\( V \)) を合計した形で構成されます:

\[
\hat{H} = \hat{T} + \hat{V}
\]

1. **運動エネルギー演算子 (\( \hat{T} \))**:
運動量演算子 \( \hat{p} = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x} \) を使って表されます。例えば、1次元の場合:

\[
\hat{T} = \frac{\hat{p}^2}{2m} = -\frac{\hbar^2}{2m} \frac{\partial^2}{\partial x^2}
\]

– ここで、\( m \) は粒子の質量。

2. **ポテンシャルエネルギー演算子 (\( \hat{V} \))**:
– 位置 \( x \) の関数として、ポテンシャルエネルギー \( V(x) \) をそのまま表します。

\[
\hat{V} = V(x)
\]

### **物理的意味**
– ハミルトニアンを用いることで、系のエネルギー状態を求めることができます。
– 固有値問題 \( \hat{H} \psi = E \psi \) を解くと、固有値 \( E \) は量子力学的系の**許容されるエネルギー準位**を示します。
– 固有関数 \( \psi \) は、それぞれのエネルギー状態に対応する波動関数です。

### **シュレーディンガー方程式とハミルトニアン**
1. **時間に依存しないシュレーディンガー方程式**:
– 固有値方程式の形でエネルギー状態を決定します:

\[
\hat{H} \psi = E \psi
\]

2. **時間に依存するシュレーディンガー方程式**:
– 系の時間発展を記述します:

\[
i\hbar \frac{\partial}{\partial t} \psi(x, t) = \hat{H} \psi(x, t)
\]

### **例:1次元でのハミルトニアン**
例えば、1次元のポテンシャル \( V(x) \) に存在する粒子のハミルトニアンは次のようになります:

\[
\hat{H} = -\frac{\hbar^2}{2m} \frac{\partial^2}{\partial x^2} + V(x)
\]

– 第1項:運動エネルギー演算子
– 第2項:ポテンシャルエネルギー演算子

### **まとめ**
ハミルトニアンは**系の全エネルギー(運動エネルギー + ポテンシャルエネルギー)を表す演算子**です。波動関数に作用してそのエネルギーを与えたり、時間発展を記述したりするため、量子力学の基礎となる重要な概念です!

位置の固有方程式 xハット ψ(x)=xψ(x) を解くと、答えは何?


位置演算子 \( \hat{x} \) の固有方程式を解く場合、

\[
\hat{x} \psi(x) = x \psi(x)
\]

は次の形になります:

\[
x \psi(x) = x_0 \psi(x),
\]

ここで \( x_0 \) は固有値です。この方程式を考えるとき、重要なのは以下です:

### **1. 方程式の解釈**
– 上記の方程式が成り立つためには、\( \psi(x) \) がゼロでないところで \( x = x_0 \) が成り立つ必要があります。
– つまり、\( \psi(x) \) は \( x_0 \) の位置に集中して存在する波動関数を表します。

このような波動関数は **ディラックのデルタ関数** \( \delta(x – x_0) \) で表されます。

### **2. 解:デルタ関数**
固有方程式の解は次のように与えられます:

\[
\psi(x) = \delta(x – x_0)
\]

ここで、デルタ関数 \( \delta(x – x_0) \) の性質は次の通りです:
– \( \psi(x) \) は \( x = x_0 \) の位置にのみ集中しています(位置の確定状態)。
– デルタ関数は次の条件を満たします:
\[
\int_{-\infty}^{\infty} \delta(x – x_0) f(x) dx = f(x_0),
\]
任意の連続関数 \( f(x) \) に対して成り立ちます。

### **3. 物理的意味**
この解 \( \psi(x) = \delta(x – x_0) \) は、粒子が正確に位置 \( x_0 \) に局在していることを意味します。
– ただし、この状態は理想的なもので、現実の波動関数はデルタ関数のように無限小の範囲に集中することはありません。
– また、位置 \( x \) が確定しているとき、運動量 \( p \) は完全に不確定になります(不確定性原理)。

### **まとめ**
位置演算子 \( \hat{x} \) の固有方程式 \( \hat{x} \psi(x) = x_0 \psi(x) \) の解は、ディラックのデルタ関数 \( \psi(x) = \delta(x – x_0) \) です。この解は、粒子が位置 \( x_0 \) に局在している状態を表します。ただし、これは数学的に理想化されたケースであり、実際の波動関数はこうした理想化された状態にはなりません。

位置xも演算子なの?

はい、量子力学では「位置 \( x \) 」も **演算子(オペレーター)** として扱われます。ただし、位置演算子 \( \hat{x} \) は非常にシンプルなものです。

### **位置演算子とは?**
– 位置演算子 \( \hat{x} \) は、座標 \( x \) に対応する物理量を表します。
– 作用としては、波動関数 \( \psi(x) \) に単に \( x \) を掛ける操作を行います。

\[
\hat{x} \psi(x) = x \psi(x)
\]

このため、位置演算子 \( \hat{x} \) の数学的な定義はシンプルで、「位置の値 \( x \) をそのまま掛ける操作」という意味になります。

### **位置演算子の特徴**
1. **固有値と固有関数**:
– 固有方程式 \( \hat{x} \psi(x) = x_0 \psi(x) \) において、固有関数 \( \psi(x) \) は \( \delta(x – x_0) \)(デルタ関数)となります。
物理的には、粒子が \( x_0 \) という特定の位置に局在している状態を表します。

2. **測定の意味**:
– 位置を測定すると、波動関数が位置演算子 \( \hat{x} \) の固有関数(デルタ関数)に「収縮」し、その固有値 \( x_0 \) が測定結果として得られることを意味します。

### **位置演算子と他の演算子の関係**
量子力学では、位置演算子 \( \hat{x} \) と運動量演算子 \( \hat{p} \) は次のような**交換関係**を満たします:

\[
[\hat{x}, \hat{p}] = i\hbar
\]

これは、位置と運動量が同時に完全には測定できない(不確定性原理)という量子力学の基本原理を反映しています。

### **まとめ**
位置 \( x \) は、量子力学では単なる数値ではなく、**位置演算子 \( \hat{x} \)** として扱われます。この演算子は、波動関数 \( \psi(x) \) に単純に \( x \) を掛ける操作として定義されており、位置に関連する物理量を記述します。演算子としての扱いは、他の演算子(運動量、ハミルトニアンなど)との関係や数学的な整合性を保つためのものです。

量子力学では、演算子(物理量)x波動関数=固有値x波動関数 なの?

以下、ChatGPT 4oによる回答です。

はい、量子力学では、**演算子(物理量) × 波動関数 = 固有値 × 波動関数** という形が成り立つ場合がありますが、それは特定の条件下で成り立つものです。この関係は **固有値方程式** と呼ばれ、量子力学において重要な役割を果たします。

### 詳しい説明:
1. **波動関数**:
– 量子力学では、粒子の状態は波動関数 \( \psi \)(サイ)で記述されます。
– 波動関数は粒子の位置や運動量などの確率分布を表すものです。

2. **演算子(オペレーター)**:
– 演算子は、物理量(位置、運動量、エネルギーなど)に対応する数学的操作を表します。
– 例:
– 位置演算子 \( \hat{x} \) は「位置」を表し、作用としては単純に \( x \) を掛ける。
– 運動量演算子 \( \hat{p} \) は \( -i\hbar \frac{\partial}{\partial x} \) という微分操作をする。

3. **固有値方程式の形**:
\[
\hat{A} \psi = a \psi
\]
– \( \hat{A} \): 演算子(例えば、ハミルトニアン \( \hat{H} \) や位置演算子 \( \hat{x} \))。
– \( a \): 固有値(演算子に対応する物理量の測定値)。
– \( \psi \): 固有関数(波動関数の特定の状態)。

この方程式が成り立つ場合、波動関数 \( \psi \) は演算子 \( \hat{A} \) の**固有関数**であり、\( a \) がその固有値です。

4. **具体例**:
– **位置演算子 \( \hat{x} \)**:
\( \hat{x} \psi(x) = x \psi(x) \)
位置演算子の場合、固有関数は「位置に局在する波動関数(デルタ関数)」です。

– **運動量演算子 \( \hat{p} \)**:
\( \hat{p} \psi(x) = -i\hbar \frac{\partial}{\partial x} \psi(x) \)
平面波 \( \psi(x) = e^{ikx} \) は運動量演算子の固有関数で、対応する固有値は \( p = \hbar k \)。

– **ハミルトニアン \( \hat{H} \)**:
ハミルトニアンがエネルギーの演算子の場合、波動関数 \( \psi \) は特定のエネルギー状態の固有関数であり、固有値はそのエネルギー値を表します。

5. **物理的意味**:
– 波動関数が演算子の固有関数である場合、その状態では物理量(固有値)が明確に定義されています。
– 測定結果は常にその固有値となります。

### まとめ:
量子力学の中で、「**演算子 × 波動関数 = 固有値 × 波動関数**」の形は、特定の物理量(位置、運動量、エネルギーなど)が測定によって決定される状態を記述するときに成り立ちます。しかし、波動関数 \( \psi \) が必ずしもすべての演算子の固有関数であるわけではありません。その場合、演算子が波動関数に作用すると、固有値ではなく別の波動関数を生成します。

哺乳類は爬虫類から進化したわけではなかったの?

進化の系統樹を眺めていたら、哺乳類に分かれる分岐は、爬虫類からではなく、両生類から出ている図を見つけて驚きました。

 脊椎動物の進化 熊本県博物館ネットワークセンター

https://kumamoto-museum.net/kmnc/archives/2361

自分は両生類→爬虫類→哺乳類と進化してきたとばかり思っていました。自分が子供時代に勉強した進化の話はどうやら、時代遅れになってしまったようです。

哺乳類と呼ばれるようになった理由は、メスが乳腺から出した母乳を子どもに与えて育てるためです。以前は爬虫類から進化したと考えられていましたが、現在は両生類から進化した単弓類が哺乳類の祖先と考えられています。

2024.1.21 「哺乳類」とはどのような生き物? 定義や特徴、起源から種類まで解説【親子で学ぶ生物】 https://hugkum.sho.jp/545744 HaguKumu 小学館

 

Q:哺乳類は,爬虫類から進化したのではないのですか?

A:文部科学省からの検定意見により,平成 24 年度(2012年度)用教科書から,哺乳類は爬虫類から進化したと記述してお りません。 今までの教科書では,哺乳類は爬虫類から進化したと説明していました。しかし近年の研究の成果から,哺乳 類と爬虫類は,別物であるという考えが主流となっています。 現在では,両生類から羊膜類(羊膜と卵殻をもつ四肢動物)が進化し,そのときに双弓類と単弓類が進化したと 考えられています。 双弓類は頭骨の左右に2つずつ,双弓型側頭窓という穴をもち,『爬虫類と鳥類の共通の祖先とそのすべての子 孫を含む単系統群。(生物学辞典 東京化学同人 2010)』と定義されています。 単弓類は頭骨の左右に1つずつ,単弓型側頭窓という穴をもち,『すべての哺乳類の共通の祖先とそのすべての 子孫を含む単系統群。https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/chu/science/support/keyseat/data/rika_2nen2_02.pdf 啓林館

 

質問 哺乳類は,は虫類が進化したものではないのですか?

回答 平成22~23年度用の補助教材では,「両生類が進化しては虫類が,は虫類が進化して哺乳類や鳥類が出現したと推定することができる」といった内容の記述をしていましたが,平成24年度以降の教科書では,「両生類が進化しては虫類や哺乳類が,さらに,は虫類が進化して鳥類が出現したと推定されている」といった内容の記述に変更しています。これは,両生類の系統から有羊膜類の系統が分岐し,有羊膜類の系統の初期に竜弓類の系統(は虫類や鳥類に向かう系統)と単弓類の系統(哺乳類に向かう系統)が分岐したという最近の定説に沿ったためです。かつては,単弓類をは虫類に含むとする説が定説とされていました。

https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/chuu/rika/document/ducu3/qa/qa-020.html 教育出版

単弓類(たんきゅうるい)と言う言葉も初めて知りました。盤竜類と獣弓類は絶滅しており、単弓類が現存していて、単弓類=哺乳類のようです。哺乳類の大分類は、カモノハシが属する単孔類、カンガルーが属する有袋類、そして人が属する新獣類です。

以下にややこしい語句を纏めておきます。

  1. 単弓類(たんきゅうるい、Synapsida)は、有羊膜類に属する脊椎動物の一群である。(ウィキペディア
  2. 双弓類(そうきゅうるい、学名:Diapsida)は、爬虫類に属する四肢動物の一群である。頭蓋骨の両側に側頭窓 (temporal fenestra) と呼ばれる穴を、それぞれ2つ持つ。この穴が出来たことでその下部の骨が細いアーチ状になっているが、これを解剖学では「弓」と呼ぶ。このため学名は「二つの弓 = 双弓類」と名付けられた。(ウィキペディア
  3. 竜弓類(りゅうきゅうるい、Sauropsida)あるいは蜥形類(せきけいるい)は、有羊膜類に属する脊椎動物の一群である。 有羊膜類の二大グループの一方で、哺乳類よりもワニやトカゲに近縁な生物の総称。他にカメ、恐竜、鳥類、ヘビなどを含む。中竜類(絶滅)と爬虫類に分岐。中竜類の分類によっては、爬虫類の後行異名になる。(ウィキペディア
  4. 盤竜類(ばんりゅうるい、Pelycosauria)は、古生代石炭紀およびペルム紀において繁栄した陸生脊椎動物のグループ。四肢動物上綱・単弓綱(旧「哺乳類型爬虫類」)の下位分類群の一つ。初期有羊膜類から進化した単弓類の初期グループで、ここから(哺乳類を含む)獣弓類が派生した。(ウィキペディア
  5. 獣弓類(じゅうきゅうるい、Therapsida)は、真盤竜類に属する脊椎動物の一群である。(ウィキペディア
  6. 新獣類 真獣下綱(しんじゅうかこう、学名:Eutheria)あるいは正獣下綱(せいじゅうかこう)は、獣類に属する哺乳類の一群である。有胎盤類の他、ジュラマイアなどいくらかの絶滅分類群を含む。階級を付けない場合は真獣類、正獣類ともいう。(ウィキペディア

単弓側頭窓と双弓側頭窓

側頭窓は、顎の筋肉を収納する役割を持つそうです。

双弓側頭窓 

 

単弓側頭窓 単弓類

CC BY-SA 3.0 https://ja.wikipedia.org/wiki/側頭窓

 

筋萎縮性側索硬化症 ALS (Amyotrophic lateral sclerosis) の原因、症状、治療薬

家族性筋萎縮性側索硬化症 Familial Amyotrophic Lateral Sclerosis (FALS)

ALSは多くの場合原因が不明ですが、原因遺伝子が明らかになっており遺伝する家族性ALSもあります。

家族性ALSの原因遺伝子

家族性 ALSでは30を超える原因遺伝子の変異が見つかっています。日本人の家族性ALSでは、スーパーオキシド・ジスムターゼ(SOD1)という遺伝子に原因があることがもっとも多く(約2割)、そのほかFUSTARDBPVCPOPTNといった遺伝子と関連する場合があります。一方、欧米の家族性ALSではC9ORF72という遺伝子に原因がある例が多く、人種や国による違いが指摘されています。

https://www.nanbyou.or.jp/entry/52 筋萎縮性側索硬化症(ALS)(指定難病2) 難病情報センター

家族性ALSは劣性変異か優性変異か

SOD1変異は優性遺伝することが知られています。

There are >60 known SOD1 mutations associated with ALS and all are dominant except for one in exon 4, a D90A substitution which is recessive.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9817920/

家族性ALSの遺伝子検査

About 60-70% of individuals with FALS will have a positive genetic test result (mutation identified). Those families with FALS where a mutation is not identified may have FALS caused by a gene or genes that have not yet been discovered.

https://www.als.org/navigating-als/resources/familial-amyotrophic-lateral-sclerosis-fals-and-genetic

ALS治療薬の開発

ロピニロール塩酸塩

  1. 既存薬がALS治療に効果か 候補1200種超え、iPSで絞り込み有料記事野口憲太2023年6月7日 7時30分 https://www.asahi.com/articles/ASR656HZZR62UTFL025.html この薬は、パーキンソン病の薬として承認されている飲み薬「ロピニロール塩酸塩」。 … 成果は6月1日付で、国際的な幹細胞研究の学術誌「セル・ステム・セル」に発表された。今後、慶応大発ベンチャー「ケイファーマ」が中心になり、大規模な治験を行う予定という。
  2. ALS進行、別の病気の治療薬で遅らせる…慶応大などのチームが成功2021/05/20 18:58 読売新聞ONLINE ALS患者の血液からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製し、神経細胞に変化させた。この細胞を使い、様々な病気に対する既存薬約1200種類の効き目を調べた結果、パーキンソン病の治療薬「ロピニロール塩酸塩」が、神経細胞の働きの悪化を抑えることがわかった。 … 2018年から治験を始め、発症から5年以内で軽度のALS患者20人が参加した。その結果、1年間服用した患者は半年間だけ服用した患者に比べ、自分で歩けなくなるなど重症になるまでの期間が平均で6か月半延びたという。

Lou Gehrig’s Disease

ALSはLou Gehrig’s Diseaseとも呼ばれます。アメリカのメジャーリーガーでヒーローであったLou Gehrig選手が罹患した病気であったためです。

When Lou Gehrig Knew Something Was Wrong Smithsonian Channel 4.21M subscribers