抗体で特許が取れるための条件

 

参考

  1. 欧州における抗体特許──機能的クレームの記載要件── 知 財 管 理 Vol. 73 No. 6 2023 https://www.maiwald.eu/wp-content/uploads/%E7%9F%A5%E8%B2%A1%E7%AE%A1%E7%90%86-Vol73-No6-p690%E3%80%80%E8%97%A4%E6%9C%AC.pdf アムジェ ン社のEP 2 215 124特許は最終的に維持された クレームでは「配列番号Xと少なくとも90%同 一の配列を有する軽鎖可変領域・・・を含む抗原 結合タンパク質」などの文言により構造特定を 取り入れているが変異を許している。   アムジェン社サノフィ社抗体製剤レパーサ」(アムジェン)と「プラルエント」(サノフィ)を巡る特許係争は,日本では2019年10月30日にアムジェン社の主張を支持する知財高裁判決5)が下された後,サノフィ社の最高裁上告に対し2020年4月24日未受理の決定がなされプラルエント販売停止に至っているが,米国では2019年控訴裁判所CAFCの無効決定によりアムジェン社が敗訴した。欧州では2019年7月にドイツ・デュッセルドルフ地裁が侵害を認め差止を言い渡したが,2020年の欧州アピール審決にてクレームが限定されたため販売は再開され,それぞれ実に異なる結果にたどり着いている。米国では最高裁判所が最近Certiorari上訴受理したことにより無効決定覆しの可能性が出てきて気になるところである。本
  2. 抗体医薬及び食品用途発明における近年の 審査傾向とその国際比較 令和元年度バイオ・ライフサイエンス委員会 第 2 部会 https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/3567 配列限定なく登録さ れた特許は抗体医薬特許全体の約3割存在し,抗体機能,競合抗体,抗原を特定して登録された特許も全体の 約 1 割存在していることが判った。配列限定することなく登録される傾向は,日本≒欧州>米国
  3. 判例研究 機能および特性により特定したバイオ関連発明の 記載要件の充足を認めた事例 -PCSK9に対する抗原結合タンパク質事件- 知財高判平成30年12月27日平成29年(行ケ)10225号 [プロタンパク質コン ベルターゼスブチリシンケクシン 9 型に対する抗原結合タンパク質] 劉 一 帆 https://www.juris.hokudai.ac.jp/riilp/wp-content/uploads/2020/10/a727e7a3e979fa2db7f4aeafb58525b3.pdf 、特許庁が下した無効不成立審決に対して、審判請求人である原告X社(サノフィ)が特許権者である被告Y社(アムジエン・インコーポレーテッド)を相手取って提起した審決取消訴訟 本件特許は、Y社製剤およびY社抗体を保護するための特許群の一部であるが、X社抗体は、Y社抗体とはその構造(アミノ酸配列)が異なる。
  4. 2021.10.07 国内知財情報 機能で特定した抗体の発明は、特許を受けることができるか? 名古屋国際弁理士法人 https://www.patent.gr.jp/articles/p2899/ 機能によって特定した抗体の発明について、記載要件を満たすとの判断がなされた判例(平成31年(ネ)第10014号)抗体をその構造(アミノ酸配列)で特定することなく、「PCSK9とLDLRタンパク質の結合を中和することができ、参照抗体と競合する」という機能のみによって抗体を特定
  5. 抗体医薬と特許 〈日本知財学会誌〉Vol. 16 No. 1― 2019 : 5- 19 https://www.ipaj.org/bulletin/pdfs/JIPAJ16-1PDF/16-1_p5-19.pdf
  6. https://www.harakenzo.com/jpn/seminar/data/20081107.pdf

 

抗体特許・出願

  1. 【出願日】令和7年6月25日(2025.6.25) 特開2025-146842(P2025-146842A)(43)【公開日】令和7年10月3日(2025.10.3)(54)【発明の名称】抗GAL9免疫阻害性結合分子 【請求項1】 第1のガレクチン-9(GAL9)抗原の第1のエピトープに特異的な第1の抗原結合性部位(ABS)を含むGAL9抗原結合性分子であって、前記第1の抗原結合性部位は、P9-01、P9-02A、P9-03、P9-06、P9-07、P9-11、P9-12、P9-14、P9-23、P9-24、P9-25、P9-29、P9-30、P9-34、P9-37、P9-38、P9-40、P9-41、P9-42、P9-43、P9-44、P9-45、P9-46、P9-50、P9-51、P9-52、P9-53、P9-56、及びP9-57から選択されるABSクローンのいずれか1つに由来する3つ全てのVH CDRを含む、GAL9抗原結合性分子。
  2. 【出願日】令和7年5月14日(2025.5.14) 【請求項1】ヒトクローディン6(CLDN6)タンパク質(配列番号200)と、第2の抗原とに結合する二重特異性抗原結合タンパク質であって、a.前記抗原結合タンパク質は、CLDN6の細胞外ドメイン(ECD)の細胞外ループ2(EL2)に結合し、CLDN6の前記ECDの細胞外ループ1(EL1)には結合しないか、またはb.クローディン3(CLDN3)、クローディン4(CLDN4)、及びクローディン9(CLDN9)のいずれにも結合せず、OVCA429細胞により内因的に発現されるCLDN6への参照抗体の結合を約1200nM未満で阻害するか、またはc.その組み合わせ、である、前記二重特異性抗原結合タンパク質。
  3. 【出願日】令和6年8月22日(2024.8.22) 【請求項1】プログラム死-1(PD-1)およびプログラム死リガンド-1(PD-L1)間の相互作用を破壊する治療有効量の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与することを含む癌に罹患している対象を処置する方法であって、該抗体またはその抗原結合部分はPD-1またはPD-L1に特異的に結合する、方法。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
  4. 【出願日】令和6年8月9日(2024.8.9) 【請求項1】 配列番号1で規定されるhPD-L1に特異的に結合し、該hPD-L1への結合について抗体1D05と競合し、モチーフX1GSGX2YGX3X4FD (式中、X1、X2、及びX3は独立して任意のアミノ酸であり、X4は存在するか又は存在しないかのいずれかであり、存在する場合、任意のアミノ酸であり得る)を含有するCDRH3を含むV Hドメインを含んでなる、抗体又はその断片。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
  5. 【出願日】令和4年8月12日(2022.8.12) 特許 有効 (登録公報の発行) 【請求項1】 配列番号1で規定されるhPD-L1に特異的に結合し、該hPD-L1への結合について抗体1D05と競合し、モチーフX1GSGX2YGX3X4FD (式中、X1、X2、及びX3は独立して任意のアミノ酸であり、X4は存在するか又は存在しないかのいずれかであり、存在する場合、任意のアミノ酸であり得る)を含有するCDRH3を含むV Hドメインを含んでなる、抗体又はその断片。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
  6. 【出願日】令和3年5月17日(2021.5.17) 【翻訳文提出日】令和5年1月16日(2023.1.16) 【請求項1】野生型IL-15のVal3、Ile6、Asp8、またはHis105に対応する1つ以上のアミノ酸残基に変異を含む、IL-15変異ポリペプチド。【要約】ヒトIL-15分子変異体、ならびに前記IL-15変異体および複合変異を含む融合タンパク質を提供する。前記融合タンパク質は免疫細胞の活性化および増殖の媒介をすることができ、腫瘍疾患の治療に使用することができる。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
  7. 【発明の名称】PD-L1タンパク質が含まれた融合タンパク質およびその用途 特許 有効 (登録公報の発行) 【出願日】令和3年1月6日(2021.1.6) 【翻訳文提出日】令和4年7月20日(2022.7.20) 【請求項1】 PD-L1(programmed cell death-ligand 1)タンパク質および改変された免疫グロブリンFc領域を含む融合タンパク質。 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200
  8. 【発明の名称】抗-TIGIT抗体及びその用途 【出願日】平成31年2月28日(2019.2.28) 【翻訳文提出日】令和2年10月23日(2020.10.23)  【要約】本発明は腫瘍免疫抑制因子であるTIGIT(T  cell  immunoglobulin  and  immunoreceptor  tyrosine-based  inhibitory  motif[ITIM]  domain)に特異的に結合する新規の抗体又はその抗原結合断片、前記抗体又はその抗原結合断片をコードする核酸、前記核酸を含むベクター及び宿主細胞、前記抗体又はその抗原結合断片の製造方法及び前記抗体又はその抗原結合断片を有効成分として含む医薬組成物及びその用途に関するものである。本発明によるTIGITに特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片、又はこれを有効成分として含む医薬組成物は好ましくは癌又は腫瘍治療の用途に使われることができる。【請求項1】  配列番号1又は2のアミノ酸配列を含む重鎖(heavy  chain)CDR1、  配列番号3又は4のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、及び  配列番号5又は6のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、を含む重鎖可変領域と、  配列番号7又は8のアミノ酸配列を含む軽鎖(light  chain)CDR1、  配列番号9又は10のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、及び  配列番号11又は12のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3、を含む軽鎖可変領域と、  を含む、抗-TIGIT抗体又はその抗原結合断片。https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200