知財の知識が仕事に役立つのは間違いないのですが、だからといって知財検定や弁理士の資格が必要かというとそこまでのことはありません。しかし今後の自分のキャリアの事を考えると、知財検定や弁理士の資格を持っていることがプラスになるのは間違いありません。だからといって、弁理士の国家資格は簡単に取れるようなものでもありません。限られた年数で、何をどんな順番でどこまで取りにいくのがいいのでしょうか。そもそも弁理士の資格があれば、それよりもずっと簡単にとれる知財検定3級や2級は不要でしょう。
弁理士の試験の概要
弁理士試験は「短答式」「論文式」「口述式」の3段階で行われ、前の試験に合格した人だけが次に進める「勝ち抜き方式」です。各試験の特徴と、知っておくとさらに理解が深まるポイントを整理しました。
🔍 各試験のポイント
- 短答式試験(一次試験:5月中旬頃)
- 形式: マークシート方式(5肢択一)。
- 内容: 法律の条文知識や判例などの基礎知識が広く問われます。
- 科目: 特許・実用新案、意匠、商標、条約、著作権・不正競争防止法。
- 論文式試験(二次試験:6月下旬〜7月上旬頃)
- 形式: 記述式(論述)。
- 条件: 短答式試験の合格者(または免除者)のみ受験可能。
- 内容: 事例問題に対し、法的な根拠を示しながら論理的に文章を構成する力が問われます。
- 科目: 必須科目(特許・実用新案、意匠、商標)と選択科目(理工系科目や法律など ※免除制度あり)があります。
- 口述試験(三次試験:10月中旬頃)
- 形式: 面接方式(試験委員と対面)。
- 条件: 論文式試験の合格者(または免除者)のみ受験可能。
- 内容: 試験委員からの質問に対して即座に口頭で回答します。法的知識に加え、コミュニケーション能力や瞬発力が試されます。
💡 重要な補足:免除制度について
「3つすべてに合格する必要がある」のは事実ですが、「1年ですべて一気に合格しなければならない」わけではありません。弁理士試験には**「免除制度」**があります。
- 短答免除: 短答式試験に合格すると、翌年と翌々年の2年間は短答式試験が免除されます(いきなり論文からスタートできます)。
- 論文免除: 論文式試験に合格すると、翌年と翌々年の口述試験を受ける権利が生じますが、もし口述で落ちても、翌年は論文試験から免除される等の規定があります。
そのため、数年計画で合格を目指す受験生も多くいます。
(Gemini 2.5 Pro)
最近、小川コータさんの『発明で食っていく方法、全部書いた。』という本を読み、発明家として生きるって楽しそうと思いました。しかし特許をとるのに毎回弁理士に頼んでいたらそのたびごとに大変な金額がかかります。
質問:特許出願を弁理士に頼むと一件どれくらいの金額がかかりますか?
Gemini 2.5 Pro:特許出願を弁理士に依頼する場合、出願から権利取得(登録)までの総額は、一般的に60万〜100万円程度が相場です。
この費用は一度にかかるものではなく、手続きの段階ごとに発生します。大きく分けて**「出願時」「審査請求時」「中間処理(拒絶対応)」「登録時」**の4つのタイミングで費用が必要になります。
以下に費用の内訳と相場を整理しました。
📊 特許費用の内訳(一般的な目安)
費用は**「弁理士手数料(事務所への報酬)」と「特許庁への印紙代(実費)」**の合計になります。
| タイミング | 手続き内容 | 費用の目安(総額) | 内訳のイメージ |
| ① 出願時 | 書類作成・提出 | 30万〜50万円 | 弁理士:25万〜45万
印紙代:1.4万 |
| ② 審査請求時 | 審査の開始を依頼 | 15万〜25万円 | 弁理士:1万〜5万
印紙代:14万〜(請求項数による) |
| ③ 中間処理 | 審査官からの
拒絶理由への反論 |
10万〜20万円
(1回あたり) |
弁理士:10万〜20万
印紙代:なし |
| ④ 登録時 | 成功報酬・登録料納付 | 10万〜20万円 | 弁理士:10万〜15万(成功報酬)
印紙代:数千円〜(年数分) |
| 合計 | 約65万〜115万円 |
⚠️ 注意点
- 技術分野による違い: 化学・バイオ・ソフトウェアなどの複雑な技術分野や、ページ数が非常に多くなる明細書の場合、作成費用が加算される(+5万〜10万円〜)ことが一般的です。
- 中間処理の回数: 審査官から「拒絶理由通知」が届くと、意見書・補正書を作成する必要があります。これが複数回発生すると、その分費用がかさみます(特許取得において、一度も拒絶されずに登録されるケースは稀です)。
💰 費用が変わる主なポイント
- 請求項(クレーム)の数
- 特許の権利範囲を定義する「請求項」の数が増えるほど、特許庁に支払う審査請求料(印紙代)が高くなります。
- 明細書の分量と難易度
- 単純な構造の物品よりも、複雑なアルゴリズムや実験データが必要な化学・医薬系の方が、原稿作成にかかる時間が増えるため、弁理士費用が高くなる傾向があります。
- 減免制度の有無
- 中小企業、スタートアップ、大学・研究機関、個人発明家の場合、審査請求料や特許料(1〜10年分)が「1/2」や「1/3」に減額される制度があります。これを利用できれば、実費を大幅に抑えることが可能です。
💡 弁理士を使わずに自分でやる場合
自分で書類を作成して出願(本人出願)すれば、かかるのは印紙代(実費)のみで、総額15万〜20万円程度で済みます。
しかし、特許の「権利範囲」を決める書類の作成は非常に専門性が高く、素人が書くと**「権利の穴ができやすい(回避されやすい)」や「そもそも特許にならない」**というリスクが極めて高いため、ビジネスや研究成果の保護を目的とする場合は推奨されません。
上のAIの回答をみると、個人で特許出願すれば15万円~20万円とのことですが、素人が書いて通るようなものではないでしょう。とすれば、自分が弁理士になってしまえばいいんじゃない?と思いました。じゃあ、弁理士になるにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。普段仕事していてスクールに通う時間的余裕もお金の余裕もありません。
質問:弁理士になるのに費用はどれくらいかかる?受験料、参考書、問題集代、スクールには行かないとして。
Gemini 2.5 Pro:スクールに通わず「独学」で弁理士を目指す場合、試験に合格するまでにかかる費用は最低5〜8万円程度です。ただし、試験に合格した後に、弁理士として登録して活動するためには、合格後の研修費や登録料などで別途約25万円かかります。つまり、「弁理士になる(登録する)」までの総額は、独学であっても約30万〜35万円を見込んでおく必要があります。内訳は以下の通りです。
1. 試験合格までにかかる費用(独学)
目安:約50,000円 〜 80,000円
ここが「勉強」にかかる実費です。スクール代(数十万円)がないため、主に書籍代と受験料になります。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
| 受験手数料 | 12,000円 | 特許庁に支払う印紙代(年1回) |
| 法文集 | 約3,000円〜 | 試験会場で貸与されるものと同じ形式の法規集 |
| 基本テキスト | 約10,000円〜 | 体系的に学ぶための入門書や解説書(2〜3冊) |
| 過去問題集 | 約20,000円〜 | 短答式・論文式の過去問(直近10年分程度)。
※科目別に分冊されているため冊数が多くなります。 |
| 青本(逐条解説) | 約6,000円 | 『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説』。
必須のバイブルです。 |
| (任意)模試 | 約10,000円〜 | 予備校の公開模試(1〜2回分)。
※必須ではありませんが、独学でも受ける人が多いです。 |
💡 節約のポイント
- 条文や審査基準は特許庁HPで無料公開されていますが、書き込みや検索性を考えると書籍版の購入を強く推奨します。
- 中古の参考書は法律改正(法改正)に対応していないリスクが高いため、最新版を新品で買うのが鉄則です。
2. 合格後にかかる費用(必須)
目安:約230,000円 〜
試験に受かっただけでは「弁理士」と名乗れません。合格後に必ず発生する費用です(ここは独学でもスクール組でも同額です)。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
| 実務修習受講料 | 118,000円 | 合格後の必須研修(これを受けないと登録資格が得られません) |
| 登録免許税 | 60,000円 | 国に納める税金 |
| 登録手数料 | 約50,000円 | 弁理士会への入会金や手数料など |
※この他、登録後は毎月の会費(月額1.5万円〜)が発生します。
3. 独学における「書籍」の揃え方
スクールに行かない場合、テキスト選びが命綱になります。最低限揃えるべき「三種の神器」は以下の通りです。
- 青本(あおほん):特許庁が出している公式の解説書 試験に出る解釈の基準となります。分厚いですが、これを読み込むのが独学のメイン作業になります。
- アマゾン https://www.amazon.co.jp/dp/4827113718/
- 特許庁 https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/kaisetu/kogyoshoyu/document/chikujokaisetsu22/all.pdf 2401ページもあるPDFです。無料でダウンロードできます。
- 短答式 過去問(体系別):「年度別」ではなく、法域・テーマごとに並んでいる「体系別」の問題集を買い、テキスト代わりに何度も解きます。
- 論文式 答案例集:独学で一番きついのが論文対策です。「合格者がどう書いているか」の型を覚えるための参考書が必要です。
結論
独学であれば、スタートの敷居(初期投資)は5万円程度で済みます。しかし、弁理士試験は「3,000時間の勉強が必要」と言われる難関資格です。費用を抑える分、情報の取捨選択やスケジューリングに時間を割く覚悟が必要になります。
質問:独学で進める場合、最初にどのテキストを買えばいいか(定番の組み合わせ)を紹介して
Gemini 2.5 Pro:独学で弁理士試験に挑む場合、予備校のテキストが手に入らないため、市販本の中で「最も多くの受験生が使っている(=情報の網羅性が高い)」ものを選ぶのが鉄則です。マイナーな本を選ぶと「みんなが知っている論点を知らない」という致命的な状況になりかねません。以下は、独学受験生の間で「これを買っておけば間違いない」と言われる定番の組み合わせ(スターターセット)です。まずはこれらを揃えるところから始めてください。
📚 【必須】独学合格のための「三種の神器」
まずはこの3種類(計5〜6冊)を揃えます。
1. 基本テキスト(教科書)
『弁理士試験 エレメンツ』(TAC出版)
役割: 予備校に行かない人にとっての「メイン教科書」です。法律の全体像、趣旨、要件が初心者向けに噛み砕いて解説されています。
構成: 全3巻(①特許・実用新案、②意匠・商標、③条約・不正競争防止法)。
買い方: まずは「①特許法・実用新案法」だけ買いましょう。これが理解できなければ先に進めません。
- 弁理士試験 エレメンツ (2) 意匠法/商標法 第11版 [弁理士受験生必携の基本書](早稲田経営出版) 2024/4/24 TAC弁理士講座 https://www.amazon.co.jp/dp/484715116X/
- 弁理士試験 エレメンツ (3)条約 / 不正競争防止法 / 著作権法 基本テキスト 第11版 [弁理士受験生必携の基本書](早稲田経営出版) 単2024/5/18 TAC弁理士講座 https://www.amazon.co.jp/dp/4847151178/
2. 過去問題集(演習)
『弁理士試験 体系別短答過去問』(LEC東京リーガルマインド)
- 役割: インプットした知識を定着させるための問題集です。「年度別」ではなく**「体系別(テーマ別)」**を選ぶのが独学の最重要ポイントです(勉強した単元の問題をすぐに解けるため)。
- 特徴: 解説が非常に詳しく、問題集でありながら参考書としての機能も果たします。業界最大手のLECが出しているため、受験生のシェアが非常に高いです。
3. 逐条解説書(辞書・聖書)
『工業所有権法(産業財産権法)逐条解説』(発明推進協会)
- 通称: 「青本(あおほん)」
- 役割: 特許庁が公式に出している解説書です。「なぜこの法律ができたのか(趣旨)」が書かれており、論文試験対策には必須です。
- 注意: 非常に分厚く難解なため、最初から通読しようとすると挫折します。「辞書」として使い、分からない時に調べる用として手元に置いてください。PDF版が特許庁HPで無料公開されていますが、検索性や書き込みのしやすさから、書籍版(約6,000円)を買う人が多いです。
4. 法文集(ツール)
『弁理士試験 法文集』(PATECH企画 または TAC)
- 役割: 条文だけが載っているコンパクトな本です。試験勉強中は常にこれを横に置き、出てきた条文を素早く引く癖をつける必要があります。
🛒 最初に買うべきリスト(買い物リスト)
いきなり全て揃えると高額になるため、まずは「特許法」に絞ってスタートすることをおすすめします。
- テキスト: 『弁理士試験 エレメンツ ①特許法/実用新案法』
- 問題集: 『弁理士試験 体系別短答過去問 特許法・実用新案法』
- 法文集: (お好みの出版社のもの1冊)
- 青本: (まずは特許庁HPのPDFで様子見でもOK。必要性を感じたら購入)
初期費用目安:約10,000円〜15,000円
⚠️ 購入時の絶対的な注意点
必ず「最新版」を買ってください。
知的財産に関する法律は、ほぼ毎年のように法改正があります。
「メルカリやブックオフで去年の安いのを買う」のは絶対にNGです。古い知識で覚えると、試験で不正解になるばかりか、間違った知識を修正するのに倍の時間がかかります。必ず書店で発売日を確認し、最新の法改正に対応しているものを購入してください。
📈 独学での進め方のコツ
テキスト(エレメンツ)を読んだら、すぐに該当箇所の過去問(LEC)を解いてください。
「読む → 解く → 条文を引く」
このサイクルをひたすら回すのが、独学合格への最短ルートです。
質問:「みんなが知っている論点を知らない」という致命的な状況 って、どういうこと?これって相対評価なの?
Gemini 2.5 Pro:おっしゃる通り、弁理士試験(特に論文試験)は「完全な相対評価」です。これが、独学者が最も陥りやすい罠であり、予備校に通う受験生が有利とされる最大の理由です。なぜ「みんなが知っている論点」を落とすことが致命傷になるのか、そのカラクリを解説します。
1. なぜ「相対評価」なのか?
弁理士試験の合格者数は、毎年だいたい決まっています(近年だと最終合格者は約180〜200人程度)。つまり、「○点取れば全員合格」という絶対基準ではなく、「受験者全体の上位○%に入らなければならない」という競争です。特に、試験の天王山である「論文試験」でこの傾向が顕著になります。
2. 「みんなが書けること」を書かないと、なぜ落ちるのか?
採点官(試験委員)の心理と採点方式を想像すると分かりやすいです。論文試験は、ある事例問題に対して法的な論述を行います。例えば、ある問題に論点(書くべきポイント)がA、B、Cの3つあったとします。
- 論点A: 基本中の基本(受験生の8割が気づく)
- 論点B: 標準レベル(受験生の5割が気づく)
- 論点C: 超難問(受験生の1割しか気づかない)
【合否の分かれ目】
- 合格する人: AとBをきっちり書き、Cは書けない(または少し触れる程度)。
- 落ちる人: C(難問)を詳しく書いているのに、A(基本)を書き漏らす。
【なぜか?】
採点基準は「減点方式」に近い側面があります。多くの受験生が書けている「論点A」をあなたが書いていない場合、採点官はこう判断します。
「この受験生は、実務家として必須の基礎知識(A)が欠落している。危険で合格させられない」
逆に、誰も書けない「論点C」を書けなくても、「これは難しいから仕方ない」と判断され、差がつきません。つまり、「みんなが書ける簡単な問題を落とすこと」は、偏差値を劇的に下げる行為となり、難問でどれだけ挽回しようとしても追いつけなくなるのです。
3. 独学の最大の弱点
予備校に通っていると、「答練(答案練習会)」という模試のようなもので、毎週のように自分の順位が出ます。そこで、
- 「あ、この問題はみんな正解率80%なのに、自分は間違えた。ヤバイ」
- 「この問題は正解率10%だから、解けなくていいや」
という「相場観」が養われます。一方、独学だと「知識の深掘り」に走りがちです。
- 「誰も知らない判例を知っている!」
- 「マニアックな学説を覚えた!」
これらは自己満足にはなりますが、試験では「論点C(誰も書けないこと)」に時間を使っている状態になりがちです。結果、基礎であるAがおろそかになり、本番で「難しいことは知っているのに、基本で足元をすくわれて不合格」というパターンに陥ります。
💡 結論:独学での対策
独学で進める場合は、以下のことを常に意識してください。
- 「穴」を作らない: 100点の知識を1つ作るより、60点の知識を全範囲に広げる方が受かります。
- 過去問が全て: 過去問で何度も出ているテーマこそが「みんなが知っている論点」です。ここを完璧にすることが最優先です。
- 深入りしない: テキストに「発展」「参考」と小さく書いてあるような細かい部分は、最初は勇気を持って飛ばしてください。
「みんなと同じことができる」状態になって初めて、プラスアルファの勝負になります。まずは、先ほど紹介した『エレメンツ』のような基本書の内容を、誰にでも説明できるレベルにすることが合格への近道です。
独学者にお勧めの論文対策の問題集や参考書
論文試験は、マークシート(短答)とは全く異なる「文章作成能力」と「暗記」が求められるため、専用の参考書が必須です。
独学で論文対策をする場合に「これを持っていれば戦える」という定番の参考書・問題集をご紹介します。
📝 論文対策はこの2冊+αで進める
論文対策には、「①書き方の型を覚える(インプット)」と「②実際に問題を解く(アウトプット)」の2段階があります。それぞれに対応した書籍が必要です。
1. 【インプット用】「書くべき内容」を暗記する本
弁理士試験 論文マニュアル I 特許法・実用新案法 第5版 2026/1/15 TAC弁理士講座(早稲田経営出版) https://www.amazon.co.jp/dp/4847151585/
弁理士試験 論文マニュアル II 意匠法・商標法 第5版 2026/1/27 TAC弁理士講座(早稲田経営出版)https://www.amazon.co.jp/dp/4847151593/
役割: 独学者の強い味方です。論文試験で書くべき「定義」「趣旨」「要件」「効果」が、テーマごとに整理されています。
なぜ必要か?: 論文試験は、ゼロから文章を考えるのではなく、「事前に暗記した文章のブロック(部品)を、問題に合わせて組み立てるパズル」に近いです。この本は、その「部品」が網羅されているため、これを読んで「使えるフレーズ」を暗記します。
使い方: 通読するのではなく、辞書のように引いたり、重要テーマの模範表現を覚えるのに使います。
2. 【アウトプット用】過去問&答案例
弁理士試験 論文式試験過去問題集 2026年度版 2025/11/6 TAC弁理士講座 早稲田経営出版 https://www.amazon.co.jp/dp/4847152875/
役割: 過去の出題と、それに対する「模範解答」が載っています。
📅 買うタイミングと勉強の順序
ここが非常に重要です。これらの論文対策本は、勉強開始初日には買わなくて大丈夫です。理由は、基礎知識(エレメンツ等のテキスト)が頭に入っていない状態で論文を見ても、暗号にしか見えず挫折するからです。
推奨する購入・開始のタイミング
- まずは短答(基礎): 『エレメンツ』と『短答過去問』を1周まわす(2〜3ヶ月)。
- 論文対策開始: 基礎用語がわかってきたら、『論文マニュアル』などを買い足す。
⚠️ 独学論文対策のコツ
論文対策本を買うと、あまりの分厚さに絶望するかもしれません。しかし、全ての論点を完璧に覚える必要はありません。前述した「みんなが書ける論点(=重要度Aランクの基本問題)」を、まずは『論文マニュアル』の中から探し出し、その部分のフレーズだけを徹底的に暗記してください。まずは、前回のリストにあった「エレメンツ」等の基礎固めからスタートし、余裕が出てきたらこれらの論文本セットを検討してみてください。
知財検定を受けておくべきか
難関の国家資格である弁理士の合格が2年越しになる恐れがあるとしたら、やっぱり知財検定を3,2,1級撮っておこうかなとちょっと思い始めました。弁理士の勉強やりつつ知財検定も取りに行くとしたら、どういう受験の組み合わせがいいのでしょうか。弁理士の勉強が最優先として、余力で知財検定を受けるという欲張りなプランの是非をAIに訊いてみました。
Gemini 2.5 Pro:弁理士試験を最優先(メイン)にしつつ、知財検定(サブ)をペースメーカーや保険として活用するのは、非常に賢い戦略です。特に学習初期〜中期のモチベーション維持に役立ちます。ただし、「受ける級」と「タイミング」を間違えると、本命の弁理士試験の足かせになるリスクがあります。結論から言うと、「知財検定2級」を弁理士短答試験の『模試代わり』に使うのが黄金パターンです。1級は一旦忘れてください(理由は後述します)。お勧めのスケジュールと組み合わせを提案します。
🏆 推奨プラン:短答合格への「ブースト」として使う
弁理士の勉強をしっかりしていれば、知財検定3級・2級の知識は自然とカバーされます。別途対策をする必要はほとんどありません。
理想のスケジュール(例)
- 現在〜2月: 弁理士試験の「短答」対策に全集中(基礎講座・過去問)。
- 3月(検定試験日): 「知財検定 2級」を受験
- 目的: 5月の弁理士短答試験に向けた「予行演習」。試験会場の雰囲気に慣れる、マークシートの緊張感を味わう、基礎知識の定着度を測る。
- 3月〜5月: 弁理士短答の直前対策。
- 5月中旬: 「弁理士 短答式試験」本番
💡 なぜ「2級」がベストで、「1級」は後回しなのか?
弁理士受験生にとっての各級の位置づけは以下の通りです。
1. 知財検定2級(&3級):◎ おすすめ
- 相性: 最高です。出題範囲が弁理士の短答試験(特に条文・基礎知識)と重なっています。
- 勉強法: 弁理士の勉強だけでほぼ合格できます。直前に検定の過去問を1〜2回解いて形式に慣れるだけで十分です(「余力で受ける」に最適)。
- メリット: 3月に合格しておくと、「自分は知財の基礎ができている」という自信を持って5月の本番に臨めます。履歴書にも書けるため、万が一弁理士が長引いた時の保険になります。
2. 知財検定1級:⚠️ 今は受けるべきではない
- 理由: 難易度が高く、「実務的すぎる」からです。
- 弁理士とのズレ: 1級は「特許専門業務」「ブランド専門業務」などに分かれており、企業内でのリスク管理や契約実務など、弁理士試験(法律知識・論理構成)とは求められるベクトルが異なります。
- リスク: 1級に受かろうとすると、弁理士試験には出ない実務的な勉強に時間を割くことになり、本末転倒になります。
- タイミング: 弁理士試験に最終合格した後、あるいは弁理士試験を撤退して企業知財部で生きていくと決めた時に目指すのが正解です。
🎯 結論:この作戦でいきましょう
- まずは弁理士の勉強をメインにする。
- 「3月」の知財検定2級に申し込む。(3級は簡単すぎる可能性が高いので、自信が全くなければ3級、普通に勉強が進んでいれば2級でOKです。併願も可能です)。
- 知財検定用の勉強はしない。 弁理士の知識で腕試しとして受ける。
- 1級は弁理士に受かるまで考えない。
この「2級をマイルストーンにする」作戦は、多くの合格者が実践している王道ルートです。まずは次の3月の検定日程をチェックしてみるのはいかがでしょうか?
独学での弁理士試験合格のための道筋のまとめ
質問:エレメンツ、短答問題集、論文対策問題集(インプット用、アウトプット用)、口述試験対策(どうするの、これ?独学可能なの?)の着手する順番とか時期とか、まとめてくれない?
Gemini 2.5 Pro:合格への王道ルートである「短答・論文ハイブリッド学習」のスケジュールを整理しました。まず、「口述」は一旦忘れてください。 論文に受かる実力があれば、口述の知識は9割完成しています。直前(論文試験後)の対策で間に合います。では、現在から来年の本試験(5月短答・7月論文)を目指すと仮定した、着手順序と時期のロードマップです。
🗓️ 合格ロードマップ(教材を使う順番)
第1フェーズ:基礎固め(~年内)
「全体像を知り、細かい知識を入れる」
- メイン教材:
エレメンツ+短答問題集(体系別) - やり方:
エレメンツの「特許法」を1単元読む。- すぐに該当範囲の
短答問題集を解く(解けなくてOK。解説を読むのがメイン)。 - これを繰り返して全科目を1周する。
- ポイント: エレメンツを全部読んでから問題集に行くのではなく、**「サンドイッチ」**で進めてください。記憶の定着が段違いです。
第2フェーズ:論文の「型」を知る(年明け1月~3月)
「短答知識をどう文章にするか知る」
- メイン教材:
論文対策問題集(インプット用)+短答問題集 - 追加:
知財検定2級(3月受験) - やり方:
- 短答の勉強(2周目以降)と並行して、
論文(インプット用)を読み始めます。 - 書かなくていいです。 「こういう問題が出たら、こういう趣旨(理由)を書くのか」という「型(レジュメ)」を暗記します。
- 短答の勉強(2周目以降)と並行して、
- なぜこの時期?: 論文の勉強をすると、「なぜこの法律があるのか」が分かり、短答の点数も爆発的に伸びるからです。
第3フェーズ:短答超直前期(4月~5月中旬)
「マークシートマシーンになる」
- メイン教材:
短答問題集(過去問・年度別) - やり方:
- 論文の勉強は一旦ストップ。
- ひたすら短答過去問を回す。条文の細かい数字や例外規定を詰め込む。
- ゴール: 5月の短答試験合格。
第4フェーズ:論文アウトプット期(5月下旬~7月上旬)
「実際に書く練習」
- メイン教材:
論文対策問題集(アウトプット用) - やり方:
- 短答が終わった瞬間からスタート。
- 時間を計って、手書きでフル構成を書く練習。
- ここで初めて「書く体力」と「時間配分」を鍛えます。
👄 気になる「口述試験」対策について
Q. どうやって対策するの?
A. 基本的には「再現問答集」という本(過去の受験生が何を聞かれてどう答えたかの記録)を使います。これを読み込んで、試験官の質問意図を汲み取る練習をします。
Q. 独学可能なの?
A. 知識のインプットは独学で可能ですが、アウトプット(練習)は独学だと危険です。
- 独学部分: 論文の知識があれば、聞かれる中身は答えられます。お風呂や部屋で、声に出して条文を読み上げる練習は一人でできます。
- 独学できない部分: 「即答する瞬発力」と「対人コミュニケーション」です。頭でわかっていても口から出ないのが口述の怖さです。
【結論:口述対策はこうする】
- 論文試験が終わるまで何もしない。(論文合格レベル=口述知識レベル です)
- 論文が終わったら(8月頃)、予備校の「口述模試(練習会)」だけは受ける。または、受験生仲間とZoomなどで問答練習をする。ここだけは「相手」が必要です。
🚀 まとめ:今のあなたの優先順位
頭の整理のために、今机の上に置いておくべきはこれだけです。
- 最優先:
エレメンツ(理解用) - セット:
短答問題集(体系別・項目別)(知識定着用) - チラ見:
論文(インプット用)(「へえ、文章にするとこうなるんだ」と眺める程度)
論文(アウトプット用)と口述対策本は、視界に入ると焦るので、5月までクローゼットにしまっておきましょう!