咳が長引くときに考えられる疾患

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咳が3週間以上続くと遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)、8週間以上続くと慢性咳嗽(まんせいがいそう)と呼ぶそうです。熱はなく、痰もからまず、呼吸時にゼーゼーするわけでもなく、咳だけが数週間も続いているとき、どんな疾患が考えられるのかを調べてみました。

長引く咳について(愛和クリニック)の説明が非常にわかりやすい。

咳の役割

咳)は気道内にある異物を排出するために起こる呼吸器の防御反応(済生会

風邪以外の可能性

気管支炎

ウイルスや細菌などが原因で気管支に炎症が起きている状態。風邪と気管支炎を見分けることは難しく、風邪と気管支炎が併発することも多い。咳や痰、発熱などの風邪と似たような症状。対処療法、自己治癒力によって自然に軽快。(参考:横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック

気管支炎と喘息のちがいとは?(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック)  2021/12/23


2週間を超えても治らない咳は、風邪ではない可能性があるそうです。

乾いたせきの原因:せきぜん息、アトピー咳嗽、百日咳、胃食道逆流症(GERD)、心因性のせきなど(環境再生保全機構

呼吸時の喘鳴の有無、咳が出るときの痰の有無で、原因と考えられる疾患が変わってくるそうです(参照:済生会)。痰が絡まない乾いた咳が長引く場合の可能性として、

  1. アトピー性咳嗽
  2. 百日咳菌やマイコプラズマの感染
  3. 胃食道逆流症(逆流性食道炎):胃液が胃の上部に逆流し食道さらには咽喉頭、気管支に慢性炎症を引き起こし長引く咳の原因に
  4. 心因性咳嗽(がいそう)
  5. 薬剤(降圧薬など)の副作用としてのせき
  6. 耳炎で起こるせき

などが考えられるそうです(参照:済生会)。

別の解説記事によれば、原因でわけると、①肺がん、②微生物による感染症(結核、マイコプラズマ肺炎など)、③アレルギーによるもの、④間質性肺炎、⑤肺気腫 などが考えられるそう(大道内科・呼吸器科クリニック)。

肺がん結核間質性肺炎心不全など重篤な病気の場合も(サワイ健康推進課

  • 肺結核
  • 肺炎球菌感染症
  • 原発不明がん
  • 間質性肺炎
  • 肺炎
  • 特発性肺線維症
  • 百日咳
  • 慢性副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 副鼻腔炎
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 肺がん
  • 肺腺がん(腺がん)
  • びまん性汎細気管支炎
  • 心不全

アレルギー性の咳

咳喘息:

  1. 気管支拡張剤が効く。吸入ステロイドによる治療。せき喘息では3割がゼーゼーする喘息に移行する
  2. 咳ぜんそくは、放っておくと3人に1人は気管支ぜんそくに移行
  3. 咳ぜんそくは気道の粘膜に常に炎症が起こっている状態
  4. ホコリ、湯気、冷たい空気、香り、花粉などの刺激に敏感に反応して激しい咳が出てなかなか止まらない。花粉や天候、疲労やストレスが原因になることも。

喘息

  1. ハウスダスト、ペットの毛、ダニといったアレルギー物質などがきっかけ
  2. NOは喘息で特異的に上昇
  3. 症状:咳き込む 呼吸時にのどが「ゼーゼー、ヒューヒュー」いう喘鳴(ぜんめい)が出る 呼吸困難(呼吸が苦しくなる)発作性の激しい咳、痰がでる 急に動けなくなる夜間や早朝に咳や喘鳴などの症状が出やすい喘息症状で夜間、目が覚める 胸の痛み 動悸、息切れ 背中の張り 空咳(呼気NO検査 つるはら耳鼻科)
  4. 喘息は、慢性的な気道の炎症(アレルギーやタバコの煙など)によって、咳や痰、場合によっては呼吸困難感などの重篤な症状が出る疾患。
  5. 喘息の発作を繰り返していくうちに気道の回復が困難に(気道のリモデリング)。治療では、原因である「気道の炎症」を取り除くため、吸入ステロイドと呼ばれる吸入薬が用いられる。対処療法による自然寛解を目指す気管支炎とは異なり、喘息の治療では、吸入ステロイド薬によって気道の炎症を取り除き、長期的に喘息発作を予防することが目標。(参考:横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック

アトピー咳嗽

  1. ハウスダストや花粉などアレルゲンによってアレルギー性のせきが続く。気管支拡張剤が効かず、抗アレルギー剤が効く。アレルゲンを突き止め、発生する季節のみ、咳止め抗アレルギー剤を服用す。

(参考:大道内科・呼吸器科クリニック

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

 

検査方法

胸部X線(胸部レントゲン):一方向から放射線を照射して画像化。

肺CT検査:では、らせん状に放射線を照射して画像を得るため、肺を数ミリ幅で輪切りにしたような画像を得る。

呼気NO検査(一酸化窒素検査):呼気に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定。喘息(ぜんそく)の有無を診断。日本人の成人健常者における呼気NO濃度の正常値は約15ppb、正常値の上限値は約37ppb。喘息患者さんの気道には炎症があり、炎症性刺激により、主に気道上皮のNO合成酵素(INOS)が誘導され、大量のNOが産生されている。呼気中NO濃度で好酸球性気道炎症の存在や程度がわかる。

 

参考サイト

長引く咳 - 谷尻医院
長引く咳 2~3週間以上の長引く咳は、風邪以外の病気の可能性があります 長引く咳の主な原因疾患 長引く咳の診断 疾患の詳細 咳は患者さんが医療機関を受診する理由のうちでもっとも多い症状です。 咳は自然に改善していく、いわ >>続きを読む
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