看護師国家試験に頻出する食品:納豆、グレープフルーツの働き

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納豆

納豆にはビタミンKが多く含まれます。ビタミンKのKは、凝固のKで(ドイツ語で凝固を意味するkoagulation)、血液凝固作用があります。ワルファリンは血液の凝固を防ぐ(血栓ができるのを予防する)ためのお薬なので、ビタミンKの働きとは真逆です。

ワルファリンを服用している場合には、納豆を多量に食べることは勧められません。

グレープフルーツ

高血圧の薬の種類として、カルシム拮抗薬というものがあります。カルシム拮抗薬の生理作用は、血管を広げて血圧を下げるというものです。グレープフルーツはカルシウム拮抗薬の代謝を抑制するため、カルシウム拮抗薬の効果が想定よりも高まってしまいます。

「グレープフルーツはカルシウム拮抗薬の代謝を抑制する」と説明されても、なぜ?どのように?という疑問は残ります。

グレープフルーツジュース薬物代謝酵素CYP3A4阻害するため,CYP3A4で代謝される薬物を投与する場合には,「グレープフルーツジュースを飲まないように」という患者指導(事例で学ぶくすりの落とし穴 [第1回] 看護師に求められる与薬の知識とは 連載 柳田 俊彦 医学書院)

細かい知識を知ったほうが、むしろすっきりします。もっと詳しく説明してもらうと、

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類(ベルガモチン、ナリンゲニン等)が小腸消化管壁に存在する薬物代謝酵素CYP3A4阻害するために、Ca拮抗薬の分解が抑制され、血中へと移行する量が増加し、降圧作用が増強される(グレープフルーツの薬剤に与える影響 管理薬剤師.com)

ここまで細かく説明してもらったほうが納得しやすくなります。

 

看護師国家試験

第111回 午前午前44  Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。 Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか。

  1. 海藻
  2. 牛乳
  3. 納豆
  4. グレープフルーツ

第110回 午前問題17 カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。

  1. 牛 乳
  2. 納 豆
  3. ブロッコリー
  4. グレープフルーツ

第105回 午後問題17 カルシウム拮抗薬の服用時に避けた方がよい食品はどれか。

  1. 納 豆
  2. 牛 乳
  3. わかめ
  4. グレープフルーツ

第95回 午前問題20 ワルファリンカリウム服用時に避けた方がよい食品はどれか。

  1. 緑 茶
  2. 納 豆
  3. チーズ
  4. グレープフルーツ

参考サイト

  1. カルシウム拮抗薬 ふくだ内科
  2. K is for koagulation J. Evan Sadler Nature volume 427, pages493–494 (2004) Meanwhile, cows in the northern United States had been bleeding to death through eating mouldy sweet clover hay. In 1940, Karl Link identified the fungal product responsible as a vitamin K antagonist. He named a potent derivative of this antagonist ‘warfarin’, after the Wisconsin Alumni Research Foundation, to which he assigned the patent rights.
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