臨床の世界では「アルゴリズム」という語句が使われています。プログラミングでつかう「アルゴリズム」は何かをさせるときの手順といった意味だと思いますが、医学用語としてのアルゴリズムは治療の流れ(フローチャート)のことのようです。初めて目にしたときは軽く驚きました。ずいぶん仰々しい言葉遣いだなあと。
参考
臨床の世界では「アルゴリズム」という語句が使われています。プログラミングでつかう「アルゴリズム」は何かをさせるときの手順といった意味だと思いますが、医学用語としてのアルゴリズムは治療の流れ(フローチャート)のことのようです。初めて目にしたときは軽く驚きました。ずいぶん仰々しい言葉遣いだなあと。
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免疫抑制剤の進歩により臓器移植は対象臓器の非可逆的臓器不全に対する確立した治療法の一つとなっている.しかし種々の合併症を併発する危険性も内包しており,急性・慢性拒絶反応もその一つである.(総説特集 遺伝子チップを用いた臨床免疫研究の最前線 マイクロアレイの臓器移植への応用 松井郁一,斎 浦 明 夫,菅原寧彦,児玉龍彦,幕 内 雅 敏 Jpn. J. Clin. Immunol., 28(2)73~78(2005))
移植臓器の短期生着率は飛躍的に向上してきた1。しかし,慢性拒絶反応に対する効果的な予防や治療方法が存在しないことや,免疫抑制薬そのものの副作用により,長期成績は未だ満足できるものとなっていなし。このため免疫寛容の誘導は免疫抑制法がこれほど進歩した現在でも,移植医療の究極の目標として捉えられている。
免疫寛容:個体の免疫抑制を行うことなく,移植片だけが特異的に拒絶されず,感染症などに対する生体の防御機能は正常に保たれている状態
([シリーズ:移植医療と組織適合性] 第3回 臓器移植における免疫寛容の基礎と臨床 村上徹,河合達郎マサチューセッッ総合病院夕1科ハーバード大学医学部 MHC Vol.14, No.3 )
- 1954年 長期生着第1例 一卵性双生児間の腎移植 ボストン にて
- 1960年代 アザチオプリンとステロイドの併用による免疫抑制療法の開発
- 1970年代 日本でも腎移植が本格化
- 1980年代 免疫抑制剤シクロスポリン
- 1990年代 免疫抑制剤タクロリムス
(臓器移植の現状と展望腎移植)
慢性拒絶反応の病因については慢性拒絶反応を合併している患者の免疫状態についてT細胞,NKT細胞,マクロファージなどのエフェクター細胞や抗体と補体,また,抗体依存性細胞性細胞障害(ADCC)を生じる抗体などいろいろな角度から二十数年にわたり検討されているが,現在までのところ明確な結論は得られていない.(慢性拒絶反応の克服 小野佳成 大島伸一)
2/22/19:Chronic rejection after kidney transplantation: Is there hope? 2019/02/23 UW Department of Medicine
The Cancer Genome Atlas (TCGA) provides researchers with unprecedented amounts of molecular data along with clinical and histopathological information (http:// cancergenome.nih.gov/). This data set has not only led to increases in our understanding of cancer (Ciriello et al., 2013; Hoadley et al., 2014), but its scale has also allowed for previously impossible projects such as a comprehensive cataloguing of the human transcriptome (Han et al., 2014; Iyer et al., 2015).
(OncoLnc: linking TCGA survival data to mRNAs, miRNAs, and lncRNAs Jordan Anaya)
乳がん
胃がん
肝がん
細胞が何か物質を作り細胞外へ放出することを分泌(ぶんぴつ)と呼びます。分泌されたものが体外へ出る場合には、外分泌(がいぶんぴつ)、体内へ放出される場合には内分泌(ないぶんぴつ)と呼びます。体外は、文字通り体の外または、消化管などです。胃や腸の中というのは外界とつながっているという意味では「体外」と考えます。体内というのはもう少し詳しく言うと血流の中へ放出するものです。血流はもちろん体内にあります。
内分泌というのは具体的にはホルモンが血中に放出されることです。ホルモンを作り血中へ放出する臓器のことを内分泌臓器と呼びます。
内分泌臓器でのホルモン分泌の異常(増加又は低下)、 あるいは、そのホルモンが作用する臓器においてホルモン受容体やホルモン情報伝達の障害がありホルモン作用の異常が起こった状態を内分泌代謝疾患と呼びます。
- 歯周病は歯周ポケット(歯と歯肉との間にある隙間)に細菌が定着することから始まる
- 歯周ポケットが深くなると嫌気性環境ができあがり、歯周病の原因菌(歯周病細菌)のすみ家が完成
- 歯周ポケットに定着した細菌は菌体外物質(バイオフィルム)を作り増殖し、成熟してプラーク(歯垢)という見える形になる
- 歯周ポケット内で増殖した細菌は、多量の代謝産物を産生し、口臭の原因となる。
- LPSは細菌の外膜に存在する物質で内毒素として働く(外毒素は最近が分泌する物質)。内毒素は微量であれば細菌進入の手がかりとして生体の免疫細胞を活性化するので有用。多量であれば、炎症を引き起こし、障害性に働く。
(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
歯周病はプラーク中の歯周病原細菌により誘導される慢性炎症性疾患で,歯と歯肉の付着の喪失と歯槽骨の吸収を特徴とする。(http://www.perio.jp/member/award/file/science/2010-1.pdf)
歯周病:gum disease; periodontal disease; periodontitis
歯肉炎:gingivitis (gum inflammation)
サイトカインはいろいろな細胞から産生され、比較的産生細胞の周囲の細胞に作用します。…歯周組織局所で産生されるサイトカインには、炎症を起こす方向に作用する(炎症性サイトカイン)としてIL-1、IL-6、IL-8、TNF-αがあります。炎症を抑える方向に作用する(抗炎症性サイトカイン)としてIL-4、IL-10があります。サイトカインは歯周病の発症と進行、そして全身疾患に大きい影響を与えています。(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
内毒素の増加に対してマクロファージが、PGE2、IL-1、IL-6、IL-8、TNF-αを産生し、他の生体防御細胞を活性化します。活性化されたTリンパ球やBリンパ球は増殖し、IL-1、IL-6を産生します。そして、Bリンパ球は抗体を産生します。(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
上皮細胞は, 一般的に細菌の侵入に対して最前線に位置し, 物理的なバリアーとして機能している。 上皮細胞は, 細菌の付着 (侵入) に応答して抗菌ペプチド産生などの自然免疫機能を有する一方で, インターロイキン(IL)-1,IL-8,TNF-αなどの炎症性サイトカインを産生し, 炎症の惹起に積極的な役割を果たしている。(https://core.ac.uk/download/pdf/144566417.pdf)
EMTは上皮-間葉移行、上皮間葉転換ともよばれます。
上皮-間葉移行(Epithelial-mesenchymal transition、EMT)は、上皮細胞が間葉系細胞様に形態変化する現象であり、初期胚発生における原腸陥入、神経提細胞の運動や器官形成過程、特に心臓や腎臓での重要性がよく知られている。EMTは細胞の運動性や細胞外基質の蓄積をもたらすことから、最近EMTが癌の浸潤や転移、また臓器線維化や慢性炎症に重要であることが徐々に明らかとなってきている。(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19659198/)
EMTを誘導する主たるサイトカインとしてtransforming growth factor-β (TGF-β)が知られており(http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/data/h22/126545/126545a.pdf)
歯周病が増悪してくると、その影響は口腔内にとどまりません。口腔内で増殖した細菌は、気道を通じて直接気管や肺に移動します。また、歯周組織内に進入した細菌は、血行性に全身に移動します。歯周病の増悪によって量産されたサイトカインも、血行性に全身に移動します。これらの細菌やサイトカインは、他の疾患の増悪因子となります。肺炎、糖尿病、心疾患、低体重児出産といろいろなことに影響を及ぼします(https://www.cc.okayama-u.ac.jp/~perio/clinics/Perio_11.pdf)
とても気になるニュースがありました。
PCモニタから発せられるブルーライトが目に悪いという証拠はない、むしろブルーカット眼鏡を装着することにより青い光を浴びないことのほうが良くないかもという内容です。
自分はPCに3時間も向かっていると目がちらちらして明らかに眼に良くないことがわかります。失明の恐怖を感じるくらいの疲労感です。再現性が非常に高いので、少なくとも自分の場合はPCの画面が目に非常に悪いと断言できます。対処法として、ブルーカットシートをPCモニタに貼ったり、青色をカットするモードにPCの色調を変えたり、青色カット眼鏡を装着したりしています。そうするととりあえず朝から晩までPCに向かって作業していても視野がちらちらする現象はかなり減りました。それでもあまりに長時間続けて作業するとやはり「やばい」と感じる状態になります。PCから離れて数時間目を休ませるとなおるので、不可逆的に網膜がやられたというわけではなさそうです。
自分がこれほどはっきりとブルーライトの悪影響を感じているので、こどものときからずっとPCやスマホの画面を見続けていたら、早い段階で目をやられるのではないかと危惧します。科学的な証拠がないから大丈夫というのは、論理的にもおかしな話です。まだ科学的に誰も証明できていないだけの可能性があります。それに科学論文はしょせん多数の人を対象にして「平均」を報告しているだけなので、個人差に関する情報は消えてしまいます。あたなは大丈夫でも私はダメなのよという状況は伝わりません。
ブルーライトは危険ではないというメッセージを学会が発信してしまっていいのかなあと思います。
生命科学研究者のために書かれた質量分析のハードルを下げてくれる本として、『実験医学別冊 最強のステップUPシリーズ 見つける、量る、可視化する!質量分析実験ガイド ライフサイエンス・医学研究で役立つ機器選択、サンプル調製、分析プロトコールのポイント 』(杉浦悠毅,末松 誠/編 2013年03月29日 239ページ ISBN 978-4-7581-0186-8)があります。この本は生物学研究者や医学研究者が持っている質量分析への苦手意識、畏怖の感情を理解してそのレべルまで降りてきて寄り添ってくれる書き方。質量分析の改正本としては、この本がおそらく一番わかりやすいかな。
『実験医学別冊 実験ハンドブックシリーズ 生命科学のための機器分析実験ハンドブック 分光分析,顕微解析,磁気共鳴分析,質量分析,イメージング解析などのあらゆる分析機器のプロトコールを完全網羅』( 西村善文/編 2007年07月24日 306ページ ISBN 978-4-7581-0169-1)こちらの本は、質量分析に特化したわけではなく、一つの章が割かれているだけです。こまかいプロトコールが掲載されていますが、実験目的でプロトコールは変わってくるでしょうから、どれだけ役立つのかわかりません。しかし、どんなふうに実験して測定まで持っていくのかの雰囲気がつかめそうです。
どんな業界でもキャリア形成において、どこに身を置いて仕事をするかの選択が重要になります。どこへ行くか、どこを選ぶか。基礎研究者の場合、どこの大学院のどの先生についてトレーニングを受けるかで、研究者としての基盤が形成されます。臨床の医師の場合には、研修先の病院選びがクリティカルになることでしょう。
ハイパー病院とはつまり忙しい病院のことである。研修医は総じて忙しいものであるが、ハイパー病院に勤務となると帰宅できないことも多いし、年間に5日間くらいしか休日がないところもある。例えば東京にある聖路加国際病院、千葉にある亀田総合病院、神奈川にある湘南鎌倉病院、沖縄にある沖縄中部病院などが有名である。… 研修医先の病院も学歴のひとつみたいなものです。(2019.05.27ハイパー病院&ハイポ病院 医学生のひとり言)
大学も初期研修もなんだかんだめちゃくちゃ大事だったと今更思う 地方国立→某旧ブランドハイパー病院ってきたけどgeneralist養成所すぎて自分がspecialistになる未来が全く想像できない
— chico (@chicosurgery) February 5, 2021
ウチはいわゆるブランドハイパー病院だけど、就労環境の劣悪さの殆どは、システム不良に伴うもので、伝統だか慣習という非合理的な理由でまかり通っているだけで、それを咀嚼して生存競争を勝ち抜いた先の未来に自分的には憧れは持てなかった。
— とし (@tshmdinvest) February 23, 2020
某ブランドハイパー病院はナマポを全部若手にやらせてるんですが?w
— サバンナ (@berusomura1919) May 19, 2020
臨床の先生は所属を、循環器内科の先生なら循内のように略すことが多いです。各科に略称があります。ツイートだと略称が飛び交っているので使用例を拾ってみます。
〜続編〜
整形:遊んでる
ウロ:男性陣下ネタ好き
ギネ:おしゃべりな女医さん多め
眼科:おとなしい
耳鼻:風変わり
麻酔:せっかちとコミュ障
救急:オラつくかMか
脳外:病院に住みがち 一見紳士的
小児:優しい
精神:自分もなにかに病んでるお、怒らないでくださいね?
— ゆー@ハイポ女医 (@yuu6smile) April 4, 2021
個人的各科の医者イメージ
循内→自分大好き
呼内→インキャ
消内→体育会系って言われたい
心外→変人って言われたい
呼外→インキャ
消外→すぐ俺らの時代は〜って言う
眼科→実家が眼科
耳鼻→実家が耳鼻科
泌尿→ウェイ
整形→頭チンコ
精神→ガチの変わり者— يمر (@garbagetable) April 13, 2019
医者の自己診断があてにならないことを示す有名な逸話
循内「胃が痛くて」
消内「採血と心電図と•••」
循内「いやACSはないです笑」
消内「まあまあ念のため笑」循内「は?」
心筋梗塞でした
— がり医ん (@er_gary_er) August 31, 2019
救命いた頃とか一番調子乗ってた。放射線科の先生に褒められる中心静脈の速さ、麻酔科の先生に頼られる挿管の的確さ、脳外の先生から緊急手術の前立ち頼まれたり、その他諸々今思えば恥ずかしい。みんな頑張ってる可愛いレジをおだてて面白がってただけなのだ。実力なんて皆さんより遥かに劣ってたのに
— 山田明広 ⥼⥷शिव✩°。⋆⸜(*˙꒳˙* )⸝ (@Kashinaikasinrj) July 12, 2020
今までの各科のポリクリの総括
外科「外科なら大学に残るのがいいよ。他科ならどこでも同じ。」
産婦「産婦人科なら大学に残るのがいいよ。他科ならどこでも同じ。」
小児科「小児科なら大学に残るのがいいよ。他科ならどこでも同じ。」
— あかねちゃん (@heartimim) April 16, 2018