砂肝(すなぎも)とは?肝臓じゃなくて胃。 なぜ、あの形?

スーパーでは、肉売り場に、レバー(肝臓)や砂肝などが隣り合わせに売られていますが、砂肝とはそもそも何でしょうか?「肝」と言う字があるので肝臓でしょうか?いいえ、違います。砂肝と書くくせに実は、鳥の「胃の一部」なんですね。「肝」というのは、肝臓という意味ではなくて、ここでは単に「内臓」の意味だったというわけです。

Gemini:
「砂ぎも」(砂肝とも書きます)は、主に**鶏(ニワトリ)の「砂嚢(さのう)」**という消化器官の一部です。

スーパーで売られているものは、ほとんどが鶏のものです。

「砂ぎも」って何?

鳥類が持つ**「筋胃(きんい)」**という、胃の一部です。「砂嚢(さのう)」とも呼ばれます。

鳥は歯がないため、食べ物を丸呑みにします。飲み込んだ食べ物を、胃液で消化する前に、物理的にすりつぶす必要があります。

そのために、鳥は小石や砂を飲み込み、この「砂ぎも」に溜めておきます。そして、砂ぎもの強力な筋肉を動かして、砂や小石と食べ物をこすり合わせ、細かくすりつぶします。

  • 名前の由来: 食べた「砂(suna)」が溜まっている「肝(kimo = 内臓のこと)」ということから、「砂肝(すなぎも)」と呼ばれます。
  • 食感: 非常に発達した筋肉の壁なので、脂肪が少なく、コリコリ・シャキシャキとした強い歯ごたえが特徴です。

スーパーで売られているのは、先述の通りほぼ**鶏(ニワトリ)**です。

鶏以外では、以下のような動物が持っています。

  • 鳥類全般: 七面鳥、鴨(カモ)、アヒル、鳩(ハト)など、多くの鳥にあります。
  • 爬虫類の一部: ワニなどにも見られます。
  • 恐竜: 恐竜の化石からも、胃の中に石(胃石)が溜まった砂嚢が見つかっており、同じように食べ物をすりつぶしていたと考えられています。

確認:てことは、砂肝とはべつに「胃」があるわけではなくて、砂肝はあるいみ、胃そのものなわけね。胃の一部という意味で。

Gemini:

その通りです! ご理解の通り、砂肝は「胃の一部」であり、特に鳥類の「胃そのもの(の主要な片方)」と言えます。

もう少し詳しく言うと、鶏(鳥類)の胃は、役割が違う2つの部屋に分かれています。

  1. 腺胃(せんい)
    • こちらが人間の胃に近い役割で、消化液(胃酸やペプシン)を分泌します。
    • 食べ物はまずここを通り、消化液と混ぜ合わされます。
  2. 筋胃(きんい)=「砂肝(砂ぎも)」
    • 次に食べ物が送られるのが、この砂肝です。
    • ここでは消化液はほとんど出ません。
    • 腺胃で消化液と混ざった食べ物を、溜め込んだ砂や小石を使って、強力な筋肉で物理的にすりつぶします

人間の場合、「歯で噛む」+「胃で消化液を出す」という機能を口と胃で分担していますが、

鶏の場合は、**「腺胃で消化液を出す」+「筋胃(砂肝)で(歯の代わりに)すりつぶす」**という機能を、2つの胃で分担しているイメージです。

ですから、「砂肝は、鶏の2つある胃のうちの、“すりつぶす方”の胃である」というのが一番正確な表現になります。

 

さらなる疑問:スーパーで売られている砂肝には、砂が入ってるの?取り除かれてるの?

Gemini:

スーパーで売られている砂肝には、砂は入っていません。

鶏を処理する(食肉に加工する)段階で、砂嚢(砂ぎも)を切り開いて、中身の砂や小石、消化しきれなかった食べ物のカスなどは、すべてキレイに洗浄・除去されています。

そのため、私たちがスーパーで買う砂肝は、砂嚢の「筋肉の壁」の部分だけになっています。

たまに「ジャリッ」とするのはなぜ?

もし砂肝を食べて「ジャリッ」とした食感があった場合、それは砂ではなく、下処理(したしょり)が不十分な**「銀皮(ぎんぴ)」**と呼ばれる硬い筋(すじ)の可能性が高いです。

  • 銀皮とは: 砂肝の表面についている青白い膜のような部分です。これは非常に硬い組織で、取り除かずに調理すると、ゴムのように硬かったり、ジャリジャリとした砂のような食感に感じられたりすることがあります。
  • 家庭での下処理: スーパーで売られている砂肝は、この銀皮がついたままのものが多いです。美味しく食べるためには、調理の前に包丁でこの銀皮をそぎ落とす「下処理」をするのが一般的です。

結論として、スーパーの砂肝に砂は入っていませんが、美味しく食べるためには**「銀皮」という硬い筋を取り除く下処理**をすることをおすすめします。

 

「砂肝の銀皮」の取り方を実況中継!包丁の入れ方を動画で分かりやすく解説【沼津りえの神ワザ下ごしらえ #17】| kufura [ クフラ ] kufura 79.3K subscribers

 

砂肝の形に関する疑問:砂肝はなぜ2つのかたまりがペアでちょうつがいみたいに開くの?それが一つの砂肝?

Gemini:

鋭い観察ですね!まさにその通りです。

スーパーで売られているあの「ちょうつがい」のような形全体で、1個の砂肝です。

あの独特の形は、砂肝が本来の「袋状」の臓器だった名残です。

なぜあの形なのか?

  1. 本来の姿: 砂肝は、砂や食べ物をすりつぶすための、筋肉でできた**「袋」**です。
  2. 処理(洗浄): スーパーに出荷する前に、この「袋」の中に入っている砂、小石、消化物などをすべて洗い流す必要があります。
  3. 切り開く: そのために、処理工場で砂肝に包丁で切り込みを入れ、開きます
  4. 洗浄: 開いた状態で、中をキレイに洗浄します。

この時、完全に2つに切り離してしまうのではなく、片側(ちょうつがい部分)を残して開くため、あのような「2つのかたまりがペアで開く」形になるのです。

この切り開き方を、料理用語で「観音開き(かんのんびらき)」や「バタフライカット」と呼ぶこともあります。

2つに見えるコブ

砂肝はもともと、左右対称に近い、筋肉が発達した2つのコブ(膨らみ)が集まって一つの袋を形成しています。

切り開くと、その2つのコブが左右に分かれるため、ペアのように見えるのです。

まとめると、あの形は「1個の袋状の砂肝を、洗浄のために切り開いた状態」ということになります。

 

しつこい質問:砂肝(筋胃)はなぜ腺胃のあとにあるの?すりつぶすためには、腺胃の前に位置すべきでは?

Gemini:

非常に鋭いご指摘です。人間の感覚(歯で噛む $\rightarrow$ 胃酸で溶かす)で考えると、確かに「すりつぶす」のが先のように思えますね。

しかし、鳥類が「丸呑み」することに最適化された結果、その順序になっています。

理由は、**「先に消化液でふやかした(柔らかくした)方が、効率よくすりつぶせるから」**です。


消化のプロセス

鳥類の消化は、この2つの胃の連携プレーで行われます。

1. 腺胃(せんい)が先:化学的消化(ふやかす)

丸呑みされた食べ物(硬い穀物、虫など)は、まず腺胃に送られます。

ここで強力な胃酸や**消化酵素(ペプシンなど)**が大量に分泌され、食べ物と混合されます。

2. 砂肝(筋胃)が後:物理的消化(すりつぶす)

消化液に浸かって柔らかく(ふやけた)状態になった食べ物が、次に**砂肝(筋胃)**に送られます。

砂肝は、その強力な筋肉と、溜め込んだ砂や小石を使って、柔らかくなった食べ物を効率よくすりつぶし、ドロドロの状態にします。


この順序のメリット

もし順番が逆で、硬く乾燥した穀物をいきなり砂肝ですりつぶそうとすると、膨大なエネルギーが必要ですし、効率も非常に悪くなります。

例えるなら、「硬い乾燥トウモロコシをそのまま石臼で挽く」(砂肝が先の場合)よりも、

「トウモロコシを水や薬品(消化液)に一晩浸けてふやかしてから石臼で挽く」(腺胃が先の場合)方が、圧倒的に少ない力で、より細かくすりつぶせるのと同じです。

つまり、鳥類は「化学的な下ごしらえ(腺胃)」を先に行い、「物理的な粉砕(砂肝)」を後に行うという、非常に合理的な消化システムを進化させたのです。