マクロライドは抗菌剤(抗生物質)です。
マクロライドの基本情報
- 化学構造:12-16員環のラクトン環(マクロライド環)を持つ
- 代表的な薬剤:エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン(ジスロマック)、ロキシスロマイシンなど
作用機序 マクロライドは細菌の70Sリボゾームの50Sサブユニットに結合して作用します:
- 結合部位:50Sリボゾームの23S rRNAに結合
- 作用:ペプチド鎖の伸長を阻害
- 結果:細菌のタンパク質合成を阻害 → 静菌的効果
詳細メカニズム
- リボゾームの出口トンネル付近に結合
- 新しく合成されたペプチド鎖の伸長を物理的に阻害
- tRNAの移動も一部阻害
抗菌スペクトラム
- グラム陽性球菌:黄色ブドウ球菌、連鎖球菌(主要)
- 非定型病原体:マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア
- 一部のグラム陰性菌:百日咳菌、カンピロバクターなど
特徴
- 組織移行性が良好
- 経口投与可能
- 比較的副作用が少ない
- 耐性菌の問題(特にマクロライド耐性肺炎球菌)
リボゾームをターゲットにする抗生物質は他にもありますが、マクロライドは50Sサブユニットの特定部位に作用するのが特徴です。
(Claude.ai)