書く内容の配分
科研費研究計画調書(申請書)の様式の後半に、研究者の遂行能力(業績欄)を書く場所があります。遂行能力と研究環境を2ページで書けという指示がありますが、それぞれ1ページずつ書くわけではありません。配分は本人に任せられていますが、常識的に考えて、遂行能力のほうが圧倒的に重要なのでそっちで大部分を埋めましょう(少なくとも1ページ半)。研究環境は半ページ以下、5~6行でも十分です。
余白について
業績欄に余白があると、業績が足りない人という印象を与えてしまいますので、最後の1行まで使い切る必要があります。書くことがないので余白が2~3行できたけど諦めるという態度ではいけません。科研費は他人の申請書との比較で採否がきまるので、他のみんなが2ページを書き切っていたら自分の申請書は見劣りするという当たり前の事実を認識することが大事です。
論文業績が少ない場合の書き方
論文が少ないので書くことがありませんという人もいると思います。その場合は、その少ない論文の内容を紹介すればいいのです。ただ内容説明するのではなく、自分の研究能力をアピールするようにメリハリのある文章にしましょう。審査委員は研究内容そのものに興味があるのでなくそのような研究成果をあげたあなたの能力を測りたいだけですので。
書くことがないので、自分の履歴を書いたり(大学卒業年度、博士取得年度、働いた研究機関など)、学会発表のリストや症例報告のリストをつけたりする人もいるでしょう。それはそれで採択されている例も見たことがありますので、ダメということは全然ありません。しかし、評価対象としての重要度、優先度はパブリケーションです。
査読付き英語原著論文>症例報告論文>学会発表 の順だと思います。
査読付き英語原著論文が一報しかない業績であっても、審査種目(小区分)をうまく選び、研究紹介をうまく書けば採択される可能性はあり、実際にそういう例を見たことがありますので、希望を捨てずに頑張りましょう。