グリソン枝を確保
外科医がよく使う言葉で自分が理解できなかったのが「グリソン枝を確保する」といった表現です。確保するとは、何をどうすることなのでしょうか。
系統的肝切除術では,切除領域に流入するGlisson枝(または茎)のみが選択的に確保され,切離される。肝外からのapproachによってGlisson枝(または茎)を安全に確保するには,肝門とその周辺の基本的な局所解剖を熟知しておく必要がある。https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/op.0000003318
肝外グリソン鞘一括先行確保による腹腔鏡下肝S8亜区域切除
当院におけるグリソン一括確保とhanging maneuver を併用した肝移植ドナー手術の現状
S7, S8亜区域切除では静脈或いはエコーをガイドに肝実質切離を先行し、グリソンを肝内で確保した上でICGを静注し阻血域を確認。
https://conks.jp/kangeka43/download/kangeka43_program.pdf
Glisson茎やGlisson枝の周囲を剝離する際には,周囲の肝実質がLaennec被膜に覆われた状態で剝離を進めることができれば,肝実質を破壊することなくGlisson茎やGlisson枝を確保することが可能である(図4)。
https://www.kanehara-shuppan.co.jp/_data/emagazines/042152023055T/pageindices/index4.html#page=4
~確保する
合流部前面の肝実質を鋭的にメスにて一部切離しながら左肝静脈流入部を中肝静脈より確保しておく。
http://jlts.umin.ac.jp/images/20171128guide_text.pdf
グリソン枝を確保する の意味を生成AIに聞いてみた
「グリソン枝を確保する」とは、肝臓手術において非常に重要な手順を指します。
グリソン枝とは
- グリソン枝は、肝臓内の門脈、肝動脈、胆管を含む血管と胆管の束です。
- これらの血管と胆管は、肝臓の各区域や亜区域に栄養を供給し、胆汁を排出する役割を担っています。
「確保する」の意味
- 識別と分離: グリソン枝を周囲の組織から慎重に分離し、はっきりと見えるようにします。
- 制御: 必要に応じて血流を遮断できるよう、グリソン枝の周りにテープや糸をかけて準備します。
- 安全性の確保: 手術中の出血リスクを減らし、意図しない部位の血流遮断を防ぎます。
手術における重要性
- 精密な切除: グリソン枝を確保することで、切除すべき肝臓の部分を正確に特定できます。
- 出血制御: 必要な場合にグリソン枝の血流を遮断し、出血を最小限に抑えることができます。
- 肝機能温存: 不要な部分の血流遮断を避け、残す肝臓部分の機能を保護します。
腹腔鏡下手術での課題
腹腔鏡下肝切除術では、グリソン枝の確保が特に重要かつ技術的に難しい手順となります。医師は経験を積み、適切な手技を習得する必要があります。このように、「グリソン枝を確保する」ことは、肝臓手術の成功と患者の安全に直結する重要なステップなのです。
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「グリソンを肝内で確保する」というのは、肝臓の手術中に「グリソン鞘(しょう)」と呼ばれる部分を、肝臓の中でコントロールすることを指します。グリソン鞘は、肝臓に血液を送る血管や胆管を包んでいる組織です。手術中にこの部分をうまく扱うことで、肝臓への血流を一時的に止めたり調整したりし、出血を減らすことができます。簡単に言うと、肝臓手術で安全に手術を進めるために、重要な血管や管をうまく管理する技術です。
「グリソンを肝内で確保する」という具体的な作業は、グリソン鞘の中にある重要な血管(門脈や肝動脈)や胆管を物理的にしっかりと把握し、それらを操作・保護することです。これにより、手術中の肝臓への血流を一時的に遮断することができます。
具体的には次のようなことを行います:
- グリソン鞘を露出させる:まず、手術中に肝臓の表面からグリソン鞘を見えるようにし、そこにアクセスします。
- 血管や胆管を縛るかクランプする:肝臓に入る血管や胆管を一時的に縛ったり、クランプ(特殊な器具で圧迫して流れを止める)して、手術部位への血流を一時的に遮断します。これを行うと、出血を抑えながら手術を進めることができます。
- 手術が終わったら血流を再開:手術が終わったら、縛った血管を開放して血流を元に戻します。
こうした手順によって、手術中の出血量をコントロールしながら肝臓の特定の部分を安全に操作することができます。この手法は特に肝臓切除や移植など、大規模な手術で重要です。
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肝臓の区域
Healey & Schroyは門脈の血流分布に従って肝臓を左葉(左肝)と右葉(右肝)(1st-order division),さらに外側,内側,前,後区域(2nd-order division)に区分けした 1).そしてCouinaudは内側区域(S4)以外の外側,前,後区域をそれぞれ2分割(S2/3,S5/8,S6/7)し,これらを亜区域(3rd-order division)とすることを提唱した 2).しかし,亜区域は肝臓を表面から見て大まかに頭側と尾側に区分けしたものであり,必ずしも門脈の血流分布に従ったものではない.実際に,右肝では門脈前・後区域枝から分岐する分枝(しばしば門脈3次分枝と呼ばれる)が頭側と尾側に1本ずつであることは稀であり,その数や方向は様々である.そのため,わが国で一般的に使用されている亜区域の定義はいまだに曖昧なままであり,門脈3次分枝についても,左肝では2次分枝としての内側区域枝・外側区域枝が存在しないため,その定義は曖昧なままである.https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2023/lapa_02
外科手術動画
- Liver Surgery Video Tutorials ⑥ ALPPS <Prof. Dr. Luca Aldrighetti/ITALY> オリンパス https://www.olympusprofed.com/jp/gs/laphpb/33396/
- 医学界新聞プラス[第2回]Glisson一括処理の基本手技(肝S3亜区域切除術)『坂の上のラパ肝・胆・膵[Web動画付]』より大目祐介,本田五郎2023.07.07 https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2023/lapa_02
参考
- 肝の解剖とその診断 https://www.jsgs.or.jp/cgi-html/edudb/pdf/20061027.pdf