【循環器内科学】 冠血流予備量比FFR (Fractional Flow Reserve)とは

冠動脈狭窄の評価法 種類と歴史的経緯

冠動脈狭窄の評価法としては形態学的(解剖学的)評価法と生理的(機能的)評価法がある。形態学的評価法の代表が冠動脈造影coronary angiography(定量的冠動脈造影quantitative coronary angiography、QCA)であり、50年以上の歴史がある。それを補う方法として血管内エコー(intravascularultrasound、IVUS)が約20年前より用いられている。その後、より空間分解能の高いoptical coherence tomography (OCT)が開発された。生理的評価法としてはflow wireを用いて冠動脈血流を測定し得られるcoronary flow reserve (CFR)とpressure wireを用いて冠動脈内圧を測定し得られるfractional flow reserve (FFR)がある。(FRのすべて

FFR (Fractional Flow Reserve)の定義

下の動画は、7分弱でゆっくりとした聞き取りやすい英語で、わかりやすくFFRを説明しています。

Using a pressure wire in percutaneous coronary interventions (PCI) 2019/07/16 Medmastery

 FFR (Fractional Flow Reserve)とは

下の動画は15分弱で、もう少しくわしくFFRを解説。

Coronary Angiogram . FFR (Fractional Flow Reserve) 2020/06/17 White Board and Marker Cardiology Lectures

 

FFRを行う目的

日常臨床のなかでFFR計測は虚血の診断に加えて、PCI終了時の決定(術後の初期開存の確認)長期予後の予測にも有用である。FFRを計測することで、中等度冠動脈狭窄病変においてPCIをせずにdeferするかどうかの判断が容易になる。(FFRを日常臨床で使いこなす〜For the daily use of FFR〜【FFRを極める】 2017年9月13日 FRIENDS Live 2018, ゼオン・メディカル(株), 共催コンテンツ)

  1. 冠血流予備量比 (FFR) とは(阪和記念病院)狭窄病変によってどのくらい血流が阻害されているかを推測する指標です。通常は心臓カテーテル検査に続いて行います。心臓カテーテル検査による狭窄度から治療(経皮的冠動脈インターベンションなど)の必要性を判断します。また複数の狭窄病変がある場合には、治療の優先順位を判断することも可能です。

 

DEFER studyについて

FRmyoを指標に血行再建の適応を決定することの妥当性を検討したDEFER study7)や重症多枝疾患を対象に行われたFAME試験8)は,血行再建の適応は血管造影ではなく,FFRmyoを用いた生理学的狭窄重症度に基づいて行われるべきであり,虚血陰性と考えられる病変は治療しても予後の改善はない(治療しないほうがよい)ことを示した.(PCI時代に冠循環を見直す 第46回 河口湖心臓討論会  第46回 河口湖心臓討論会カテーテル治療ナビゲーションとしてのFFR の役割 FFR as the best navigator of coronary intervention–How to use pressure wire for clinical decision making–松尾仁司 心臓 Vol.45 No.3(2013)

JUSTIFY-CFR studyについて

  1. iFR, FFRとCFRの虚血診断の整合性 -JUSTIFY-CFRの結果から- 2018年5月31日 (株)フィリップス・ジャパン共催, FRIENDS Live 2018, 共催コンテンツ

 

FFR (Fractional Flow Reserve)測定の実際

FFR Basics: Performing an FFR Procedure – Mort Kern, MD 2012/04/11 Philips Image Guided Therapy Devices Morton Kern, MD University of California, Irvine Medical Center Orange, CA

  1. FFR測定の実際(eonet.ne.jp)

 

参考

  1. FFRのすべて 2020年6月 倉敷平成病院循環器科 岩崎孝一朗 今やFFRは冠動脈狭窄評価のgold standardと認識されている。‥ 本邦においても、2012年の春から診断カテーテル時のFFR測定が保険適応となり、FFRの臨床への普及には著しいものがある。
  2. 新しい血管の診断治療法サーモグラフィー付き圧ガイドワイヤーの可能性;冠動脈狭窄病変評価への応用 赤 阪 隆 史 生体医工学43(1): 24―31, 2005