インドシアニングリーン (ICG)をプローブとして用いた生体組織(血流)の可視化

ICGの承認

以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認

[効能又は効果]

  • 肝機能検査(血漿消失率、血中停滞率及び肝血流量測定)
  • 肝疾患の診断、予後治癒の判定
  • 循環機能検査(心拍出量、平均循環時間又は異常血流量の測定)
  • 心臓血管系疾患の診断
  • 血管及び組織の血流評価
  • 次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定 乳癌、悪性黒色腫(波線部変更)

[用法及び用量]

(割愛)

審査報告書 平成30年5月22日独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

ICGの保険適応は、①肝機能検査(血漿消失率、血中停滞率及び肝血流量測定)、肝疾患の診断、予後治癒の判定、②循環機能検査(心拍出量、平均循環時間又は異常血流量の測定)、心臓血管系疾患の診断、③脳神経外科手術時における脳血管の造影(赤外線照射時の蛍光測定による)、④乳癌、悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節の同定の4つでしたが、ICGによる血管、再建組織の血流状態観察(赤外線照射時の蛍光測定による)が公知申請されており、厚生労働省に2018年1月26日に認可されました。添付文書への記載はまだされていないので、2018年4月現在では適応外薬品の状態です。消化器外科手術時に、縫合不全予防のために腸管血流の状態をみることは有用であり、‥(長寿医療研究センター病院レター MAY 21, 2018)

ジアグノグリーン注射用25mg 作成又は改訂年月 2020年 10月改訂 ( 第1版 ) 効能又は効果 肝機能検査(血漿消失率、血中停滞率及び肝血流量測定)肝疾患の診断、予後治癒の判定 循環機能検査(心拍出量、平均循環時間又は異常血流量の測定)心臓血管系疾患の診断 血管及び組織の血流評価 次の疾患におけるセンチネルリンパ節の同定 乳癌、悪性黒色腫

<要望書の記載内容>乳癌手術時や乳房再建、また消化器癌手術時の再建臓器の血流評価などは、患者の生命予後を左右する重要な問題であり、その確認には確実性が要求されるため。<企業見解(適応疾患の重篤性の判断根拠>消化器癌手術では切除と再建を同時に行い、かつ操作する領域が広範囲に及ぶため侵襲が大きく、縫合不全や再建臓器壊死等の合併症を起こすことで致命的になることがあり、ア「生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)」と考える。また、乳房再建等の組織再建術では、皮弁壊死に至った場合には再手術が必要となるため、イ「病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」と考える。未承認薬・適応外薬の要望に対する企業見解 第一三共株式会社

 

インドシアニングリーン(ICG)を用いた臨床研究の事例

  1. 臨床研究実施計画・研究概要公開システム インドシアニングリーン 31件
  2. インドシアニングリーン(ICG)蛍光法による大腸切除時の吻合部腸管血流評価の臨床的意義に関する観察研究 2018年11月22日第1版  京都府立医科大学消化器外科では、大腸癌に対して腸管切除・吻合を伴う手術を受ける患者さんの内、ICG蛍光法による血流評価が施行される患者様を対象にその臨床的に有用性に関する臨床観察研究を実施しております。実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。
  3. インドシアニングリーン(ICG)ガイド付き腫瘍切除 St. Jude Children’s Research Hospital  開始日 2020-02-07 完成日 2022-12-31
  4. 特定臨床研究 初回公表日 平成31年2月26日  膵癌におけるインドシアニングリーン(ICG)静脈内投与下近赤外線スコープによる腹腔鏡下の遠隔転移検索の有用性についての試験 臨床研究に用いる医薬品等の概要 医薬品医療機器等法における未承認、適応外、承認内の別 承認内

ICGを用いた特定臨床研究

  1. 腹腔鏡下大腸癌手術におけるインドシアニングリーン(ICG)局注による部位別術中局在診断能の評価 ―単施設前向き研究― 初回公表日 令和2年11月11日
  2. 消化管癌術前に腸管にインドシアニングリーン(ICG)を投与し、カラー蛍光内視鏡観察を行うことによる術中支援システムの有用性 初回公表日 令和元年6月12日

特定臨床研究とは

  • 製薬企業から資金の提供を受けて行われる臨床研究
  • 国内で“未承認”あるいは“適応外”の、医薬品等を用いて行われる臨床研究

(厚生労働大臣認定 千葉大学 臨床研究審査委員会

承認と適応

  1. 承認審査と保険適応の分離:Empowerment(権限委譲)による一般市民の間のリテラシー育成を目指して 承認はほとんどそのまま薬価収載につながり、承認されても保険適応にならないのは、ワクチンや勃起障害治療薬などのごく一部の医薬品に過ぎない。
  2. 未承認薬・適応外薬とは 未承認薬とは、海外では有効性が証明され、承認・販売されているにもかかわらず、日本では承認・販売がなされていない薬剤のことです。
    そして、適応外薬とは、日本でも海外でも承認・販売されているが、適応症が異なり、日本では一部の適応症に使用できない薬剤のことです。
  3. 適応外使用 医薬品の承認と適応 FDAが新薬の承認を行う際、添付文書に記載された用法について申請が行われている場合には、その医薬品の特定の病態(例えば、乳がんなど)への使用だけが承認されます。その後製薬会社は、他の種類のがんの治療などその医薬品の他の用法に関する研究を継続する場合もあります。医師は、FDAが承認した医薬品を添付文書に記載されていない病態の治療のために処方したり、添付文書に記載されていない用法で使用したりすることがあります。これを医薬品の適応外使用といいます。がん治療では、医薬品の適応外使用は、さまざまな理由で一般的に行われています。第一に、FDAは特定の種類またはステージのがんの治療に限定して医薬品を承認することが多いためです。医薬品がFDAに承認された時点では、その医薬品の添付文書は過去に行われた研究を反映しているにすぎません。承認後に、他の種類のがんの治療に有効な使用方法を研究者らが同定する場合もあります。第二に、がん治療では多剤を併用することが多いためです。多剤を併用する場合、1種類または複数の種類の医薬品がしばしば適応外使用として用いられます。