アジュバントとは?

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アジュバントの思い出

自分が大学院生のとき、研究に必要なポリ黒―成る抗体を自前で抗作っていたのですが、兎に免疫するとき抗原タンパク質とアジュバントとを混ぜたものを兎に注射していました。先輩に言われてそうしていただけで、当時はアジュバントは免疫を引き起こすのに必要なものという認識でそれ以上深くは考えませんでした。

 

アジュバントとは

アジュバントと言う言葉は、ラテン語のadjuvare」(助ける)からきているそうです。

免疫学の教科書を読むとアジュバントの説明がありますが、いまひとつ断定的には書かれていません。

アジュバントがなぜ効くのかといった疑問に対し、経験的に抗原を保持するDepot効果)程度であろうといった理解がされていた程度で、詳細な作用機序、分子メカニズムの研究が立ち遅れていたからに他ならない。いまだに、免疫学の教科書にもアジュバントの分子レベルの作用機序は明確に記載されておらず、もっとも有名な免疫学の教科書でさえ、最近まで「immunologist’s dirty little secret」と揶揄されていたほどである。

現在最も理解が進んでいる作用機序はアラムによって投与部位で受けた細胞ダメージDAMPsを放出し、そのDAMPsによって免疫細胞の活性化をしている、所謂誘導性アジュバントとしての機序である。

誘導性アジュバント;温故知新のサイエンスの新展開 石井健、日下部峻斗、岸下奈津子、飯島則文、黒田悦史)

  1. アラムアジュバント効果に宿主細胞のDNAによる自然免疫が鍵を握る 石井健 大阪大学

 

アジュバントの発見と歴史

1920年代に、フランスのRamonがミネラルオイルを 英国のGlennyがアルミニウム塩(アラム)をアジュバントとして用いたのが始まりだそうです。

  1. アジュバント アレルギー66(6):815-816 2017年平成29年

 

新規アジュバント開発のための研究

  1. 自己集合性ワクチンアジュバントの発見 本成果は、2020年9月26日にドイツの化学専門誌「Angewandte Chemie International Edition」に公開 上杉教授らは8,000個の化学物質の中から水中で自己集合して巨大化する化合物を選び、その中からワクチンアジュバント活性のある化合物を見いだしました。その化合物の類縁体を化学合成することによって強力なアジュバント活性をもつ化合物を発見し、コリカマイドと名付けました。 コリカマイドは自己集合してウイルスに似た大きさと形状になり、免疫細胞に取り込まれ、Toll-like receptor 7というウイルス受容体に認識されます
  2. <アジュバント開発研究の新展開>石井健(独)医薬基盤研究所大阪大学免疫学フロンティア研究センター 第9回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会平成27年1月30日(金)
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